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ほめると叱るは必ずセットで
前回まで、褒めて育てるということについて書いてきました。
しかし、それだけで子供を立派に育てられることは絶対にありません。
ほめて育てると同時に、きちんと叱るということもしなければ、子供が常識ある人間に育つことはありません。
なぜならば、社会経験が圧倒的に不足しているため何が正しくて、何が間違ったことなのか、ということの判断がつかないからです。
良い部分をほめるだけで、悪い部分を叱らなければ何が悪いことなのかを知らないままに育ってしまいます。
いじめはもとより、最近では振り込め詐欺に加担したり、危険ドラッグの売人や運び屋をしたりする10代の子が増えています。
このような子どもたちは叱られずに育った、典型的な例だと言えるでしょう。
ただ、このような悪いこと、犯罪行為に走るという極端な例だけではありません。
不登校や引きこもり、ニートというのも、ほとんどが親がきちんと子供を叱ってこなかったために招いた結果なのです。
それでは正しい子供の叱り方とは、一体どのようなものなのでしょうか。
答えは、とても簡単です。
前回は、子供をほめるのは心の成長が見えたとき、結果や成果に対してでなく、がんばりをちゃんと認めてほめてやるということを説明しました。
叱る場合も同様に、行動や結果だけではなく、その心に目を向けなければなりません。
テストの結果が悪かったから、スポーツで負けたから叱るなどというのは、論外です。
人を傷つけた、バカにした、騙した、ウソをついた、自己中心的なふるまいをした、といったような最低限のモラルが守れなかったときには、当然叱らなければなりません。
それから、怠けた、さぼった、礼を失したといったような行いに対して叱っていきます。
ただし、例えば、勉強を怠けたからといって、むやみに叱ってはいけません。
それは、子供が自ら望んでやっていることなのか、それとも、義務教育で仕方なくやっているのか、親が無理やりやらせているのか、といったそれぞれのケースで異なってくるのです。
自分が望んでしていることであれば、それを怠けたり、途中で投げ出したりしたときは、その心の弱さを叱ってやらなければなりません。
しかし、義務教育で仕方なくやっている場合は、最低限の点数が取れる程度にやっていれば、叱る必要はありません。
ただし最低限の点数をとるというのは、嫌なことでも我慢してしなければならないことがあるという、社会人になるための基本的なルールを守る練習ですから、これはさせなければなりません。
それに対して、いい学校に行かせたいとか、まわりに自慢したいといった親のエゴから勉強させている場合は、もう言うまでもないでしょう。
このように、子供を叱るのは、心が悪い方、弱い方に向かったときなのです。
これがなければ、子供は絶対にまともな社会性を身につけることはできません。
その結果、不登校や引きこもりばかりでなく、社会の現実にとまどい心を病んでしまったり、安易に犯罪に手を染めてしまったりするようになってしまうのです。
ただし、不登校や引きこもりになってしまってからの叱り方には気をつけなければなりません。
お子さんの不登校や引きこもり、ニートに悩んでいるほとんどすべての親御さんに共通した問題点があります。
それは何かというと、子供に対して毅然とした態度をとれないところです。
そして、その理由もだいたい共通しています。
それは何らかの負い目を子供に感じていて、子供の言いなりになってしまっているところです。
負い目自体は、夫婦仲が悪かった、離婚した、勉強を厳しく強制してきた、自分のことで忙しくてかまってやれなかったなど人それぞれですが。
結局、そんな自分の負い目を和らげるために、小さい頃から欲しがるものをなんでも買ってやったり、言いなりになってやったりしてきて、いざ、子供が学校に行かないと言い出したときには、もはや親の言うことを聞く耳などなくしてしまっているというパターンがほとんどなのです。
そんな甘やかしの中でも一番やっかいなのが、スマートフォンです。
端末だけでも数万円、月々の維持費も7,8千円もかかるようなものを普通に中学生や高校生の子供に持たせるという、その考えが私には理解できません。
小学生の子供にすら持たせている親御さんもいます。
もちろんこれは、子供が不登校や引きこもりになっている家庭だけでなく、一般の家庭でもそうですが、私には、甘やかし以外にスマートフォンや携帯電話などを子供に持たせる納得できる理由がわかりません。
『みんな持ってる』という子供の言葉を鵜呑みにしている親御さんもいますが、子供の『みんな=全員』ではないのは常識でしょう。
子供のそんな誇張し、甘えた催促にはのらず、自身の価値判断で毅然と子供のわがままにNOと言える親御さんも少ないながらもいます。
そんな親御さんのいる家庭では、ひどいいじめを受けたり、性格のゆがんだ体罰教師などがいたりしない限り、子供が不登校や引きこもりになることはありません。
さらに、スキンシップ、アイコンタクト、語りかけという愛情表現もちゃんとできていれば、子供が精神を病んだりすることもなく、素直でいい子に育つでしょう。
もちろん、それで社会で成功できるとはかぎりません。
いい会社に入ったり、事業を起こして成功させたりというのは、性格や善良性とは一切関係ないからです。
むしろ、平気でウソをついたり、人を裏切ったり、利用したりするような人間のほうが、この社会では成功しやすいかもしれません。
もとい、子供に大金がかかるうえ害にしかならないスマートフォンなどを持たせるのは、ハッキリ言って甘やかし以外のなにものでもありません。
百歩譲って、『スマホの料金などは小遣いの内だから、その程度の金のことで甘やかしてると言われても・・・』という裕福なご家庭もあるかも知れません。
それならそれで、夜間は親が預かり一切使わせないとか、1日2時間までとか、ちゃんとしたルールを作ったうえで買い与え、それができなければ取り上げる、といった管理を親がきちんとするべきなのです。
それができないのであれば、やはり単なる甘やかしであり、子供の言いなりになっているに過ぎません。
実際、子供が不登校や引きこもりになって、1日中スマートフォンでゲームをしたり、動画を見たりしているのに、スマートフォンを取り上げたり、解約したりできない親御さんばかりなのです。
それはもう、100%そうなのです。
これは、不登校や引きこもりだけでなく、中高生で何十万人もいると言われているネットやスマホの依存症も同様です。
単純に、取り上げたり、接続を解約すればすむことなのですが、それができないのです。
子供を甘やかしすぎた結果、たったそれだけのことができず、余計に子供の精神状態を悪化させてしまっている、そんな信頼関係の乏しい親子関係こそが、不登校や引きこもり、ネット依存の根底に横たわる大きな原因なのです。
愛情と甘やかしは、まったく別ものであることを、しっかりと認識してください。
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