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自閉症スペクトラムとは
自閉症というと、もともとは知的障害の一種を表す言葉であり、それに対して自閉症スペクトラムは知的障害はないけれど他人や外界のことに関心が薄く、自分のカラに閉じこもってしまいがちな症状を表すことは、こちら『発達障害の基子供の育て方』で述べたとおりです。
スペクトラムというのは虹のように無段階に症状の重軽があるという意味ですが、そんな曖昧な定義のおかげで、自閉症スペクトラムは数百万、場合によっては数千万人が当てはまる性質になってしまっています。
いじめとか対人トラブルといった明確な理由のない不登校や引きこもりの人の多くが、自閉症スペクトラムと診断されます。
そのようなわけで、人数的にいえば本来の意味の自閉症の人よりも自閉症スペクトラムの人が圧倒的多数になってしまったため、今では自閉症スペクトラムの人も普通に自閉症と呼ばれることも多くなってきました。
ですから、私自身も自閉症スペクトラムを単に自閉症と表現することもあります。
このページでは自閉症スペクトラムについて正しい知識をもっていただくことを目的としていますので、自閉症と自閉症スペクトラムとを分けて説明していきます。
他のページでは、先に述べたとおり『スペクトラム』を省略しているケースもありますので、それぞれ文意にしたがって判断してください。
自閉症スペクトラムは、文字どおり自分のカラに閉じこもってしまいがちな性格、症状を言います。
具体的には、他人とのコミュニケーションがうまくとれない、他人に興味、関心がない、ひとつのことにこだわって同じ行動、思考をくり返すなどがあります。
ただ程度の差こそあれ、このような傾向のある人は無数にいます。
日本人男性なら8割がたはこれらに当てはまると言っても過言ではありませんし、女性にもそのような人が増えつつあります。
もともと自閉症スペクトラム的な傾向は人間の本質的な特徴であり、昔からありました。
ですから、これも他の発達障害と同様に程度の問題なのです。
ただ、近年とくにその度合いの強い人が増えているのは事実です。
そして、その大きな要因として携帯、スマホ、パソコンの影響があげられます。
子供の行動障害(発達障害)と母親の携帯使用状況との関連について、 妊娠中、出産後に携帯を使用していると子供が行動障害を発症する確率が50%も高くなるという研究結果が、イギリスの医学雑誌に載っています。
『 妊娠中の携帯使用、子どもの行動障害リスク高める可能性 研究』
行動障害というのは、発達障害に併発しておこる症状で自傷行為や他害行為などの問題行動をしてしまうものを言いますが、そんな行動障害だけでなく、携帯の影響というのは自閉症スペクトラムや発達障害全般についても、多大なものがあると考えられます。
実際に、携帯の普及に比例するように顕著な発達障害の症状が見られる人が急増してきました。
記事では直接の因果関係は不明と書いてありますが、その原因は電磁波であると考えるのが妥当でしょう。携帯が妊婦さんや胎児に与える害と言えば、それ以外にありえません。
まさか数百グラムという携帯の重さが、母体を突き抜けて胎児の脳や心に影響するわけがありませんからね。
また、もうひとつの根拠として家庭内でのWifi(無線LAN)の普及とともに、さらに発達障害の人が増えていることもあげられます。
不登校や引きこもりで発達障害やうつ的な症状がある人のご家庭では、9割以上がWifiを利用されています。
そのような事実から、私は携帯やパソコン、その他の通信機器からの電磁波が、発達障害だけでなくうつ的な症状を発症させたりと、人間の脳にも大きな害をあたえていると確信しています。
ただ自閉症スペクトラムに関しては、携帯の影響は電磁波だけにはとどまりません。
乳幼児をつれたお母さんが子供そっちのけでスマートフォンに熱中している光景をよく見かけますが、そのように親から無視されつづけると子供はだんだんと心を閉ざして、感情を表さなくなってしまいます。
また、子供をおとなしくさせるためにスマートフォンで動画を見せたり、ゲームをさせたりする人も多いようですが、常用させていると他人への興味や関心が薄れてしまい、自閉的傾向をもちやすくなります。
そしてこれは、小さな子供だけにかぎりません。
10代、20代で不登校や引きこもりになった子が携帯やパソコンを1日中使いつづけていることは多いのですが、どんどん内向的になっていき、とくに自閉症スペクトラムの人は、ますますその傾向が強まってしまいます。
スマホ、パソコンでもオンラインゲームやSNSなどで人とつながることはできると思われるかもしれませんが、それは決して人とのコミュニケーションではありません。
それは単なる機械との対話でしかありません。
近年では人口知能(AI)の性能が飛躍的に向上していますが、そんなAIと対話しているのとまったく変わりません。
不登校や引きこもりになって携帯やパソコンを1日中使っている人で、コミュニケーション能力が優れている人はひとりもいません。
もちろん、もともと人とのコミュニケーションに難があるから不登校や引きこもりになっているのでしょうが、毎日のようにオンラインゲームで他の参加者と対話している人でも、残念ながら対面での会話能力はぜんぜん上達していません。
ですから、発達障害の中でもとくにコミュニケーション能力に問題のある自閉症スペクトラムの人が携帯やパソコンを使うことは、二重に症状を悪化させることになるので要注意です。
自閉症スペクトラムだけでなく発達障害は先天的な脳の問題であると考えている人は、研究者の中にも多いようです。
しかし、私はその傾向をより顕著なものにしてしまうのは、育て方が大きく影響していると考えています。
先に述べたような携帯やパソコンを常用させることによる影響以外にも、育児環境というのは子供の心の成長度合いを大きく左右してきます。
基本的に人間の性格、性質は、先天的にもって生まれたものと後天的に作られたものと両者が組み合わさって作られていきます。
ですから発達障害にみられるような性格、性質も、育つ環境の影響を受けるのは、むしろ当然なのです。
例えば、親が自分勝手で自己中心的な性格で他人に対してわがままに、あるいは暴力的にふるまっているのを子供が見て育てば、大抵の場合、子供もそのような性格になってしまいます。
これは、立派な人格障害です。
もちろん、このようなケースでは親自身も人格障害(パーソナリティ障害)の傾向が強くある状態なので、子供の性格も先天的な遺伝の影響も大きいと言えるかもしれません。
残念ながらおなじ人間を別々の方法で育てるということは不可能なので、人間の性格、性質は生まれつき決まっているんだと言い張られるとどうしようもありませんが、ただ似たような例で、先天的性質や遺伝と言えないケースもあります。
それは血のつながらない義理の父親によるDVや虐待を受けて育ったケースです。
父親が母親にひどい暴力をふるっているのを見て育ったり、親から虐待されて育ったりした子は、奥さんや子供に同じことをしてしまうことが多々あります。
これは虐待の連鎖と言われますが、義理の父親の暴力的なふるまいであっても子供の心に暴力の根を植えつけてしまうのです。
このことから、遺伝だけでなく後天的な環境も人間の性格、性質をかたちづくる重要な要素になることがわかるのです。
ですから、発達障害は先天的な脳の問題であると考えている専門家もいるようですが、私は発達障害も、そのうちのひとつの性質である自閉症スペクトラムも育つ環境によって作られている部分が大きいと考えています。
親自身がまわりのものや人に興味をもたず、どこにも出かけなかったり、誰ともつき合わなかったりすると、子供もそのような性格になりやすいものです。
親がそれに加えて、自分の子供にまであまり興味、関心をもたず、ほったらかしにしていたりすると、子供は自分のカラに閉じこもってしまいます。
先天的に明るく活発な性質を備えた子であっても、そのような環境で育ってしまうと、もともとの性質も壊されてしまうでしょうし、先天的に控えめでおとなしい性質の子であれば、自閉的な傾向をどんどん強めて自閉症スペクトラムになってしまう可能性は非常に高いと、私は考えています。
そして実際、自閉症スペクトラムは後天的な環境や育て方によって作られるところが大きいとの考えのもとカウンセリングや心理療法をおこなっていて、多くの人たちが改善して社会に出ています。
もし自閉症スペクトラムが、いやそれ以外の人間の性格や性質も遺伝的、先天的なものであれば、それを改善させることは不可能ということになってしまいます。
『発達障害は、育て方は関係ありませんよ。生まれつきのものですよ』
と言われれば、親御さんはほっとするかもしれません。
しかし同時に、これからどのように対処しようと一生改善させることはできない、という絶望に突き落とされるということになります。
逆に
『発達障害は、育て方も影響していますよ』
と言われると、自分のせいだったのかと責任を感じてしまうかもしれません。
しかしそれは同時に、これから対応しだいではいくらでも改善させることができるという希望がえられるのです。
発達障害専門のカウンセラーという人も増えてきましたが、そのほとんどが発達障害は育て方は関係なく、あくまでも先天的な脳の問題であるとしながら、『ウチのプログラムで改善させます』といったような矛盾したことを言っています。
私は臨床カウンセラーではありますが、研究者でもありますので、そのような理に合わないことは言えません。
ですから厳しいと思われるような事実でも隠さず述べますが、そのほうが長い目で見ると必ず多くの人の役に立つと信じています。
自閉症スペクトラムに関して言えば、あきらかに育て方も関係しています。
しかし、そう診断されたからといって、先天的な障害であるとあきらめてしまう必要はありません。
次に紹介するように難しい性格、性質ではありますが、適切に対処をすれば多くの場合、普通の生活をおくれるようになるので希望をもってください。
他の発達障害に比べると自閉症スペクトラムの子は、少し育てにくいところがあります。
それは言うまでもなく、その特有の性格、性質から人と交わることが苦手で、不登校や引きこもりになりやすいということです。
ちなみに、混同されやすいのですが、人見知りとか、人が苦手という性格は自閉症スペクトラムではありません。これはコミュニケーション障害となります。
人見知りを発達障害と言ったら、ほとんどの人間が発達障害じゃないか、と思われるかもしれませんが、そのとおりなのです。
とにかく近年では、学校や社会になじみにくいネガティブなイメージのある性格、性質はすべて発達障害と定義されてしまうような風潮があって、発達障害の種類はどんどん増えていっています。
もちろん、単なる個性でなく発達障害と判定されるのは生活に支障をきたすぐらい度合いが強いケースになりますが、その度合いもどこまでが正常でどこからが異常であるという基準はないので、誰でもが発達障害と診断されうるのです。
なぜそんな状況になっているのかというと、そこには子供を管理する学校や教師など大人の事情があるのですが、それについてはまた別のところで述べていきます。
もとい、自閉症スペクトラムの人は、自分の興味あること以外には関心を示さないという性質をもっています。
ですから、人見知りというよりも人に関心がないし、人がいても気も使わない、という自分中心的な行動が多くなってきます。
そんなことから学校生活についていけず、不登校や引きこもりになってしまうことがよくあるのです。
ただ、自閉症スペクトラムには他の発達障害と違うやっかいな特徴があります。
それは、度合いが軽くても、いや、むしろ軽いほうが深刻な問題に発展しやすいところです。
極めて重度の自閉症スペクトラムは、知的障害をともなった【自閉症】となるのですが、そこまでいかないぐらいの重度な自閉症スペクトラムは、日常生活は普通におくれるものの、ほとんど他人に興味を示さず、交わろうともしないといった性格になります。
ですから学校や社会といった集団の中で生きていくのは難しいものですが、最初からそこまで人や社会を拒否している子には、親もそのつもりで覚悟を決めて育てていくことができます。
学校には行かなくても、得意なものを見つけて才能を伸ばしてやったり、親の仕事をついで自活できるように工夫してやったり、資産を残してやったりすることもできるでしょう。
それに対して、自閉症スペクトラムの傾向がある子でも度合いが軽い場合は、学校などでも集団にあわせなければならない、自分の本心を抑えてでも友達の輪の中にはいらなければならないと思って、がんばってしまいがちです。
親からすれば、そうやってみんなに合わせてくれているのを見るのは、うれしいものでしょう。
しかし、実はそれが非常に危ないのです。
なぜならば、自分の意に反して他人にあわせた行動をするということが、自閉症スペクトラムの人にはそうでない人の何倍もしんどいことなのです。
それは例えば、極端に運動神経が鈍くて運動がまったくできない人が、毎日何時間も体育の授業を受け続けているようなものです。
あるいは、音痴で歌うのが嫌いな人が、毎日何時間も歌わされているようなものです。
そんなつらい生活を何年も続けていると心が病んでしまうのは、必然の結果と言えるでしょう。
そうやって長年がまんにがまんを重ねているうちに、心はどんどん病んでいってしまいます。
場合によっては、ひどいうつ症状を発症してしまうこともありますし、家庭内で暴れたり、暴力をふるったりするようになることもあります。
こうなると軽度の自閉症スペクトラムといっても、心身の健康を回復して社会復帰するには、とても時間がかかります。
ですから自閉症スペクトラムの場合は、度合いが軽いからといって油断は禁物なのです。
ただ、軽度〜中程度であれば子供のうちならその性質を改善させることはできます。
そしてその対処法も、社会に適応できるようにしつけや教育をしてやるという、ごく当たり前のものですから、なんら難しいことはありません。
うちの子は、どこか自分勝手で人付き合いも苦手なようだと感じたら、より慎重に子育てをしてください。
それだけで、自閉症スペクトラムの影響は最小限にとどめられるでしょう。
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