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不登校、引きこもりの最近の傾向
以前、新聞の広告欄で『保育園義務教育化』という本の紹介を見て、そのタイトルと広告内容だけで批判的なことを書いたことがあります。
先日たまたま立ち寄った書店で、この保育園義務教育化論の本が置いてあったので、パラパラと目を通しましたが、やはりその内容はやはりかなりの暴論が目立つものでした。
あまりにも幼い理屈を並べ立てた内容に一体どんな人が書いたのかと思ってプロフィールを見ると、古市憲寿という社会学者でしたが、予想どおりまだ30歳のお子様でした。
結婚も育児もしたことないことは内容から丸分かりです。
(もし、この著者が子持ちでまともに育児をしているとすれば、私は心理カウンセラーの看板を下ろしてゼロから修行しなおします)
もちろん、本に書いてあったような未熟な論理は大多数の日本人には受け入れられないことと思います。
また、この著者はテレビなどにも出ていて、やはりその奇抜な性格や言動で、頭は良いけど痛いキャラとして扱われているようで少し安心しました。
この本を読んでいない方は、何がそんなにいけないのかと思っていることでしょうが、保育園の義務教育化云々は以上に、心というものを完全に軽視しているところが問題なのです。
本の内容としては、うなづけるところもあるにはあります。
例えば、育児を母親が一人でこなすのは大変であり、夫婦で分担すべきであるといった当たり前のことも書いてあります。
ところがその延長線上で、保育園を義務教育化して早期教育することで優秀な人間を作ることができるいう論調には、心を無視の成績至上主義以外のなにものでもありません。
また特にそれを正当化すべく、母性本能や母性愛などはそもそも存在しない、ただの幻想だと切り捨てるに至っては、もうあきれるしかありません。
なぜこのような非人間的な考え方ができるのかと不思議に思い、ネットで古市氏のことを調べてみました。
すると、前々から私が危惧していた若者の心の退化が広がりつつあることが再認識できました。
心の進化とは、思いやり、優しさ、まごころ、ひたむきさ、謙虚さ、そして母性や父性といった心からわき出る人間特有の気持ちが強くなり、損得勘定ぬきの自己犠牲的な行動ができることです。
それに対して心の退化とは、そのような人間特有の思いがわきにくくなり、自分さえ良ければいいという動物的な本能が強くなり、それがそのまま行動や言動として出てくるようになることです。
これはこの本の著者だけでなく、現代の若者に広まっている傾向であり、そのような自分が受け入れられないことから不登校や引きこもりになっているケースが年々増えているのです。
そしてそれはその人の本質的な性質、性格だったりするので、なぜ自分が人から受け入れられないのか、それが理解できないのです。
この心の退化は、不登校や引きこもり、ニート、家庭内暴力といった問題だけでなく、これからの子育てにも考慮していかなければならない問題ですので、引き続き解説していきます。
若者の心が退化して、人間らしい感情が失われているということは不登校や引きこもりのお子さんを抱えている親御さんの中には、なるほどと納得される方も多いことと思います。
それではなぜ、人間らしい心が失われるような心の退化が起こるのでしょうか。
今の親世代の食生活の変化、化学物質や電磁波、農薬などの害などによる先天的な脳の変質も要因のひとつだと思います。
ただ、それと同じか、それ以上に大きな要因は、やはり幼少期から少年期の環境であると思います。
0歳、1歳の乳児は大人の区別などつかない、親でなくても赤の他人が入れ代わり立ち代わりして面倒を見てもわからないだろうと思えるかもしれません。
しかし、赤ん坊でも意思表示できないだけで、五感も、判別能力も、記憶力も普通の人間とまったく変わらないのです。
いや、それどころか、しゃべったり、立ったり、歩いたりできない分、他の感覚は大人よりもはるかに優れているのです。
そんな時期に、保育士というたいしてその子に愛情もない赤の他人が長時間接するというのは、やはり心の成長を妨げてしまいます。
もちろん、実の親であっても子供に愛情をもてない、虐待してしまうというような、心の退化している親であれば、むしろ保育園や施設で育ててもらったほうがはるかにマシですが。
いずれにしても、乳児期の環境は大きな要因であると思います。
そして、もうひとつ、最近になって古市憲寿氏の存在を知って、以前からの疑念が確信に変わったことがあります。
それは、頭を使えば使うほど、心は反比例して退化していくということです。
頭を使うと、心は反比例して退化するというのは、一体どういうことでしょうか。
この頭をつかうというのは、お勉強のことだけではありません。
ネットやゲームなどもそうです。
ですから、もう少し具体的に言えば『脳を使う』ということです。
1日中パソコンを使っていても頭は良くなりませんが、それでも脳は使っています。
これは仮説ですが、私は五感や思考、体性感覚などは頭、心は胸にその中枢があると考えています。
実際、つらいことがあると胸が痛くなったり、楽しいことがあると胸がウキウキ、わくわくするような感覚になるのは、誰しも経験していることだと思います。
そのような、胸が踊るような経験を重ねていくことで、心が発達して人としての感受性が強く育っていくのです。
ですから、勉強やパソコン、スマホなどで頭(脳)ばかりを使っていると、心はだんだんと働きが鈍ってくるというわけです。
実際に、小さい頃から勉強勉強で過ごしてきたり、進学校などに通っていたりして、不登校や引きこもりになった子の多くは、やはり心の感性がにぶっています。
また、普通に社会で活躍している人の中にも、特に一流大学を出てエリート街道を歩んでいる人たちにも同様の傾向が見られる人が多くいます。
【保育園義務教育化】の著者、古市憲寿氏に限らず、テレビに出てくる著名人でも、理知的であったり、経営手腕に優れていたりするような人が、やはり人間味にかけているような発言をしていることが多々あります。
このようにおなじ種類の人間なのに、社会に対する関わり方がぜんぜん違っているのは、一見不思議に思えますが、頭(脳)を使うほど心は退化すると考えれば納得できます。
銀行員はまさにエリート中のエリートですが、相手が路頭に迷おうが、首をくくることになろうが、容赦なくお金を引き上げるといいます。
大企業が下請けに無理難題を押しつけることは、公然の事実です。
多くの官僚が、国民の利益よりも自分や所属の省庁の利益を再優先にしているのも言わずもがなです。
そして、親がどれほど悩み、経済的にも苦しんでいようが、家に引きこもってわがまま放題にふるまう人たち。
心が退化するということは、人を思いやる人間的な心から、自分さえ良ければいいという利己的な動物的な心に近くなるということです。
おなじ心が退化するのなら、他人を傷つけたり、迷惑をかけたりしないだけ、引きこもっているほうがマシだという考え方もありますが、不登校や引きこもりの人たちを立ち直らせるのが私の仕事です。
心の回復は二の次にしても、まずは社会復帰させることを考えています。
それではどうすれば、引きこもりの人が社会復帰できるのか、心の状態が同じなら社会に出ている人と出られない人で、どこが違うのでしょうか。
心が退化していても、社会に出てバリバリと活躍している人と家に引きこもって家族に多大な心配と迷惑をかけている人とがいます。
つまり、心の退化は人間的な心が強いかどうかというだけであって、直接、不登校や引きこもりには関係がないということです。
それでは、普通に社会に出ている人と引きこもっている人との違いは何でしょうか。
それは、生命エネルギー、いわゆるバイタリティーの差です。
引きこもっている人は総じて、バイタリティーに欠けています。
最近では、本当に電池が切れかけたロボットのようにしゅ〜んとふさぎこんでしまって、話しかけても廃人のように無表情で黙りこんで固まってしまう人が増えています。
バイタリティーの欠如は、草食系男子などという言葉が一般的になってしまったように、若者全般に見られる傾向です。
そんなおとなしい若者の中でも特に身体も心も弱い人が、不登校や引きこもりになってしまっているようです。
そしてバイタリティーにあふれている人は、少ないライバルの中で仕事もバリバリとこなして、趣味も恋愛も思う存分楽しむという充実した人生を送ることができるのです。
精神的な疾患のため引きこもりになっている人は、そちらの治療が先決です。
しかし、病院に行ってもうつ病でもなく、その他の疾患も見当たらないのに、エネルギーが切れたかのように人とまともにコミュニケーションをとれない人は、やはりバイタリティーの欠如が大きな問題なのです。
このようなケースは、やはり枯れかけているエネルギーを補給するのが一番の解決法になります。
それでは、そのエネルギーというのは一体何かというと、ひとつは他者から受ける愛情、もうひとつは将来に対する希望です。
現代の若者がおとなしい草食系なのは、希望が持てない社会に育ってきたからです。
ですから、なかなかエネルギーを補給することは難しいのですが、あきらめる必要はありません。
とっておきの方法がありますので、紹介しましょう。
生命エネルギーは愛情や将来への希望がその源となるのですが、引きこもりの人たちがそれらを得る機会は少ないものです。
しかし、エネルギーを補給する方法は他にもあります。
ひとつは、偏食をやめて、栄養のあるものをしっかりと食べて、身体を動かすことです。
心と身体はつながっているので、身体にエネルギー源となる栄養を補給して身体をしっかり動かせば、心のほうにはエネルギーがどんどん蓄積されていくのです。
それは、風力発電で風車がまわれば電気が作られるようなものです。
ただ、引きこもりの人たちは、体を動かすどころか、栄養のあるものを食べるだけの元気すら失ってしまっていることも多いものです。
そんな場合は、どうすればいいのでしょうか。
そうなったらもう、直接脳を刺激するしかありません。
脳の刺激法はいろいろありますが、ほとんどが専門の知識と経験をもった心理療法士でなければ難しいところです。
ただ、親御さんがお子さんに家庭で施してあげられる方法がひとつあります。
それは、頭のマッサージです。
やり方は、私が開発した脳刺激療法、愛心セラピーをしてもらうのがベストですが、そうでなくても自己流のマッサージでもかまいません。
頭全体をまんべんなくマッサージすることで、脳の血流も良くなり、脳が活性化して徐々に身体全体にもエネルギーが満ちていきます。
エネルギーが切れた廃人のようにボーッとしている人に対しても、あきらめずに続けてください。
時間はかかるでしょうが、だんだんと元気が蘇ってくるはずです。
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