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住宅建設のコスト

家を手に入れる方法は幾つかあります。
家の価格は依頼先やグレードなどによって変わってしまいます

ムダにお金を使わずに適正価格の家を手に入れる方法をご紹介します



雑誌などに表示されている住宅価格


雑誌などに住宅価格。建設費が表示されている場合があります。

多くの人は、この価格を見て「こんな家が○○円で出来るんだ!」とか「坪○○円出せばこのくらいの家になるんだな!」と思ってしまします。

これは大きな間違いです。

家は「建設費」だけでは「住める状態」になりません。また、場合によっては設備工事費や電気工事費、キッチンや照明器具、カーテン、家具などが「別途」になっているケースがあります。

家を住める状態にするには、「別途」になっている分のお金も必要です。上記を含んだお金を誰かに払わなければ住める状態にはならないのです。

更に、家の登記の費用や水道加入金、電話の引き込み料なども家を手に入れる為に必要な費用となります。お忘れなく。


家を住める状態にするには、上記を踏まえた「複合的なトータルコスト」として考えて下さい。(下記でいろいろな費用をご紹介していきます)
家は建設費だけでは手に入らないことをご理解下さい。

又、雑誌などでは、家の性能グレードなどはわかりません。仕上材のグレードもわからないでしょう。

大体の雰囲気を、把握することはできますが、家の本質まで見極めることは難しいです。

雑誌はあくまで参考程度に見ることが良いと思います。


家を建てるには設計料が掛かる


家を建てるにはお役所の「許可」をもらわなければなりません。

「こんな家を建てたいんですが、いいですか。」と確認申請書を提出して、聞かなければなりません。

確認申請書に設計図を添付して、お役所の人に解るように示さなければいけないことに、建築基準法で決まっています。(必要ない地域が一部あります。)

お役所では、「設計図」を見て建築基準法に違反していないか審査をします。そして、違反していなければ、「許可」してくれます。

「法的に問題ない建物なので、建てても良いですよ」ということになります。

この「許可」をもらうには「設計図」が絶対に必要です。

設計図を作成するには、人件費が掛かります。つまり、「設計料」は絶対必要な費用なのです。


この設計料を「サービスします」とか「いらない」という業者があります。いらないという業者は儲けの中から設計料を捻出しなければなりません。

絶対になくすことのできない費用なので、建主は「儲かった!」と思いがちですが、実際はいろいろな材料費や手間代に上乗せになっているケースが多いです。

だって、材料が1000円なのか2000円なのか素人には解らないので、業者はやりたい放題です。騙されているケースが多いですね。


建築基準法で定められている確認申請以外に設計図が必要になる時があります。

それは、建主が業者と間取りや外観などの打合せを行う時と、家を造ってくれる職人さん達にどんな家を建てるのか理解してもらう為に必要となります。

建主が、どんな家になるか理解するために、平面図や立面図などの設計図は絶対に必要です。設計図がなければ、どんな間取りか、どんな外観が理解することができません。「全てお任せ」では怖いですよね。

また、見積りをするにも設計図がなければ、どんな大きさで、どんな仕様か解らないので金額を算出することができません。

家を造ってくれる職人さん達も設計図を見て、家の間取りを理解したり、外観や仕様を理解します。意志の疎通のためにも設計図は絶対に必要です。

この絶対必要な設計図を作成するには人件費(設計料)が掛かることをご理解下さい。


建設費は材料代と職人さんの手間代+α


家の「建設費」は材料代職人さんの手間業者の諸経費を合せた金額です。

「材料」はコンクリートや柱、梁、瓦、外壁材、フローリングや照明器具など、家一軒分だと20000アイテムほどになります。それらの購入費用が材料代です。

「職人さんの手間」は購入した材料を切ったり、張ったりして、家の部品として組み上げていく「人件費」のことです。加工技術や知識、経験がなければ出来ない仕事が多いです。

「業者の諸経費」はCMやチラシなどの宣伝費用や営業マンの給料、社長さんの給料、事務所の建設費や光熱費、交通費、電話代、ボーナス、接待ゴルフの費用、モデルルームの建設費など、「会社を維持していくのに必要な経費」と「現場で掛かる経費」があります。

現場で掛かる経費は、現場監督の給料や電話代など現場で工事を進めるのに必要な費用のことです。

家の建設費は上記3つの要素から算出されています。


上記の中で、ちょっと気になるのが「会社を維持するための経費」でしょうか。

モデルルームの建設費や維持費、営業マンの給料まで、建主が負担することになっています。そうしなければ、会社を維持することが出来ないからです。これって、建主にとっては、ムダなお金でしょうか。必要なお金でしょうか。

綺麗で豪華なモデルルームに惑わされる方が多いですが、ちょっと疑問を持ってしまいます。

更に、「今回は、特別○○さんの為に諸経費を全て値引きさせて頂きます。」という業者もいるかと思います。

私とすると「じゃあ。どうやって会社を維持していくの?」と聞きたくなります。「いや〜あ。特別なんですよ」と言うかも知れませんが、「何で、私だけ特別なの?」と聞きたくなります。

○○キャンペーン中とか決算だからと言うかもしれませんが、それ以外の時に頼んだ人は丸損って感じですかね。


  非常に疑問です。


「諸経費は値引きします」という業者は会社が成り立たない訳ですから、「あなたの会社は大丈夫。潰れない」と聞きたくなります。

でも、潰れないですよね。それは、建設費の「見積書」にカラクリがあるんです。

1000円の材料代を2000円にして見積もりに書けばそれで済んでしまうんです。わかりますか。

素人の方には材料代がいくらかわかりませんよね。だから簡単に騙されてしまうんです。

もう少しお話ししますと、職人さんの手間代は仕事が少ない時にはかなり、下げることが可能なんです。

職人さんは遊んでいるよりは仕事していた方が良いので、安くても仕事を請けてくれることがあるんです。そんなところからも捻出しているのが実情です。


家の建設費は材料代が1/2程度です。その他は人件費です。かなり調整することが可能です。調整範囲が広いので、儲かる家、儲からない家があっても、ある程度調整出来るのが現状なのです。
又、人件費が多いので、建設費がわかり難いと言われる根源ともなっています。


それと、もう一つ注意したいことは、「別途工事範囲」の把握です。

「家を建ててください」、「我が社で建てましょう」で契約は成立ですが、建設費の見積り金額(契約金額)だけで住める状態にしてくれるかは別問題です。


  怖いのは「別途」です。


悪徳業者になると、「水廻りの工事全てが別途です」と工事が終わってから言ってくる業者もあります。
電気工事は別途とか暖房工事は別途とか見積もりに入っていなから契約金額と別にお金をもらわなければと言い出す業者もいます。

また、見積り内容を良く確認しないと網戸が入っていないとか照明器具は別途になっています。なんてケースもあります。

悪徳業者は素人で知らないと思うと何をしてくるかわかりません。非常に怖いですね。気を付けて下さい。


家造りには、登録料・手数料・雑費も掛かる


家造りに掛かるお金は、建設費だけではないことはお話ししました。

家が完成したならば、建物を「登記」しなければいけません。

登記をすれば税金が掛かりますが、登記をしていないと他人が勝手に登記の手続きをとってしまったり、税金の滞納ということで、5年にさかのぼり税金を納めなければならなくなったりします。

他人に家の登記をされてしまったら、その家はあなたのものでは、なくなってしまいます。大変なことですよね。これは土地も同じなので忘れないで下さい。土地売買の時にも注意が必要です。

登記には、印紙税や登録免許税、不動産取得税、登録手数料などが掛かります。建物の大きさなどによっても金額が変わってきますので、司法書士の先生にご確認下さい。


住宅ローンを借りる時にも費用が掛かります。
手数料は銀行で負担してくれたり、別途だったりします。どこの銀行で借りるかによって掛かり方が違ってきます。金利も変わってきます。公庫を利用する時も費用が掛かります。
当然、お金を払わなければ貸してもらえないので必要な費用となります。

印紙税、登録免許税、登録手数料、登記手数料、融資手数料、特約火災保険料、特約地震保険料、団体信用生命保険特約料、保証料などがあります。銀行にお金を借りるのに必要な経費をご確認下さい。


雑費としては引越し代やゴミの処分費、電話の移設費用などがあります。

家を解体しなければならない場合は、その費用もお忘れなく。建設費の見積りで別途表示されていたら大変です。
30坪くらいの家を壊すのにも100〜150万円は掛かってしまいます。近年、ゴミの処分費が高くなりましたので、壊して捨てるのに、とてもお金が掛かります。

それと、近所の挨拶回りや地鎮祭、上棟式など、お祭りごともあります。地域によって違ったり、建主の考え方、お父さんお母さんの考え方で掛かる費用は変わってしまいます。算出は難しいですね。


家を住める状態にするための諸経費ということでは、家具代やカーテン代、電化製品代などがあります。当然、新たに購入するにはお金が掛かります。

新しい家に古い家具を持ち込むと、とても古臭く感じることがあります。全部を新調するには、とてもお金が掛かるので既存家具を生かしながら生活できるように設計をしなければなりません。

でも、家具で部屋の雰囲気が変わってしまうので、出来るだけ新調したいですね。その費用も最初から見込んでおくことが必要です。


上記は最低、家を建てた時に必要なお金です。建設費の1割程度はお考えいただいた方が最終的に、「あれも、これも出来て良かったわ」ということになります。資金繰りは大変ですが、家が完成してから「建てて良かった」と思うには必要なお金と言えます。


土地の購入料


家を建てるには、土地が必要です。親から譲り受けられる土地がある場合などは、費用が掛かりませんが、土地がない場合は資金繰りがとても大変になります。

「土地を買ったら借りられるお金が終わっちゃった」ということも起きそうなくらい、土地は高いです。
でも、家を建てるには必要なんですよね。頑張って取得するしかありません。


土地がない人は、別の見方をすると「好きな場所を選びたい放題」といえます。

いろいろな形状の土地や隣接地の環境が良い土地というのがあります。公園が近く、子供を遊ばせるのに適していたり、スーパーやコンビニが近かったり、広い無料駐車場があったりする土地を選ぶ権利を持っているとも言えるのです。

これはある意味メリットです。

いろいろなところを見て回って自分の気に入った場所を予算と相談しながら選びましょう。

土地選びだけでも、いろいろなメリット・デメリットがありますので、疲れてしまうかも知れませんが頑張って下さい。

「住みたいと思う土地」に家を建てることがお勧めです。だって、多分一生、その土地で生活していくのですから、気に入らない場所では、住み続けることがイヤになってしまう可能性があります。

家を建てる意味が半減すると思いますが、いかがでしょうか。


家を建てる為の総費用はいくらという考え方


家を建てて住める状態にする為には上記のように、いろいろな費用が必要です。

雑誌などの建設費や住宅価格、坪単価だけでは住める状態にできないことはご理解いただけたかと思います。

家を建て、住める状態にするまでの費用をトータル的に把握してください。総費用の把握がとても重要です。


ここからが考え方なのですが、3000万円で家を建て、住める状態にしたいと考えるならば、予定総費用の割り振りを考えましょう。

建設費は80%、登録料・諸経費が5%、雑費が5%、設計料が10%と割り振れば良いわけです。

諸経費や雑費に、これだけの余裕があれば住める状態にすることは多分可能です。ちょっとお釣りがくるので家具などの購入を検討しても良いかも知れません。


上記にない費用としては、土地の購入費があります。その他に、いろいろとケースバイケースでお金が掛かることがあります。それらを踏まえてトータル的な「総費用」を算出して下さい。

ここでは、トータル的な「総費用」という考え方を理解していただければ思います。


設計・監理を「専業」としている設計事務所のメリット


設計図が絶対必要な理由は上記でお話ししました。設計料も絶対必要な費用です。

この設計料は、設計・監理を「専業」にしている設計事務所に頼むと高くなります。


工務店やハウスメーカーに所属している設計士を使い、設計図を書くと安くなります。工務店などでは、社長みずから設計図を書くという場合もあります。

又、工事会社が設計をして工事をする場合は、○○工務店一級建築設計事務所とか○○ハウス一級建築設計事務所という別会社にしているケースが多いです。

これは、設計監理を専業にしなければならないということが法的に決まっているからです。

工事会社は自分と関係のない設計事務所に設計を頼むと、いろいろとやりにくかったり、煩わしかったりするので、自社に設計部門を設け、別会社として登録しています。でも、設計士はその会社に属しています。

単純に仕事し易くしているのですね。別に違法ではありません。ある意味、合理化です。

「じゃあ。わざわざ専業にしている設計事務所を使うより、安くて良いじゃん。」と考えられる人が多いと思います。確かに安いです。

でも、設計事務所を専業にしている私からすると、「専業にしている設計事務所にはそれなりのメリットがあるんですよ」と言いたいです。

だって、専業にしている設計事務所が、世の中にいっぱいあるのは、それなりのメリットがあるからなんです。

このメリットを一般の人達はあまり知らないんですよね。私は勿体無いことだと思っています。


メリットをお話しする前に、お役所の公共事業として建てられる建物についてお話します。
「俺には関係ない」と言わずに、もう少し聞いてください。


公共的な建物を建てる工事業者を決める前には、公平さを保つために「入札」という制度を取り入れています。ご存知ですよね。

まずは、設計図という「共通仕様書」を作り、どの工事業者が受注しても「同じ建物」になるようにします。

そして、この設計図(共通仕様書)を元に各工事業者が見積もりをするわけです。当然、「価格競争」となります。安い見積りを提出したところが受注できるという仕組みです。

この仕組みが成り立つ理由は、「設計図という共通の基準があるので、どの工事会社が受注しても同じ建物が建ちますよ」ということからです。

設計図(共通仕様書)があることで、同じ条件で工事会社を「価格競争」させることができます。つまり、「安く建物を建てられる」ということです。

設計・監理を専業にしている設計事務所を利用する一番のメリットはここです。


   「工事会社を競争させて建物を安く建てることができる」ということです。


これは、公共の建物に限ったことではありません。一般住宅でも十分可能なことなのです。

設計・監理を専業にしている設計事務所に、家の設計をお願いすれば、設計事務所では数社の工事業者から見積りをとってくれます。

建主は建物のコストを一番抑えた形で、家を手に入れることが可能となります。どうです、メリットに感じましたか。

「でも、設計料の方が高いんじゃないの」という方、もう少し聞いてください。


専業の設計事務所を使うと、もっとメリットがあります。

それは「手抜き工事の防止」や「別途工事の範囲の把握」、「見積りから落ちてしまっている事」などをチェックしてもらえることです。

専業の設計事務所は現場の監理もしますので、ポイントで現場に出向き、手抜きがないか、設計図と違っている部分がないかをチェックします。

知識を持ったプロが各部のチェックを行いますので、建主は安心して設計図通りの家が出来上がるのを待つことができます。安心だと思いませんか。


設計図には、かなり時間を掛けて、建主の夢や希望、要望を打合せしながら書き込んで行きます。

家を構成する全部のアイテムを説明することは不可能なのですが、殆どのアイテムを打合せしながら決めていきます。

外壁材や屋根材、床材や天井材、壁材、システムキッチンやユニットバス、洗面台などをこと細かく打合せを行い決めていきます。(もっといっぱい、いっぱい打合せをします)

それと、別途にする家具やカーテンなどのお話しもさせて頂きます。別途工事の範囲を把握することが可能となります。

また、建主が理解しやすいように外観の立体図や内観の立体図をコンピューターで作成し、打合せに利用しています。

建主は平面図や立面図では想像できない家を立体的に理解できるので、勘違いのない家を建てることが可能となります。

そして、設計図が完成し、数社の工事業者から出される見積書をチェックします。見積り落ちがないか、別途工事になっている部分はないかチェックします。


建主は金銭的にも、出来上がる家に対しても安心していられます。安心料も設計料のうちと考えることも出来ます。

どうですか、設計・監理を専業にしている設計事務所のメリットを理解していただけたでしょうか


因みに、設計料は建設費の10〜15%ですが、それだけの仕事量があります。そして、それだけ建主の為に時間を費やしますということです。

モデルルームの建設費、宣伝費、接待費などを払うと思えば、設計料は高い金額ではなくなってしまいます。

更に、「価格競争」で建設費を下げることが出来るとすれば金銭的なメリットも生まれます。


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