隙間風は、どこからやってくる?
隙間風は、どこからやってくるのでしょう? あの冷たい隙間風の正体はな
んなのでしょうか?
隙間風が好きな人は、いないですよね。部屋の中でエクササイズなどを行っ
て、体が熱くなっている人は、「涼しくて、気持ち〜い!」と思うかも知れ
ませんが、多くの人は「大嫌い!」ですよね。
単純に隙間風は、その字のごとく部屋にある「隙間」から入ってきます。
「じゃあ、隙間は、どこにあるの?」というお話ですが、いろいろなところ
にありますね。
多くの人は、障子やフスマの隙間をご存じだと思います。ここからはぴゅー
ぴゅーと隙間風が入ってきますね。昔の家だと柱と壁に隙間があり、そこか
らも入ってきます。畳と畳の間から入って来る家もあります。本当に古い家
だと床の板と板の見えないような隙間からも入ってきます。あまり、感じな
いかも知れませんが、天井の隙間からも入って来ます。
多くの場合は、部材と部材の合せ目の部分に隙間が発生し、そこから入って
来ています。
隙間風の入って来そうな場所を考えると、この大嫌いな隙間風を止めるのは、
なんか大変そうに思えてきますね。
実は、隙間があるだけでは、隙間風は発生しません。え〜えって、感じです
か。「だって、隙間から風が入って来てるじゃん」という方、少し話を聞い
て下さい。
私が言いたいのは、隙間があるだけでは、隙間風は発生しないということで
す。風のない春の終わりや秋のはじまりの頃は、隙間風を感じることがない
と思います。これは、部屋と部屋の温度差がなかったり、外気温と室内の気
温がほぼ同じ頃だからです。隙間風が発生しないのは、ぽかぽか陽気の頃の
話ですね。
冬に、隙間風が発生するのは、部屋を暖めるからダメなんです。「え、だっ
て暖めなきゃ寒いじゃん!」という方、その通りです。でも、隙間風が起き
ている原因は部屋を暖めるからなんです。
寒い廊下から寒いトイレに入っても隙間風は感じませんよね。でも、暖かな
部屋の隣に寒い部屋があると、暖かな部屋に隙間風が入って来ます。これは、
暖かな部屋に、隣の寒い部屋の冷たい空気が入り込んで来るので隙間風とし
て感じるんです。なので、部屋を暖めてはダメなんです。「なにそれ!」っ
て感じですかね。
これは、単純に隙間風が起きないようにと考えると、そうなるというお話で
す。
隙間風が、発生するのは暖かな部屋の空気が上に上に行きたがるので起こり
ます。暖かな部屋の暖まった空気は軽いので天井などの隙間から天井裏に、
行ってしまうんですね。そうすると、暖かな部屋の空気圧は「負圧」になり
ます。
空気圧が低くなるので、隙間から暖かな部屋に空気を引っ張りこもうとしま
す。ここで、暖かな部屋に「隙間」があると、当然そこから空気が入って来
ます。これが「隙間風」の正体です。因みに隣の部屋が寒かったら、冷たい
空気が入ってきますね。
隙間風は「温度差」があることで発生しているんです。
もう一つ、隙間風は温度差でなく、入ってくる場合があります。それは「風」
です。
外壁に隙間があり風が当たると、当然隙間から風が入ってきます。床下換気
口などの穴があるとそこからも入ってきます。
言葉では難しいかも知れませんが、風の当たっている外壁側は空気圧が高く
なります。
風が当たっている反対側の外壁は風が上空に流れるので空気の圧力が低くな
ります。負圧となります。
この負圧になったことで、外壁に隙間があると家の空気が引っ張り出されま
す。風の当たっている圧力の高い側から家の中に空気が入り込み易い状況を
作り出してします。自然現象は、怖いですね。知らないうちにこんなことを
していたんですね。
隙間風は「風」によって、思った以上に入ってきます。
●これから家を新築される方へ
隙間風は、意外と厄介です。外気を入れないようにと考えるだけであれば、
外壁の部分で気密を高くすると入ってきません。ビニールのようなもので、
家中を覆ってしまって、外気が家の中に入らないようにすれば、良いからで
す。でも、これだけでは、いろいろな問題が・・・。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは、断熱と気密を一緒に複
合的に考えるということです。快適な室内の温熱環境を整えるには重要です。
簡単にお話できることではないので、知りたい方は、お問合せ下さい。
|