地震で揺れない家に住みたいと思っている方はお読みください。
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地震で揺れない家


地震で家は、なぜ揺れるのでしょう。地震で揺れない家具

簡単です。地面が揺れるからです。地面が「動く」ので家が揺れます。

というわけで、地震で揺れない家を造ることは不可能です。(揺れが小さくなる家は造れます。免震構造の家です。ここではお話しませんので、他で勉強してください。)


地面が動くと、その上に乗っている家も動きます。これを「揺れ」として人は感じます。


地面は前後、左右、上下に動きます。地震の種類によっても違いますが、3次元的に斜め上や斜め下にぐるぐる廻るように動いたりもします。ガタガタと小刻みに動いたりもします。

地面が動くので乗っている家は、その動きの影響をまともに受けているのです。
そして、地面の動きがとても大きいと壊れてしまいます。


机の上に紙で作ったアリの箱の家を置きます。セロテープなどで固定して机を前後左右、上下に動かしても、アリの紙の箱の家は壊れません。弱い紙なのに、なぜでしょう?

答えは簡単です。丈夫だからです。家が地震で壊れるのは弱いからです。
アリの紙の箱の家は強く、人間の家は弱いのです。「え〜。。。」っていう感じですよね。


大きさや重さの比率の問題なのですが、人間の家は重さから考えると弱いということがいえます。ゆれる家
瓦などが乗っていると地面から離れたところが重いですよね。地面が揺れれば頭が重い状態ですので、大きく揺れますよね。頭でっかちで倒れやすかったりします。

アリの紙の箱の家は軽く、重さのわりに紙が強いのです。
人間の家も重さのわりに強い家を造れば壊れないのです。ちょっとわかりにくいですかね。

でも、感覚的には理解していただけたのではないでしょうか。


「じゃあ丈夫な家を造ってよ」という話になると思います。丈夫な家は造れます。お金を掛ければ造れます。

震度8や10ではビクともしない家を造ることは可能だと思います。でも、揺れを止めることは出来ません。地面が揺れるからです。

部屋の中の物は倒れたり、転がったりしてしまいます。危険を拭い去る事は出来ません。

家だけが地震に対して強ければ良いわけではありません。「地震対策のある家」を造りをしましょう。


「地震に強い家」ということですが、どのくらい強ければ良いのでしょうか。

「壊れない」というのと「倒壊しない」というのでは大きく違います。

「壊れない」は文字通り、地震がおさまったら、元の姿のままで、どこも壊れていないという状態です。

「倒壊しない」は潰れない、倒れないということです。こちらの場合は壁に亀裂が入ったり、ガラスが割れたりして、壊れる部分はあるけれども、建物とすれば立っていて人が外に逃げ出せるという感じですね。


建築基準法で定められている地震に対する基準は、阪神淡路大震災程度の規模の地震時に倒壊しないであろうという基準です。

現実問題として、「大きな地震でも壊れない家を造って下さい」と言われても、「無理です」としか言えません。

「倒壊しない家を造って下さい」ということであれば、現行の建築基準法を守れば大体は大丈夫だろうということです。(曖昧なのは地震が予測不可能だからです。)

私達、建築士は現行法規を守ることで大丈夫であろうという判断をしています。
国が作った基準を守ることで大丈夫だろうと判断しています。


お金を掛ければ地震に強い家は造れます。でも、強い家を造っても、その価値は地震が来るまで解りません。

どれだけお金を掛けて強い家にするかは、建主の考え方になります。

大きな声では言えませんが、「隣の家が倒壊していないのに何で家は潰れたの?」ということがないようにしたいですね。

殆どの家が潰れたら、「我が家も潰れたか」で仕方がないのではないでしょうか。
震災にあわれた方々からは、お怒りをかいそうな表現で申し訳ありません。

でも、お金を掛けて丈夫な家を建てたいと考えたとして、「じゃあ、どのくらい地震に強い家を建てたら良いのですか」となってしまいます。

そして、最終的には「地震に対していくら掛けられますか?」となります。

家を建てるには、どこかに基準を設けなければなりません。
多くの建築士は、建築基準法で定められた構造基準を守るということで、良しと考えています。
金銭的には、建築基準法が守れる最低ラインが一番安い状態ということです。

地震に強い家を造っても地震が来なければ、その価値は感じられません。お金の価値観の問題ですが、判断の難しいところだと思います。


構造設計では地震をXY方向とZ方向に分けて考えています。

平面図の横方向がX方向です。縦方向がY方向です。Z方向は縦揺れの方向です。

斜めの方向に動く地震はXとY方向に力を分解して、それぞれの方向の耐力壁(地震に耐える壁)が地震の揺れに耐えると考えていきます。

アリの紙の箱の家は紙なのにしっかりとしていて潰れないですよね。箱に掛かる揺れをX方向とY方向に分解して、それぞれの壁が負担しているので壊れないのです。
少しはイメージできますかね?

木造の家の耐力壁は、筋かいの入った壁のことです。耐力壁

この地震に耐える耐力壁が「バランス良く配置」されていないと、動きを負担するバランスが崩れ、ねじれを起こす可能性があります。大きな地震による動きだと壊れてしまいます。


家の形状によって、耐力壁の量や入れる場所を考慮しなければなりません。

2階がある場合は2階の動きと1階の動きが変わりますし、1階では2階の動きに耐えられなければなりません。

L字型や凹凸のある家では地震の力の伝わり方が特殊になり、ある程度分けた考え方をしなければならないケースもあります。

適確な「構造計画」が必要です。

残念ながら、建築基準法では耐力壁の大まかなバランスは定められているのですが、現実的な、地震の揺れに対する耐力壁の配置までは定められていません。

いろいろな形の建物がありますので、その全てを定めることは不可能です。

そこで、問題になるのが建築士の「構造計画」の能力です。

最終的にはどんな建築士が構造計画をしたかということで、地震に強い家、弱い家という分岐点が出来てしまいます。

建主には解り難くて、一番困るところですね。



地震に弱い建物


阪神・淡路大震災から大分時間が経ちますが、あなたの建物の
耐震性は、大丈夫ですか。
昭和56年以前の建物は、構造強度基準が低かったので危険です。
早期の耐震診断、構造強度補強をご検討下さい。



既存建物の構造強度の確認

設計の業務の中には、耐震診断と言うものがあります。それは、簡単に言ってしまうと既存建物の構造強度をもう一度、構造計算を行って耐震性を確認するというものです。
その計算結果によっては構造体の補強設計を行い構造体の補強工事を行っています。

耐震診断は一次診断、二次診断、三次診断と三段階に分かれており、一次から三次へ行くに従ってより詳細な診断をする事になっています。どの段階にするかは、建物の形状、柱・梁の大きさ、図面の有無によって見極めます。そこでの診断によって構造補強が必要か判断します。

建物は現在なんの問題もなく建っているので今すぐ壊れると言うわけではありません。ただ大きな地震、関東大震災級の地震が起きると昭和56年以前の建物は崩壊の危険があるということです。
平成7年12月に耐震改修促進法が執行されて昭和56年以前の建物の所有者には耐震診断を義務ずけました。3階建て千平方メートルの建物は耐震診断をしなさいというものです。

阪神・淡路大震災があってから官庁関係、民間企業共に耐震診断に関心が高く、古い建物をかなり診断してきました。ですが全て終わっている訳でなく大半が現状のまま放置されています。

これから大きな地震があるかも知れません。昭和56年以前の建物は、耐震診断をお勧めします。

上記事項は、鉄筋コンクリート、鉄骨造に関してのことです。木造の建物の場合は筋かいが平面に対してバランス良く入っているかということが問題になります。
建築基準法の筋かい量を確保すれば大地震に対して問題がないと言う訳にはいきません。その辺を注意してご自分の建物を見直してみて下さい。地震の時にご自分の財産を壊さずに済むかどうかという瀬戸際の問題だと思います。




耐震基準の改正


昭和22年 日本建築基準「建築物の構造計算」
昭和25年 建築基準法公布(水平震度0.2以上)
昭和27年 地域及び構造・地盤の組み合わせによる震度修正規定告示
昭和38年 建築基準法改正(高さ制限の撤廃)
昭和46年 建築基準法改正(帯筋の規制強まる)
昭和46年 日本建築学会鉄筋コンクリート構造計算基準改正
昭和52年 新耐震設計法(案)公表
昭和55年 耐震設計法の大幅改正(新耐震設計法)
昭和56年 新耐震設計法施行
平成7年 耐震改修促進法

昭和25年に建築基準法が公布され、昭和46年に改正されました。この時には十勝沖地震を教訓に地震に対する強度が補正されました。

その後、宮城県沖地震があり、昭和56年に新耐震設計法が施行されました。この時の基準は、関東大震災級(M7.9)の地震にも絶えうる構造基準とされており、阪神・淡路大震災の時は、人命に係わるほど影響は、殆どありませんでした。(一部施行不良有り)

そのことを返せば昭和56年の新耐震設計法の基準が妥当であったとも言えます。
ですので、昭和46年以前の建物はかなり地震に対して危険です。

昭和56年以前の建物においても大きな地震の時には、被害が大きくなると思われます。

又、平成7年には耐震改修促進法が執行され昭和56年以前の建物には耐震診断が義務ずけられました。



阪神・淡路大震災の写真

阪神・淡路大震災1

建物が地震により上下に動き中間層で破壊が起きている

阪神・淡路大震災2

建物が地震により上下に動き中間層で破壊が起きている

阪神・淡路大震災3

壁が偏ってあった為に大きな部屋の部分で破壊が起きた

阪神・淡路大震災4

鉄筋コンクリートの柱の破壊


建物の構造強度基準が昭和56年に大幅改正されています。この時の改正基準を守れば、関東大震災級の地震にも絶えうる強度を確保する事が出来とされています。

それ以前の建物は、構造強度に疑問がのこります。阪神・淡路大震災の時にも改正以前の建物の破壊が多く見受けられました。

昭和56年以後の建物は人に危害が及ぶまでの破壊に至ってはいません。(木造以外)



過去の主な地震と被害状況


過去の地震では、数多くの方が亡くなっています。大地震が起これば、倒壊する建物が今でも数多く残っています。貴方の建物は、大丈夫ですか。

明治24年10月28日 濃尾地震 死者7273人、
家屋全半壊222361棟
大正12年 9月 1日 関東大震災 死者99331人、
行方不明43476人、
家屋全半壊701627棟
昭和18年 9月10日 鳥取地震 死者1083人、
家屋全半壊13643棟
昭和19年12月 7日 東南海地震 死者998人、
家屋全半壊76139棟
昭和20年 1月 3日 三河地震 死者2306人、
家屋全半壊23843棟
昭和21年12月21日 南海地震 死者1432人、
家屋全半壊15640棟
昭和23年 6月28日 福井地震 死者7273人、
家屋全半壊222361棟
昭和27年 3月 4日 十勝沖地震 死者33人、
家屋全半壊2139棟・流失91棟
昭和39年 6月16日 新潟地震 死者26人、家屋全半壊8600棟
昭和43年 5月16日 十勝沖地震 死者49人、行方不明3人、
家屋全半壊3677棟
昭和53年 1月14日 伊豆大島近海地震 死者25人、家屋全半壊633棟
昭和53年 6月12日 宮城県沖地震 死者28人、家屋全半壊6101棟
昭和58年 5月26日 日本海中部地震 死者58人、家屋全半壊5089棟
平成 5年 1月15日 釧路沖地震 死者2人、家屋全半壊53棟
平成 5年 7月12日 北海道南西沖地震 死者230人、家屋全半壊601棟
平成 5年10月12日 東海道はるか沖地震 死者1人、家屋全半壊0棟
平成 6年10月 4日 北海道東方沖地震 死者0人、家屋全半壊26棟
平成 6年12月28日 三陸はるか沖地震 死者3人、家屋全半壊70棟
平成 7年 1月17日 兵庫県南部地震
(阪神・淡路大震災)
死者5464人、負傷者26803人、
家屋全半壊106763棟



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