Ex-diary 予感7

Extra diary

小ネタ置場。

破壊王子。輪っかベジたん。ちょっとした連載小説から日記での小ネタログ、その他分類不能な文章置き場です。連載小説はカカベジ/くだらないギャグ系中心。飽きたorくだらなすぎて耐えられなくなったらさっさと辞めてしまうであろう、極めていい加減企画です、ご了承ください(゚Д゚;)ハアハア

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予感 [7]

2009/10/06

魔人ブウ編にて、ベジータ自爆~復活の幕間を勝手に脳内妄想。当然カカベジ。




…どれくらい気を失っていたのか分からない。




「……――そうそう。あらまぁ、お父さん、上手ですねぇ」
「ははは、オラこういうの悟飯の時になんべんもやってるからなぁ」
「まぁ、上のお子さんがいらっしゃるんですか?」
――カカロットと誰かが話している。俺はその声で意識が浮上した。


「お、ベジータ。目ぇ覚めたか?」
「…………。」
横たわって天井を向いていた俺がちらりと目線だけを向けると、カカロットは赤ん坊を腕に抱いて相変わらず能天気な笑顔でこちらを見ていた(もしかすると目が覚めたら『全ては夢だった』と終わってくれるかもしれない、という俺の願いはあっさり砕け散った)。
そして赤ん坊は、いかにも洗いたての肌着に着替え、カカロットの腕に乗せられて手足をぱたぱた動かしている。すっかり上機嫌と言ったところだ。
「オラ看護士の人に、おむつ替えがうめえって誉められちまった」
そう言って笑うカカロットも、赤ん坊に負けないくらい上機嫌だ。
「ああそうかよそりゃあ良かったな、キサマにも戦闘以外で褒められる部分があったとはな!!」
「そうなんだ、オラ悟飯の時もおむつ替えは得意だったんだよな」
なー?などと、カカロットは赤ん坊に向かって同意を求めている。…俺は精一杯の嫌味を込めて言ったつもりが、この男相手にはまったく通用しなかった。
「次はおめえにも見せてやるよ、ホントにうめえんだぞ、オラの名人芸」
「……~~~~!!!」
ははは、などと能天気に笑う目の前の男に、俺の中でまた何かがブツリと切れた。



「~~~~!!ふっふざけるなカカロット!!いつまでくだらねえ芝居を続けるつもりだ!!」
「うわっ何だよいきなり!!」
「キサマいい加減白状しやがれ、そのガキは一体どこのどいつのガキだ!!」
「だから何遍も言ってるじゃねえか、オラとおめえの子供だって」
「だから男にガキが産めるか、常識で考えやがれ!!俺を騙したいならもう少しマシな嘘をつくんだな!!」
「んな事言ったって、ホントにおめえが産んじまったんだからしょうがねだろ。オラとおめえが合体してベジットが生まれたんだからさ」
「~~~~っ!!うわあああああっ言うな言うな言うなあああっ!!それ以上聞きたくねえええええっ!!!」


できる事なら耳を塞ぎたかった。これ以上こいつと会話していると頭がおかしくなりそうだ!!
「きっキサマこんな異常事態をあっさり受け入れてんじゃねえ!だいたい悟飯や悟天はどうした、あいつらが貴様の正真正銘の息子だろうが!!」
「へ?だって悟飯や悟天はオラとチチとの子だろう?こいつはオラとベジータの子……あ、そうか!ベジット、おめえもしかして悟飯や悟天の弟ってことになるのか?!じゃあトランクスの弟って事にもなるんだよな。そっかそっか、おめえ兄ちゃんがいっぱいいて良かったなぁ」
腕の中の赤ん坊をゆすりながら呑気に笑っているカカロットを見ていたら、本当に頭がおかしくなりそうだ。ちくしょう、こいつにまともな話を振った俺がバカだったぜ!!そして俺がいくら混乱しようが目の前の男はお構いなしだ。いや、むしろ追い打ちを掛けてきた。
「そうだベジータ、次はおめえがベジットのおむつ替えしてやれよ」
「ふざけるな誇り高きサイヤ人の王子であるこの俺がガキのおむつ替えなんか出来るか!!」
「けどよぉ、ベジータ、おめえはベジットの母ちゃんなんだからさ」
「誰が信じるかそんな話!!」


俺は出来る事ならもっとカカロットの奴に悪態をついてやりたかったが、その言葉は再びぐずりだした赤ん坊に遮られた。
「ふぇ……ふっ…、ヒック…ビエエェッ…ビエエエエッ!」
「あー、ベジータ、おめえがでけえ声だすからベジットがびっくりしちまったじゃねえか」
「俺の知った事か!!」
フン、と鼻を鳴らず俺の横で、カカロットはまた慣れた様子で赤ん坊をあやしている。しかし、どういうわけか先ほどと違って、今度はいくら宥めすかされても一向に泣き止む気配は無かった。
「ビエエエェンビエエエエッビイエエエエッ!!」
顔を真っ赤にし、汗だくになって泣き喚いている。始めは気にするものかと思っていた俺も、あまりにその激しい泣き方に次第に不安になってくる。
「…カカロット、そいつどうかしたのか」
「おーい、ベジット、おめえどうしちまったんだよー?…ん~おかしいなあ、ちっとも泣き止まねえな。さっきおむつは替えたばっかだし…」
少し首をひねって考えるそぶりを見せたカカロットが、急にあっと何かを思いついたような表情をした。…どうせロクな考えじゃない、俺は思い切り嫌な予感がした。
「ベジット、おめえ腹が減ったんだよな?まだ生まれてから何にも食ってねえもんな!!」
そう言って、奴はくるりと振り返って俺の顔を見た。それから俺の胸のあたりを見て…、また俺の顔を見た。








………………。







「ベジータ、おめえ、おっぱ「母乳なんか出るかくそったれ!!」








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