Ex-diary 予感3

Extra diary

小ネタ置場。

破壊王子。輪っかベジたん。ちょっとした連載小説から日記での小ネタログ、その他分類不能な文章置き場です。連載小説はカカベジ/くだらないギャグ系中心。飽きたorくだらなすぎて耐えられなくなったらさっさと辞めてしまうであろう、極めていい加減企画です、ご了承ください(゚Д゚;)ハアハア

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予感 [3]

2009/09/28

魔人ブウ編にて、ベジータ自爆~復活の幕間を勝手に脳内妄想。当然カカベジ。







…目を開けても世界は真っ白のままだった。



…まぶしい、どこだ、ここは…
目を開けた時、俺は自分がどこかに横たわっていた事に気がついた。そこはこれまでのぼんやりと霧のかかったような世界じゃない。光を久々に見て目がくらんだ。ちくしょう、まぶしい、目がチカチカしやがる。眩しさに俺が目を擦っていると、今度は先ほどとは違う人物の声がした。



「11時43分。男の子だよ」



…男…の…子…???何の事だ?


…やっぱりこの声も、どっかで聞いたことがあるような…
さっきから聞きたい事があまりにも多すぎる。俺は疑問を口にしようとしたが、できなかった。どういうわけか全身クタクタに疲れていた。おまけにのぼせたように頭がくらくらしやがるし、息も上がりきって苦しい。世界が真っ白だったのは、どうやら酸欠で頭が真っ白になっていたせいではないかとちらりと考えた。


「ビェェェェッビェェェェンッ! ビェェェェッビェェェェンッ!」 
…その間にも、胸の上に乗せられたぐにゃぐにゃした物体は、盛大な泣き声を上げ続けている。これだけ頭がぼうっとしているにも関わらず耳に飛び込んでくる。ものすごい音量だ。いつもの俺ならイラついて、『うるせえぞクソ野郎!!!』…と拳で黙らせているところだが、どういう訳かこの物体の泣き声には腹が立たない。
…いや、腹が立たないどころか、むしろその逆ですらあるような…奇妙な事に。



また更に違う声がする。
「まだ動かなくて良いですよ、出血がそうとうひどかったですからね」
…出血?出血とはどういう事だ?思い当たることと言えば、俺が死ぬはめになった魔人ブウとの戦いで負った傷くらいだが、それも死人に対して言われる事にしてはどうもおかしい。


本当に一体何がどうなってやがる???もしかして俺はまだ生きていたのか?いや、そんなはずはねえ、俺は間違いなく先ほどの自爆で死んだはずなんだ。すると耳元で俺に呼びかける声がした。
「ベジータ、ベジータ!!」
…――!!この声は…!!
…カカロット…!!


ようやく見知った人物と話が出来ることに、俺は心底ほっとした。たとえ相手がムカつくカカロットの野郎だとしても、だ。
「良かったなベジータ、気がついて。おめえ、あんまり苦しそうだったからまた死んじまうのかと思ったぞ」
俺は疲れ切っていたが、何とか目線だけは動かして声のする方を見ると、確かにそこに奴はいた。相変わらず、太陽のように輝く笑顔で。俺は奴の姿を目にした瞬間、不覚にも安堵のあまり涙が出そうになった。
「…カカロット…」
喉を使ったのが久々だったせいなのか、俺の声はひどく擦れていた。
「…どこだ、ここは…」
「ここか?病院だぞ」


…病院…?そうか!その言葉を聞いて、俺はこの状況に納得が行った。
「…そうか、俺は生きていたんだな?死んだわけじゃなかったんだ!!魔人ブウとの戦いで力を出し切って、俺はてっきり自分が死んだものと…」
そうか!俺はまだ生きているんだ!!良かった、今までのはもしかして夢でも見てたのか?!まったくたちの悪い夢だ!!自分が死ぬなんてな!!
「…っは…は、はははっ!!そうか、そうか病院か!!良かったぜ、それを聞いて安心したぜ!!」



実際、一瞬安心した俺は、しかし次にカカロットに聞かされた言葉に事態はちっとも好転していない事に気が気付かざるを得なかった
「すげえなおめえ、本当に産んじまったんだな!やっぱり、エリート戦士ってのはすげえんだな!!」
「…『産んだ』って何をだ?!」



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