Ex-diary　予感2

2009/09/27

…………………………。





…どこだここは。
…そうか、俺は死んだのだったな。
…確か、記憶を無くして別の生き物に生まれ変わるらしいな。



…おっと、その前に俺は地獄行きだったか。
…するとここが地獄って場所か？
…白一面の世界だ、何も見えやしねえ。
…地獄ってやつは随分殺風景なもんだな
…まあいいさ、生きてる間でも散々『地獄』ってやつを見てきた俺だ
…今さら何が起きたって驚きはしないさ…




『　　　　　』




………………誰かが呼んでいる………………




…どこかで聞いた事のある声だ
…声のする方に向き直ろうとして…
「う…ぐ…ああああああっくそっ!いってええええっ！！！」
…直後に襲われた痛みに俺は絶叫した。
…うううっ！くそっ！体が痛え！！
…なんだこの痛みは？！これが地獄の責苦ってやつか?!
…さすが地獄だ、想像を絶する痛みだな！！




『…っ……タ』




………………また俺を呼ぶ奴がいる………………



「ぐ…があああああっ早く終わりやがれえええっ！！くそったれええっ！！！」
…再び襲われた苦痛に、また遠慮なく絶叫する。だから何なんだこの痛みは？！経験した事の無い痛みだ！！
「はーい、頭が出ましたよー、頑張って！」
…俺が絶叫していると今度は別の声が聞こえた。
…頭？！頭ってなんだ？！


『ベジータ、ベジータ！しっかりしろ！』
…さっき俺を呼んだ声が、今度こそはっきりと聞こえた。
…誰だ？どこかで聞いたことあるような声だ。
痛みに喚き散らす俺には返事をする余裕なんてなかったが、それでもその声ははっきり耳に残った。聞くとなぜか胸が熱くなるような声だ。


「はいもうちょっと！頑張ってー！」
「ベジータ、もうちょっとだ頑張れ！！」
…何だ？何なんだ？？
…おかしい！おかしいおかしい！！
…絶対おかしい！！絶っっ対っおかしい！！
…地獄にしちゃ、さっきからどうも様子がおかしい！！


「おい、一体何がどうなって…」
相手は良く分からんが、聞こえてくる声の方に向かって問いかけようとすると、胸の上に何かが乗せられた。湿って生暖かい、ぐにゃぐにゃしたものが。
…なんだこれは？
不思議に思った俺がその正体を確認するまえに、そいつは盛大な泣き声を発した。
「…ヒィェッ……ヒッ……ビェェェェッビェェェェンッ　」



………『ビェェェェン』？




…俺は目を開けた。