◆あなたらしさを誰に理解してもらう?
世界で一番好きな家は、あなたに合った雰囲気があり、あなたにとって楽しい家のことではないでしょうか。
気に入った雰囲気で、そこに居ることが楽しくてしかたない家にすることは、あなたにとってとても大切なことです。
好きな家を作るには、作ってもらう人達にあなたを理解してもらわなければなりません。
理解されていないということは、好きな家になる可能性が低くなってしまいます。
だって、知らない人の家を設計するのですから当然です。
自分に合った、好きな家を作りたいと考えるならば、作り手に自分を理解してもらうこと、知ってもらうことが非常に重要です。
「自分に合わせて家を建てたい」とお考えの方は、このまま先に読み進めて下さい。
好きな家を建てる為の方法をお教えします。
その代り、間取りを考えることを、少しだけお休みにしてください。
◆楽しい事が出来る場所探し!
現在の住まいでの楽しいことを思い出しましょう。
「楽しいこと」とは笑いが起きたシーンを思い出していただければいいと思います。
笑いが起きた背景には家があると思います。
それが、どんな場所でどんな状況で起きたのかを思い起こしていただければと思います。
次に今まで出来なかった楽しい事が出来る場所を探しましょう。
雑誌の中の楽しそうな場所やお友達の家での楽しかった場所を思い出しましょう。
こんな部屋があったら楽しそうだなとか、こんなことが出来る部屋があると面白そうだなとか、新しい笑顔が生まれそうな場所を考えたり、見つけたりしましょう。
例えばこんな感じです。
- お姉ちゃんが弟に折り紙でカエルを作ってあげたら笑ってた。
- お父さんがフィギアの棚を見てニンマリしてた。
- お母さんが鼻歌交じりでケーキを作ってくれた。
- 吹抜けから紙飛行機を飛ばして楽しかった。
- この天窓から飛行機雲が見えたら凄いね。
- この吹抜けは気持ち良さそうだ。
- お客さんとゆったりと和やかにティータイムを楽しみたい。
- テレビを見ながらみんなで笑えたら良いね。
- いっぱい友達を呼んで、誕生会ができたら良いね。
- 親戚中が集まるお盆と暮れは、大きな部屋と孤立しないキッチンが
楽しそう。
- 土間に薪ストーブを置いて、火を眺めながらホッこりしたいな。
◆楽しい雰囲気のある家って?
楽しいことがおこる場所の雰囲気を考えましょう。
楽しいことは、どんな場所でどんな物があればおこるのか、その時の部屋の雰囲気は、どんな感じが良いのかを考ましょう。
例えばこんな感じです。
- お姉ちゃんがダイニングのテーブルで折り紙を折って弟にあげていた。
それを私がキッチンで料理を作りながら見ていた。
弟の「ワー」という声で振り向くと万遍の笑みで微笑んでいた。
温か味のある落ち着いた雰囲気の中のワンシーンだといいなと思った。
- お父さんの趣味はウルトラマンのフィギアを集めること。
今はリビングにあるけど、きっと自分の書斎で誰にも邪魔されずに、じっくり眺めていたいんだろうなと思う。
いっぱい棚のある部屋で宇宙をイメージ出来るような部屋だといいなと思う。
- ソファーでコーヒーを飲みながら新聞を見るお父さん。
そこに敵機が突撃。
吹抜けから飛んできた紙飛行機がお父さんの新聞めがけてまっしぐら。
コーヒーを手にしたお父さんは突然の出来事に大慌て、新聞に衝突した飛行機は「バ〜ン」と音をたてて床に落ちた。
コーヒーはこぼさずに済んだが、その後の雷が凄かった。
空のような吹抜けがいいなと思った。
- 私は、キッチンで夕食作り、子供はダイニングテーブルで勉強、主人は、ソファーで雑誌を読みながらコーヒーをすすってる。
いつもながらの落ち着いた我が家。
家族の顔を見ながらの料理は、なぜか気持ちが楽しくなる。
お気に入りのカントリーな雰囲気の中で実現できたらいいなと思う。
- 親戚中が集まるお盆。
兄弟から子供、孫まで、大勢で集まる一番楽しい一時。
この楽しい一時を、いつも感じていられるキッチンが欲しい。
親戚一同、家族全員の和やかな、和気あいあいな雰囲気を壊さない部屋の雰囲気にしたい。
※楽しい事を大きく膨らませましょう。夢や楽しさが倍増します。
ポイントは雑誌などの楽しそうな部屋を見つけることです。
◆生活の仕方を見つめ直すと
何かが見えます。
生活の仕方や習慣、現在の住まいの使い勝手を見直してみましょう。
現在の「不便な所」や「使い易い所」を思い出してみましょう。
例えばこんな感じです。
<不便な所>
- お風呂にタオル掛けが一つしかなくって不便だった。
- 脱衣には洋服を脱いで置く場所がなくって困った。
- 風の強い日は外で洗濯物をハンガーに掛けられなくて困った。
- キッチンとダイニングが別室だったので料理を運ぶのが手間だった。
- リビングでキッチンの洗物の音がうるさくて困った。
- ダイニングテーブルがいつの間にか物置場となって使わなくなった。
<使い易い所>
- キッチンの前に出窓があって洗物を置くのに便利だった。
- 洗面と脱衣が別々だったので来客の時に脱衣が見えなくて良かった。
- 縁側があって観葉植物が置けて良かった。
- キッチンの背後にダイニングテーブルがあったので配膳台として
使えた。
- 二つの部屋が襖で仕切られていたので夏は外して一部屋で使えて
便利だった。
不便な所はどうすれば改善できるか考えてみましょう。
使い易い所はより使い易く工夫する事を考えましょう。
見直すことによって何かが見えてきます。
各部屋に立ち、一日の行動を思い起こしてみましょう。
いろいろなものが見えてきます。
それらを見つめ直すと何が必要で、何が必要でないかが見えてきます。
※ポイントは、現在の「各部屋に立って考えてみる」ということです。
現場を空想するのと実際の現場では、かなりの違いがあります。
実感してみてください。
◆「家の本質」って?
自分らしい要望の作り方とは。
もうおわかりかと思いますが、好きな家を作り手に伝えるには、上記をまず考えなければなりません。
いきなり、間取りがどうのと初めてしまうと、「家の本質」が見えて来ないということです。
でも、ここまで読んで頂いた方には、「家の本質の見極め方」を理解して頂けたのではないでしょうか。
家は人間が住む「箱」です。
住む人間がどのようにその箱を使いたいかが非常に重要で、どう使うかを明確にすることができると、どんな家造りをしなければならないかということが見えてきます。
ここを考えずに「間取りはどうする?」だの「何とか工法は?」だの、「ハスメーカー巡り」を初めてしまうと本質を見失ってしまいます。
あなたにとって必要な家の本質をもう一度見直して下さい。
家の本質を見直すことが、好きな家を作る第一歩となります。
好きな家の要望を作るには、上記を元に思ったことをドンドン書いていくことです。
順番なんて関係ありません。
思いつくことをドンドン書いていきます。
広告の裏でもノートでもなんでも良いです。
書き出すことで、何かが見えてきます。
「好きな家の要望のまとめ方」は、書き出したものを下記の項目にそって、整理することです。項目ごとに箇条書きにすることがお勧めです。
1.今の住まいの楽しいことができる場所は、どこ?。
楽しかった部屋は、どこ?
2.新しい家で楽しいことがしたい場所は、どこ?
3.楽しいことができる場所の雰囲気は、どんな雰囲気?
4.今の住まいの不便なところは、どこ?
5.今の住まいの使い易いところは、どこ?
6.新しい家で、使い易くしたいところは、どこ?
上記をまとめると住みたい「家の本質」が見えてきます。
これが見えれば、それに向かって家造りを進めれば良いことになります。
でも、まだまだ問題は山積みですが・・・。
◆好きな家の要望はできましたか?
「なかなか難しくて〜え!」という方は、ご安心ください。
私達は、対話を繰り返すことによって、「好きな家の要望」をまとめるお手伝いをしています。
「好きな家って言われても、わかんないんだよね?」と思っている方も、いらっしゃると思いますが、私達がご一緒に、好きな家を実現させる為のお手伝いをさせていただきます。
順序立てて聞いて行きますので、白紙でかまいません。
どんな生活ができたらよいのか、現在の生活スタイルなどをお聞きしたり、ご希望をお聞きし、将来予想などもしながら、良い面、悪い面などを一緒に考えていきます。
好きな家を作るための「道先案内人」を務めさせて頂きます。
上記にもありますが、自分の生活なのに理解していない方が結構いらっしゃいます。
どの家庭にも、その家庭にしかないルールや習慣があります。
ルールや習慣は何気なく行っていることなので、気付くことが難しいんです。
そんな難しい家庭内のルールや習慣を探して、新居でも生きるようにアドバイスをさせて頂いています。
例えば、
・調味料の置き場所はどこ?
・他人は知らないお皿の置き場所。
・調理の手順で決まる流しや調理スペース、ガス台の配置。
・洗い桶や水切りカゴの居場所はどこ?
・お客さんの食器の収納場所はどこ?
・来客の持ち物置き場はどこ?
・何気なく行っているバックや鍵置き場。
・おもちゃの片付け場所や子供とのルール。
・フィットネス器具の置き場所や置き方、使い方。
・お風呂の時のタオル置き場や下着置き場。
・洗濯物を置く場所、それをどのように洗濯するか。
・歯磨きの場所、コップの位置や歯磨き粉の位置。
・トイレットペーパー置き場や補充のルール。
・テレビやオーディオの使い方、将来設置予定の機器。
・リモコン置き場はどこ?
・ゲーム機の置き場やカセットの置き場、子供とのルール。
・カレンダーをどこに掛けるか、家族スケジュール確認場所。
・時計の居場所はどこ?
・コンピューター置き場やLAN配線。
・トイレの前にスリッパがある時は、中に人がいる合図。
等々、その家庭にしかないルールや習慣が沢山あります。
それらを真剣に考えたことはありますか?
普段から考えていないと突然言われても、結構難しいものです。
家造りでは、ありとあらゆる可能性を考え、将来的な変化も考え、そして、使い易さの追求し、楽しい生活が出来る家を追求して行かなければ、結果は寂しいものになります。
でも、
おかしなもので現在の生活は、自分の生活なのに、自分達のことなのに何も解っていないということがおこっています。
これは、「見ているようで見ていない」という状況です。
慣れてしまい反射的に生活していると言ってもいいかも知れません。
何も考えずに生活出来てしまっているともいえます。
改めて、使い難い所を考える、使い易い場所を考える、楽しい場所を考えるということをすると、何が良くて、何が悪かったのかに気付きます。
それを具体的に文章にすることによって「家造りの目標」が見えてきます。
あなたは、その目標に向かって進むことで自分らしい、友達にも自慢できる、世界に一つだけのあなたの家が出来上がります。
これって素敵なことです。
そんな家造りをしてみたいと思いませんか!
そう思われた方は、「好きな家の要望作り」にトライしてみてください。
※「好きな家の要望」を作らないということは、適当に間取りを考える ということになります。
自分にとっての楽しい場所、楽しいことができる場所を明確にして、家作りに取り組むことが好きな家を作るポイントになります。
◆「好きな家の要望」の実現
「好きな家の要望」がまとまると、実際にどのように実現させるかということになります。
一般的に家造りの専門知識がないと、好きな家の要望を具体化することは難しいでしょう。
「え、だって、部屋を作るればいいんでしょ!」という人は、かなり楽観的すぎると思います。
好きな家の要望ができたとしても、それらを効果的にバランス良く、実現しなければなりません。
予算的な問題もあります。他の部屋との広さのバランスもあります。
希望が敷地にはいるかなどもあります。
残念ながら好きな家の要望を実現するには、家造りの知識、経験、能力がなければなりません。
あまり深く考えずに作ることはできますが、簡単に考えていたのでは、実現できずに後悔することになります。
また、完成してから「こんなはずじゃなかった〜あ!」となってしまうこともあります。
最大のポイントは、まとめた好きな家の要望を依頼先に提示した時です。
いろいろな業者がいますが、「なんだこれ!」という顔をするような業者は、あなたを理解しようとは、考えていない業者です。
「家は作ればいい。作ることが重要」としか考えていない業者です。
あなたのこれからの生活、これからこの家でどんな生活をしていくのかということは考えてくれない業者です。
作り手がこんな態度、こんな程度の思いで家造りをしていると、完成する家がどんな家になるのか大体想像できます。
家は一生に何度も建てられません。
簡単に建て替えるというわけには行きません。
でも、あなたは、自分で建てた家で何年も生活して行かなければなりません。
頼んだ依頼先が作ってくれた家で何年も生活していかなければならないのです。
その家がどういう家であるべきかは、あなた自身が決めることですが、「依頼先」を間違えると望んでいた結果と違う結果になってしまいます。
あなたの思いを実現出来る依頼先に頼んだかどうかということが問題になるということです。
ここを間違えると当然結果が付いてきません。
泣きながら、数十年間その家で生活していくことになります。
これって幸せ?、不幸?良くお考え頂ければと思います。
「好きな家の要望」を実現するには、家造りの依頼先に、好きな家の要望を具体化して提案できる能力が必要です。
提案できる能力を持った設計事務所や住宅業者を選択することが必要不可欠となります。
この設計事務所・住宅業者の見極めは非常に難しいですね。
簡単にいうと、あなたの「好きな家の要望」を設計できる能力があるかどうかということですが、その能力があるかどうかは、なかなかわかるものではありません。
でも、なんとか探すしかないんです。
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