児童文学の中のマザーグース ( その現れ方と引用の意図)


(1)マザーグース絵本  

(2)ローラが読んだマザーグース絵本

(3)『あしながおじさん』のジュディも読んだ

(4)こんなに引用されている!

(5)ローラたちが口ずさんだお祈りのマザーグース

(6)ハンプティ・ダンプティそっくりのドリトル先生

(7)ポピンズはマザーグースがお好き

(8)アリスが口ずさんだ子守唄

(9)アリスが出会ったハンプティ・ダンプティ

(10)『秘密の花園』のポイントはマザーグース

(11)『ピーターラビット』シリーズにもマザーグースがいっぱい

(12)どうしてこんなに引用されているの?

                              

(1)マザーグース絵本

 マザーグースは、イギリスやアメリカの子供たちの間で古くから伝承されてきた童謡を指す。子守唄、物語、数え唄、なぞなぞ、早口言葉など、さまざまな唄を含み、その数は1000とも2000とも言われている。そして、子供が最初に出会う絵本がマザーグースの本。

 たとえば、ラフカディオ・ハーンが日本で息子に母国語を教えたときも、マザーグース絵本から始めたという。最初は、新聞紙に筆でアルファベットを書いて覚えさせ、6歳ごろから The Nursery RhymeBook や The Fairy Book などの絵本を使って教えた。

 ギリシアで生まれ、アイルランドそして後にイギリスで育ったハーン自身も、おそらくマザーグースを幼いころ聞いて育ったのだろう。異国で子供に自分の母国語を教えようと考えたとき、マザーグースを用いるのはごく自然なことだったようだ。