用語解説
- ウォーターウエイ
- 甲板の両端にある排水用の溝
- 右舷
- 船首に向かって右側
- カノープス
- 全天で2番目に明るい星。りゅうこつ座にある。正月頃稀に見ることができ、これが見れるのはめでたい事とされた。ちなみに、1番明るいのは、日本でも見れる大いぬ座のシリウスである。
- 汽船/機船
- 英語・国語辞典によると、エンジンの種類によって字が変わる。但し、法律では汽船という語は帆船に対する語として扱われているらしい。
-
エンジンの種類 | 英語 | 日本語訳 |
ディーゼル | Motor Ship | 機船 |
タービン | Steam Ship | 汽船 |
- クリノメーター
- 傾斜計
- クロノメーター
- 時計、世界標準時と船内時の2つの表示盤がある。
- 舷灯
- 右舷、左舷の別が遠くからでも分かるように右舷は緑、左舷は紅のランプが付けられている。飛行機の翼端灯は船の物を流用したので、配色は同じである。
- 航海訓練所
- 運輸省の機関の1つ、船員教育のために大型練習船を保有し、全国の商船大学、商船高等専門学校の学生の実習を行っている
- 航海灯
- 夜間、航海中の船が点ける灯火を総称してこう呼ぶ。舷灯の他にマスト灯、船尾灯を始め、特殊な船舶のみが掲げる灯火も含む。
- コーターデッキ
- 後部甲板の古い呼び名。船の後部をクォーターと呼んでいたのが始まり。
- コールサイン
- 無線通信に使われていたもの、呼び出し符号とも言う。
- 先取り
- 繋留索の先の輪の部分に取り付けられた細いロープ。
- 左舷
- 船首に向かって左側
- サザンクロス
- 有名な南十字星
- サブワッチ
- 実習生当直の当番の1つ。当直士官と同じ事をする。その他にはルックアウト(見張り)、リーサイド(風下当番:気象観測を行う)、ホイール(操舵当番)、レーダー(レーダー観測を行う)がある。
- シート
- セイルを操作するロープの1つ。セイルの下側を引っ張る(セイルをひろげる)
- 士官
- 士官の職名には次のようなものがある
船長 | Capt. | キャプテン |
一等航海士 | C/O | チーフ・オフィサー, チョッサー |
次席一等航海士 | 1/O | ファースト・オフィサー |
二等航海士 | 2/O | (エー)セコンド・オフィサー |
次席二等航海士 | J2/O | ビー・セコンド・オフィサー |
三等航海士 | 3/O | (エー)サード・オフィサー |
次席三等航海士 | J3/O | ビー・サード・オフィサー |
次席に対して首席~と言う時もあり、その時はA~と言う。J~はジュニアの略である。
- 時間
- ○○時△△分を○○△△と四桁にして、棒読みをする。午後3時30分は1530(ヒトゴーサンマル)となる。
- セイル
- 日本丸の場合ジガー以外の各マストに横帆が6枚、縦帆が4枚(前方へ向かって)、そしてジガーに三角帆3枚と三角帆でないセイル3枚の計36枚のセイルがある。
横帆は上から順番にロイヤル、アッパーゲルン、ロワーゲルン、アッパートップ、ロワートップ、コースとセイルの場所(高さ)を示す名称にマストの名称を冠して呼ばれる。例えば、メインマストの上から3番目はメイン・ロワーゲルンスル(「スル」はコースを除くセイルに付される「セイル」の略称)となる。コースだけは特別に前からフォースル(フォアセイル)、メンスル(メインセイル)、クロジャッキという名を持っている。
縦帆も同様にして縦帆を指す「ステイスル」に、高さを示す(高い順にロイヤル、ゲルン、ミドル、トップマスト)名称とマストの名を冠して呼ぶ。但し、フォアマストの外側(前側)3枚には高い順にフライングジブ、アウタージブ、インナージブという名が付いている。ちなみに、一番低い(内側)はフォア・トップマスト・ステイスルである。
さて、ジガーマストのセイルは3枚の三角帆は高い順にジガー・ゲルンステイスル、ジガー・トップマストステイスル、ジガー・ステイスルと名付けられている。残る3枚は一番上がガフトップスル、2枚の四角の帆がアッパー・スパンカー、ロワー・スパンカーとなっている。
- タップ
- バケツ、洗面器等のこと
- 長三声
- 船の行う「お別れ」の合図、汽笛を3回、長く鳴らす
- 登舷礼
- 船の舷側に乗組員が整列して行う敬礼
- 登檣礼
- 帆船だけが出来る船の世界では最高の敬礼、一部の士官等を除く全員がマストに登って行う
- ノット
- 船のスピードの単位。時速1マイル。約1.852km/h
- ハリヤード
- アッパートップ、アッパーゲルン、ロイヤル(可動ヤード)や各ステイスルを広げるためのロープ
- 帆走投錨
- 機関を使用せずに、帆のみで走って錨を入れる。ホノルル仮泊を読めば分かるとおり、非常にしんどい。
- ハンドレール
- 手すり
- ハンドログ
- 昔の航海計器、スピードを測る。ログライン(等間隔で結び目[ノット]のついたロープ)の先に扇型の板の付いた物で、一定時間海中に投じて、流れた長さ(結び目1つで1ノット)でスピードを出す。
- ピッチング
- 縦揺れ
- ビレイピン
- 樫の木や真鍮、南洋産のリグナムバイタといったもので作られたロープをくくりつけるための棒。
- プープデッキ
- コーターデッキの今の呼び方、後部甲板
- フォクスルデッキ
- 船首楼甲板、船の前の方の一段高いデッキ、単にフォクスルと呼んで甲板の前方を指す時もある
- ブラスワーク
- 真鍮磨き
- ブルーピーター
- 出航旗、船が出港する日の日出時に掲げる
- ブレース
- ヤードをまわすためのロープ
- ポイント
- 90度を8等分した昔ながらの(相対)方位の表し方
- ホーサー
- 繋留等に使用する太いロープ
- ボースンチェア
- 高所作業に使用するブランコのような足場
- ボットム
- 底、転じてドベ
- ボンク
- 寝棚(ベット)
- ボンボヤージ
- 「良い航海を」と言う意味
- マイル(海里、浬)
- 1マイル=1852m、緯度・経度の1分が元の長さ
- マグネットコンパス
- 方位磁石、現在はコマの原理で動くジャイロコンパスが主流となっている
- メリパス
- 太陽が正中する時、またはその時に太陽の高度を観測して船位をだすこと
- ヤーダム
- ヤードアームがつまった語で、ヤードの先端のこと
- ライフライン
- 荒天時、デッキ上に張り、これにつかまって甲板上の移動をする、波にさらわれたり、ころぶのを防ぐ
- ラジオ日本
- ラジオ・ジャパンとも、NHKの海外向け短波放送
- ラジオたんぱ
- 日本唯一の民間短波放送局、昼は株式市況や競馬中継をやっている
- ルックアウト
- 見張り、サブワッチの項を参照のこと
- ロープ
- 太さや用途によって様々な呼び方がある。太い順にホーサー, ロープ, ライン等
セイルに取り付けられたロープにも名称が個々に付いている。セイルの下の隅を上げるクリュー/下げるシート。ヤードやステイスルを上げるハリヤード/下げるダンホール。セイルの下辺を持ち上げるバントライン等
- ローリング
- 横揺れ
- ログブック
- 航海日誌、一時間毎の気象、海象、速力等が記載され、船の公式文書の1つである
- ログライン
- ハンドログに付いているロープ、ハンドログの項を参照の事
- ロングブラスト
- 汽笛等を長く鳴らすこと
- ワッチシフト
- 当直時間帯を変更する、日本丸航海記1月12日参照
- NNSS
- 米海軍が開発、実用化した人工衛星による測位システム
- UW
- 国際信号旗の「U」と「W」を組み合わせた信号で、「貴船の御安航をお祈りします」という意味で使われる
- VHF
- これ自体は周波数帯を指す語であるが、無線電話を意味して使われている