子どもとわたし・6


[つばさ(6年生)]

 職業柄わたしは子どもとふれあう機会に非常に恵まれています。児童文学やマンガは大人も子どもも読むもの(どう考えてもこじつけ^^;)ということで、読み手である現在の子どもの様子や子どもへのメッセージをノンフィクションを原則としてお伝えします。(といってもほとんどがわたしの作った学級通信からの引用です。)

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 「先生はこんな人」は6−2(すずかけ)の子どもたち,
「先生はこんな人2」は6−2(つばさ)の子どもたちによるわたしの紹介です…。

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翼つばさ〜 (6年生)

進級おめでとうございます

 いよいよ6年生のスタートです。小学校生活最後の1年間となります。卒業するときに「いい思い出がたくさんできた」と思えるような,充実した日々を送っていけたらと思っています。
 クラス替えがなく,担任も持ち上がりとなりましたが,5年生の延長ではなく,新たな気持ちで子どもたちと過ごしたいと思います。
 今年も学級通信で学校での子どもたちの様子をお伝えしていきます。子どもたちと一緒にお読みください。1年間,どうぞよろしくお願いいたします。

6年2組の目指すもの

 基本的に「プラス思考」でいきたいと考えています。「自分には無理」「できないよ」と考えるのではなく,「やればできる」「挑戦してみよう」という気持ちで取り組めるようになってほしいと思います。また,一人でできることを増やしてほしいと思っています。常に友達と一緒に考えたり行動したりするのではなく,自立していくことを目指してほしいのです。そして,いざというときにはすぐに助け合えるような,そんな仲間でいられたらと思っています。
 学習にも積極的に取り組んでもらいたいと思います。家庭学習の習慣をしっかり身につけられるよう,ご家庭でもご協力いただければ幸いです。

ドキドキドン!6年生

 6年生最初の日は入学式準備もあり,朝からとてもいそがしくなりました。いそがしさにまぎれて,担任発表では子どもたちがドキドキすることもないのではないかと思っていたのですが,これはこれでやはり気になったようです。2年生から発表されたため,6年2組は学校中で一番待ち時間が長くなり,緊張する時間も割り増しになってしまいました。子どもたちは,1つのクラスが終わるごとに友達と顔を見合わせたり,うなずきあったりと落ち着かない様子でしたが,ようやく自分のクラスの発表があり,緊張がほぐれて笑顔を見せていました。
 この日はもう一つ「ドキドキドン」なできごとがありました。委員会を決めたのです。昨年と同じ委員会にするのか,それとも新しい委員会にするのか。だいぶ子どもたちの中でも葛藤があったようです。委員会は定数が決まっているため,希望者が多い場合にはどうしても他にまわらなければならなくなり,希望通りにいかない子が出てしまいました。でも,どの委員会も学校生活をしていくうえでなくてはならないものです。責任を持つのはもちろんのこと,さらに積極的にアイディアを出したり,工夫したりして活動していってほしいと思います。

ぷにょぷにょ

 理科の時間のこと。じゃがいもを育てることになり,たねいもを植えました。このたねいもは,すでに芽が出ている状態です。じっくり観察すると,芽の根元のあたりから白いものがポツポツと出ています。
『これ,何だろう?』
「芽がさらにわかれて出てくるんじゃないの?」
「いや,根だと思うよ。」
『どうしたらわかると思う?』
「水をやって育てればいい!」
そこで,水栽培をしてみることにしました。
 さらに,たねいもをさわってみると,何だかいつもとは違う感触がします。「ぷにょぷにょしてるー。」
『何でぷにょぷにょなんだろう?』
「くさったんだ!」
「養分があって,芽が出たからそれが使われてなくなった?」
「ああ,でんぷんか!」
「ヨウ素液っていうのをつければいいんじゃん。」
『ところで,その養分ってじゃがいものどこにあるの?』
「皮の下。」
「……?」
 はたして,白いものの正体は?そして,ぷにょぷにょの謎は解けるのか?乞うご期待!

朝ご飯,食べていますか?

 家庭科の時間に,朝起きてからの行動について振り返りました。
 「自分で気持ちよく目覚められているか。」という質問に対し,「はい。」と答えられた子は半数以下。ちなみに,この子たちは9時までには寝ているそうです。逆に,「いいえ。」と答えた子たちは9時以降に寝ている場合が多く,すっきりと目覚められないため,朝食もあまり食べられないという返事が返ってきました。
 次に,朝食について質問しました。「一人きりで食べている。」という子が6,7名,「家族全員ではないけれど,だれかしら一緒に食べている。」という子が半数,あとは「みんなでそろって食べている。」とのこと。なかには,「自分で好きなものを用意して食べる。」「用意されていないのであるものを適当に食べてくる。」という回答もありました。また,「朝は気持ちが悪くてあまり食べられない。」という子が5,6名,「食べないことがある。」という子も2,3名いました。
 朝食は1日の活動の源になります。頭の働きをよくしたり,腸の働きを活発にし,体調を整えたりするという作用もあります。朝食をとれるようにするためには,早寝早起きをすること,寝る直前の間食をしないことが大切です。
 また,朝はとてもお忙しいと思いますが,子どもたちの食事の様子を見ていただけたらと思います。陸上練習が始まり,運動量がとても多くなりますので,朝食をしっかりとらないと体がもちません。どうぞよろしくお願いいたします。

良さと悪さと

 始業式から1週間。入学式関連の準備や後かたづけから始まり,地区別下校の際のリーダー役や委員会活動など,最高学年として活躍する姿がたくさん見られました。さらに,今週から本格的になる1年生のお手伝いを積極的にしようとしている子もたくさんいます。また,体育では言われなくてもマットの準備や後かたづけをしており,さすが6年生と思いました。
 ところが,持ち上がりのせいか,少々緊張感に欠ける子もいるようです。ほどよい緊張感を持ち,けじめのある生活を心がけさせたいと思っています。

ぷにょぷにょのその後

 じゃがいもの芽の根元から出ていた白い物体。これは根なのか,それとも芽なのかという疑問が出ていたのですが,その正体が判明しました。これは根だったのです。水を与えたら,数日の間に根が伸びてきたのです。
 ぷにょぷにょの方も実験してみました。芽が出ているたねいもを切り,中を見てみたのですが,くさってはいませんでした。でも,でんぷんもたっぷりありました。(ただし,皮の下にはあまりでんぷんはなかったようです。)もう少し芽が育ってくると、たねいもの様子も変わってくるかもしれないということで,もうしばらく観察を続けることにしました。

1年生といっしょ

 先週は1年生と一緒に行動することが多くありました。
 身体測定では,1年生とペアを組んで身長や体重の計測をしました。1年生のめんどうをみるのは,思っていたよりも大変だったようです。まず,手をつないで行動してあげないと,あっという間に迷子になってしまうのです。また,身体測定は1年生にとって初めての経験です。身長計や体重計にのる方法がよくわかっていない子もいます。そこで,まずは1年生の測定を手伝い,それから自分の測定をした子が多かったようです。ところが,「そこで待っていてね。」と声をかけないとどこかへ行ってしまう1年生もいて,少々お疲れモードになってしまった6年生もいました。どのように話したら1年生にうまく伝わるのか,子どもたちは大いに学んだようです。
 1年生を迎える会では,入退場のエスコートをしました。立派なお兄さん,お姉さんぶりでした。小さな1年生とならぶと,子どもたちがどれだけ成長してきたのかがよくわかります。
 休み時間になると,1年生の教室にいく子もいれば,逆に1年生が遊びに来ることもあり,とても楽しそうに交流しています。クラスレクをしているところに,1年生をいっしょに入れてあげたこともありました。小さい子には手加減をして遊ぶのもひとつの方法だということも学べたようです。
 5年前,自分たちもあんなふうに上級生たちに迎えてもらったことを,みんなは覚えているでしょうか。自分たちがしてもらって嬉しかったことを,今,1年生に返しているのです。この1年生が6年生になったとき,この嬉しさを覚えていて,今のあなたたちと同じようにしてくれたらいいですね。

技あり!

 風が強く吹いた翌日,校舎内はひどく汚れていました。そこで,子どもたちに1階の廊下と階段の掃除をお願いしました。1組と半分ずつ分担したのですが,15分ほどで全部きれいにしてくれました。これだけ早く,しかも美しくできるのはさすがですね。やはり,6年生。こういうところにも最高学年としての風格が出ています。

うまくなったね

 体育ではマット運動をしています。少しでも多くの技ができるようになろうと,みんながんばって練習をしているのですが,その成果が少しずつ表れてきました。後転がきれいにできるようになった子,前方転回をマスターできた子,側方倒立回転ができるようになった子…。みんな,せいいっぱい努力しているところがとてもよいと思います。

ほしいなあ

 1年生へのプレゼントとしてカレンダーを作成しました。みんな,すてきなイラストを次々と描いていました。このカレンダーは,3ヶ月で1枚になっています。つまり,4枚そろって1年分になるのです。4枚ともイラストは別の人になるように組み合わせてあるので,それぞれの個性がよく出ていて,非常に楽しいカレンダーになっていました。それをながめていたら…なんだか自分たちまで欲しくなってきてしまったのです。
「自分たちのもほしいな。」
「自分だったらこのカレンダーがいいな。」(と,カレンダーを選び出す。)
「これ,1ヶ月ごとに全部ちがう人が作ってみてもおもしろそうだよね。」
「作っちゃダメ?」
 作るかどうか,学級全体で話し合ってみるのもおもしろいと思っています。さて,どうなるでしょうか。

学校5日制

 学校5日制がスタートしました。子どもたちに,どんな過ごし方をしたのか聞いてみたところ,さまざまな答えが返ってきました。
 ボーッとしていたという子はあまりいなかったようです。スポーツをしていたり,習い事に行ったり,イベントに参加していた子もいました。半数近くの子は,勉強もしたと言っていました。
 では,学校の生活はどうなのでしょうか。ほとんどの子が「忙しくない。」「ゆとりがある。」と感じていました。「忙しい」という返事は児童会役員からのものでした。(確かに始業式以降,毎日のように休み時間を削って迎える会の準備をしていましたから,遊ぶ暇もなく本当に忙しかったのです。でも,がんばったかいがあり,とてもすばらしい迎える会になったと思います。)
 5月になると,陸上練習は午後練が始まり,もう少し忙しくなります。体調管理に気をつけて,自分の力を伸ばして欲しいと思います。

歴史,感じましたか?

 保護者のみなさま,学生の頃にテストに備えて「いい国つくろう鎌倉幕府(1192年)」と,起きたできごとをゴロ合わせにして暗記したことはありませんか?いっぱい覚えなくてはならない歴史の学習はお好きでしたか?わたしは暗記物に弱く,ゴロ合わせをしても覚えられなかったので,歴史は好きではありませんでした。でも,昔のできごとをお話として聞くのは大好き。特に,教科書には載っていない歴史に心ひかれました。
 たとえば,教科書では『万葉集』についてほんの2,3行で説明が終わってしまうのですが,そこに載っている歌にはそれぞれドラマがあります。当時の人間関係が浮かび上がってきたり,自分でそのときの作者の気持ちを想像したりと,いろいろな楽しみ方ができます。
 また,今まで常識とされていたものが,ある発見であっという間にくつがえされるのも歴史のおもしろいところです。藤原京から平城京に都を遷したのは,都がせまかったからだと長いこと言われていたのですが,藤原京の方が平城京よりも広かったことが数年前にわかり,定説がくずされました。
 さらにおもしろいのが,自分の住んでいる地域の歴史です。たとえば「印旛」という地名ですが,この名は『万葉集』に「印波郡(いにはのこおり)」として登場しています。1300年前からこの名が伝わっていることを知り,この印旛の地にますます愛着がわきました。歴史というのは教科書の中で学び,自分からは遠く離れたところにあるように思いがちですが,実際はもっと身近なところにあるものです。子どもたちにも地域の歴史を知り,愛着を持ってほしいと思い,「房総風土記の丘」での現場学習を実施しました。
風土記の丘には,たくさんの古墳があります。また,明治時代の建築物や,万葉植物園,江戸時代の農家など,歴史を感じさせるものが多くあるのです。広い敷地の中を,子どもたちは地図を手にし,オリエンテーリング形式で歴史にまつわるものを探しながら歩きました。
 最初は岩屋古墳。風土記の丘にある古墳の中で一番大きな方墳です。ここでの問題は「古墳の周りを1周歩くと何歩になるか」です。みんな,「1,2,3,4,…」と下ばかり見て歩いていきました。ところが,最後の班だけが60歩くらい歩いた地点で止まりました。「あれ,何だろう?」何だかあやしい柵があるのです。気になるけれど,歩数を数えている最中だからその場から動けない,でも,やっぱり気になる!困っていると,メンバーの1人が言いました。「この位置でこの歩数だって覚えておけばいいんだから,離れたって大丈夫だよ。」安心して様子を見に行きました。
 次は,学習院初等科正堂。明治時代の学校で使われていた建物です。ちょっとレトロだけど西洋風でもあり,不思議な雰囲気をかもし出しています。いすと机がくっついているところや,正堂の中の美しさに,子どもたちは目を奪われていました。わたしの通っていた高校の建物も明治時代に作られており,この正堂の中に写真が置いてあったのですが…子どもたちはあまりじっくりと見ていなかったようです。
 その後は,復元古墳を見たり,古い農家を見たりと自由行動になりました。子どもたちが苦労したのは,万葉植物園です。どこにあるのか,よくわからなかったのです。
「ねえねえ,ここにいる人に聞いてみない?」
「えー,でも,それって反則なんじゃないの?」
『誰かに聞くというアイディアも一つの解決方法で有効だね。』
「よし,じゃあ聞いてみよう!」
「すみません,万葉植物園はどこにあるのでしょうか。」
このように上手に行き先を見つけた班もあれば,何度も行ったり来たりしてようやく見つけた班もありました。
 今回のオリエンテーリングは,だいぶ班によって差が出てしまいました。班の仲間とどれだけ協力できたか,それも大きなポイントになりました。地図を正確に読みとり,あっという間に全てのポイントを見て回った班は,集合時刻より30分近くも前にゴール地点に来てしまいました。逆に,地図の見方が今ひとつ上手ではなかったり,友達ともめてしまったりした班は,ゴール地点にギリギリの到着となりました。また,1カ所ずつていねいに見て回った班は,時間こそあまり余裕はありませんでしたが,その分充実した見学をすることができたようです。
 ここで学んだことや,さらに自分で調べたことをもとにして,歴史新聞にまとめていく予定です。

☆「風土記」って?
 「風土記」は「ふどき」と読みます。奈良時代に作られ,その土地の産物や山・川・原野の名前の由来・伝承などが書かれています。関東地方の風土記で現在まで伝わっているのは「常陸国風土記」です。『古事記』で有名な倭建の伝説は,ここにも載っています。

優しい1日

 5月1日は徒歩遠足の日。前日の夜に降っていた雨は上がりましたが,あまりすっきりとしたお天気ではありません。でも,すでに子どもたちの心は遠足気分。雨さえ降っていなければ,地面がぬれていたってかまわないようです。 曇り空の中,1年生と一緒の遠足がスタートしました。下級生の面倒をみながらの遠足は昨年も経験しています。あのときは,「話が合わない。」と言って男女の組み合わせで手をつないでいくのをいやがっていたのですが,今年はそんな声はいっさい聞かれません。みんな,しっかりと1年生の手をにぎってあげていました。こういうところにも,子どもたちの成長ぶりがうかがえます。
 目的地まで約30分,子どもたちは一所懸命1年生に話しかけていました。女の子たちは以前からこまめに面倒を見てあげており,今回もしっかりとお姉さんとして行動していたので安心して任せられました。ほほえましかったのは男の子たちの姿です。こんなに気を遣い,優しく話しかけている様子を見たのは初めてです。教室では決して見られない,別の一面を垣間見ることができました。
 公園に到着し,まずは1年生と合同のレクです。ペアになっている1年生と一緒に実行委員の説明を聞いていたのですが,6年生はなぜか1年生の方を向き,小声で何かをしゃべっているのです。実は,すぐにルールについて細かい説明を付け加えてあげていたのです。さらに,1年生への気配りはこれだけでは終わりませんでした。最初のレクはどろけい(けいどろではなかったような気が…。違いについては,子どもたちに聞いてみてください。)だったのですが,6年生は1年生を一緒に連れて逃げているのです。そんなルールはなかったのに,自然とそうなってしまったようです。そして,1年生がとてもよく6年生の言うことを聞き,後をついて行くのです。これには見ていたこちらもびっくりです。レクをしている間,ずっとペアの6年生と離れない1年生もいました。
 クラス単位のレクも,楽しくできたようです。実行委員がとてもよく活動してくれました。3歩あては,ようやく雰囲気が盛り上がってきたところで終わってしまったので,ちょっと消化不良気味でしたが…。
 お弁当を食べて,これからがお楽しみのおやつ…というところで,雨が降り出してしまいました。まだ自由遊びの時間が残っていたのですが,早めに学校へ戻ることになりました。雨具を用意していない子が多くいたのですが,フードをかぶったり,レジャーシートをかぶったりとそれぞれ工夫しだしました。なかには,雨具を持っていない1年生に自分のレインコートを貸して着せたり,かさを貸したりして自分はぬれて帰った子や,レジャーシートを1年生の上にかざしてあげて歩いた子もいました。まさかここまで1年生のためにしてくれるとは思ってもみなかったので,その姿に驚くとともに,とても感動させられました。うちの子たちって本当にすばらしい!りっぱなお兄さん,お姉さんぶりでした。あまりのすばらしさに,30分のおやつタイムをサービスしてしまいました。教室でおやつを食べられて,子どもたちはとても嬉しかったようです。
 たった半日だけの遠足になってしまいましたが,これだけ充実し,子どもたちの優しさやよさもたくさん発見できたので,わたしとしては大満足でした。
 なお,今回の遠足での6年生の行動について,1年生の保護者からお礼の言葉をいただいたことをお伝えしておきます。

自由とは

 「自由」という言葉からイメージするのはどんなことでしょうか。子どもたちに聞いてみたところ,ほとんどの子が「自分の好き勝手にしていいこと」と考えていました。
 でも,それは本当に自由ということなのでしょうか。たとえば,博物館で自由に行動してよいと言われたとします。自分の見たいものの前に行ったのに,たくさん人がいてよく見えません。「ねえ,じゃまだからどいてよ。わたしが見たいんだから。」と言いながら割り込み,前の方へ行ったとしたら…。他の人から見たら,ただのわがままになっていますよね。「だって,自由に行動していいんだもん。わたしのやりたいようにやるの。」という言い分は通りません。
 「自由」=「勝手気まま」ではないのです。「自由」には必ず制約や制限があるのです。誰もが「自由だから」と勝手気ままにふるまってしまったら,そこは秩序のない無法地帯となってしまいます。ルールがあるからこそ自由が存在するし,ルールが守れなければ自由にできることはさらに制限されてしまうということもあり得ます。中学生,高校生と成長していくにつれ,窮屈さを感じてくることも多くなると思いますが,「自由」の本当の意味を考え,大切にしていってほしいと思います。

きっかけは1つの詩

 「かわいそう」ということについて,クラスで話し合いました。
 国語の時間に,しゃべれない人が手話で道を教えてくれるという詩を読んだのですが,「しゃべれなくてこの人はかわいそうだ。」という感想が出たのです。
最初は賛成した子が多くいたのですが,それに対して「かわいそうではない。」という意見が出されました。
「しゃべれるわたしたちからみれば,しゃべれない人はかわいそうだって思ってしまいがちだけど,本人はかわいそうだとは思っていないかもしれないし,それなのにかわいそうだと思ってしまうのは,わたしたちと同じに見てあげていないことだと思う。」
「でも,かわいそうだなと思うのは思いやりだと思うからいいと思う。」
「かわいそうだと思うのは同情することだから,その人のつらさを思いやっていることになると思う。」
「だいたい,同情ってどういう意味なの?」
(後に辞書で調べて,『つらさや悲しみを思いやること。』と判明。)
「でも,口でかわいそうって言ったって,自分がそういう目にあっていないんだから本当にそのつらさがわかっているわけじゃないじゃない。」
「つらさや悲しみを思いやるって言うけど,同じ目にあっていない人に同情されるのはいやだ。」
「わたしは,同情されるのって思いやりが感じられるからいいと思う。」
こんなふうに,いろいろな意見が出されました。
 考え方の違いだからこれが正解というのはないと思います。ハンディのある状態の人を見て,ハンディのない人が「大変ね。」と思うことは多々あると思います。でも,ハンディのある人にしてみればその状態が当然で,別に大変でも何でもないし,同等としてみてくれていないと反発を感じるかもしれません。
同情を思いやりと受け取るかどうかは,人によって違うと思います。
 子どもたちの話し合いを聞いていて思い出したのが,灰谷健次郎『太陽の子』というお話でした。ギッチョンチョンという人が「沖縄にはかわいそうなんていう言葉はない。」と言う場面があったのです。それは,「人がつらい目にあっているときに、言葉だけで『かわいそう』なんて言っても意味がない、そのつらさを一緒に感じることが大事なんだ。そういうのが優しさなんだ。」という意味だったのでした。
 言葉だけで「かわいそう」「大変ね」なんていくらだって言えます。でも,本当にその人のつらさ,悲しさを感じ取っているのでしょうか?同じ立場に立たなくては,まったく同じつらさや悲しみなんて理解することはできないかもしれません。もしかしたら,同じ立場でも完全に理解することなんてできないかもしれません。だって,わたしはあなたではないのだから。でも,少しでも相手の気持ちを感じ取ってあげたい。自分にとって大切な人が苦しんでいたら,その苦しさを共有してあげたい。それが優しさなのではないか,そして,そんな気持ちでいられたらいいのではないかなと思いました。
 また,今回の授業でのやりとりを知り合いに話したところ,小学生でこれだけのことを話し合えるなんてすごいなあと感心しつつ,こんな話をしてくれました。
 もう6,7年前のクリスマスに教会のミサで『愛とは何か』というテーマで神父さんが話されていたことです。神父さんいわく、「愛とは何かずいぶん考えたが、分からなかった。でも、少なくとも愛とは優しさだと思う。そして『優しい』という言葉は、『にんべん』に『憂(うれ)い』と書く。にんべんはご存知の通り『人』という言葉がもとになっており、つまり『優しい』という字は『憂い』に『人』がよりそっている形である。これからすると、日本人は『優しい』ということを『他人の憂いによりそい、それを共にすること』と思っているのだと思う。」とおっしゃっていたのです。
 その後も、「この『優』という字は『優れた』とも使われるので、もっとも『優れた』人とは成績が良いとかお金をたくさん儲けた人ではなく、『優しい』人ではないか。」とお話は続きました。
 優しさとは,思いやりとは何か。それぞれの考えを持てるといいですね。

お味のほどは?〜調理実習〜

 6年生最初の調理実習は,ご飯とみそ汁(+おかず)です。事前に「家でご飯やみそ汁を作ったことがある人」と尋ねたところ,わりとたくさんの子が手を挙げました。さて,当日はどうだったのでしょうか。
 みそ汁,ご飯,おかずと担当を分けて取り組んだ班もあれば,おかずは最後に作ることにした班もありました。手際よくあっという間に作り上げてしまう班,試行錯誤の末,ようやく作り終えた班とさまざまでしたが,自分たちが作った食事はやはりおいしかったようです。わたしがいただいた班の食事もとてもおいしくできていました。なかには,全部自分たちで食べきってしまった班もありました。
 今回,多めに作った班は,先生方に試食をしていただいてきました。直接評価を先生から聞いていた子どもたちは,とても嬉しそうにしていました。次回の調理実習では,どの班も先生方に試食していただきましょう!

陸上大会速報

 今年は天候に恵まれた陸上大会となりました。でも,少々天気が良すぎて,日焼けで真っ赤になってしまった子もいたようです。この連休で少しは疲れがとれたでしょうか。
 まず感心したのは,友達の応援を大きな声で精一杯してあげたことです。リレーの予選からスタートしたのですが,S小が紹介されたり,レースが始まったりすると,みんなで声をそろえて応援するのです。他の学校の保護者が,「S小学校は,見事な応援をしますね。」と褒めてくださっていました。うちのクラスの子もこの応援の指揮をとってくれていたので,わたしもとても嬉しかったです。
 そして,それぞれの種目でもみんながんばりました。ビデオやカメラのファインダーを通して,みんなの表情を見ていたのですが,集中して競技に取り組んでいて,とてもいい顔をしていたと思います。できれば全員の活躍をビデオや写真に収めておきたかったのですが,同時展開をしている種目がいくつもあったため,残念ながらそれはできませんでした。自己ベストを更新できた人もいれば,そうでなかった人もいましたが,それぞれが今の自分の100%の力を出し切ることができたのではないでしょうか。たとえ結果につながらなくても,思い切ってやれたことは何よりもよかったと思います。
 また,選手にはなれなかったけれど,記録の仕事や応援をがんばってくれた子たちにも大きな拍手を送りたいと思います。この子たちが一所懸命記録してくれたおかげで,わたしは今こうして陸上大会の速報を書くことができているのです。友達のためと自分のため,両方をがんばった子どもたちの姿を見ることができ,大満足の一日でした。
 (ただ,選手の帰りのバスでのマナーが悪かったことは残念でしたが。)

 たくさん上位入賞者が出ましたので,その記録をご紹介します。
◎6年女子4×100Mリレー 
 予選1組3位 60秒2 
 決勝  5位 60秒5
 (R.Iさん H.Uさん H.Nさん M.Nさん)
◎6年女子100M走
 予選2組1位 M.Nさん 15秒4
 予選3組1位 R.Iさん 15秒0(決勝進出)
 決勝  2位 R.Iさん 14秒9(郡大会出場)
◎6年女子80Mハードル走
 予選3組2位 N.Wさん 15秒0(決勝進出)
◎6年女子走り高跳び
 決勝  2位 R.Sさん 119cm(郡大会出場)
◎6年男子走り高跳び
 決勝  1位 N.Mくん 139cm(郡大会出場)
◎6年女子走り幅跳び
 決勝  3位 H.Uさん 373cm(郡大会出場)
◎6年女子ボール投げ
 決勝  2位 M.Aさん 35,78m

 今年は郡大会出場選手が4人出ました。大会は6月4日に行われます。昨年,郡大会を経験した人たちは「みんなの応援がなかったから,なんとなく気持ちが盛り上がらなくて力が出せなかった。」というようなことを学校に戻ってきてから話してくれました。たとえ,会場には行けなくても,学校で選手のみんなのことを気にかけてくれると嬉しいなと思います。遠く離れていても,みんなの応援パワーが届くようにね!

話すことはわかること

 道徳の時間,子どもたちにこのクラスの男女は仲が良いと思うか聞いてみました。すると,半数以上が「そんなに良いとは思わない。」と答えました。クラスレクではみんな一緒に楽しそうに遊んでいたり,班活動の時には協力して行動したりと仲が良さそうに見えるのですが…。
「レク以外の時には一緒に遊ぶことはしないから。」
「班行動の時でも,男子同士や女子同士で行動しているから。」
まだまだ仲良しとは言えないという答えが子どもたちから返ってきました。
 では,なぜ一緒に遊んだり話したりしないのでしょうか?
「だって,話が合わないから。」
「男子はゲームの話ばっかりする。」
「女子はゲームの話はしてくれない。」
昨年から,この状況はちっとも変わっていません。でも,今回はこんな意見が出されました。
「話が合わないっていうけど,それって自己中心的だよ。」
一同,目が点。そして,質問。
「何で自己中心的なの?だれが?」
「みんなだよ。自分には興味のない話だからってきかないと,会話にはならないよ。話って,ときには合わせていかないと会話になっていかないもん。それに,自分の話したいことばっかり話しているのも自己中心的。」
聞いていて「なるほど。」と思いました。興味がなくても,聞いているうちに興味が出てくるかもしれません。自分の話を聞いて欲しかったら,人の話も聞かなくてはなりません。だいたい,話が合わないと言っているけれど,本当にそんなに合わないのでしょうか?最初から「話が合わない」と決めつけていて,共通の話題があるのに,それに気づいていないだけなのではないでしょうか。
 その後,子どもたちにアニメやマンガ,ドラマなどで知っているものをあげてもらったところ,男女関係なく見たり読んだりしているものがたくさんあることがわかりました。話が合わないというのはただの思いこみで,実際に話してみるとお互いのことがわかり,もっと友達の輪が広がっていくのではないかと思います。

ドクターヘリ,あらわる

 校庭にヘリコプターが降りました。救急用のヘリコプターです。
「ヘリコプターだ。すげえ。」と,みんなベランダに寄ってしまって授業になりませんでした。それにしても,ヘリコプターって砂ぼこりがとてもたくさん舞い上がるのです。3階の教室まで届いていました。全部窓を閉め切っておいて良かった。
 このときは社会の時間で,わたしは源のしずかちゃん(ドラえもんに出てくるしずかちゃん&静御前)のお話の続きをしたかったのですが,「先生,これも大事な社会の勉強です!」と言われてしまいました。うまいことを言うようになったものです。

「いつも通りにしよう」

 学習参観は音楽をTTで行いました。今回は合唱の練習です。
 ところで,この日のクラス目標は「いつも通りにしよう。」でした。なぜだと思いますか?
 最初,「授業参観だからがんばろう。」という目標にしようとしていたのですが,「きみたちは授業参観だからまじめにやるっていうの?じゃあ,普段はちがうってこと?」とつっこみをいれたら,上記の通りの目標となったのです。
 ちょっと緊張気味でしたが,ほぼいつも通りの姿だったかなと思います。練習していた「未知という名の船に乗り」は,今月の児童集会(音楽集会)で6年全体の発表として披露する予定です。参観の日にはあともう少しという感じのアルトパートでしたが,だいぶ上手になってきました。

郡陸上大会

 今年はうちのクラスから4名が参加しました。会場は佐倉市岩名総合運動公園内の陸上競技場です。そう,あの高橋尚子や有森裕子が練習に使っていた競技場です。
 わたしは10数年ぶりに行きました。高校生のころ,駅伝大会や歩け歩け大会(印旛沼周辺をひたすら歩き通す行事)を行うときに岩名の運動公園を使っていたのです。だから,基本的にはお庭なので,どこに何があるのかわかっています。でも,陸上競技場に行ってみて「あれ?何かが違う…。」と思いました。立派な屋根付きのスタンドが設置されていたのです。かつては,競技場の中の様子が道路からも見えていたのですが,スタンドがあったのでそれはまったくできなくなっていました。でも,今回はスタンドのおかげで助かりました。
とても暑かったのです。子どもたちも暑さのせいか調子は今ひとつだったようです。
 でも,H.Uさんが走り幅跳びで5位(373cm),R.Sさんが走り高跳びで6位(120cm)に入賞できました。
 会場で感じたのは,応援の力のことでした。部会の時には学校のみんなの応援がとてもよく聞こえ,知らず知らずのうちに大きなパワーになっていたのに,郡大会ではその応援がないのです。自分で自分を励ましていくしかなく,とてつもない緊張感の中で4人は戦っていました。その一所懸命な姿に拍手を送りたいと思います。
 そして,学校に残っていたみんなも,とても暑い中よくがんばって自習をしていました。さすが6年生ですね。立派です。

新しい友達,メラニーちゃん

 いままでは,時間を知らせるミッフィー(ミフィ子というお名前)しか教室にいなかったのですが,ある日,新たにミッフィーちゃんが増えました。
 でも,よーく見るとちょっと違います。色が茶色なのです。
「これはきっと,ミッフィーじゃない!何か別のお名前があるに違いない。」と思い,子どもたちに聞いてみました。子どもたちは「茶色のミッフィーだ!」と口々に言うのですが,ある子が「あれは,メラニーって言うんだよ。」と言い出しました。
「ん?メラニーちゃんっていうの?」
「そう。」
「ミッフィーとはどんな関係?」
「確かお友達なんだよ。あの子の方がよく知っているよ。」
と別の子を指さしました。
「ねえねえ,この子,メラニーちゃんっていうの?」
「そう。」
「どういう関係?」
「お友達。」
「どういう?」
「…うーん,それ以上は知らない。」
 結局,メラニーちゃんというお名前と,ミッフィーの友達だということは判明しました。あとで調べたところ,メラニーちゃんはミッフィーの海外にいるペンフレンドなんだそうです。メラニーちゃんは飛行機に乗ってミッフィーに会いに来たことがあるそうです。きっと,肌の色が違ってもお友達なんだよっていうことを作者のブルーナーさんは伝えたかったのではないかなと思います。
 翌朝,メラニーちゃんはブルーナーの絵本を持っていました。でも,前日とはちょっと違います。なんと,小さなミッフィーちゃんが絵本とメラニーちゃんの間にちょこんと座っているのです。
「メラニーちゃんの子ども?」
「そう!」
小さなミッフィーちゃんの持ち主は子どもです。
 しばらくすると,メラニーちゃんは絵本を広げて読んでいます。しかも,頭の上とポシェットの中に2人も子どもミッフィーを載せながら。
「メラニーちゃんは絵本も読むの?」
「そう!」
…すっかりメラニーちゃんは子どもたちのおもちゃになっています。男女関係なく,メラニーちゃんで遊んでいます。
そのまた次の日,メラニーちゃんの子どもが3人に増えました。
 黄色の服を着たミッフィー1人と,青の服を着たミッフィー2人です。さすがに3人も子どもがいたんじゃメラニーちゃんも大変だろうと思ったのですが,彼女は全員自分で背負って絵本を読んでいました。うーん,力持ち。そして,放課後は音楽のファイルを広げて歌っていました。
 今後,メラニーちゃんは何をするようになるのでしょう?

成長するって…

 遠藤周作の「白い風船」を読み聞かせました。
 どんなお話なのか簡単に紹介します。
 凡太はテレビが大好きでマンガばかり読んでいる。凡太の父曰く、「しかられるために生まれてきたのではないか。」というくらい母にしかられているのだ。
 「どこか山おくに行き、忍者達の仲間になって修行したい!」それが2年生のころの凡太の夢。
 「もしかしたら宇宙人を目撃できるかもしれない!」それが4年生のころの凡太の夢。
 そして、今、凡太は6年生…。

 これはわたしが6年生の時に教科書で読んだ作品です。もしかしたら,子どもの頃にこの作品を読んだことがあるという家の方もいらっしゃるかもしれません。今の6年生はどんな風に受け止めるんだろうと思いながら読み進めました。
 読んでいくうちに「ずいぶん難しい言葉があるなあ。これじゃ,そのまま読んでも子どもたちにはわからないな。」と思うところが何カ所も出てきて,簡単な言葉に置き換えて読みました。
 2年生の修道女を忍者だと思っていた話,4年生の空飛ぶ円盤を見たと思っていた話では,子どもたちは大ウケしていたのですが,6年生になった凡太の姿に「つまんないなあ。」と言い出しました。「夢がないよな。」「最後はそういうオチかあ。」「白い風船はもう円盤には見えないのか。」6年生の凡太は,空飛ぶ円盤や忍者を発見することはなくなり、丸い白いものを見かけても「白い風船だ。」と認識してしまうのです。
 「大人になるというのは,不思議なものを見られなくなってしまうってことなのか。」と凡太は考えます。確かにその通りなのでしょうけれど,大切な物をなくしてしまったような寂しさを感じてしまいます。それは子どもたちも感じ取ったようです。「白い風船に見えてしまうのって,現実的でなんかさびしいよね。」

今年は日食!

 昨年は手賀の丘キャンプの夜に月食を見ることができましたが,今年は日食を見るチャンスに恵まれました。6月11日の午前6時42分から8時45分まで日食が見られるということだったのですが,当日はあいにくの曇り空。時折雨がぱらぱらと降り,虹まで見えるという天候です。
 でも,雲の切れ間から時々顔を出す太陽をうまくとらえ,何とか見ることができました。まず,7時10分頃。登校していたミニバスやブラバンの朝練組に「今,チャンスだよ!見えるよ!」と声をかけました。右側の方が欠けた太陽です。この時教室にいた子たちはラッキーでした。この後,しばらくの間は太陽が現れてくれなかったからです。
 朝練中はほとんど太陽が現れず,7時40分の最大食も残念ながら見られませんでした。練習が終わってから,少しだけ見え始めたので,体育館に残っていた何人かの子たちは見られました。
 そして,8時10分。教室で健康観察をしていたのですが…空が急に明るくなってきました。「今だ!みんなベランダで見よう!」今度は下の方が欠けた太陽が見られました。
 1組や5年生にも遮光板を渡して,3階の教室の子どもたちはみんなベランダへ。本当は健康観察と朝の読書タイムだったのですが…日食はその時にしか見られないので,チャンスは逃さないようにしないと!(ちゃんとその後健康観察と読書をしました。)

暑い日の6時間授業

 日食のあった日は,じゃがいもの葉っぱにでんぷんがあるかどうか調べる実験もしていたので,1日中理科をしていたという感じになりました。
 葉っぱを煮て色を落としているときに「まわってまわってまわってまわーるー。」となつかしい歌を歌いながらかき混ぜている班がありました。また,葉に何かのたまごがついているのを発見した子も多く,それをつけたまま葉を煮ていたので「ゆでたまごー。」とつぶやいている子もいました。5時間目はあまりの暑さに,少々テンションの高い人が多かったような気がします。ちょうどロング昼休みの日だったので,汗とほこりでドロドロになって戻ってきた子が多く,さらに火を使う実験だったため,窓をあまり開けられなかったのも暑さを増す一因になりました。
 さらに,6時間目。社会の授業です。ここまでくると,子どもたちはとても疲れ,眠くなっています。窓の外に目をやり,ボーっと眺めている子もいました。なかには,聞き違いをしてクラスみんなを笑わせてくれる子もいましたが…。この時間帯には,パソコン室に他の学校の先生方がたくさん来ることになっていました。パソコン室に行くためには,必ず6−2の前を通らなければなりません。教室の前でちょっと立ち止まり,にっこりほほえんで行く先生もいました。後で「今日は社会の授業をやっていたんだね。楽しそうでいいなあ。」と話していった先生もいました。暑さに耐え,がんばっていた様子は伝わったようです。
 ところで,この先生方はみんな声をそろえて「3階は暑いねえ。」と言っていました。「このところ朝は28度ありますよ。」と教えたらびっくりしていました。ただでさえ屋上の熱が伝わりやすく暑い3階なのですが,6−2の前は階段とトイレになっていて,風が校舎の外に通り抜けにくいのです。きっと,他の教室より暑いに違いない…。

最後の観劇

 「劇団風の子」による今年の劇は「きつね先生のふしぎ…?」でした。子どもたちの様子を見ていると,夢中になって楽しんでいる子が多かったのですが,他の学年が大笑いしていても,笑わずにじっと見ている様子も見られました。あまり感動を表に出さなくなってきたのでしょうか。子どもたちの書いた感想の手紙を読むと,楽しんでいた様子は伝わってきたのですが。来年は卒業してしまっているので,この劇団の劇を見られないのをとても残念がっていました。
 今回は途中で地震が起き,ちょっとびっくりしました。劇のなかでマジックもしていたため,子どもたちは最初,地震も劇団の演出かと思ったそうです。しかし…あれだけ大きな地震を人間がどうやって起こせるというのでしょう!?子どもの考えることっておもしろいです。

24人1首

 国語の時間に短歌を作りました。短歌は読むのも詠むのも初めての子どもたち。教科書に載っている短歌には「?????」という反応です。「言葉が難しくてよくわからん。」ということのようです。社会で『万葉集』にもふれたので,教科書以外の短歌もいくつか紹介しましたが,やはり『万葉集』『古今和歌集』『百人一首』あたりの短歌は文語調の言葉に慣れていないため,どうしてもピンと来ないようです。明治時代の短歌になってくると少し言葉が現代に近くなるので「なんとなーく」わかるようです。
 さて,短歌作りです。いきなり五・七・五・七・七のリズムに合わせようとしてもうまくいきません。そこで,テーマを決め,箇条書きで短歌に詠みたいことを書き出し,それをうまくリズムに合うようにしていきました。
「字が余るー。」
「足りないのはいいんだっけ?」
「最初が六文字なのはセーフ?」
「言いたいことがうまくおさまらないんだよね。」
平安時代の歌人,在原業平(ありわらのなりひら)のように『心余りて言葉足らず』なのか,『言葉余りて心も余る』なのか,子どもたちは苦労しつつ少しずつ言葉をおきかえ,なんとか短歌を作ることができました。なかには文語調を「かっこいい」と気に入っている子もいて,自分の短歌に使ってみた子もいます。また,もっと作ってみたいと思っている子もいるようです。
 今回,作った短歌はパソコンで打ちこみ,さらにその短歌にあった写真やイラストを入れてB5横サイズの作品に仕上げました。なかなか雰囲気がでています。下の句のカードを作り,百人一首のようにしてもおもしろいかもしれませんね。

24人1首〜作者は誰?〜

 前回お伝えした24人1首ですが,作品だけご紹介いたします。さて,一体作者は誰でしょう?子どもたちと一緒に考えてみてください。正解は次号!

・黒板に落書きをしておこられてそれでもこりず落書きするおれ
・梅雨の時季高いとこからみるカサはとてもきれいなすてきな時間
・鉛筆は書けなくなると捨てられるもっと大事に扱ってくれ
・あじさいの花さきぬれればキラキラとうれしくうれしく光っておどる
・満るいで打席に立ってショートゴロチャンスつぶしてああざんねんだ
・置き時計いつも止まらず動いててえらいと思うがけっこううるさい
・ミッフィーはかわいい顔して本性はメラニー使って6−2征服
・くるしいなもうつかれたと思うのになぜかふたたび長きょり選ぶ
・黒板はいつも書かれてよごされて「たまにはきれいにそうじしてくれ」
・メラニーはいつもみんなの人気者わたしもメラニーペットにしたい
・雨の日にろうか走りはすべってねはずかしくって歩くわたしさ
・時がたち年とってまた生きかえる人はちがうよあー木はいいな
・うちの犬雨天強風こわがって家に入るが相手にされない
・メラニーちゃんみんなにいたずらされまくり最後はきっとあきられボロボロ
・本番で力出せなくくやしいよきんちょうのあまり体ガチガチ
・ないていて目をキラキラとさせているぼくが帰るとむかえるミーコ
・打った時ボールは真上に上がったがバットに当たって自信はついた
・おおきなきのぼってみたらせみがいてとろうとしたらしりもちついた
・本開きおもしろそうかと見てみたら難しすぎて本だな返す
・お友達「おはよう」「さよなら」言い合ってケンカもするけどこれこそ仲間
・青い海小さな船であみを引き魚いっぱいうれしい1日
・赤とんぼ真っ赤にそまる野の中でさまようように飛び回っている
・ねこさんはとってもみがるですごすぎる海川こえて旅行にいける
・丸い目をさらに大きく見開いてうったえかけるは「散歩」か「あそぼ」か

24人1首〜正解編〜

 前回の正解を発表します。短歌によっては,意外な人が作者でびっくりということもあるのではないでしょうか。
(HPでは正解を発表いたしません。)

平均すると…

 算数の授業で平均について学習しました。図書室の本の貸し出し冊数は1日平均何冊になるかという問題が教科書にのっていたのですが,「これ,うちのクラスの場合だったら簡単に答えが出るね。」という話になりました。実は,うちのクラスの図書室での貸し出し冊数は4月から通算で0冊なのです。なんと,誰も借りていない!理由は「教室の本の方が楽しいから借りに行く気がしない。」ということだったのですが…。ただ,歴史や総合学習の資料は借りているから,本当は0冊ではありません。でも,物語は図書室で借りていないのです。ちなみに教室用の貸し出しカードがあるのですが,こちらの記録を見ると,1人で30冊近く読んでいる子がけっこういるのです。読書タイムのときに読みたい本がなくて困っているという姿はほとんど見かけないので,読書が嫌いというわけではありません。ただ,借りていって家で読むということはあまりしていないので,もう少し読むようになってくれるといいなと思っています。

ベッカムあらわる!?

 金曜日の水泳は,プールの水温が低かったため,気温の割には寒くなってしまいました。子どもたちは休憩時間になると,暖かいところでタオルにくるまってじっとしていたのですが,途中で妙な遊びをし始めました。ベッカムごっこです。髪の毛が濡れているので,うまく立たせることができるのです。男子は「ベッカムだ!」と言って大騒ぎ。寒さも吹き飛んだようです。

すばらしい歌声

 今年度最初の音楽集会で,6年生は「未知という名の船に乗り」を合唱しました。昨年の6年生は一部分だけ合唱したのですが,今年は楽譜通りに全部合唱することになりました。授業参観でもご覧になったと思いますが,最初はアルトパートが難しく,つられてしまうことが多かったのですが,練習を重ねるうちにつられなくなってきました。
 今回は2組がソプラノパートを担当。うちのクラスはなぜか半音下がり気味の音を出してしまうことが多いので,ソプラノで大丈夫かなと心配していたのです。しかも,かなり高い声を出さなければならない部分があったのですが,見事に美しい声を響かせることができました。また,指揮者に挑戦したYさんも,リズムに乗った上手な指揮を披露してくれました。1組のアルトパートとうまく重なり合い,とても美しい合唱となりました。聴いていた他の学年の子も,すっかり聴き惚れていたようです。
 ちょっと気が早いけれど,これなら卒業式でもすばらしい歌声を披露してくれるのではないかなと思いました。

夏至=一番長く遊べる日!?

 今年は6月21日が1年中で一番昼間の長い日です。そのことを子どもたちに教えたら「やったー。長く遊べるぞ!」
 『………そうじゃないでしょ!』と思っていたら,「確か先生は子どもの頃暗くなるまで遊んでいたんだよね。じゃ,俺たちに早く帰れなんて言えないよね♪」という発言。以前,自分が子どもだった頃のことを話した時に,けっこう暗くなるまで遊んでいたと言ったことがあり,それをよく覚えていたのです。
 確かにわたしは子どもの頃,暗くなったら家に帰るという遊び方をしていました。一応,何時頃には帰るという約束もあったような気はするのですが,基本的には暗くなってきたら帰るという感じでした。だから,冬は早く帰宅し,夏は6時ごろまで遊んでいました。20年前の小学生ってそうだったのではないかと思うのですが…。
 今の子どもたちは,習い事で忙しかったり,不審者がでて危険だったりと,遊びに関しては制限がとても多くて気の毒だと思います。

子ども時代

 子どもたちからすると,大人にも子どもの時代があったというのは不思議なことかもしれません。そういえば,わたしも小学生の時に,親や先生の子どもの頃なんて想像できませんでした。20年近く前に教わった先生に最近お会いしましたが,当時とあまり変わらないなあと思うのも,きっと,大人になってからの姿しか見ていないからなのでしょう。でも,自分が大人と呼ばれる年になって,誰にでも子どもの頃があったのだということがよくわかるようになりました。自分にも子どもの頃があったのだから。
 小学生の頃はとにかく遊び回っていました。近所に同じ年頃の女の子がいなかったため,男の子と野球やドッジボールをすることが多かった覚えがあります。引っ越してからは女の子とも遊ぶようになり,ゴムとび,鉄棒,なわとび,S字おに,田んぼ(6−2では「なす,きゅうり」と呼んでいる遊び)などをしていました。5年生からは学校が分離したために学区がせまくなり,クラス全員で帰宅後に遊ぶこともできるようになりました。毎日どこかの公園や空き地を集合場所にして,暗くなるまでカンけりやけいどろ(ドロケイのことです)に夢中になっていました。当時は45人学級で,40人くらいが必ず遊びに加わっていました。
 学校では5年から音楽部に入りました。1年間通じて朝練があり,午後練もけっこうあったように思います。でも,あまり遊べなかったという記憶はありません。たぶん,音楽部の活動が好きで,夢中になっていたからでしょう。部会や郡の大会に参加して他の学校の演奏を聴けるのも楽しみでした。6年生の時に演奏したのは「E・Tのテーマ」とパッヘルベルの「カノン」という曲。この学校に来て,当時自分たちが演奏した「E・Tのテーマ」のことをよく覚えてくださっている方に出会うことができました。苦労して練習した曲を20年近く経った今でも覚えてくれている人がいるとわかり,とても感動しました。音楽の力ってすばらしい!
 10分休みでも外に出て遊んでいて,最初のうちはチャイムが鳴る前に教室まで戻れず,先生によく怒られていました。でも,しばらくすると時計なしでも10分を計れるようになり,チャイムが鳴るときには教室に戻れるようになりました。男女関係なく,バスケや3歩あてをしていたのですが,ドッジボールはほとんどしませんでした。理由は簡単,コートを書くのがめんどうで,3歩あての方が早く遊べるからです。短い10分の休みをいかにして遊ぶか,真剣に考えたものです。
 なんだか遊んでばっかりいるようですが,勉強も一応していました。どういうわけかドリルが好きで,日曜日には洗濯機のわきでドリルを進めていました。当時は二槽式の洗濯機だったので,洗濯・すすぎ・脱水のたびにスイッチを切り替えたり洗濯物を移し替えたりしなくてはなりませんでした。その間隔が7分程度だったため、いちいち部屋に戻るのが面倒になり、洗濯機のそばで勉強したのです。学習塾には通わず,自分で勉強していました。
 自分の子どもの頃を振り返ってみると,真っ先に思い浮かべるのはやはり遊びのことです。それだけ楽しかったということなのでしょうね。
 みなさんはどんな子ども時代を過ごされましたか?子どもたちに,当時の思い出を語ってみてはいかがでしょうか。

ピンクのルージュ

 歯科衛生士さんをお迎えして,歯磨きの指導をしてもらいました。歯の染め出しをして,歯垢がないかどうかを確認するという作業をしたのですが,子どもたちは思ったよりも自分の歯が汚れていたのでびっくりしたようです。染め出しをすると,歯垢が赤く染まります。それ以外の所はあまり色は付きません。 鏡を見ながら歯磨きをし,赤く染まった歯垢をていねいにおとしていたのですが,「先生,落ちないよ!」という声があちこちから聞こえてきました。でも,見てみると歯垢はちゃんと落ちています。「ちがう!舌やくちびるの赤いのがとれないの!」染め出し液が舌やくちびるにまでついてしまい,それがとれずに困っていたのです。「今残っていても明日にはとれているから大丈夫。」と話したのですが,「今日,習い事に行ったらなんて言われるか…。」とピンクのくちびるはとても気になるようです。ちょっとお化粧した感じになっているので,男の子は特に気になったのかもしれません。なかにはあまりにもピンクのくちびるがかわいらしく似合ってしまった男の子もいました。
 その後,給食後に歯磨きをする子の姿が増えました。自分の歯磨きを見直すよい機会になったようです。

し!

 最近子どもたちの言葉遣いで気になるのが文末の「し!」という言葉です。
「もう,それ終わったし!」
「そんなこと,聞いてねえし!」
「やだし!」
「し」の後に続く言葉は何もないのです。ふつう,「し」という言葉は「〜し,〜し,」といくつか同様のことを重ねるときに遣います。ところが,子どもたちの「し」は,そうではないのです。中途半端に文章が切れている感じなのです。「し!」という言葉を遣った時には「その後はなんて続くの?」と聞くと,子どもたちは言い直しをします。

スペシャル!

 7月4日の授業は「図工,図工,家庭,家庭,総合」でした。子どもたちは「やったー。スペシャル♪」と,とてもうれしそうです。どうやら,国語と算数は好きではないようで,そのどちらもないので開放感でいっぱいです。
 まずは図工。木の板を組み合わせて箱を作っています。子どもたちが苦労しているのはくぎ打ちです。思ったようにまっすぐ打てず,板を突き抜けてしまうこともありました。でも,友達に板を支えてもらって,何とか打ち終えていました。その前の時間までに終わっている子たちもいて,手伝いにまわったり,ドリルを進めたりと,それぞれ有効に時間を使っていました。
 次は家庭科です。洗濯実習です。洗うものは,昨日はいていた靴下。子どもたちに「今日はいた靴下,洗わずに明日また持ってくるんだよ。」と言ったら,「えー!?きたなーい。」この時期,汗も汚れもたっぷり吸い込んでいる靴下ですから,汚くないわけがありません。洗濯するのにはちょうど良いということになったのです。ちょうどこの日は梅雨の晴れ間で洗濯日和。ベランダにたらいを出し,手もみ洗いをしました。日は照っていても,水を使っていたので少し涼しく,気持ちよかったようです。思ったよりもよく落ちたと感じた子が多かったのですが,なかには「靴下が灰色だから,汚れが落ちたかどうかわからないー。」という子もいました。たらいの水は茶色く濁っていたから,確実に汚れは落ちていたのですけれどもね。また,あまりに汚れがひどく,つまみ洗いをしても「落ちねー。」と悲しくなってしまった子もいました。洗剤の入れ加減も難しかったようで,入れすぎて「あわあわ」にしてしまった子たちもいて,大騒ぎでした。
 洗った後は,教室の窓側にロープを張って洗濯ばさみで留めて干しました。
実習後,靴下がいっぱいぶら下がっているほうを向き,洗剤の良い香りでいっぱいになっているなか,テストを行いました。テストのできは…良い香りの効果があったかな?
 実は,靴下だけでなく,ビブス(スポッとかぶれるゼッケンのこと)も洗いました。55枚を分担し手洗いしたのですが,思ったよりも早く終わりました。
今度バスケットを授業でした時までに良い香りが残っているとよいのですが…。
 ビブスを洗濯機でもう一度すすぎ,脱水をしていると,子どもたちが群がってきました。「だって,こういうの見たことないもん。おもしれー。」学校の洗濯機は二槽式のものなので,ものめずらしいということもあったようですが,「家の洗濯機も自分が使わないから洗っているところなんて見ない。」ということもあったようです。
 今回,洗濯初体験という子がたくさんいたのですが,「洗濯機を使ってみたい。」「もう一回自分で洗ってみたい。」という声があちこちから聞こえてきました。また,「ずっと座って洗っていたら腰が痛くなったよ。昔の人って全部こうやって洗っていたんでしょ。腰痛くならなかったのかなあ。」「昔の人ってすごい。」という感想も持ったようです。
 夏休みの子どもたちのお仕事に,洗濯を加えてみるのもいいかもしれませんね。

いよいよ学期末…その前に

 夏休みまであと2週間となりました。今週からは短縮日課も始まります。遊びの計画もいろいろ立てているようですが,その前にドリルや漢字50問テストをクリアしなくてはなりません。
 漢字50問テストは90点が合格ラインです。今週中にクリアできるようにがんばってほしいと思います。また,漢字ドリルの締め切りも今週末(7/12)です。計算ドリルは来週初め(7/15)です。確実に終わらせて,楽しい夏休みを迎えられるようにしましょう。

ジャガイモ料理

 4月から育ててきたジャガイモがたいぶ育ってきました。このジャガイモを収穫し,7月18日に家の方と一緒に調理することになりました。メニューはジャガバター。そして,ポテトサラダかジャーマンポテトのどちらかを班で選んで作ります。事前に各クラスで希望を聞いてみたところ,1組はほぼ全員がポテトサラダを,2組はこれまたほぼ全員がジャーマンポテトを作りたいと言いました。クラスによって,これだけはっきりと作りたいものがわかれてしまうなんて不思議ですね。最終的には班を作り,その中で相談することになります。おいしい料理ができるといいですね。

一人きりの自分

 西研さんという哲学者の書いた『ぼくの世界,きみの世界』という論説文を国語の時間に読み終え,その感想を子どもたちに書いてもらいました。
 この論説文は,「自分には自分の世界があり,それは他の人には見えないしわからない。だから,人は自分の心を他の人に伝えるための努力をするのだ。」というような内容だったのですが,子どもたちは最初「?」という状態。例えば,電球があって,その電球は自分には丸くてオレンジ色に見えているけれど,他の人にも同じように見えているのだろうかと筆者は疑問に思うのですが,子どもたち曰く「そんなこと,考えもしないよ。」確かにそうでしょう。でも,その後の「甘み」「痛み」も人によって感覚が違うという例になってくると,だいぶ共感できたようです。
 子どもたちにとって一番印象的だったのは,「自分の心」や「自分の世界」というものが存在し,それは自分だけものであり,伝え合う努力をしない限り他者には理解できないものなのだということでした。また,自分は自分であり,他者ではあり得ないという事実を再認識した子もいました。
 子どもたちの感想の一部をご紹介します。
「6年間も一緒にいるのに,まだ相手の一部分しか理解していないのはとてもさびしい。」
「みんなの感覚が全部一緒だったらみんなが自分になり,自分がみんなになってしまいそうでいやだ。痛みや感覚が違うから,個人になれるような気がする。」
「みんなの心が違うから,思いやりの心もうまれてくる。」
「自分は今,一人きりの自分になっているのだろうか。この『一人きり』というさびしい事実をかくすために,自分だけの世界を作りだし,人と伝え合っていくのだと思う。」
「自分は一人しかいない。自分の心は一つなんだ。」
「ひきこもりがあるのは,自分の思いを誰かに伝えようとしないからではないだろうか。」
「私と友達は同じゲームが好きだけど,その程度は違う。でも,同じゲームが好きという人がいたということだけでも,私はうれしい。」
「人の心の中はのぞけないほうがいい。絶対に知られたくない秘密もわかってしまうからだ。」
 子どもたちにとって,とても難しい内容の文章だったのですが,それぞれ「自分の心」というもの,そして,「一人きりの自分」を感じ取ったようです。教科書に載っている作品なので,子どもたちと一緒に読んでみてはいかがでしょうか。

季節を感じて

 ただいま音読中の『加代の四季』ですが,ようやく冬の場面に入ってきました。夏なのに冬の話を読んでいて,季節感があまりなくて申し訳ないのですが…。でも,暑い時に雪の話を読むと少しは涼しくなるかもしれないと言い訳しつつ,課題を出しています。北国暮らしの加代ちゃんにとっては,冬はとても長いので,文章もたくさんあります。1学期中にとにかく最後まで読んでほしいと思いますので,今週は1つの作品につき1回ずつの音読になります。『加代の四季』に描かれているのは,ちょっと懐かしい日本の四季なので,子どもたちよりも家の方のほうが共感できるものが多かったかもしれません。でも,日本の四季や加代の感性には子どものうちにぜひ触れておいてほしいと思いました。子どもたちが大人になった時に「こういうお話を読んだな。」と懐かしく思い出してくれればと思っています。
 子ども時代や四季を感じさせてくれるものとして,川崎苑子さんの『土曜日の絵本』(集英社文庫)というマンガがあります。20年ほど前に描かれたものですが,今読んでもちっとも古く感じません。風吹町に住む子どもたちの日常生活や四季の風景が描かれ,とても懐かしく優しい気持ちにさせてくれます。

ジャガイモ穫れた!

 4月から育てていたジャガイモですが,先週末に収穫しました。思ったよりも大きく育っているものもあれば,小さいものもありました。どちらかというと,ミニサイズのものが多いかなという気がします。みんな,必死になってジャガイモを引き抜き,さらに土の中に残っていないか探しました。(でも,まだ埋まっているかもしれない…。)その後,きれいに洗って乾かしておいたのですが,みんながんばって作業をすることができました。

水墨画に挑戦

 社会科で水墨画について学んだので,自分たちでもやってみようということになりました。墨で絵を描くというのは初めての体験。最初は墨が濃すぎてなかなか加減ができなかったようですが,だんだんと慣れて味のある色を出せるようになりました。とりあえず体験してみようという企画なので,どんなものを描いてもいいということにしました。キャラクター,風景,果物とできあがった作品は見事にバラバラですが,子どもたちはそれなりに楽しんだようです。

台風一過

 去年は台風の影響で体育館の雨漏りがあったり,教室の中まで水が入ってきたりと大変だったのですが,今回はほとんど大きな被害は出ませんでした。でも,体育館はすこーしだけ雨漏りがあり,バスケの朝練に来ていた子たちがきれいにしてくれました。また,木の枝や葉がいっぱい落ちてしまったのですが,こちらは朝練がなかった子たちがいっぱい協力してくれてきれいに片づけてくれました。さすが6年生ですね。おかげで,通常通りの状態で学校生活をスタートさせることができました。

くっさーい!

 久しぶりのバスケットの授業中。試合をするためにビブス(ゼッケン)をつけたのですが……「くっさーい!」とんでもないにおいがするのです。正体は汗。部活の朝練で使用しているのですが,みんな大汗をかいていて,そのままたたんでしまうため,汗臭くなっているのです。とても使える状態ではありません。そこで,試合中は紅白帽でチームわけをし,授業後に全員で水洗いをしました。水洗いであの強烈なにおいが落ちるのかとも思ったのですが,これが見事に落ちるのです。
 これなら大丈夫と,手で絞って干したのですが,今度は水がボタボタとたれてくるのです。絞り方が甘いというよりも,パワー不足。そこで,家庭科室の洗濯機で脱水してから干すことにしました。前回の洗濯実習でも登場した洗濯機。あの時は自分の仕事で忙しかった子どもたちも,今度はじっくりと洗濯機を見ることができました。二槽式洗濯機を見て「うちのと違う!」「うちはこれと同じ。」「うちのはもっと小さい気がするなあ。」と口々に言っています。少し,洗濯機の使い方もわかったかな?

ナルニア国ものがたり

 昨年度末にC.S.ルイスの「ナルニア国ものがたり」という児童文学のビデオを見ました。全部で7冊あるうちの1冊目は『ライオンと魔女』というお話です。ビデオは実写版で,3時間分あったため,昨年は途中までしか見られませんでした。
 4月に6年生となり,子どもたちが口々に言ったのは「着ぐるみ,見られる?」という言葉でした。実写版のビデオなのですが,さすがに出てくるライオンは本物を使うことはできません。そこで,実物によく似せて作ったライオンが登場するのですが,これのことを子どもたちは「着ぐるみ」と呼んでいたのです。「学期末に時間があったら見せてあげるね。」という約束をしていたのですが,うまく時間ができたので,今回ラストまで見ることができたのでした。
 最後に感想を聞くことはしませんでしたが,子どもたちの反応から,だいぶ楽しんでみていた様子が伝わってきました。中には,「どうも最後がすっきりしない。」と言っている子もいました。そう,この子はとても鋭い!7冊あるうちの1冊目なのですから,謎になっている部分がまだたくさんあったのです。「続きもビデオで見ようよ!」などと言う子もいますが,ここから先は自分で本を読んでほしいと思います。
 そこで,この後の6冊がどんな物語になっているのか,簡単に紹介しました。
途中で「なんだか,これって歴史みたいになってない?」と気づいた子もいました。実は,「ナルニア国ものがたり」は7冊全部をつなげると,ナルニア国の始まりから終わりまでの歴史書にもなっているのです。しかも,出版順と歴史の流れは一致していないので,出版された順と歴史の古い順と2つの読み進め方もできるのです。「どちらで読むとおもしろい?」という質問も出ましたが,これは本人の好みなので,どちらからでも好きなように読んでみるとよいと思います。ちなみに,1冊ごとに独立した話としても読めますので,気に入ったお話を読んでみるのもよいと思います。

総合発表会

 今年は「地域の環境を見直そう」というテーマで調べ始めました。「ゴミ」「神崎川」「光害」「安全」「交通」「大気」の6つのグループに分かれ,さらにその中でも細かく分かれて調べたいことを絞りました。
 「ゴミ」グループは実際に学校の周辺を歩き,どれだけゴミがあるのか調査しました。また,地域の人にインタビューをし,最終的にはリサイクルのことにも興味が出たようです。
 「神崎川」グループは実際に川に行って生き物の様子や水質検査を行い,昨年度の様子と比較したり,どうやったら川がきれいになるか調べ,地域の人に協力してもらおうと号外を作ったりしていました。
 「光害」はあまり知られていない環境問題だったようです。本では資料がほとんど手に入らなかったので,プラネタリウムやインターネットで情報を集めました。また,アンケートを実施し,その結果をまとめていました。
 「交通」は信号無視,駐車違反,交通渋滞について,その原因を調べていました。信号無視,駐車違反についてはほとんど資料がなく,家の人にインタビューをして原因を知ることができました。パソコンを使っての発表を行いました。
 「安全」は暴走族についても調べたかったようですが,結局不審者について調べることにしました。実際に不審者が出た場所を警察に行って教わってきたり,現場を見て不審者の出やすい条件について考えたりしていました。対策も自分たちなりに考えることができました。
 「大気」は光化学スモッグや大気を汚す原因になる物について調べたり,松の葉の気孔でどれだけ空気が汚れているかを調べたりしていました。よくこの市では「光化学スモッグ注意報」が発令されるので,子どもたちもだいぶ興味を持ったようです。
 短い時間での取り組みでしたが,子どもたちはさまざまなことを学べたようです。自分の調べたことはもちろん,他のグループの調べたことにも興味を持てるようになったのは,昨年と比べてだいぶ成長したことだと思います。
 2学期も総合的な学習の時間がありますが,また,新たな発見ができるといいなと思っています。

親子でジャガイモ料理!

 今学期最後に,家の方と一緒にジャガイモ料理を作りました。昨年のカレー作りの時にも感じたのですが,家の方が一緒だと,子どもたちの様子が微妙に違うのです。実は,今日のめあては「かっこよくきめよう」となっていました。家の人が来るから,かっこよくやろうよという考えだったようです。(めあては自分たちで毎日考えています。)
 かっこよかったかどうかは別として,学校では絶対に見せない一面を見せた子がいたり,親子が会話している様子が見られたりと,とても有意義な時間となりました。
 ずっと写真を撮る作業に追われていて,お料理の方は子どもたちと家の方に任せっきりになってしまって申し訳ありませんでした。(でも,わたしが手伝わない方が絶対おいしいお料理になります!)卒業アルバムに載せられるような写真が撮れているとよいのですが…。連続でバッテリー切れとなってしまったので,少々あやしいかもしれません。
 今回,企画や準備を進めてくださった学級役員のみなさま,また,ご参加くださったみなさま,本当にありがとうございました。

新学期,スタート

 いよいよ、2学期が始まりました。早速運動会練習が毎日のように行われます。9月になり,暦の上では秋となっていますが,まだまだ暑い日が続きます。汗の始末をしっかりとさせたいので,着替えとタオルを用意し,ご家庭でも声をかけていただければと思います。
 また,今学期は白一小祭りや絵画,書写などの文化面でも忙しくなるかと思います。やるべきことを一つ一つ確実にこなしていくことも大切になってきます。充実した生活を送れるようにしていきたいと考えています。

それぞれの夏

 40日以上あった夏休みですが,みなさんはどのように過ごしたでしょうか。前半は,ブラバンやミニバスの練習で毎日学校に来ていた人もいましたね。
 ミニバスは,今までの練習の成果をしっかりと出し,男女とも1勝ずつすることができました。6月からがんばって練習してきたかいがあったと思います。
 ブラバンは2学期の部会音楽会に向けて,これからも練習が続きます。せいいっぱい練習してほしいと思います。
 さて,わたしの夏休みですが,前半はミニバスの練習に出ていましたが,同時に高校野球の応援もしていました。気がつくと母校がベスト16に残っていたので,10数年ぶりに球場まで行って応援したのです。ベスト8からはマリンスタジアムでの試合です。広いスタジアムで見る野球は,いつものテレビ中継とはひと味違って見えました。勝利の後の校歌は格別です。卒業して何年も経つのに,いまだに校歌は歌えるのです。(ちなみに,小学校の校歌から高校の校歌まで全部歌えます。)母校は結局ベスト4まで行きました。甲子園には届かなかったけれど,一所懸命プレーする姿は,見ていてとても気持ちがよかったです。
 母校のレギュラーメンバーの中には,この学校の先生のかつての教え子もいたそうです。それで気がついたのですが,わたしのかつての教え子も,別のチームのメンバーになっていました。あと何年かして,みんなが高校生になったときには,こんなふうに活躍しているのかもしれないなと思いながら,母校の応援をしてきました。
 高校生というと,あと4年先ですね。まずは,目先の中学生ですが,みんなはどんな部活に入るのかな。どんな中学校生活を送るのかな。今からとてもワクワクしています。中学生になるまであと半年。小学校での生活は残りわずかですが,自分にできる精一杯の力を出して卒業してほしいと思います。

まだ夏休み?

 新学期が始まって1週間。初日から水道が使えず,水筒持参の登校となり,保護者の皆さまにも子どもたちにもご迷惑をおかけしております。子どもたちには,手洗い用の水を運ぶ仕事を1日おきに手伝ってもらっています。あっという間に仕事を済ませてくるあたりは,さすが最高学年だなと思わされます。
 でも,まだ気持ちが夏休みモードになっている子が多いようです。清掃や汗の始末など,いいかげんに済ませてしまっている場面が見られました。1日も早く学校生活のリズムを取り戻してほしいと思います。
  いつまでもこうしていないように!
          ↓

大きくなったな…

 新学期のお楽しみといえば,席替え,係決め,そして,身体測定。ただいま成長期の子どもたちは,長い夏休みを有意義に過ごしたようで,内面も外見もだいぶ育っていました。
 身長を測ってみると,クラスの半数がわたしよりも大きくなっていることが判明。4月から比べて,4cm以上伸びている子もいました。向かい合って話していると,「あ,目線が前と違う…。」と感じます。
 卒業までにわたしの背をぬかしていきそうな子はまだいます。最後は4分の3くらいの子にぬかされてしまうのかな。わたしが小学校6年生の時には,これでもクラスで真ん中の背で,小さくなかったのに…。
 成長は嬉しいけれど,子どもたちから見下ろされていて,なんとなく複雑な気分なのでした。

今年の運動会

 小学校生活最後の運動会です。今年は1年生が1クラスしかないこともあり,学級の中で紅白2つに分かれることになりました。つまり,クラスの半分の子が勝ち,半分の子が負けるというわけです。勝っても負けても複雑な気分を味わうことになりそうですが,それはそれで仕方のないこと。とにかく,自分の持てる力を精一杯出し切ってほしいと思います。
 さて,今年の種目をご紹介します。
 ・100m走(個人種目)
 ・ワールドカップル?(親子レース,個人種目)
 ・むかで競走(リレー形式,団体種目)
 ・騎馬戦(高学年団体種目)
 ・組体操(高学年団体種目)
 「100m走」と「騎馬戦」は昨年も実施しており,内容も同じです。「組体操」は,子どもたちにとって初めての経験です。けがのないように気をつけて練習していきたいと思います。
 「ワールドカップル?」と「むかで競走」については,保護者の皆さまのご協力をいただきたいことがあります。
 まず,「むかで競走」ですが,足を結ぶのにストッキングを使用したいと考えています。使えなくなった長いストッキングを子どもたちに持たせていただけたらと思います。
 次に,「ワールドカップル?」ですが,こちらは家の方にもレースに参加していただくようになります。今年のワールドカップサッカーでベスト16に残ったチームの国名と国旗を親子で合わせるのです。国名だけが書かれたカードを親が取り,子どもはその国の国旗を取ります。親のカードの裏面には,国名と国旗が書かれた正解が貼ってありますので,子どもが間違ったものを取っていたら「違うよ!」とか,合っていたら「そう,それ!」と教えるくらいはOKとしたいと思います。絶対に正解の方の面を子どもには見せないでくださいね。正解だったら,カードを箱に入れ,サッカーボールを背中合わせではさみ,ゴールへ向かいます。ボールを落としたら,その場所からまたはさんでゴールまで行ってください。
 「ワールドカップル?」は親子レースを原則としていますが,家の方の都合がつかない場合は,他の家族の方でもかまいません。誰も参加できない場合は,教員で対応したいと思いますので,ご連絡ください。なお,レースの詳細については,後日会場図と合わせてお知らせしたいと思います。

運動会練習点描

 運動会練習が本格的になってきたと思い始めたところなのに,今週末にはもう本番です。連休があるせいでしょうか,あっという間に運動会がくるという感じがします。
 初めての組体操はいったいどうなるのだろうかと思っていたのですが,思いのほか上達が早く,だいぶ仕上がってきました。この連休の間に忘れてしまっていないかなというのが唯一の心配ごとですが,おそらくすぐに思い出すのではないかと考えています。
 騎馬戦の練習もしてみました。昨年と変更になったのは,大将騎が2騎いることです。1戦目は大将戦なのですが,2騎とも倒さなければならない分,昨年よりも難しくなっています。しかも,大将とは関係ないところで戦っている騎馬が多いので,特に男子の大将騎を倒せずにいます。うまく作戦を考えてみましょう。まだ時間はあります。
 一方,練習不足が露呈してしまったのが応援です。応援団は毎日がんばって練習し,低学年に教えに行っていたのですが,自分のクラスの友だちに教え損なったのです。全校での応援練習の日の朝,10分程度の練習はしたのですが,完璧には覚えきれませんでした。また,どうも照れくささがあるようで,思いっきり動いたり,声を出したりすることができないでいます。運動会の応援は,ノリをよくしていかないと盛り上がりません。他学年を引っぱるのは6年生の役目。恥ずかしさをかなぐり捨てて,大きな声を出してみましょう。せっかくだから,楽しく応援しよう!

環境について

 ALTの先生に,環境についてお話をしてもらいました。今回来ているのは,昨年もお世話になったオーストラリア出身のK先生です。どんな環境問題がオーストラリアにはあるのか,さまざまな面から説明してくださいました。 大気汚染,水質汚濁,自然破壊,ゴミ処理問題,オゾンホール,動物保護…。日本と共通の問題もあれば,オーストラリアでは問題にはならないものもあり,逆にオーストラリア独自の問題もありました。
 なかでも,子どもたちが一番興味を持ったのは,オゾンホールです。そんな言葉は聞いたこともないという子が圧倒的に多かったのですが,南極にあいたオゾンホールの影響で,オーストラリアの子どもたちは,帽子をかぶり,日焼け止めをぬり,サングラスをして外に出ているという話を聞き,とても驚いていました。また,国民の3分の2が皮膚ガンにかかるということにも,びっくりしたようです。
 また,オーストラリアの川は努力してきれいになったと知り,これは日本でも,もしかしたら神崎川でもできるのではないかと考えた子もいました。
 今学期の総合では「地域の環境を見直そうU」という大きなテーマで学習を進めていきます。どうやら,他の国の環境事情を知ることで,自分たちの身近な環境により一層目を向けられるようになったようです。今後の学習に生かしていけたらと思います。

最後の運動会&裏話

 今年の運動会は,練習期間中から雨に悩まされることもなく,順調に準備を進めることができました。本番も好天に恵まれ,ほとんどの子が力を出し切れたようです。後片づけが終わったあと,子どもたちに「今日の運動会は自分としては何点?」と尋ねました。すると,90点以上をつけた子が大半でした。勝った白組の子はもちろん嬉しそうなのですが,2点差で負けた紅組の子も,満足できた運動会だったようです。最後の運動会となりましたが,子どもたちにとってすばらしい思い出ができたのではないかと思います。

☆栄光のゴールをめざして100m走(個人種目)
誰と一緒の組でレースをしたいか子どもたちに聞いたところ,タイム順に組みたいという意見が圧倒的に多かったため,100m走のタイムの近い人と走るように組みました。その結果,最初のコーナーまでの間にほとんど差がつかず,一斉にカーブに入ることが多くなり,友達とぶつかったり,転んだりした人が出てしまいました。でも,誰が勝つか予想のつかない,緊張感あるレースになったようです。

☆百足リレー(リレー形式,団体種目)
 子どもたちはいろいろと忙しく,実際に練習できたのは2日だけ。でも,グループごとにかけ声を工夫したり,並び順を考えたりと,一所懸命取り組みました。練習場所は,3階の廊下。100mあるので(100mあることは,1学期の算数で調査済み),練習するのにはもってこいなのです。ただし,かけ声が大きすぎると,他のクラスに迷惑をかけるのですが…。
 それにしても,短い練習期間であれだけ上手にできるとは思いませんでした!見事な走り(歩きではなかったと思います)でしたよね。

☆ワールドカップル?(親子レース,個人種目)
 小学校生活最後ということで,お世話になった家の方と一緒に行うレースとさせていただきました。ご協力いただき,ありがとうございました。家の方と一緒だと,子どもたちの表情が普段と違いますね。いつもとは違う子どもたちの一面を見られてよかったと思いました。
 また,家の方の活躍もすばらしかった!「楽しんでくださいね」とレース前に話したのですが,保護者のみなさんの気合いは子どもたち以上で,どのレースも真剣勝負!ずるずると引きずられてゴールに入っていった子も多かったようです。だいぶ体が大きくなったとはいえ,やはり大人のパワーにはかなわないのですね。「お父さん(またはお母さん)のおかげで一番になれた!」と嬉しそうに話している子もいましたが,「引きずられて痛かった!」と文句を言っている子も…。このレースでケンカになっていないとよいのですが。
 ちなみに,バックでかかっていた曲は,「オリー・カーン」です。ワールドカップサッカーのドイツチームの守護神,オリバー・カーンのテーマ曲なのです。

☆組立体操(高学年団体種目)
 練習を開始した時には「本当にできるようになるんだろうか。」と心配した種目。最初の首倒立や,ブリッジもあまりできなかったのですから。肩車やサボテンにいたっては,できないグループの方が圧倒的に多かったのですが,練習を繰り返すうちに,どんどん上達していきました。そして,予行練習ではほぼ完璧と言ってよい演技をすることができたのです。
 でも,この成功が裏目に出てしまいました。予行の翌日の練習では緊張の糸が切れてしまい,笑いながら演技する子もいて,失敗ばかりしていたのです。「このまま練習を続行しても,ダラダラしていて意味がないし,危険だからもうやめよう。」ということになり,子どもたちに「やる気がないようだからやらなくていいよ。」と話しました。すると,一部の子たちは「やりたいです。」「やらせてください。」と言ったのですが,他の子たちはそれに対し特に反応を見せません。結局,これ以上は組立体操の練習は行わないことにしました。
 翌日,うちのクラスの子が数名,休み時間に「最後の運動会だから,組立体操を成功させたいので,練習をさせてください。」とわたしのところに言いに来ました。しかも,申し合わせたのではなく,個人的にバラバラで来たのです。「まずは,クラスみんなの意見をまとめなさい。」と話したところ,すぐに「練習をしたい。」と意見がまとまりました。でも,組立体操は自分のクラスだけではできません。5,6年のすべての人が参加しなければ練習できないのです。そこで,各クラスに「6年生にとって最後の運動会なので,練習をしたいから協力してほしい。一緒に練習に参加してほしい。」と何人かが代表となって,自分たちの気持ちを伝えに行きました。すると,どのクラスも「練習する。」と答えてくれ,本番前日の4校時という本当にギリギリのところ(5,6校時は前日準備の時間)で練習することができました。
 先生たちに「練習しなくていいよ。もうやらなくていいよ。」と言われても,熱意と誠意を持ち,あきらめずに行動すれば道は開けることを,今回子どもたちは学ぶことができました。また,リーダーとして率先して行動できたことも,とてもよかったと思いました。5年生の先生は「5年生の教室まで来て『練習させてください』『協力してください』と言ったことにとても感動しました。」とおっしゃってくださいました。
 そして迎えた本番。ほとんどミスなしの,よいできばえだったと思います。欠席者のいたグループも,うまくフォローしながら演技をすることができました。今までの練習の成果を出せて,本当に良かったと思っています。

☆ザ・騎馬戦(高学年団体種目)
 なぜか練習中は白組ばかり勝ち続けていた騎馬戦。大将戦も,総力戦も,とにかく白組が強かったのです。本番直前の子どもたちの会話でも「騎馬戦は絶対勝てるよ。」と白組は強気です。
 ところが,本番で大逆転!最初の大将戦で紅組が勝利したのです。騎馬の配置を見ると,大将を守るようにうまく並べてあり,どうやら作戦を立てたようです。それがうまくいき,初勝利をあげることができました。
 でも,総力戦になるとやっぱり白組が強い!紅組を圧倒していました。
 最終戦の大将戦は,微妙なところもありました。紅組の大将の帽子が取られそうになり,だいぶずれていたのですが,協議の結果,大将の帽子が頭から離れたら負けというルールで,帽子は離れてはいないという判断でそのまま続行となりました。結局,白組の負けとなってしまったのですが,白組の子たち曰く「騎馬戦は負けたけど,総合で勝ったから別に気にならない。」とのことでした。  

☆応援合戦
 練習中はとにかく声が出せずにいたのですが,本番はよくがんばっていました。応援団も夢中になって応援し,とても盛り上がっていました。応援団の皆さん,お疲れさま!

☆紅白リレー
 練習中は,6年生の前でほとんど勝負が決まっていたのですが,今回はだいぶ順位が入れ替わり,6年女子の時点であまり差がありませんでした。うちのクラスの代表はみんな見事な走りを見せ,1位と2位でゴールすることができました。
 また,同じチームの子の面倒もよくみていて,立派になったなあと思いました。

☆係活動
 全員が係の仕事をしたのですが,さすが最高学年,昨年の経験がよく活かされていました。準備の段階からとてもよく働き,素早く作業を終えることができました。当日も,自分の競技もあって忙しいのですが,すぐに仕事を始めていました。
 実は,競技の進行がかなり早くなってしまい,昼食の時間も早くなってしまったのですが,そこには素早く的確な行動をした係活動が関わっていたのだと思います。

 運動会終了後,子どもたちに「作文を書こうね。」と言ったところ,「えーっ!?」とブーイングがでました。でも,今回はきっと書きたいことがいっぱいあるのではないでしょうか。この3連休の宿題にしようかとも思ったのですが,ほとんどの子が「連休明けがいい!」と言ったので,水曜日に書くことにしました。でも,なかには休み中に書きたいと思った子もいたのです。それだけ,心に残る運動会だったのでしょうね。
 また,運動会の参加賞として漢字ノートを配りました。「漢字…。いやだなあ。」「ちょうどノートがなくなりそうだったんだ。」と反応はさまざまです。「あれ?このノート,マス目が大きいよ。」という声もありましたが,大きくていねいに書くことも大切だと思うので,ぜひ使ってください。さらに,「そのノートにはね,次は勉強をがんばろうっていう意味もあるんだよ〜♪」と付け加えたところ,子どもたちは「はあー。」とため息。
 気持ちを新たにし,文化の秋,学習の秋にしていきましょう。
 
 最後になりましたが,保護者のみなさまには,レースへの参加,さらに後片付けまで手伝っていただき,本当にありがとうございました。子どもたちが泥だらけにした体操服の洗濯も大変だったと思います。さまざまな面でのご支援をしていただいたおかげで,すばらしい運動会になりました。

ゲーム脳の恐怖

 「緊急!ゲーム脳の恐怖」という講演を聴きに行った方から教えてもらった,人間の脳に関する恐ろしいお話です。
 夏休み前,毎日新聞に「ゲーム:毎日2時間以上は大脳活動に影響」という記事が掲載されました。その説を出した日本大学の森昭雄教授によると,人間らしい感情や創造性をつかさどる大脳の前頭前野という部分の活動が,テレビゲームをする時に目立って低下するのだそうです。前頭前野というのは,額のあたりにあり,人間の個性を決める場所なのだそうです。この部分が未発達だったり,損傷を受けると,感情のコントロールができなくなるようです。ゲーム時間が長い人ほど,前頭前野の働きが悪くなり,しかも,ゲームをしない時も活動レベルは回復しなくなります。これを「ゲーム脳」と森教授は名付けました。
 初期の段階ならば,ゲームをやめれば前頭前野の働きも回復するのですが,ゲーム漬けになってしまうと,つまり,ゲーム脳になってしまうと,やめても戻らないというのです。これは非常に恐ろしいことだと思います。前頭前野の働きが低下するということは,感情を抑制できず,きれやすくなり,人間らしさを保てなくなる,それは本能で行動するということなのですから。
 では,ゲームを一切してはダメなのかというと,そういうわけではありません。(でも,一番よいのはまったくしないことだそうです。)ゲームをしても短時間(2時間以内)にする,読書をする(マンガは前頭前野の活性化には効果なし),音読をする,日記を書く,手書きで手紙を書く,外遊びをする,運動する,テレビを短時間にする,家族や友達といっぱい話すといったことで,ゲーム脳になるのを防げるとのことでした。
 子どもたちにこの話を教えたところ,「自分はゲーム脳かも…」と思った子がけっこういたようです。でも,ゲーム脳になっているかどうかのテストを自己採点してもらったところ,ほぼ全員が大丈夫でした。ちなみに,テストの内容は次の通りです。

「はい」「いいえ」で答えてください。
1 漢字が覚えられない。すぐに忘れる。
2 いま,何をしようとしたか,すぐ忘れる。
3 やる気が起こらない。
4 きれいな花や景色を見ても何も感じない。
5 本を読まない。(マンガは読んだうちに入らない。)
6 電車や公共の場所で,化粧をする。あるいはペットボトルの水を遠慮なく  飲む。
7 身なりに無頓着。
8 計画性がない。部屋にこもりがち。
9 突然カッとなって大きな声を出す。
10 部屋や机を片づけられない。ごみだらけ。

このうち,「はい」が6つ以上ある人は,イエローカードの半ゲーム脳。8つ以上ある人は,レッドカード,つまりゲーム脳です。子どもたちは,「はい」が1〜3つくらいという子が多かったようです。6つ以上という子はいませんでした。ゲームもするけれど,他の活動もいっぱいしているからなのかもしれませんね。
(なお,この文章はHP「風雲童話城」の越水利江子さんの書かれたものをもとに作成しています。)

体調管理をしっかりと

 運動会の疲れが出たのか,先週末はのどの痛み,だるさ,発熱など多くの子が体調を崩していました。季節の変わり目で,気温の変化が最も激しいこの時季,体調管理をしっかりするよう,子どもたちに声をかけてください。

何の秋?

 校庭にあるキンモクセイの香りが教室まで漂ってきています。キンモクセイが香るようになると「秋が来たなあ」と感じるのですが,子どもたちは「キンモクセイって何?」「それ,どこにあるの?」という反応。この学校に通うようになって6年目という子がほとんどのはずなのですが…。なかには「ああ,トイレのにおいみたいな…。」と認識している子もいました。
 ところで,秋と言えばいろいろ思いつくものがありますが,目下のところ,子どもたちはスポーツと芸術の秋に向かってまっしぐらという状況になっています。特に木曜日はスペシャルデー。図工,図工,家庭科,家庭科,総合という時間割なのです。嬉しくてたまらないといった様子の子がたくさんいます。家庭科ではクッションやエプロン,ティッシュケースなど,それぞれ自分の作りたいものを一所懸命仕上げている真っ最中です。図工では物語や詩の場面を想像して描きました。次はスチレンボードによる版画を行います。
 同じ芸術系でも,書写の時間になると様子がちょっと違います。どうもあまり習字は好きではないようなのです。「うまく書けないんだもん。」というのが理由のようですが…。それでも,集中して文字を書いています。
 音楽は微妙な状況です。現在,合奏を計画しているのですが,創作グループと楽譜のあるグループとでだいぶ進度に違いが出ています。創作グループは「海」「空」をテーマにしているとのこと。いったい,どんな曲ができあがるのでしょうか。楽譜のあるグループも,きれいに仕上げられるといいですね。どちらもとても楽しみです。
 スポーツの方は,体力テストが少しずつ行われているところです。かつては「スポーツテスト」が行われていましたが,数年前から内容が変わり,現在は「体力テスト」となっています。
 まずは,シャトルランです。これは,20mを何往復できるかというテストです。持久走のようなものですが,一定時間内に20m分走らなければなりません。最後は根性の勝負といった感じになってくるのですが,昨年よりもだいぶ記録が伸びた子が多かったようです。
 次は反復横跳びです。これは今まであったものと同じです。こちらも記録更新の声が多く聞かれました。昨年に比べ,だいぶ体が成長し,運動能力も伸びているのでしょうね。こちらは練習をしただけなので,本番ではどれだけ記録が伸びてくるのか楽しみです。ちなみに,本番は10月9日です。
 体力テストは1年生とペアを組んで一緒に会場をまわることになっています。すでに,シャトルランの記録を取ってあげたり,反復横跳びの練習を一緒にしてあげたりとよくめんどうを見てあげていました。本番でもめんどうをしっかり見てくれるだろうと思っています。
 もう一つ,子どもたちにしてほしいのは読書です。音読はまめにしていますが,あれは非常に短い文章なので,今回はもっと長い文章を読んでほしいと思います。たくさん読む子がいる一方で,学校では本を読むけれど,家に帰ると読まないという子もいるようです。今,戦争に関する本をいろいろ読んでいます。きっと,さまざまなことを考えているところだと思います。これを機会に,さまざまな本にふれ,考えを深めてみてくださいね。

折り返し点〜卒業まであと半年〜

 小学校生活も残り半年。子どもたちの会話の中に「修学旅行」という言葉が聞かれるようになってきました。
「先生,修学旅行ってどこ行くの?」
「うちの学校は修学旅行はないよー。」
「えー?」
「だって,スキーは自然教室だもーん。修学旅行じゃありませーん。」
「は?」
 子どもたちは目が点になっていたのですが,これは本当です。単に名称の問題なのです。子どもたちにとっては名称などどうでもいいことなので,修学旅行と言っていて別にいいかなと思っていますが。
 今年度は昨年度と同様にスキー教室になります。2泊3日のスキー教室,きっと子どもたちは飲み込みが早いので,すぐにコツをつかんでスイスイと滑るようになるのではないでしょうか。
 卒業アルバムの撮影もだいぶ進んできました。先週はクラブと学級の授業風景の撮影。今週は委員会の撮影となります。立て続けに卒業を感じさせることがあるのですが,みんな,卒業を意識しているのかな?
 卒業まであと半年。楽しいことばかりではないかもしれないけれど,あとで振り返った時によい思い出となるような,そんな日々にしたいですね。

スポーツの秋

 水曜日は朝のうち,雨が降っていたけれど,10時過ぎにはグラウンドもほぼ乾き,良い条件で体力テストを実施できました。
 6年同士でペアを作り,さらに1年生を連れて会場内をまわりました。4人もしくは5人1組になっての行動なので,時間がかかるのではないかと思っていたら,1時間ほどでほとんどの子が終わってしまいました。1年生の面倒をよく見て,手際よくまわってきたのでしょう。さすがです。役員となっていた子は,自分の仕事が終わらないとまわれなかったので,他の子より30分以上遅れて教室に戻ってきました。早く戻ってきた子は自習することになっていたので,「自習ができなかった…。」と役員の中には残念そうにしている子もいました。
 今回は運動能力章を狙っていこうと子どもたちに言っていたからか,かなりの好記録が出せました。運動が苦手という子も,種目によっては満点の10点をとれるので,それなりに自信がついたようです。ちなみに,8種目で80点満点になるのですが,6年生は71点以上でA判定,つまり運動能力章がもらえます。23人中5人がこの日,A判定。最高記録は75点でした。70点が2人と68点が1人,67点が2人いたのですが,この子たちは「リベンジする!」と言い,再度挑戦することになりました。結局,リベンジ組は全員記録が伸び,A判定になりました。合計,10人がA判定です。また,CからB判定になった子もいて,今年はとても意欲的に取り組んでいる様子がうかがえました。
 ところで,昨年は同じテストでA判定は2人だけでした。合格点は年齢によって異なり,昨年は65点でよかったのですが,今年は71点とらなければなりません。昨年62点くらいでB判定だった子が,今年はA判定になっているわけですから,1年で10点近く記録を伸ばしているのです。すばらしい進歩ですね。体つきが大人に近づき,体力も伸びているのだと思います。
 種目別に見ると,10点が思ったよりも出たのはシャトルランです。81回で10点なのですが,100回までねばった子がいました。90回を超えた子もいます。最高記録は101回でした。
 長座体前屈は,身長や手の長さも記録に関係するようです。体が少々かたくても,40cmくらい曲げられていました。最高記録は50cmを超えてきました。この種目は女子の方が記録がよいようです。
 反復横跳びは敏捷性を測るものですが,こちらも非常によい記録でした。20秒間で50回以上という記録が出ていました。1秒に3回近く左右にすばやく動いていることになります。
 立ち幅跳びは,悲喜こもごもでした。100cmちょっとという記録の子がいて「どうしたの,これ?」と聞いたら「手を後ろについたからそこで記録をとられちゃった。」とのこと。2回挑戦できたので何とかよい記録につながりました。最高記録は200cmを超えていました。こんな記録を見るのは初めてです。50m走が早ければ,走り幅跳びで4mを超えることも可能なはずです。
 上体起こしの記録は全体的にいまひとつというところです。これは腹筋です。日頃意識して鍛えてはいない様子がうかがえました。最高記録は30秒で26回でした。これは立派です。
 50m走もいまひとつ…。7秒台が1人,8秒前半が数名でした。でも,昨年に比べたらだいぶ速くなっています。最高記録は7.9秒です。
 握力の記録はだいぶ伸びました。昨年は10kg台や,1けたの記録という子が多くいたのですが,今年は20kgを超える子が増えました。最高記録は38kgです。
 ソフトボール投げが一番問題がありそうです。投げられる子とそうでない子の差が激しいのです。上は40m,下は1けた。ボール投げは日頃の経験がそのまま出ていると思います。野球やキャッチボール,ドッジボールで鍛えている子はテイクバックもできてそれなりに飛ばせます。でも,女子を中心にクラスの半分くらいの子がテイクバックがあまりできずにいます。もうじき体育の授業でソフトボールを行うことになっているので,基本的な投げ方がしっかりとできるようにしたいと思っています。
 体育関係の話題をもうひとつ。現在,走り高跳びをしています。自分の身長と50m走のタイムから目標記録を設定して,はさみ跳びやベリーロールで記録を伸ばしています。はさみ跳びでは120cm近くを跳べる子が出てきました。ふわっと体が浮いて,きれいなフォームで跳んでいきます。ベリーロールでは,140cmを跳んだ子が出ました。身長との差は12cm程度。これだけ跳べると気持ちがいいでしょうね。

酸性,アルカリ性,中性

 理科の時間のこと。水溶液の性質を調べるため,子どもたちにいろいろな液体を持ってきてもらいました。食塩水,砂糖水,お茶,スポーツ飲料水,なかには,ラム酒,おつけ物の汁,みりん,除光液もありました。授業の前から「何持ってきた?」「なんか,おもしろいにおいがするぞ!」と大騒ぎ。性質を調べる前に,みんなにおいに夢中になってしまいました。
 リトマス紙で酸性,アルカリ性,中性を判断したのですが,子どもたちがもってきてくれたものはほとんどが酸性か中性でした。「スポーツ飲料ってよくアルカリ性っていう言葉を聞くけどなあ。」という疑問も出ましたが,ポカリスエットなども酸性を示しました。また,なぜか,いくつかの班で食塩水がアルカリ性を示してしまったのですが,本当は中性です。
 「じゃあ,アルカリ性のものってないのかなあ?」実は,身の回りにちゃんとあるのです。台所用洗剤には弱アルカリ性のものがあります。また,キッチンハイターは「アルカリ性」という表示がきちんと出ています。でも,これは漂白剤なので,実験してすぐに結果を見ないと,あっという間に漂白されて,赤色リトマス紙も青色リトマス紙も真っ白になってしまうのです。
 注意深く見ると,酸性やアルカリ性のものが身近なところからさらに見つかってきそうですね。

教科書にはない歴史

 現在,社会科では幕末から明治にかけてを学習しています。ところが,教科書だと,ペリーが来航すると,あっという間に徳川慶喜が大政奉還をし,明治の世の中に入ってしまうのです。
 本来,時代の変わり目には大きな世の中の動きがあります。江戸時代から明治時代にかけては,特に人々の時代を動かす力が強かったのではないかと思います。300年近く続いた江戸幕府が力を失い,朝廷に政権が還る時に,多くの若い武士たちがそれぞれの信念の元に活動しました。幕府方には新撰組,それに対し,尊王論(そんのうろん)を唱える人々が現れ,外国勢力を排除しようとする攘夷派(じょういは)とが一緒になり,尊王攘夷派として倒幕に向けて動きました。教科書では2,3行ですまされたり,まったくのっていなかったりすることにも,実はさまざまな人たちの生き様が歴史として残っているのです。
 新撰組の話は,小説になったりマンガになったりしています。また,この時代に活躍した人たちの伝記もあります。機会があったら,読んでみてほしいなと思います。

目指すはアカペラ

 先週の音楽は,「ふるさと」の合唱と,とグループごとの合奏練習をしました。
 まずは,今月の歌である「夢の世界を」で声出し。朝,教室で歌うとあまり声が出ないのですが,なぜか音楽の授業だと大きな声が出るのです。「何で教室だと出ないの?」と聞くと,「朝はどうも声が出なくて…。」という返事。でも,朝早くから友達と大きな声でしゃべっていると思うのですが…。「夢の世界を」は昨年,全校児童の前で発表をした曲なので,さすがに上手です。
 次は「ふるさと」です。教科書には2部合唱として載っています。まだ,ソプラノパートに教わっていないところがあったので,そこを全員で練習し,2部に分かれて歌ってみました。ソプラノの人数は少ないのですが,とてもきれいな声を響かせていて,アルトパートとうまく重ねることができました。でも,子どもたちはあまり自覚がありません。どうやら,自分のパートを歌いあげるのに必死で,もう一方のパートの音色を聴く余裕がないようです。数回練習するうちに,少しずつ響き合いを聴くことができてきたので,最後に伴奏無しで歌ってみることにしました。最初はきれいに合っているのですが,途中から微妙にずれが出てきてしまいます。アルトパートが少し音程をはずしているのです。自分のパートを確実に歌えるようにすると,伴奏無しでもつられなくなってきます。目指せ,アカペラ!
 最後は,合奏練習です。「君をのせて」「カノン」「海」「空」の4グループに分かれています。「君をのせて」と「カノン」はどちらも楽譜があり,分担を決めて練習を進めました。「海」と「空」は創作音楽です。自分たちでイメージをふくらませ,音を探していかなくてはなりません。「海」だったら,どんな色なのか,波の様子はどうなのか,周りの風景はどうなっているのかとさまざまに想像していきます。創作でも,楽譜のある曲でも,自分たちにしかできない音を作り出し,表現できるといいなと思います。

バランスのよい食事

 家庭科の時間に,自分の1日の食生活をふり返ってもらいました。朝・昼・夜のこんだてを書き,主食・副食・汁物に分けてみたのですが,それを見て子どもたちはさまざまなことに気づきました。
「汁物を1日の中で1度もとっていない。」
「何だか,昼が一番バランスがいいみたい。」
「給食だからじゃない?」
「でも,給食も好き嫌いで残しているから,全部食べているわけじゃないよ。」
「自分の食生活はバランスがかなり悪い。」
「朝,副食がなかった。」
「主食が重なっている!」
 多くの子が,自分の食生活はあまりバランスがよくないと感じていました。また,みそ汁などの汁物を1日に1度も飲んでいない子も多かったようです。 朝食の量が少なかったり,食べてこない子もいます。給食を食べるのは12:35ごろですから,しっかり朝食を食べている子でもそれまでにおなかが相当空いてしまいます。食べてきていない子は,途中でとてもだるそうにしています。
 バランスと分量を考えて食事をとるよう,ご家庭でも子どもたちにお話ししていただけたらと思います。

ムラサキキャベツの神秘?

 理科の実験でムラサキキャベツ液を使いました。酸性,アルカリ性,中性の判別ができる液体です。この液体を試験管に入れて渡したのですが,子どもたちは「なんか変なにおいがする!」と口々に言いました。もともと,ムラサキキャベツを煮て作ったものですから,キャベツのにおいがするのです。
 でも,水溶液をムラサキキャベツ液に入れ出すと,そんなにおいのことはどこかへふっとんでしまいました。あまりにも鮮やかに色が変わったので,子どもたちはその変化に目を奪われたのです。
「赤くなったー!」
「こっちは黄色だよ。」
「え?黄緑じゃないの,これ。」
「だんだん黄色くなっていくよ。」
「そっちは緑だね。」
 同時にリトマス紙でも実験していたので,どの液体が酸性かアルカリ性か,子どもたちは確認を始めました。
「ムラサキキャベツが赤くなったのって酸性だよ。リトマス紙の青が赤になったもん。」
「じゃあ緑は?」
「そっちはアルカリ性。」
「黄色は何?」
「黄色もアルカリ性だよ。」
「あまり変わらなかったのは?」
「うーん,中性じゃないの?」
 自分たちでちゃんと結果から性質を考えることができました。
 でも,実験をしているときのあの盛り上がり方にはびっくりです。
「きれい!!」
「混ぜたら何色になるかなあ?」
 すっかりあの色の変化に魅せられてしまった子どもたちでした。

どっちがいい?

 11月1日の授業参観は社会科の授業を予定しています。テーマは,「どっちがいい?」です。つまり,2つの事柄があり,自分はどちらがいいと思うか,お互いに意見を出し,討論するのです。5年生の国語の授業で討論をしたことがあるのですが,子どもたちはすっかりそれが気に入ったようで,「また,やろうよ。」と何度も言っていました。今回は,社会科でやってみたいと思います。
 討論ですから,ただ単に自分の意見だけを主張しているだけではいけません。相手の意見を聞き,それに対する反論も出せなければならないのです。2チームの対抗戦という形式で行うので,それぞれ作戦をたてたり,役割を分担したりすることもできます。
 どんな討論会になるのか,本番をお楽しみに。

どっちがいい?〜その後〜

 歴史討論会「信長と家康,どっちがいい?」を行いました。
 信長派と家康派に分かれて討論したのですが,今回は歴史上の人物がテーマになっていたため,事前に2人の人物について詳しく調べることにしました。教科書や資料集はもちろんのこと,図書室の本も活用し,同じグループの仲間と相談しながら調べたり,作戦を考えたりしていました。なかには,「これ,相手につっこまれたらやばいよね。」と相手からの反撃を予想している子たちもいました。
 さて,本番。信長側も家康側も,それぞれ良い点を出すのですが,必ず相手側から反論が出されました。その内容は,なかなか的を射ているものが多く,主張した側が言葉に詰まる場面が何度か見られました。反論が的確に出せるということは,それだけ相手の意見をよく聞き,自分の考えを持つことができているということになります。
 例えば,「信長はキリスト教を取り入れたり,鉄砲を使ったりして,経済を発展させた。」という意見が出たのですが,「キリスト教を取り入れたり鉄砲を使ったことが経済の発展につながったのかと言えるのか。」という反論が出されました。それに対し,「信長は貿易に興味を持ち,城下町がにぎわったのだから,経済が発展していたと思う。」という回答が出されたのですが,「こちらはキリスト教や鉄砲が経済の発展に関係したのかどうかを聞いたのだから,話がずれている。」とさらに指摘されました。確かに,信長側の主張はそれだけを取り出してみるととてもよいのですが,家康側の反論や指摘の通り,話がうまくかみあっていません。これだけのことを,自分たちで考えて発言できたことは,すばらしいと思いました。
 また,信長側が「信長は最初に全国を統一しようと考えた人で,信長がいなければ家康の全国統一はなかったと思う。」という主張をしたのですが,家康側は「それは,生まれた年がたまたまそうなっただけで,家康が先に生まれていたら同じことをしたと思う。」と反論に出ました。それに対し,信長側は「それは,もしそうだったらということであって,実際には家康が先に生まれて全国統一をしてはいない。」と指摘しました。これは信長側の指摘通りです。歴史に「もし(if)」は存在しないのです。この討論に「もし」を持ち込むと,どんなことがらでも「もしもこうだったら…。」と仮定して考えることができてしまい,討論自体が成立しなくなってしまうのです。討論の本質をよくとらえた鋭い指摘でした。
 また,途中でわからない言葉があった時に,辞書をとってきて,すぐに調べる場面もありました。1つの言葉に対してとても敏感に反応するという姿勢もよかったと思います。
 信長派と家康派,どちらも内容の濃い主張と反論をすることができた今回の討論会ですが,最終的に家康派の優勢勝ちということになりました。どちらのグループも全員が発言をしていましたが,家康派の方がグループ全体のまとまりがよく,的確な反論が出せていたのが勝因です。
 最後に感想を子どもたちに聞いたところ,「おもしろかった。」という意見が圧倒的に多くあがりました。また,「反論を出すのが難しい。」「グループ内のまとまりがよくなかった。」という声も聞かれました。お互いの意見をぶつけ,議論するのは思考力を使い大変なことなのですが,子どもたちにとってはとても楽しいことでもあるのです。この感想は,手を挙げずに言ってもらったのですが,こういうときには子どもたちは思いっきり自分の言いたいことを言います。本当は自分の意見を持ち,言いたいことがたくさんあるのだけれど,みんなの前だとなかなか言えないというのが子どもたちの実態なのではないかと思いました。

雨天コールドゲーム

 体育ではソフトボールをしています。昨年も行ったソフトボールですが,今年はだいぶレベルアップし,バッティングと守備が上達しました。それにあわせて,ルールも一部改正。昨年は2アウトチェンジだったのですが,今年は3アウトチェンジになりました。
 試合の方は,25分程度で1ゲームを行っています。最初は,1回に3,4点入ってしまうので,1回の表と裏で終了ということもありましたが,最近はアウトカウントをすぐにとれるので,2回までできるようになりました。
 先週の金曜日は,あいにくの曇り空。どういうわけか,金曜日の体育は天候に恵まれません。この日も,いつ降ってもおかしくないという状態でした。そんな中で始めたソフトボール。どちらのチームも最初の頃とはシフトを変更してきています。いかにしてアウトカウントをとるか,それぞれ工夫しているのです。今回は,ピッチャーの投げる球が速いので,振り遅れたり見逃したりする子が続出しました。(ちなみに,球が遅いと,普段野球をしている子たちはスイングが速すぎて空振りします。タイミングは合っているのに…。)また,抜ければ絶対に長打といういい当たりを,見事にノーバウンドでキャッチするファインプレーも2度見られ,どちらのチームも0点のまま2回裏まで終了。3回にいけると思ったのに,そこで雨が本格的に降り出してしまいました。結局,雨天コールドで引き分け。せっかくいいペースで進んでいたのに…。残念。

水溶液の正体をさぐれ!

 理科の授業では,水溶液の性質について学習をしています。先日,まとめの学習として,「水溶液の正体を解きあかそう」というテーマで授業を行いました。塩酸,水酸化ナトリウム,炭酸水,ホウ酸水,食塩水,アンモニアの6種類を試験管に入れ,各班に配り,それぞれの液体の正体を考えるのです。使ってもよい道具や手段は,リトマス紙,ムラサキキャベツ液,鉄くぎ,アルミホイル,スチールウール,お湯で温める,熱する,振る,においをかぐといったことです。中には「なめれば食塩水だとわかる!」と言っている子もいましたが,「食塩水ではないものをなめてしまったら大変だからダメ!!」と却下しました。
 いよいよ実験開始です。各班とも,みんなで協力して実験を始めました。全部の水溶液について,リトマス紙やムラサキキャベツ液で酸性かアルカリ性かを調べている班もあれば,においですぐに判別できるアンモニアと泡が出てくる炭酸水をすぐに見きわめ,残りの水溶液についてリトマス紙で性質を調べている班もありました。
 非常に効率がよかったのは5班です。余計な実験はせず,短い時間で次々に正体を探り当てていました。正体を一度ですべて見破り,酸性・中性・アルカリ性の判別もほぼ正解でした。(実は,炭酸水の性質だけどの班も一度で正解には至らなかったのです。弱酸性だったため,ムラサキキャベツ液では限りなく中性に近い反応しか出ず,青色リトマス紙でもほんの少し赤くなる程度なので非常にわかりにくかったからです。)
 最終的には,どの班もすべて正解となりましたが,実験中に「水酸化ナトリウムってさあ,何性だっけ?」「酸性じゃない?」という会話が出てきたり,「あれ?ムラサキキャベツ液が赤くなるのって,アルカリ性だったっけ?」というつぶやきがでてきたりと,子どもたちの頭の中はだいぶ混乱していたようです。でも,今までのノートを見ながら,「あ,赤くなるのは酸性だ。それ,きっと塩酸だよ。」と過去のデータを参考にしながら判別することができました。今までに学習したことを思い出しながら調べられたのはとてもよかったと思います。でも,授業で教わったことは,復習しないと完全には身に付きません。テストをするときに,必ず事前に予告しているのは,しっかりと復習してきてほしいからなのです。ぜひ復習する習慣をつけてほしいと思います。

リベンジ!〜美女と野獣〜

 部会の音楽発表会が行われました。今年は,4年生が「聖者の行進」を,5・6年生は「美女と野獣」を演奏しました。「聖者の行進」の助っ人に加わった6年生も数名いました。
 「美女と野獣」は6年生がぜひ演奏したいと言って選んだ曲です。自分たちがやりたいと言っただけのことはあり,みんな熱心に練習していました。1ヶ月ほど前に初めて演奏を聴かせてもらったのですが,テンポやリズムが次々と変わっていく難しい曲を上手にまとめて演奏していたのでとても驚きました。 本番の演奏は,今まで聴いた中で一番良いできでした。でも,子どもたちは納得がいかなかったようです。「音をはずした。」「失敗したところがある。」一所懸命にやったのですが,うまくできなかったことが悔しかったのです。リベンジの機会は,郡大会しかありません。子どもたち曰く,「午前の部から1校行けるんだったら,絶対うちの学校だと思うんだけどな。」それだけ,手応えありの演奏でもあったのです。結果は,見事に郡大会出場となりました!今度こそ,最高の演奏ができるようにしてほしいと思います。

あと一週間

 児童会祭りまであと一週間となりました。今年は,迷路を作っています。準備期間はあとわずか。自分の仕事をしっかりと進め,当日を迎えてほしいと思います。自分たちの祭りなのだから,自主的に行動してくれることを期待しています。

楽しかったのは?

 今年の児童会祭りは,迷路作りをしました。迷路にするか,イラスト展示にするか,意見は半々に分かれていたのですが,結局迷路に挑戦することになったのです。子どもたちは,迷路作りはそんなに難しくないだろうと思っていたのか,企画の段階で計画を細かく立てていなかったため,少ない時間の中でだいぶ苦労して作ることになってしまいました。でも,当日は120人以上の方に来ていただき,楽しんでもらうことができました。後片付けも素早くきれいにでき,小学校生活最後の児童会祭りは満足感でいっぱいとなったようです。
 ところで,児童会祭りで一番楽しかったのは何だったのでしょうか?ほかのクラスをまわったことでしょうか。それとも,自分のクラスのお客さんとなって迷路に挑戦したことでしょうか。人それぞれちがうと思いますが,もしかしたら,みんなでにぎやかに準備をしていることが何よりも楽しいのかもしれませんね。

跳べた!!

 今年も跳び箱のシーズンがやってきました。「えー?跳び箱やるの!?」「跳べないからいやだなあ。」跳び箱があまり好きではない子たちから,そんな声が聞こえてきました。
 でも,実際に授業が始まると様子が違ってきました。「初めて7段跳べた!」「閉脚跳び,できるようになったよ。」できる技が確実に増えているのです。去年より体格がよくなり,運動能力が伸びていることもありますが,跳ぶコツをだいぶつかめてきたようです。1,2組合同で体育を実施し,上手な人の演技を間近で見られることも,技能の向上に一役買っています。
 さらに,今年は「ヘッドスプリング」「ハンドスプリング」という難しい技にも挑戦しています。練習を始めてすぐにできるようになった子は,さらに次の技に挑戦したいとうずうずしています。
 新しい技ができるようになったり,跳べる段数が増えたりして大喜びしている子がたくさんいる今年の跳び箱。どれだけ伸びていくのか,とても楽しみです。

Mr.Wolf!

 ALTの先生と,時間の言い方を練習しました。まず,12までの数を英語で
言ってみたのですが,意外とスラスラと言えているのです。そこで,次は5とびの数(5,10,15,20…)も言ってもらったのですが,これまたちゃんと言えるのです。これにはALTの先生もびっくりしていました。
 「What time is it?」「It's five.」といった言い方を練習したら,次はゲームです。「Mr.Wolf!ゲーム」といい,内容は「だるまさんがころんだ」とよく似ています。おおかみ(Mr.Wolf)が鬼になり,あとの人はみんな羊になります。羊たちが「What time is it,Mr.Wolf?」と言ったら,Mr.Wolfが「It's three.」と時間を答えます。羊たちは,Mr.Wolfが答えた数だけ前に進まなければなりません。Mr.Wolfが「It's lunch time!」と答えたら,羊たちはつかまらないように一斉に逃げ出します。そして,つかまってしまった羊が,次のMr.Wolfになるのです。前に進むときは普通に歩いてよかったのですが,「だるまさんがころんだ」に似ていると言ったためか,なぜか大またで歩いていく子どもたち。あっという間に,Mr.Wolfの近くまでたどり着いてしまいました。前に進めなくなると,その場で足踏みです。結局,飽きた様子もほとんどなく,30分近くずっと「Mr.Wolf!ゲーム」は続いたのでした。

寒さと暖かさとの戦い

 最高気温が10℃に満たないという寒さの中,今年の校外学習が実施されました。内容は,県立中央博物館の見学と能楽鑑賞教室だったので,そんなに寒さは関係ないかと思っていたら大間違い!昼食は外で食べなければならなかったのです。それまで暖かい室内で過ごしていた子どもたちですが,食べるときには「寒〜い!」と縮こまっていました。でも,食べ終わったあとは友だちと走り回り「暑い!!」というまでになってしまった子もいました。昼食後の能楽鑑賞教室では,館内の暖かさからくる眠気にうち勝たねばならないという過酷な状況になりました。この寒さと暖かさとの戦いが一番大変だったのかもしれません。心配された渋滞の方は,まったくといってよいほどはまらなかったのですから。
 肝心の見学の方ですが,博物館には理科・社会に関連するさまざまな展示があり,興味深く見てきたようです。館内での過ごし方も,静かに見て回っており,とてもよかったと思います。能と狂言は,まあまあおもしろかったというところだったようです。狂言はわかりやすくておもしろかったのですが,能が今ひとつわからなかったというのが,子どもたちの実感です。でも,生で能や狂言の舞台を見られるというのはめったにないことなので,貴重な経験になったのではないかと思います。今はよくわからなくても,何年か後の子どもたちにとって必ずプラスになると思っています。

冬休みまであと20日

 12月になりました。最近,子どもたちが「ねえ,何だか1週間が早く感じない?」と言っているのですが,わたしも同感です。充実しているのと,週休2日制になって登校する日が減っているのとがその理由なのかもしれません。少し前まで「暑いなあ。」と思いながら過ごしていたはずなのに,「寒いなあ。」と縮こまっている今日この頃。今年は秋がなく,一足飛びに冬が来たようです。
 2学期は20日まででおしまいです。「やったー!冬休みが早く来るよ!」という声も聞かれましたが,意外なことに「えー?それしかないの?」と少々不満そうな子もいます。「だって,もっと学校で過ごしたいよ。卒業するの,いやなんだもん。」「卒業したって,みんなおなじ中学に行くんだよ。あまり変わらないじゃない。」「そうだけどさ…。もう1年残りたいなあ。」少し『卒業』を意識し始めたようです。
 それぞれ,いろいろな思いがあるようですが,冬休みを楽しく迎えるためには,やるべきことを終えなければなりません。ドリルや漢字50問テストなど,しっかりと勉強して力をつけてほしいと思います。短縮日課が多くなりますが,遊ぶだけではなく,学習の総まとめをしていきましょう。
また,最近少々浮かれ気分でいる子もいます。もう少し落ち着いた生活を心がけてほしいものです。

成長した自分を見つめよう

 国語の時間に「自分を見つめて」という単元を学習しています。自分のことを客観的に見つめ,成長したことや心の動きを文章にしようというものです。でも,子どもたちは困ってしまいました。「自分を見つめてって言われても,よくわからないよ。」自分のことを客観的に見つめるというのは,子どもにとって非常に難しいのです。そこで,客観的に見られる立場にいる友だちに,自分の良さや成長ぶりを教えてもらうことにしました。「よいところ探し その2」です。(「その2」というのは,昨年も同様のことをしているからです。)1学期よりも内面的に成長している子が大勢いますし,昨年と比べるとその成長ぶりがよりはっきりとわかる子もいます。
 友だちのコメントをもとに,自分の良さや成長ぶりを知り,もう一度「自分」を見つめ直してほしいと思います。

やっぱり怒濤の調理実習

 今回の調理実習は「1食分の食事を作ろう」というテーマで行いました。各班とも,自分たちの食べたいものを話し合い,献立を作りましたが,話し合いの段階から,みんな楽しそうでした。でも,それぞれ好みが違いますから,当然すんなりとはまとまりません。「チャーハンがいい!」「えー?別のがいいよ。」という会話は当たり前。1時間話し合ってもまだまとまらないのです。また,栄養面等のかたよりも目立ちます。なぜか,主食が2つあるという班も出てしまいました。何度か「この献立だとダメ!」と言われ,考え直し,ようやく各班ともメニューが決定しました。
 当日は,非常によくがんばりました。初めて作る料理もあり,レシピを見ながら必死になっている子もいました。
 1班は,たらこスパゲティ,ハンバーグ,たまごスープ,フルーツポンチを作りました。ハンバーグの焼き方で苦労していたのですが,おいしくできました。たまごスープ,スパゲティも上手でした。
 2班はとにかく手際がよく,あっという間に中華風料理ができあがりました。チャーハン,ギョーザ,ポテトサラダ,ギョーザスープです。特におすすめなのはギョーザでした。スープはギョーザの中身がたくさんあまったので,急遽ギョーザスープになったようです。
 3班はチャーハン,ポテトサラダ,カボチャの煮物です。(汁物は何だっけ。紅茶?)味付けに苦労していました。カボチャの煮物はおしょうゆを入れすぎたのですが,何とかおいしく仕上げることができました。
 4班はハンバーグ,キュウリの塩もみ,ご飯,塩じゃが,紅茶です。ハンバーグなど,おいしくできたのはよかったのですが,じゃがいもが多く,食べるのが大変でした。
 5班は作るのに一番苦労しました。ミニハンバーグ,野菜いため,お好み焼き,フルーツポンチの予定だったのですが,お好み焼きは急遽焼きそばに変更となりました。それぞれ,家庭の味とは微妙に違ったようですが,わたしはおいしいと思いました。
 子どもたちの感想に「ひとりじゃできなかった!」というものがありました。確かに,ひとりで全部作れと言われたら大変かもしれません。でも,みんなで協力したら,できないと思っていた料理もできたのです。せっかく作り方を覚えたのだから,1品ずつでも,家で作ってみてほしいと思います。
 また,「作り過ぎちゃった!!」という班も続出しました。1組におすそ分けをした班が多かったのですが,「自分たちで全部食べる!」とがんばってしまった班もありました。1,2校時に行った実習だったのですが,その後の給食がほとんど食べられなかったのは言うまでもありません…。給食も1組におすそ分けとなりました。次なる課題は「分量を考えること」ですね。

雪だ!

 まだ2学期だというのに,雪が降ってしまいました。「この冬は暖かくなりそうだという予報が出ていたのに,一体どういうこと!?」と思うのですが,子どもたちは大喜びです。普段外に出て遊ばない子まで,校庭に飛び出していったのですから。雪合戦をしたり,雪だるまを作ったりと大はしゃぎの6年生。この日はちょうど大掃除もあったのですが,戻ってきた子どもたちを見ると,頭からつま先までびっしょりです。でも,みんな「暑いから平気!!」と言いながら,一所懸命掃除を始めました。夢中になって遊び,夢中になって掃除をしたので,体はポカポカだったようです。おかげで,校内もきれいになりました。
 でも,今回の雪はあっという間にとけてしまい,まだ遊び足りなかったようです。「また,雪が降らないかなあ。」とつぶやいている子がたくさんいるのです。わたしとしては,もう雪は降らないでほしいのですが…。家と学校では積雪量がだいぶ違うので,チェーンをするかどうかいつも迷うのです。それに,1月には自然教室があるので,そこでたっぷり雪とたわむれてほしいですね。 

雅(みやび)の世界

 音楽の時間に,琴と尺八の体験教室を行いました。生の演奏を聴いたり,和楽器の演奏をしたりと,とても新鮮な体験だったようです。琴は,事前にはじく弦の番号を歌にあわせて覚えていたので,思ったよりも楽に弾けたようです。30分ほどの練習で,ちゃんと「さくらさくら」が演奏できるようになりました。尺八は難しく,音が出せない子が半分以上いました。でも,「琴を習ってみたい!」「また挑戦してみたい!」という感想も出されました。
 優雅なひとときを過ごした子どもたち。現在,3階の廊下に琴が置いてあるので,再び雅の世界に浸ってみるのもよいと思います。

加代と子どもたち

 子どもたちの『白いとんねる』の音読をいつも聞いていただき,ありがとうございます。2学期の終わりになって,ようやく加代は小学生になります。そう,加代はまだ小学生ではなかったのです。最初に読んだ「加代の四季」では4,5歳くらいだった加代も,もうじき1年生。考えることもだいぶ成長してきたと思うのはわたしだけでしょうか。加代は五感を働かせ,さまざまな物について考えていきます。また,何気ないできごとにも,加代は思いをめぐらせます。その感性はとても鋭く,読んでいて共感することもあれば,そういう考え方もあるのかと驚かされることもあります。
 子どもたちも加代同様,だいぶ成長してきました。でも,もっと人の気持ちを考えて行動したり,交友関係を広げたりしてほしいと思う部分もあります。卒業まであと3ヶ月。子どもたちにもたくさんのことを感じとってもらい,加代に負けないよう,成長していってくれたらと思います。

本当の友達

 「友達」と言ったら,どんな人を思い浮かべますか?いつも一緒に遊ぶ人でしょうか。それとも,クラスの仲間でしょうか。
 では,「本当の友達」と言ったらどんな人を思い浮かべますか?
 「本当の友達」というのは,単に一緒にいて楽しい人や気が合う人ではないと思います。悩み事を聞いてくれたり,一緒に考えたりしてくれる人,自分が間違っていた時にきちんと指摘してくれる人など,一緒にいて自分を成長させてくれるのが本当の友達なのだと,わたしは思っています。
 今,自分の周りにいる人達は,自分自身を成長させてくれているだろうか。目の前の楽しさに流され,自分を見失ってはいないだろうか。自分の考えを持って友達と接しているだろうか。もう一度自分を見つめ直してみてください。

クリスマスの思い出

 わたしが子どもの頃のクリスマスのお話。
 父が「あれ?今,鈴の音がしなかったか?」と言い出しました。それを聞いた兄が「うん,したした!」と言いました。「じゃあ,玄関に行って見てごらん。」という母の言葉に,兄はつんのめりながら玄関まで走っていきました。そして,ドアを開けると…そこには,サンタさんからのプレゼントが置いてあったのでした。
 中身は,テープレコーダー。テープも一緒に入っていました。それを再生してみると,「このプレゼントは,お父さんがサンタさんに頼んで運んでもらった物です。兄妹3人で仲良く使ってください。」というメッセージが流れました。満面の笑みを浮かべて,兄はそれに聞き入っていたのでした。
 翌年のクリスマス。わたしと兄は物置の組み立てを手伝っていました。それが終わり,みんなで家の中でくつろいでいると,また父が「鈴の音が聞こえてこない?」と言い出しました。「うん,聞こえる聞こえる!!」「玄関に行って,見てきてごらん。」わたしと兄は,先を争って見に行きました。すると,メトロノームと天体望遠鏡が置いてあったのです。「あったー!」「でもさあ,何でサンタさんはほしいものがちゃんとわかるんだろう?」「何でそごうの包み紙なの?」すると,母は言いました。「サンタさんは世界中の子どもたちにプレゼントを配るからとっても忙しいの。だから,デパートの人に手伝ってもらっているんだよ。」「そうか!なるほど。」わたしと兄は納得したのでした。
 もうじきクリスマスです。最近,サンタの存在について論議している子たちが「ねえ,サンタって本当にいるの?」と質問してきたので,「存在を信じている人の所にはちゃんと来るんだよ。」と答えました。
 みんなはどんなクリスマスを過ごすのでしょうか。

あなたの宝物は何ですか?

 わたしの子どものころの宝物は,ガラスのかけらでした。公園や空き地で拾ったガラスのかけらを太陽にかざすと,キラキラ光って別の世界に迷い込んだような気分になれました。緑のガラスは森の中,茶色のガラスは夕焼け空,水色のガラスは川の中…。
 でも,家に持って帰ると「そんな危ない物は捨てなさい!」と片付けられてしまいました。それから,わたしはガラスを見つけてはこっそりとかくすようになりました。犬小屋の裏,物置と壁の隙間…。あちこちにかくすうちに,どこに何色のかけらを置いたのか,わからなくなってしまいました。でも,拾ってかくすことだけで,嬉しくなっていたので,結局なくなってしまってもがっかりすることはありませんでした。
 また,地面の中から出てくる貝殻も宝物でした。空き地には真っ白な貝の化石がいっぱい埋まっていたのです。どこも欠けていないきれいな貝殻が見つかったらラッキー。大きい物だったらもっとラッキー。破片は,アスファルトの上でこすると,文字や絵が描けるので,それも重宝しました。時間を超えて現れた貝殻たちは,わたしの大切な遊び道具だったのです。
 そういえば,2年生の時に読んだ『わにのおじいさんのたからもの』というお話では,おにの子の宝物は空いっぱいに広がった夕焼けでしたね。
 みんなの宝物はいったい何でしょうか。

ラストスパート

 3学期が始まりました。小学校生活も残りあと3ヶ月です。学習面では,6年間の総まとめの時期となります。小学校で学んだことをきちんと身につけて中学校に進学できるようにしてほしいと思っています。
 そして,この学級で過ごせるのもあとわずかです。せっかく同じクラスの仲間となったのだから,お互いのことをもっとよく知り,卒業後も仲良くしていられるようになったらいいなと思います。
3学期はあっという間に時間が過ぎていきます。卒業を常に頭に置きながら,1日1日を大切に過ごしていきましょう。

アームレスリング大会!

 2学期末の話です。
 朝,7時過ぎに教室へ行くと,すでに子どもたちが数名登校していました。
 そのうちに,今度はあちこちで腕相撲を始めました。その前日もやっていたのですが,なぜ突然やり始めたのかは不明。でも,あまりに夢中になってやっているので,「ねえ,どうせだったら,アームレスリング大会にしちゃえば?」と提案したところ,すぐに子どもたちは乗り気になりました。そこで,黒板の側にいた子に,トーナメント表を書いてもらいました。対戦相手は,適当にネームカードを置いて決めました。何にも作為無しです!もちろん,男女混合です。
 後から登校してきた子たちは,黒板を見て「なんだこりゃ?」と不思議そうにしていましたが,とにかく遊べるということが分かり,大はしゃぎ。
 アームレスリング大会は大盛況!歓声があちこちであがりました。また,応援する声も響きました。
 アームレスリング大会の結果は,右部門も左部門も1,2位は同じ子になりました。1位はO.Wくん,2位はM.Hさんです。右と左とでは対戦相手が変わったのに,ちゃんと決勝まで勝ち進んだのです。
 ちなみに,大会終了後にフリー対戦時間を設け,誰と腕相撲をしてもいいよということにしたのですが,上位陣と対戦できなかった子は直接対決を挑み,さらにわたしとやりたがる子もいました。おかげで,翌日は腕が筋肉痛になりました…。

スキー顛末記(てんまつき)その1

1月13日(月)
 今日は成人の日。本来なら学校は休みだが,6年生だけは登校する。2泊3日の自然教室初日なのだ。3連休の最終日ということで,道路とホテルが比較的空いているのがありがたい。
 朝,5:00過ぎに家を出た。夜明け前なので,当然周りは真っ暗である。夜の方が街灯が点いているのでまだ明るいくらいだ。学校に着いたのは6:00少し前。真っ暗な中出勤し,玄関を開けて職員室の明かりをつけるというのは少々妙な感じがする。幸いなことに,子どもたちはまだ誰も登校していなかった。気分が高ぶっている子どもたちは,やけに早く登校してしまうことがあるのだ。
 15分ほどして,他の職員が出勤し,添乗員やカメラマンが到着した。子どもたちも登校し始めたようだ。昇降口の方で声がする。
「入っていいんじゃない?」「えー,いいの?」「だって,開いているってことは,入っていいってことじゃないの?」寒いのと,トイレを利用するのとで昇降口を開けておいたのだ。しかし,子どもたちにはピロティに集合と話してあったので,昇降口に入ってよいのかどうか迷っていたらしい。「開いているということは入っていいということ。」という判断は一応正解である。しかし,彼らは「教室に行って忘れ物を取ってくる」ことをしたかったようなのだが。
 6:30に電話が鳴った。「インフルエンザになったので,欠席します。」「えーっ!!」金曜日まで元気だったのに,土曜日にインフルエンザで寝込み始めてしまったのだそうだ。結局,欠席者は2名。残念なスタートとなった。
 集合時刻より前に,ピロティにはほとんどの子が集まっていた。いよいよ出発式だ。実行委員はスムーズに式を進め,さあ出発。と,掲示板の方をふり返ると,何かが書かれている紙がはってある。「おおっ!」そこには,「行ってらっしゃい!」というメッセージが…。あれを作ったのはおそらくJ先生だろう。細かい技に,みんなで感心してしまった。
 バスに荷物を積み込み出発しようとしたら,「あれ?積めないぞ…。」みんなの荷物が大きくて,バスの下の格納庫に全部入りきらなかったのだ。「窓,開けて!!」「は?」「後部座席の後ろに積むから!」すでにバスに乗り込んでいる子たちに窓を開けさせ,荷物を車内に放り込んだ。最初からトラブル発生である。
 少々遅れたが,無事に出発。魔のR16も空いていて,あっという間に柏インターに到着。子どもたちはバスレクを始めた。今回は全員がレク係である。バスの座席の横の列ごとにチームを組んでいて,それぞれが用意しておいたレクを進めるのだ。11列あったので,全部で11種類のレクができる。帰りの分もあるので,合計22種類だ。けっこうこった内容のレクを用意していたので,みんなあきずに過ごせたようだ。具合が悪くなった子もいない。もしかしたら,レクが足りないかもしれないと思っていたのだがとんでもない!3チーム分のレクを残して,奥日光湯元に到着してしまった。ホテルの到着時刻も予定より30分くらい早い。早い分にはいいだろうということで,荷物を部屋に運び込み,昼食にした。
 午後はスキースクールだ。ピーカンでまぶしく,目が痛いくらいだ。インストラクターの話では,最近では一番いい天気だということだった。開校式をすませ,班ごとに分かれてインストラクターに指導してもらった。A班は経験者ばかりが集まっているので,あっという間にリフトの方へ行ってしまったが,あとの班は基礎からじっくりと教わっている。子どもたちは実に素直に指導されたことを実せんするので,どんどん上達していく。1日目の午後だけで,思い通りに止まったり曲がれたりするようになった子もいた。
 「この調子なら,大丈夫そうだね。順調に進んでいるしね。」しかし,そう思ったのは大きなまちがいだということに,すぐに思い至ることとなる。
 ホテルに戻り,休けいとなった。疲れているだろうと思いきや,子どもたちはまだまだ体力があり余っていた。あちこちの部屋に出かけ,ろう下だろうがかまわず写真を撮りまくっている。「写真は部屋の中で撮りなさい!ろう下で激写するのは反則!!」外でそり遊びや雪合戦をしている子たちもいたが,こちらは無茶なことはせず,楽しく過ごしていた。部屋に残っていた子たちは一体どう過ごしていたのやら…。後で聞いたら,トランプざんまいだったグループもあったようだ。
 夕食がすみ,入浴の時間となった。ここで,とんでもない事態が発生!なんと,全員が入り終わるまでに1時間30分もかかったのだ。なぜこんなことになったのか。まず,服をなかなか脱がない。友達と一緒にお風呂にはいるのが初体験だったので,恥ずかしかったのだ。なんとかお風呂に入ったはいいが,次は楽しくなって遊びだしてしまい,なかなか出てこない。なかには,タオルを浴そうに入れてしまう子もいた。「それは,マナー違反!!」さらに,使った後に整理整とんをして出てこなかったため,おけやいすが散乱し,シャワーからはお湯が出たまま,泡は流れていない,洗面台は髪の毛だらけになっていたのだ…。結局,入浴後に臨時で全員を集め,お風呂の使い方を確認した。また,お風呂で鼻血を出した子が2名。温泉でのぼせてしまったようだ。
 その後,消灯まで自由時間だったのだが,部屋ごとに見事に特徴が出ていた。みんなで一緒に遊ぶところ,少人数に分かれて過ごす人達。それなりに楽しかったようではある。消灯時刻も基本的には守っていたようだが,なかにはいつまでもトランプをやっていて,注意された面々もいた。この人たちは,その後もずっとトランプばかりしていた…。
 深夜,見回りに行くと,まだ起きている子たちがいる。興奮して眠れないらしい。また,部屋が異様に暑かったため,寝られなかったようだ。
 とりあえず,1日目は終了。

スキー顛末記(てんまつき)その2

1月14日(火)
 早朝,起床時間にはまだ早いというのに,ろう下に出ている子たちがいる。早く目が覚めてしまったので,他の人を起こさないようにろう下に出てトランプをしていたというのだ。…目が覚めたら,ふとんのなかでおとなしく横になっているようにと言ったのに…。5:30頃には全員起きて…いや,起こされてしまった部屋もあった。「こんなことで今日一日もつのだろうか?」朝から心配な人達である。
 起床後,ふとんを片付け,シーツをろう下に出しておくことになっていたのだが,一部屋だけ出ていないところがある。例のトランプ部屋だ。様子を見てみると,やっぱりトランプをしている。「シーツ出して!」「え?」「やることやってから遊びなさい!!」彼らは,その後またトランプを始め,朝食開始時間になってもまだやっていた…。
 スキースクール午前の部,開始。この日もピーカンである。ほとんどのグループが,今日はリフトに乗れそうだということで,リフト乗り場のそばでスクールが始まった。A班は今日もあっという間に姿が見えなくなっている。どうやら,不思議なコースを通っているようで,後で話を聞いたら,木の間を抜けたり,こぶを跳び越えたりしていたとのこと。結局,この日はほとんどA班の姿を見かけることはなかった。
 すべてのグループがリフトに乗ることになった。まず,D班。上達が早く,リフトも上手に乗っていった。次にB班。こちらも,なんとか乗ることができた。そして,C班はB班が2回目のリフトに乗ったあとにようやく乗り始めた。順調に乗っていき,あと5人くらいというところで,リフトが止まってしまった。「ん?止まっちゃったねえ。」「先生,何で止まってんの?」「上の方で何かあったみたいだね。あ,そうそう,リフトが止まっても,絶対飛びおりないでね。」「は?飛びおりる?」「そんなことしないよ〜。」「いや,そういうことをした人が昨日いたから言ってるの。」「えー?マジ!?」「マジでいたの。」A班で飛びおりてしまった子がいたのだ,実は。でも,乗った直後だったので,高さはほとんどなく無事にすんだ。不幸中の幸いである。今回は,上の方で何かあったようだが,なかなかリフトが動き出さない。そのうち,子どもたちが「ねえ,ネットの所に誰か落ちてるよ。」と言いだした。「え?落ちた!?」わたしは眼鏡をかけていなかったのでよく見えなかったのだが,子どもたちにはしっかりと見えていた。「本当?」「うん。」そのうち,リフトがまた動き出したので,全員リフトに乗っていった。すると,下の方からパトロール隊が斜面をものすごいスピードでかけあがっていった。「え…,もしかして,けがしたの?」すぐにリフトの係員が出て来て,「どうも上で落っこちた子がいて,パトロール本部の方へ連れてくるみたいですよ。本部は下にあるから,行ってみてください。」と教えてくれた。
 本部に着くと,落ちた子は治療を受けているところだった。念のため病院に行くことになった。
 このころになると,子どもたちもだいぶ上達していて,「曲がるの,うまくなった!」「スキーってすごくおもしろいね!」と嬉しそうに話していくようになった。
 12:45から午後の部開始。けがをした子は結局1針縫い,見学となった。
 スキー場は少し曇りだしてきた。1日目はビデオ撮り,2日目の午前中は滑らないうちにけが人が出たこともあり,わたしはまったくスキーをしていなかったのだが,午後からは滑ることができた。5,6年ぶりのスキーなので,滑れるかどうか不安だったが,しばらくすると滑り方を体が思い出し,転ぶこともなく滑れるようになった。リフトに何度か乗っていると,体調不良を訴える子が出た。「どうしたの?」「気持ち悪い…。」インストラクターに連れられてこの子はホテルに戻ることになった。
 インストラクターに教わってのスキーはこの日で終了。なんと全員がリフトに乗り,滑れるようになったのだ。
 この日の入浴は,昨日とはうってかわっての素早い行動が見られた。バッチリである。「もういろいろ注意しなくてすみそうだな。」と思っていたのだが,残念ながらそうはいかなかった。例のトランプ軍団である。先ほどの具合の悪くなった子の荷物を同室のトランプ軍団に運んでもらうおうとしたのだが,彼らはトランプを続けていて一向に動こうとしなかったのだ。遊びに来ていた別の部屋の子がせっせと働き,同室の子たちがまったく働かなかったので一喝。その声は,ドアを閉めていたにもかかわらず,2部屋先まで響き渡っていたということが,後の子どもたちの証言で明らかになった…。
 8:00からはレク大会。各部屋ごとに準備しておいた出し物を披露するのである。何だか怪しげな発表をしていた部屋もあったが,それはそれで楽しめた。なぜか,男子はどの部屋もマジックをしていた。1つだけどうしてもトリックがわからないものがあり,レク終了後も何度かアンコールでやってもらった。最初はろう下でやっていたのだが,こちらがあまりにもわからず,子どもたちはだんだん嬉しくなってきて騒がしくなったので,部屋の中でやってもらったが,それでもわからない。そうするとますます子どもたちは調子にのってくる。「カメラマンに聞いてみたら?わかったって言っていたから。」などと言う始末。でも,悔しいから絶対聞かない!!
 さんざん遊んだ後,さすがに疲れたのか,子どもたちは消灯時間をしっかり守って眠ってくれた。一部,2つの布団に4人でねたり,おしいれのなかにふとんをしいてねている人もいたが…。また,腹痛や気分の悪さを訴えてくる子が何人も出て,翌朝には具合の悪い子がもっと増えているんじゃないかという不安とともに,夜はふけていった…。

スキー顛末記(てんまつき)その3

1月15日(水)
 最終日。朝はみんなあまり早く起き出してこない。いいことだ。前日に具合が悪いと訴えた子も元気になり,ほとんどの子がスキーをするということになった。
 起床後,部屋の片づけをしつつ,遊んでいる子どもたち。やることやってからだったらいくら遊んでもいいのだが…。それでも,前日までよりは部屋もきれいに片づいていたからよしとしよう。
 この日はフリースキー。でも,天候はあいにくの雪。昨日のピーカン状態がうそのようだ。気温も低い。夜中からずっと強い風が吹いていたが,朝になってもおさまらない。まあ,こういうこともあるということで,スキー場に向かった。具合の悪い子たちは養護教諭とホテルでお留守番。
 1本目は全員同じリフトに乗って同じコースを滑ることにした。ビデオに滑っている姿を撮るためである。「こんなに上手く滑れるようになりました!」という証拠映像を撮っておかなくては!次々と上から子どもたちは降りてくるのだが,いかんせん吹雪いているので,うちの子たちなのかどうだかよくわからない。しかも,ビデオを通してみているから,ますますわかりにくい。でも,「ゼッケンを着けているから,多分うちの子だな。」という感じでなんとか撮った。みんな本当に上達している。やっぱり子どもは技能を身につけるのが早い!たいしたものである。ボーゲン直滑降の子もいれば,ターンしながら滑ってくる子もいる。なかには,スケーティングをしている子もいた。うーん,これはレベルが違いすぎる。一番印象的だったのは,普段体育を苦手としている子が,とても嬉しそうに「スキーって楽しい!」と言っていたこと。実際この子はとても上手く滑れるようになった。
 1時間ほどビデオを回していたが,氷点下6度で吹雪いているなか,じっとしているのは辛い!でも,寒かったのは子どもたちも同様で,予定よりも早く引き上げてきた。
 昼食をとり,部屋の荷物を全部まとめてさあ出発という時に,またもや事件発生。女子の部屋で,誰の物でもない落とし物が出たのだ。名前は書いていない。絶対にその部屋に泊まった人の持ち物なのだから,何とかするようにと言い渡したのだが,なかなか解決しない。結局,同じ物を持っていた子がもう一つも自分の物かもしれないということで持ち帰ったのだが,そこに行き着くまでにとても時間がかかった。
 帰りのレクはほとんどのグループがパス。『天空の城ラピュタ』を観て帰ることになった。いろは坂を下り,日光口パーキングで休けいしたのだが,「気持ち悪い」と言っている子が続出。いろは坂で酔ってしまったらしい。行きは問題なかったのだが,帰りはカーブがきつかったことと,数が多かったことも災いしたようだ。でも,みんな軽症ですんだ。
 バスの中では寝ている子もいたが,多くの子が身を乗り出してラピュタを観ていた。けっこうはまっていたらしい。結局,学校まであと20分というところで最後まで見終わることができた。本来なら,もう1本観られるはずだったのだが,あまりにも道路が空いていて,予定時刻より1時間早くなってしまったのだ。
 今回の自然教室は,スキーが上手くなることと,集団でいかに気持ちよく過ごせるかということがポイントだったのだが,とりあえず成功と言って良さそうだ。16日は代休で,17日は6時間授業というスペシャルメニューになったが,全員が一応元気に登校し,授業に取り組んでいた。あまりに元気すぎて,帰りに一喝された子たちがいたくらいである。でも,具合が悪いより元気な方がずっとよいということで,とりあえずは良しとしておこう。ただ,いつまでも浮かれ気分でいられては困るのだが…。

ある日の昼休み その1

 クラスレクでバスケットをしました。久しぶりのバスケット。チーム分けはなぜか男子対女子。欠席者がいた関係で,男子は7人,女子はわたしを含めて14人です。「7対7でやればちょうどいいよ!」ということで,女子は3分間ずつで交替しながら行うことになりました。
 得点はリセットせずにずっと加えていきます。男子はゲーム開始直後から次々とボールをとり,何回もシュートを入れています。女子はなかなかボールをとることができません。あっという間に得点差が広がっていきます。始めてから15分くらい経過したときには,20点くらいの差がついてしまいました。男子はメンバーチェンジなしでずっとゲームに出ていて,女子よりも疲れているはずなのに,そんな様子はまったく見られず,攻撃の手はゆるみません。「ねえ,ずっとゲームに出ているけど疲れないの?」「うん,おもしろいもん。」「試合に出ている方がいい。休みなんかいらないよ。」
 結局,終わってみれば30点以上の差で男子が勝利していました。試合をしていた時間は35分。もちろん,女子がメンバーチェンジをする間,男子も休憩をとっていましたが,女子の2倍の時間を運動していたことにはかわりません。男子の体力やバスケットの強さには,本当に驚きました。女子,もうちょっとがんばろうね!でも,どちらもだいぶバスケが上手になっていました。

ある日の昼休み その2

 別の日の昼休みのことです。グラウンドの状況がよくなかったので,体育館で遊ぶことになりました。この日はレクではなく,フリーで遊んでよいことになっていました。
 女子は,最初のうちはセーフティーという遊びをみんなでやっていたのですが,気がつくとボールを投げ合うというか取り合うというか,不思議な遊びに変わっていました。自分たちで遊びを作り出したようです。
 男子は,バスケットをやっていました。あいかわらず体育館に行くとバスケがやりたくなるようです。今回はゲーム形式ではなく,個人でシュート練習をしたり,2対2,1対1,1対2で遊んだりしていました。わたしは20分くらいずっと男子2人と1対2をしていたのですが,同じことを延々とやっていたせいか,「ねえ,ずっとやっていて飽きないの?」と他の子に言われてしまいました。好きなことをしていたので,飽きるということはまったくなかったのですが,端から見ていると同じ事ばかりずっとやっていてよく飽きないなあというふうに見えるようです。

ついに新記録!

 昨年も取り組んだ長縄ランキングですが,ついに新記録がでました。この日は2回記録をとり,2回とも300回を超す記録を出すことができたのです。1回目は300回を少し超えたところで終わりました。久しぶりの300回だったので,子どもたちの回数を数える声もどんどん大きくなっていきました。昨年の305回という記録まであと少しという数だったので,「もう1度やろう!」という声があちこちからとんできました。そこで,再度挑戦となりました。1回目よりもずっと集中力が増しています。途中で何度かミスもありましたが,すぐに立て直して跳び続けていきます。300回が近づいてくると,また声が大きくなり,さらにだんだんと縄を跳ぶ(回す)スピードが速くなってくるのです。結局,309回をマークしました。惜しかったのは,欠席者がいて全員参加ではなかったことです。今度は,全員でさらに上の記録をねらいたいですね。

学級閉鎖

 インフルエンザによる欠席が多かったため,2日間の学級閉鎖になりました。あとみんなと過ごせるのは30日あったはずなのに,この閉鎖で28日となってしまいました。朝の会の時間に用事があって教室に行ったのですが,みんながいない教室はとても寂しい感じがしました。その後は職員室で過ごし,教室にはもう行きませんでした。他のクラスの子は登校しているのに,自分のクラスの子がいないのってつまらないし寂しいです。やっぱり,元気にみんなが登校してきてくれるのが一番です。
 卒業式のあとは,きっと教室はもっとガランとしているんだろうな。何だか卒業式後の予行練習をしてしまった感じでした。

中学校生活エトセトラ

 女子の中学校制服の採寸がありました。制服姿の子どもたちを見て,制服が似合っていてかわいいと思う反面,なんとなく寂しい心持ちになってしまいました。
 また,制服がなつかしく思えました。初めて制服を着たとき,なんだかちょっと大人っぽくなった気がしたこと,車ひだのスカートにアイロンをかけず怒られたこと,卒業式にリボンやボタンを後輩にあげてしまい,数日後の高校入学説明会にきちんとした制服で行かれなくなりあせったこと。こんな風に,子どもたちも制服とともにいろいろな思い出を作っていくのでしょうね。
 また,リボンの結び方やボタンの止め方,スカートの長さなど,先輩の目を気にしたこともありました。当時は,先輩というのはとても恐い存在で,細かいことでもいちいちうるさく言ってきたのでした。一番先輩に言われたのは髪の毛のことです。小さい頃から髪の毛の色が薄かったのですが,特に窓際で太陽の光を受けると真っ茶色に見えるのです。染めたりドライヤーを使ったりしたことなんて一度もなかったのに…。逆に,憧れの先輩というのも存在しました。優しい先輩だってたくさんいたのです。
 中学生になると,小学生の頃のように遊んでばかりではいられないという話を聞いてきた子たちがいました。部活動に夢中になって,遊ばなくなるというのは確かにあります。特に,平日は帰宅時間が遅くなるからあまり遊べません。でも,学校に行けば友達と休み時間におしゃべりしたり,バレーボールをしたりと遊んでいられました。また,休みの日も一日中部活をやっているわけではなかったので,午後から友達と遊んでいました。時間の使い方次第で,遊ぶ時間は確保できるのです。
 もうじき始まる中学校生活。みんな,どんな部活に入るのかな。どんな出会いが待っているのかな。

自分という存在

 国語の授業中に,恒例の脱線話へと突入してしまいました。読んでいたのは「山」という藤原定さんの詩です。本文はこちらを参照してください。
 最初の2行について「生と死」「出会いと別れ」という2通りの解釈が出されました。なるほどと思いながら授業を進めていたのですが,3連めの解釈でみんな「?」となってしまいました。「ぼくはチョウに生まるべきだった」とはどういうことなのか,さっぱりつかめなかったのです。そこで,『今,自分は人間として当たり前のように存在しているけれども,もしかしたら別の生き物として生まれてきたかもしれないというように考えられないかな。』と尋ねてみました。すると,「そんなこと,考えたこともないよ。」「だって,ここにこうして人間として存在しているじゃん。」という反応。子どもたちにとって,自分がここに存在していることは当たり前なのです。
 『じゃあ,何でみんなは人間として存在しているの?』「は?」『あなたたちが今こうしてここにいるのは,なぜ?』「親が生んでくれたから。」『そうだよね,家の人があなたたちを生んでくれなかったら,今ここにこうやって存在することはできないんだよね。』「まあ,確かにそう。」『みんなが赤ちゃんだった頃は,できることと言ったら泣いたり飲んだり眠ったりすることぐらいで,いろいろな世話をしてくれたのはみんな家の人なんだよね。』「…。でも,親には子どもを育てる義務があるよ。」「うん,そうだよ。」「で,おれたちには育ててもらう権利がある。」『そう,親には育てる義務があるね。今は,それができず,虐待する親もいるけどね。でも,親の義務だから育てて当然だと思うんじゃなくて,自分を生んでくれて,ここまで育ててくれたことに感謝してほしいなあ。自分が小さかった頃のこと,家の人に聞いてみるといいよ。どれくらいみんなのことを思ってくれているかわかるから。』「えーっ!?聞かなきゃいけないの?」『あのねえ,中学生になったら,絶対そういう話を聞けなくなるよ。今のうちに聞いておいた方がいいって。』「何で聞かなくなるの?」『そりゃ,自分が通った道だもん。わかるよ。』「は?」『だから,自分にも中学生だった頃っていうのはあるの。で,そういうことを聞こうという気にはならなかったの。』「ああ,自分が通った道の意味はわかった。」「え?先生にも中学生の頃ってあったの?」『あのねえ,どんな大人にも必ず子どもの頃っていうのはあったの。みんなの家の人だってそうだよ。家で聞いてみてごらん。』
 その後,両親が出会わなかったら自分は存在しなかったかもしれないという話になり,さらに映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』の話にまで至り,どこまでも脱線してよくわからない話になってしまったのですが,一番考えてほしかったのは,自分という存在にどれだけの人の思いが関わっているかということだったのです。今度の国語の授業では,もう一つの詩『I was born』(吉野弘)を紹介して,自分の存在について少しでも考えを深めていきたいと思います。

卒業式の思い出 その1

 卒業の準備が着々と進んでいますが,そういえば自分の卒業式はどうだったかなとふと思い返してみました。
 最も印象に残っているのは,なんと「校歌」です。私が卒業したのは,5年生の時に分離した新しい学校でした。わたしたちは第2回卒業生です。校歌は1年目の卒業式にはなく,かわりに「喜びの歌」を歌っていました。でも,わたしたちの卒業式には校歌があり,みんなで歌えることがとても嬉しかったことを覚えています。また,卒業記念制作として,体育館に飾る校歌の歌詞を銅板で作りました。卒業式でその歌詞を見ながら校歌を歌ったことが一番の思い出です。1年間しか歌わなかった校歌でしたが,今でもちゃんと覚えています。(去年までこの学校にいたY先生と一緒に歌ったのです。Y先生もちゃんと覚えていました。)

卒業式の思い出 その2

 今度は,呼びかけについての思い出です。呼びかけというのは,卒業の言葉のこと。今年の言葉は,みんなに思い出をふり返ってもらい,作り上げました。分担はこれからきめますが,卒業式にはみんなを感動させるようなすばらしい卒業の言葉を披露したいと思います。というわけで,みんな,がんばろう!
 ところで,わたしの小学校では6年生が1クラスあたり40名×5クラス=200名くらいいたため,全員が呼びかけの言葉を言えませんでした。そこで,各クラス12名くらい代表が出て,ひとりで言うセリフを割り当てました。わたしはセリフをもらえたのですが,担当したのは「足がふるえたロープウェイ」という言葉でした。これは,箱根への修学旅行のときの思い出です。大涌谷という硫黄のにおいがいっぱいするところへ行ったのですが,その時に乗ったロープウェイがかなり高いところを通るので,とてもこわかったのです。みんなが乗ったスキーのリフトよりもっと高いところを通っていたような気がします。わたしは,自分の体験したことがそのまま卒業式で言えたのですが,それまでの練習ではとても苦労しました。「ロープウェイ」というのが上手く言えなくて,何度もやり直しになっていました。でも,練習したかいがあって,本番では上手く言うことができました。19年経った今でも,言った言葉が思い出せるのは,それだけ印象深かったからだと思います。みんなも,いつまでも思い出に残る呼びかけができるといいですね。

生まれること

 吉野弘さんの『I was born』という作品(本文はこちらを参照してください)に出会ったのは高校1年生の時で,いろいろな面で考えさせられました。中学生だった頃,一番いらだちがあり,「何でこんなにつらいことが多いのだろう。何で生まれたんだろう。生んでくれと頼んだわけではないのに。」と何度も思いました。そんなわたしが,親の思いに気づくきっかけになったのがこの詩です。親がどんな思いで自分の誕生を待ち望んでいたか,自分を生むためにどれだけ苦労してきたか,それを思ったとき,「生まれさせられた」と考えることがどんなにひどいことか,知ることができたのです。自分の人生は自分で切り拓くもの,けれども,自分一人だけの力ではなく,多くの人が関わってくれているからこそ生きていけるのだと強く感じました。
 6−2のみんなと出会うことができたのは、自分がここに存在しているからです。そして,みんなが存在しているからです。当たり前のことかもしれないけれど,みんなの親と,わたしの親がわたしたちを生んでくれなかったら,こんな体験はできなかったのです。わたしは両親に自分を生んでくれたことを,そして,保護者の皆さんにみんなを生んでくれたことを感謝しています。
 今のあなたたちには,実感できないことかもしれません。けれど,何年か経ち,あなたたちがもっと大人に近づいた時に,このことに思い至ってもらえたら…。

卒業式の思い出 その3

 今回は,式当日ではなくその前後のこと。わたしのクラスは男女関係なく遊んでいました。学校ではしょっちゅうクラスみんなで遊んでいました。また,家に帰ってからも,公園を集合場所にして,クラスのほぼ全員が集まって暗くなるまでドッジボール,3歩あて,S字おにをやっていました。卒業後も,中学入学式の前日まで集まって遊んでいました。本当にとても仲のよいクラスだったのです。
 また,春休み中に中学校から出された宿題をその公園に持ってきて,みんなで解き合ったこともありました。社会の予習として,佐倉にある国立歴史民俗博物館へ行ってくるという宿題もあったのですが,男女一緒に6,7人で見学してきました。
 みんなも,卒業しても男女関係なく楽しく過ごせる仲間でいてほしいと思います。

あと1ヶ月

 卒業式まであと1ヶ月となりました。学校に来る日数は残り19日です。週休2日制になったので,たったこれだけしか登校する日はないのです。
 別れの言葉を分担したり,校長先生との会食があったりと卒業への準備は着々と進んでいますが,学習の方も進めなければなりません。まずは,ドリルを確実に進めてほしいと思います。2月中に終わらせるよう,子どもたちにはすでに話してありますので,ご家庭でも声をかけていただけたらと思います。

300回はいくのに…

 長縄ランキングのしめ切りも間近に迫ってきました。こちらも,2月末までの記録での勝負となっています。このところ,毎回300回を少し超えるくらいの記録が出ているのですが,309回をどうしても超すことができません。誰もひっかからずに跳び続ければ,360回はいけるのですが…。1分間ノーミスで跳べることが非常に少ないのです。今週末には,高学年の縄跳び記録会があります。そこで,新記録が出せるといいなと思っています。

明日の天気は…!?

 月曜日の放課後。教室にかけこんできた女の子たちがいました。「先生!どうしよう。くつが…。」「はい?くつ!?」「くつが,ベランダにのっちゃったんです!!」「ベランダにのった?どういうこと?」「えっと,昇降口の前で天気を占うのにくつを飛ばしたら,ポーンってあがっちゃって…。」「ってことは…この教室のベランダにあるのかな。」昇降口の真上は算数の部屋です。とりあえず,そこのベランダに行ってみました。「あるかなあ。」「あっ,あったよ!」「よかった〜。」くつは,一番教室よりの部分にありました。
 「ねえ,これ,どうやったらここまで飛ぶの?」「うーん?」実際に昇降口の前に行き,状況を説明してもらったのですが…本当にごく普通にくつをけり上げただけだったようです。でも,どういうわけか高く上がりすぎてしまい,見事に2階のベランダに入ったのでした。「でもさあ,これ,ベランダに入ってよかったね。昇降口の屋根部分にのっちゃったら,取るの大変だったよ。」「うん。」昇降口の上には少しだけ屋根のようになっている部分があり,そこにのってしまった場合には,ベランダを乗り越えて取りに行かなければならないのです。くつも無事に見つかったし,誰もけがをしなかったし,とりあえずはよしとしましょう…。
 ちなみに,火曜日の天気はくもり時々雨。くつによる天気占いは大当たり!?

消しゴムころりん

 先日,辻読書が行われました。本の内容が紹介されているポスターを見て,子どもたちは興味を持った話を聞きに行くのです。誰が読んでくれるのかは,行ってみてのお楽しみ。
 子どもたちがどんな話を選ぶのか見ていると,「この話って前に読んだことあるわ。」「あ,これおもしろそう。」と純粋に本の内容で選んでいる子が大半でした。でも,「おっ,これ校長室だよ。」「こっちは職員室だ。」「じゃ,これにしようっか。」「うん,そうしよう。」本で選ぶのではなく,読む部屋で選んでいる子もいるようです。
 今回,わたしが読んだ本は『ふしぎの時間割』(岡田淳)です。全部は読めないので,1時間目の「ピータイルねこ」と2時間目の「消しゴムころりん」の2つだけにしました。でも,「消しゴムころりん」は途中でおしまいになってしまいました。時間が足りないのです。
 うちのクラスからは誰も聞きに来ていなかったので,てっきりクラスで読み聞かせたことがあるからだと思っていたら,「読んでもらってない。」とのお答え。教室に置いてある本だから,いつでも読めると思ったのか,すでに読んでしまっていたのか…。結局クラスでも読み聞かせました。読んだのは,「消しゴムころりん」の方だけです。これは,今年から3年生の教科書に載っています。簡単に内容を紹介しておきます。
 さおりは作文の時間に自分が大切にしていた消しゴムを,教室の床穴に落としてしまいます。どうしようと思っていると,穴からヤモリが出てきて,消しゴムを取ってきてくれるのです。さらに,ヤモリは別の消しゴムをくれます。なんと,この消しゴムは不思議な力を持っています。本当のことだけが消えずに残るのです。
 たとえば,ヤモリが消しゴムをくれたことを隣の席のゆきひろが見ていたのですが,ゆきひろは見ていないというふりをします。そこで,「いまの,見てたでしょ。」と書いて消しゴムをかけると「いまの,見てた。」となるのです。また,さおりが「そんなゆきひろはすきじゃない。」と書いてこの消しゴムで消すと「そんなゆきひろはすき。」となるのです。

 さて,うちのクラスの反応は,「その消しゴム,いいじゃん!」「うん,テストの時に使ったら,正解だけが残って間違いは消えるよな。」
 なるほど,確かにそうかもしれない。でも…もうちょっと別のことは考えられないでしょうか。本当の気持ちがわかる,真実を告げるすてきな消しゴムだとわたしは思ったんだけどな。

340回!!

 金曜日の5校時の高学年ブロック縄跳び納めの会にて,ついに長縄の新記録が出ました!
 3分間で340回です。その時の集中力は実に見事でした。跳ぶ前から気合いが入り,練習でもスムーズに跳べていました。
 最初の1分間で100回ちょっと。少々ミスがあったからこの回数なのですが,同じようにミスを重ねていたら記録更新は無理だなと思いました。ところが,ここからの追い上げがすごかった!うまくリズムに乗って,だんだん跳ぶスピードと縄をまわすスピードが速くなっていったのです。しかも,ミスはあまりありません。1分間で130回くらい確実に跳んでいる時間帯もありました。
 300回を超えた時点で,残り40秒ほど。子どもたちの声も,309回の自己記録を超えたあたりから大きくなっていきました。ラストの方で少々ミスがあったので,340回という記録になりましたが,ノーミスならたぶん360回も超えられると思います。
 実は,先頭の子がインフルエンザで欠席していて,誰が代わりにトップになるかで業間の時間に調整していたのですが,どうもうまくいかなかったのです。でも,結局その並び方でいこうということになりました。他のクラスは300回を超えられなかったので,6−2の記録はトップでした。
 でも,こんな記録はもう出せないだろうと子どもたちは言っていました。それだけ,この1回に懸け,集中していたのです。だけど,長縄ランキング最終しめ切りまであと1週間あります。さらに上の記録をねらってほしいと思います。ちなみに,2月23日現在では,印旛で1位,全国で6位(もしかしたら5位)のランキングとなっています。
 ところで,『ごっとんクリスマス』の作者,越水利江子さんから新記録達成のお祝いメッセージが届きました。
  やんややんや
 6−2のみんなに拍手!
 すご〜い。
 ほんとにすごい!
 感動しました〜。
 お休みした子も、一緒に跳んだことになると思います。
 だって、その子が先頭でそれまでの練習が充分でなかったら、記録は出なかったと思うから。
 全員参加ですよ、おめでとっ。

夢見草の咲く月

 ついに3月になってしまいました。今年の冬はとても寒く,まだ花の咲かない梅もありますが,季節は確実に移っていきます。
 去年の卒業式では,学校の桜が咲いていたような気がするのですが,今年は咲かないかもしれませんね。でも,卒業式には咲いた桜が登場するようです。さて,何が起こるのでしょうか?
 卒業まで登校するのはあと12日です。ボーっとしているとあっという間に時間は過ぎてしまいます。卒業までにすべきことは何だろうか,卒業の日を気持ちよく迎えるにはどうしたらよいのだろうか,しっかりと考えて行動してほしいと思います。
※「夢見草」とは桜の異称です。3月のことは「夢見月」ともいいます。

自分の居場所は

 中学校の体験入学が行われました。4月から通う中学校を,子どもたちはどんなふうに感じたのでしょうか。ぜひ,家で子どもたちに感想を聞いてみてください。
 中学校では新しい出会いが待っています。友達,先生,先輩,教科,部活,そして校舎。みんなにおすすめしたいのは,自分の場所を探すことです。「ここにいるとホッとするな。落ち着くなあ。」と思えるところを見つけてほしいのです。それは,人であるかもしれません。「この人と一緒にいると楽しくていいな。」と思えればよいと思います。もしかしたら部活かもしれません。「このスポーツは自分にあっている。夢中になってできる。」教科ということも考えられます。「この授業,好きだなあ。」
 わたしの場合,自分の場所はいくつかありました。まず,体育館。本当に場所なのですが,朝早くから暗くなるまで部活をしていたあの場所が好きでした。他には美術準備室も好きでした。考え事があるときには,担任の先生に断ってそこに入り込んでいました。その担任の先生も,大切な自分の居場所でした。今でも困ったときに相談したり,絵をもらったり,世間話をしたりしています。そう,みんなもよく知っている,あの「師匠」のことです。師匠は中学の時の担任だったのです。
 自分の居場所をぜひ見つけてください。
 ※「師匠」については子どもたちにお聞きください。

卒業の日まで

 6年生を送る会が行われました。名刺交換ジャンケン,6年生クイズ,1〜6年生までの思い出をふり返るものなど,6年生に関連のあることばかりの内容となっていて,みなさんはとても楽しんでいましたね。
 ジャンケンにはわたしも参加しました。6年生としかジャンケンをすることができないというルールです。わたしはなぜかすぐに負けてしまい,あっという間に10枚の名刺を持って行かれてしまいました。逆に名刺をもらえたのは4枚だけ。名刺をくれた人(つまり,ジャンケンに負けてくれた人),ありがとう!
 6年生クイズでは,なつかしい思い出をふり返れたのではないでしょうか。くつ占いや,電車の切符事件,委員会活動,スキー…。突然インタビューされていたみなさん,しっかり答えられましたね。
 4年生企画の思い出のアルバムでは,懐かしい写真がたくさん紹介されていました。入学式のかわいらしいみんなの写真(今もかわいいけど,さらにかわいいという意味です!),先生と遊んでいる2年生の頃。あの頃と比べると,こんなに成長したんだなということが一目でわかりました。また,お世話になった先生方からのメッセージもありましたね。どの先生方もみんなのことを気にかけてくれているのです。そのことを忘れないでくださいね。
 また,プレゼントとしてもらったカレンダーもすてきでした。あれ,わたしも欲しかったなあ。みんながうらやましいです。在校生の気持ちのこもったプレゼント,大切にしてね。
 みなさんが披露した出し物もとてもよかったと思います。「こんなことができるようになったよ!」という企画でしたが,先生方や在校生にその成長ぶりを知らせることができました。在校生が「あの時の6年生のようになりたい」と思っていろいろなことにがんばって取り組んでくれたら嬉しいですね。
 さて,送る会が終わると,卒業式へとまっしぐらです。終わらせるべき学習はすべて終わらせ,使った教室はよりきれいにしてから,さらに思い出を作って卒業しましょう。
 卒業まであと両手の指におさまる日数となりました。

すがすがしいてるてるくん?

 このところ,なぜかサッカーの授業をしようとすると雨が降ることが多くなっています。それ以外にもいろいろトラブルがあり,サッカーは1回しかできていません。「明日もどうやら雨みたいだよ。」と教えたら,子どもたちは早速ブーイングです。しばらくすると,男子が数名やってきました。「先生,ティッシュペーパー2枚と輪ゴムをください。」「は?何するの?」「てるてる坊主作るの。」サッカーやりたさに,ついにてるてるくんを作ることにしたのです。結局,できあがったてるてるくんは3体。ティッシュ2枚ではできないはずだけど…まあ,いいでしょう。このてるてるくんたちにはちゃんと顔も描いてあるのですが,それがどうも怪しげなのです。「あの顔,やめてよー。」と言っている子もいるのですが,作った本人たちは「すがすがしい顔じゃん。」と一向に気にもとめません。「すがすがしい」…よくこういう言葉が出てくるなと感心しつつも,「清々しい」(漢字で書くとこうなります)という言葉の意味を取り違えているのではないかという気もします。
 このてるてるくんは,上の窓のかぎにつるされました。この方が,外からよく見えて効果があると思ったのでしょうか?
 さて,てるてるくんの効果やいかに!
 ※結局雨が降ってしまい,サッカーはできませんでした!てるてるくんは,メラニーとナインチェの耳にぶらさげられてしまいました。メラニーたちをいじめるんじゃない!!

大人と子どもの境界

 6年の始めからずっと読み続けた加代の物語。いよいよ残り2話となりました。「加代の四季」のころはまだ3,4歳だった加代も,今では小学生。迷子になったり,道草をしたり,次々と新しい世界へ冒険しにいっています。加代の成長ぶりを1年間を通じて追ってきたわけですが,その成長は6−2の子どもたちの成長とも重なっていたようにも感じます。
 加代の考えや行動をどのように感じるか,それは子どもたちによってさまざまに違います。もしかしたら,あまり考えずに読んでいた子もいるかもしれません。でも,加代の物語の中には,ずっと大切にしておいてほしい子ども時代がいっぱい詰め込まれています。お気に入りの話が1つでもあれば,それはきっとその子の子ども時代の思い出になるのではないかと思っています。
 いつから大人になったのかと問われると,はっきり答えられる人はそう多くはないと思います。わたし自身,返答に詰まります。20歳になったからといって気持ちは大人になったとは言えませんから。
 ピーターパンではないけれど,いつまでも子どものままでいたいと思う人もいるかもしれません。でも,子ども時代は気づかないうちにあっという間に過ぎ去ってしまいます。永遠には続かない時間だからこそ,子ども時代はかけがえのない大切な一瞬なのでしょう。そのことに気づくのが,大人になった証拠なのかもしれません。

全員の力で新記録

 1月から取り組んできた長縄ですが,2月いっぱいでランキングの方はしめ切りとなりました。2月21日に行われた校内縄跳び納めの会で,340回という自己新記録を出すことができたのですが,その後トラブルが発生しました。一部の子はすでに気が抜けてしまっていて,話し合いの結果,長縄はもうやらないということになったのです。納めの会に欠席した子は「休んでいる間,ずっと『長縄やりたい!』って思っていたのに…。」とがっかりしてしまい,卒業を前にクラスが分裂状態になってしまいました。
 その後,再び全員で話し合いました。でも,けんか腰になって,お互い自分たちの主張をするだけになってしまいました。そこで,もう一度ポイントをしぼり,考えることにしました。
 だいぶ時間はかかりましたが,「クラスみんなで励まし合い,協力し,まとまろう」という長縄を始めるにあたり掲げた目標を達成できていないということに気づき,もう一度長縄でクラスみんながまとまれるようにがんばってみようということになりました。
 話がまとまったのは,3月3日のこと。ランキングのしめ切りは過ぎていましたが,「ランキング関係なしでやろうよ。」「ランキングより,クラスみんながまとまって気持ちよく卒業できる方が大事だよ。」と子どもたちは再び長縄を始めました。
 そして,3月7日。短縮日課になり15分しかない休み時間を使って跳びました。時間の都合で勝負は1回きりです。この日は欠席0。全員参加です。最初からかなり速いスピードで回していたためミスが多かったのですが,フォローも素早く,終わってみれば345回の新記録が出ていました。子どもたちは大喜びです。普段おとなしい子まで,大きな声を出して友達と抱き合って喜んでいました。それにしても,なぜか1発勝負に強いうちのクラス。ここ一番での集中力がすばらしいのでしょうね。
 トラブルもあったけれど,それを乗り越えてここまでたどり着けてよかった!長縄のおかげで,クラスの絆がまた強くなりました。卒業まで長縄を続けると決めたので,あと6回がんばって挑戦してほしいと思います。
 ちなみに,長縄ランキングの結果ですが,340回で全国6位,印旛1位でした。

卒業式練習開始

 送る会が終わるとすぐに卒業式練習が始まりました。歌の練習は以前からずっと行っており,だいぶ上手になりました。でも,うちのクラスは高音がなかなか出せず苦労しています。ポイントは,口を大きく開け,息をよく吸うこと。鏡の前で歌うと,どれだけ口が開いているのかがわかるので,試してみてください。
 また,返事が小さい人が何人かいます。晴れの舞台なのだから,大きな声で堂々と返事をしてほしいな。その方がかっこいいですよ。
 もう一つ,別れの言葉がまだ覚え切れていないようです。早口にならないよう,大きな声ではっきりと言えるようにしましょう。
 あと1週間です。すばらしい卒業式にしようね!

たつ鳥跡を濁さず

 教室の中の掲示物を少しずつ片付けています。「何だかさっぱりしちゃったなあ。」という声も聞こえてきました。そう,確かに何だか寂しい感じになってしまいましたよね。でも,卒業式の前に全部教室の中をきれいにしなければならないのです。目標は「来た時よりも美しく!!」です。みんなは2年連続で新しい教室になった時に,ちょっといやな思いをしているので,この目標の意味がよくわかるはずです。来年この教室を使う人たちのために,できる限りきれいにして卒業しようね。

中学校生活エトセトラ 2

 再び,中学生の頃の思い出を語ってみようと思います。
 中学校で初めて経験し,夢中になったことがあります。それは,合唱コンクールです。この間の1日入学で3年生が合唱しているビデオを見ましたが,あれと同じようなことをわたしもやりました。わたしたちの学年は9クラスあり,全校で27クラス。みんなの進学する中学校のように,文化センターのホールのようなすばらしい会場でコンクールを行うことはできません。会場は,学校の体育館でした。でも,八角形のとても変わった体育館で,ステージの前面すべてに階段がついていました。
 コンクールでは,自由曲と課題曲の2曲を全部のクラスが歌います。合唱コンクールは1年に2回ありました。春と秋です。1年の時には,課題曲の伴奏が途中でつっかえて止まってしまったのですが,そのまま最後まで歌い続けたら,なんと2位に入賞しました。それだけきれいな歌声だったのでしょうね。 わたしは1年から3年まで毎年1回は伴奏をしていました。でも,練習嫌いなのと,手が小さくてオクターブがうまく届かないこともあり,あまり上手に演奏することができませんでした。(さっきのつっかえて止まったのは別の人です。)1年の時は「鳥の歌」「夢の世界を」でした。「鳥の歌」はたしか,杉田かおるさんが歌っていた曲です。2年の時は,「星に聞こうよ」と「荒野の歌」を弾きました。この年は,春と秋の2回とも伴奏をしています。3年の時は,「大地讃頌」を弾きました。混声4部合唱の難しい曲です。
 コンクールに向けて,どのクラスも一所懸命練習をする…はずなのですが,なかなかうまくいかないときもあります。「部活があるから」といなくなってしまう人もいました。音楽室の使用割り当てが決まっていたので,時間厳守で行わなければならないのに,なかなか集まらなかったり,集まってもしゃべってばかりで一向に歌う用意をしないということもありました。でも,みんなの気持ちが一つになり,すばらしい歌声を響かせた時の気分は格別です。とにかく気持ちがいい!!合唱は,みんなの声がうまく重なった時に,一人では決して出せないきれいな響きが生み出されるのです。その瞬間を味わいたくて,わたしは夢中になっていたのでした。
 自分たちが歌った曲も印象に残っていますが,一番よく覚えているのが,1年生の時に聴いた3年生の合唱です。「流浪の民」と「大地讃頌」を歌ったクラスがすばらしい歌声を響かせたのです。
 「流浪の民」はみんなもビデオで聴いたあの曲です。ソロパートのある難曲なのですが,この3年生は見事に歌いきったのです。3年になったら,ああいう歌が歌えるようになりたいと思いましたが,残念ながらそこまでの力がなく,結局「流浪の民」は歌えませんでした。いつかまた中学校で教師をすることがあったら,ぜひ自分のクラスの子に歌ってほしい曲です。
 「大地讃頌」は歌声だけでなく伴奏も見事でした。弾いていたのは男の子です。他のクラスは全員女の子でしたが,この男の子のピアノは誰よりも上手かったのです。「この曲の伴奏は,絶対自分がやりたい!」と思い,3年になった時に念願は叶いましたが,あの先輩のように上手くは弾けなかったのがちょっと残念でした。もう少し手が大きかったらなあ(手だけじゃなく,背もだけど。)
 みんなは,中学校でどんな歌を歌うのかな。卒業の歌をあれだけきれいに歌えるのだから,中学でも見事な歌声を響かせることができるはずです。卒業式で歌う,「Let's search for Tomorrow」は2部合唱の楽譜で歌っていますが,中学生以上用に3部合唱の楽譜もあります。3部にすると,さらに深みのあるきれいな曲になります。  
 もう一つ夢中になったのは部活でした。小学校では音楽をずっとやっていたので,中学に入ったら絶対に運動部に入ろうと思いました。そうして,いくつかある部活の中で選んだのが,バスケットでした。中学生になった頃はまだ小さくなかったので(当時,わたしはクラスで真ん中くらいの背でした。中学入学後,ほとんど伸びなかったのです)バスケでも別に困らないだろうと思っていたのです。最初のうちは,背の低さをあまり気にせずにいたのですが,先輩が引退して,2年生中心の活動になったあたりから困ることが多くなりました。ゴール下でシュートすると,ことごとくブロックされてしまうのです。そこで,外からのシュート(当時は3ポイントシュートはなかった)やバックシュート,フックシュートをマスターしようと練習しました。『SLAM DUNK』に出てくる神という選手ほどではありませんが,1日に300本ロングシュートを打っていました。そのかいがあり,3年最後の総体では,1試合で8本中7本のロングシュートを決めることができました。
 背が低くても,足がそんなに速くなくても,得意な技を身につければレギュラーはとれます。(短距離勝負だと,たぶんみんなの方が速く走れるはずです。ただし,ボールをドリブルしている場合はわたしの方が速い,たぶんね。)みんなも,あきらめずに,がんばってほしいと思います。

はなむけの言葉

 『シェーラひめのぼうけん』や『風の丘のルルー』『アカネヒメ物語』などの作者である村山早紀さんから,卒業していくみんなにメッセージが届きました。みんなのこれからに,幸多かれとの思いで贈ってくださいました。

それぞれの加代

 最後の音読が終わりました。長い間,ほぼ毎日のように子どもたちの音読を聞いてくださってありがとうございました。今年はずっと加代の物語を読み続けてきました。保護者の皆さまのコメントからは,作品を通じて子どもたちと話している様子や,一緒に楽しんでくださっている様子がよく伝わってきました。そのようにこの音読に関わっていただけたことを感謝しています。
 この作品は,『白いとんねる』という杉みき子さんの本から抜粋したものです。本当は,この2倍くらいのお話が載っていますが,出版されたのが今から20年以上前だったため,少々時代がずれたものもありました。そこで,子どもたちが読みやすそうなものだけを選んで音読で使うことにしました。
 全部で56話あった加代の物語。いつの間にか,音読カードは分厚くなり,表紙が切れてしまった子も続出しました。たくさん読んだ話の中で,一番印象に残ったのはいったいどの物語だったのでしょうか。子どもたちに聞いてみたところ,実にさまざまな答えが返ってきました。「ほしたふとん」「はみがき」「夕方」「夜」「注射」「毛虫とみみず」「ひとまわり」「川」…まだまだいっぱいありました。きっと,それぞれの個性が違うから,心の琴線にふれた作品も違ったのでしょうね。また,子どもたちの中には,加代と同じように感じる心が必ずあったのだとも思いました。子どもたち一人一人の中に,加代はいるのです。そして,わたしの中にも。
 「先生はどれが一番印象に残っているの?」という問いかけが子どもたちの方からありました。さて,わたしが一番気に入っているのはどの話だと思いますか?
 答えは「春」です。そう,一番最初に読んだ「加代の四季」の中の作品です。この話を最初に読んだのは,小学校6年生になったばかりの時で,教科書に載っていたのです。「春は線路からやってくる。」という加代の発想がとても好きで,大人になってもずっと覚えていました。
 この文章に再会したのは,5年前のことでした。初めて6年生の担任をした時,加代はまだ教科書の中にいました。少しだけ姿を変えて。「あれ?わたしが子どもの頃に読んだことがない文章が載っている。それに,『夏の夜』がなくなっている…。」この時初めて,「加代の四季」が『白いとんねる』という本の中から抜粋されていることを知ったのです。すでに絶版となっているこの本をやっと図書館で見つけ,何度も借りて読みました。そのたびに,加代の感性の鋭さに感動し,加代の思いに共感したりしました。そして,この本は子どもの頃に一度読み,大人になってからまた読み返すと,新たな発見があったり,子ども時代を懐かしんだりすることができることに思い至ったのです。
 子どもたちの印象に残った物語が,この先ずっとそれぞれの心の中に住み続け,いつか懐かしくふり返る時がきてくれたらと思います。

ちょっと早い卒業アルバム

 ただいま,卒業アルバムの文集部分の作成が大詰めを迎えています。子どもたちが一所懸命作ったこの文集が完成し,配布されるのは5月か6月頃になる予定です。
 5月というと,あと2ヶ月ほどあります。そこで,一足先に思い出のアルバムを子どもたちにプレゼントすることにしました。5年の頃から撮っていたデジカメの写真や,パワーポイントで作った作品を集めて,CD-Rに記録したものです。CD-ROMが使えるパソコンで,jpgやgif画像を見られるようになっているもの,インターネットエクスプローラーのようなブラウザがついているものであれば,ほとんどの写真が見られます。また,パワーポイントというソフトが入っていれば,子どもたちが作った「得意技」という作品も見られます。
 お楽しみいただければ幸いです。

地震だ!その時…

 12時過ぎのことです。給食準備がほぼ終わろうとしていた時に,「ドン!」と下から突き上げられるような衝撃がありました。「あっ,地震だ!!」わたしを含め,すぐに何人かの子が気づきました。「地震!!ゆれてる!!」と大きな声で子どもたちに知らせたところ,座っていた子たちはすぐにゆれに気づき,一斉に机の下にもぐりました。ところが,立ち上がっていた子たちは,ゆれにまったく気づきません。「?」みんな一体何しているんだろうというような顔をしていたのですが,ようやく地震に気づき,机の下にもぐろうとしたのですが,立っていた場所は配膳台の前。とにかくどこかにもぐらなくてはということで,配膳台の下にもぐろうとしたのですが,とても入れるスペースはありません。仕方がないので,その場で姿勢を低くしたり,教室後方にあるテーブルの下まで移動してもぐったりしていました。
 それにしても,机の下にもぐる動きは見事でした。それこそ,あっという間にみんなもぐってしまったのですから。しかも,机の上にあった給食をひっくり返すこともなく。実は,子どもたちが机の下にもぐった時に,あまりの動きの素早さに給食をひっくり返すのではないかと冷や冷やしたのです。
 地震がおさまり,席に着いたとたん,「隣のクラス,絶対地震に気づいていないよ。大騒ぎしていたもん。」という声が…。ゆれている間,冷静に周りの状況を判断していた子もいたのです。これなら,万が一大きな災害が起きても大丈夫だなと思いました。

翼(特別号)とみんなからの手紙

 今年も学級通信の特別号を出しました。ひとりずつにあてた,手書きのものです。23人同じ文面の人は誰一人としていません。これは,通知票には表しきれないメッセージをみんなに伝えたくて書きました。いつかみんなの支えとなるようなものになってくれたらという思いとともに。
 今回はみんなにもわたしあてに手紙を書いてもらったので,それと交換という形にしました。6年生を受け持った時には必ず子どもに手紙を書いてもらうことにしているのです。5年前,当時受け持っていた6年生にもらった手紙は,未だに大切にしています。「みんながくれた手紙は,この先ずっと大切にするからね。そのつもりで書いてね。」と言ったところ,「そうか,心の支えになるような手紙を書けばいいんだ。」と言った人がいました。なかなか鋭いです。大好きなみんなのことをいつまでも忘れずにいられるように,大切に思っていられるように,素敵な日々を思い出せるように手紙を書いてもらったのです。
 みんなからは,心に残るすてきな手紙をいっぱいもらいました。多くの子が書いていたのは,話し合いのことでした。わたしに怒られ,話し合いをして解決するということが何度もありました。でも,自分たちで考えることができるようになり,解決することができてよかったと,みんなは思ってくれていました。
 正直なところ,わたしが「それはしてはいけない。」と注意すればそれで済んでしまうこともありました。でも,それでは「先生がやっちゃだめって言ったからいけないんだよ。」ということになってしまい,本当の解決にはなりません。何がいけなかったのか,これからどうしていったらよいのか,自分の頭で考えていくことが大切なのです。
 また,何かトラブルが起きた時に,自分たちの力で解決できるようにもなってほしいという思いもありました。みんなは,話し合いを繰り返していくうちに,自分で考えたり,トラブルを解決したりする力をしっかりとつけてきました。だから,中学生になってもきっと自分たちの力で問題を乗り越えていけると思います。
次に多かったのは,男女仲良くなったということでした。長縄を通じて,クラスがまとまり,男女関係なく普段も話せるようになったと書いている子もいました。そうだよね。5年の最初の頃からは想像できないくらい,クラスがまとまり,男女仲良くなったとわたしもそう思います。
 本を読むようになったという子もたくさんいました。図書室に本を借りに行かなくなったというのはよいのかどうかわかりませんが…。でも,教室に置いてあった本を本当によく読んでいたなと思います。
 なかには,性格が明るくなったり,発表できるようになったりと,それまでとは大きく自分が変わったという子もいました。自分に自信が持てるようになった子,いろいろなことに挑戦するようになった子,みんなプラス方向に変わることができたのではないかと思います。そんなふうに,大きく成長したみんなの姿を見ることができて,とても嬉しいです。
 みんなは,わたしのおかげでこんなふうに変わることができたって書いてくれていたけれど,わたしはきっかけを作っただけで,みんな自身の力で変わっていったのです。だって,どんなにわたしが働きかけたって,みんなが変わろうと思わなければ絶対に変われないのだから。「人は変わることができる。」と書いてくれた子がいたけれど,まさにその通りだと思います。人はずっと同じままではいません。成長していくことができます。失敗することだってあるけれど,それを活かして次は失敗しないようにしようとするのです。
 他にはこんなメッセージがありました。
・「友達みたい。」
 そういう感覚で休み時間に話していた子はけっこう多かったと思います。でも,ちゃんとけじめはついていましたよね。
・「毎日楽しい。」
 こんなふうに感じてくれている子が多くいてくれたことが,わたしにはとても嬉しいことでした。
・「正しい言葉の使い方を教わった。」
 場面に応じた話し方ができないと,何度も言い直しをさせていましたよね。今では,上手に使い分けができるようになったと思います。
・「背が低いのでカルシウムをとった方がいい。」
 わたしの場合,今からカルシウムをとっても背は伸びないような気が…。怒りっぽくならないようにカルシウムをとれというなら,ちょっとだけわかるような気もします。だいぶしかったからね。
・「悪いことは悪い,いけないことはいけないと言ってくれた。」
 これはわたしの中でとても大切なことだという認識があります。誰がしたことであっても,悪いことは悪いのです。善悪の判断がきちんとつく人になってほしいと思っています。
・「ほめる時はほめてくれた。」
 これもとても大切なことだと思っています。人間は,いいところも悪いところも両方持ち合わせています。悪いところだけをいつも指摘していたら,その人は「自分は悪いところばかりなんだ」と思ってしまいます。本当はいいところだっていっぱいあるのに…。だから,ほめる時はちゃんとほめるようにしていました。「自分にはこういう良さがあるんだ」と思えるように。毎日注意されている人だって,ほめられる部分はたくさんあるのです。
・「留年したい。」
 大胆な発言ですが,それは,まだまだこのクラスで過ごしたいということなのでしょうね。そう思ってくれて,とても嬉しいです。でも,留年はダメだよ。
・「コントしているみたい。」
 これはいろいろな人に指摘されました。わたしはコントをしているつもりはなかったのですが…。たぶん,相方をしていた子にもコントをしているつもりはないはずです…よね?それについて,解説してくれた人がいました。「相方の子が変なことを言って,それに先生が正確につっこんでいるからコントに見えるんだと思う。」そうか,わたしがつっこみだったんですね,なるほど。天然でコントをしていたというわけだったのか!
・「先生の言っていることをくつがえすのは難しい。」「正確で筋の通っている物言いが好き。」
 話し合いになるときには,必ずと言っていいほどわたしの方の考えをまずみんなに伝えましたよね。自分で言うのもなんですが,わたしは筋を通す方で,非常に理屈っぽいのです。ですから,みんなは「確かにそうだ。」と納得させられていたことが多かったと思います。でも,トラブルがあり,自分たちのどこがいけなかったのか納得しただけでは解決にはなりません。その後どうするのか,自分たちの思いを表さなくてはいけないのです。よく「わたしの気持ちを変えさせてみなさい。」とみんなに言いました。わたしの理屈に言い負かされて,それで終わってしまうのではなく,あきらめずに問題を解決してほしかったのです。これは難しいことだけれど,みんなはあきらめずにやってくることができました。どんなことでも,自分であきらめてしまったら,そこで終わってしまいます。あきらめなければ,実現する可能性が生まれてくるのです。
・「先生より大きくなってやる!」
 それは,身長のことではないですよね?身長だったら,たくさんの子がすでにわたしを追いぬいているのだから。
 わたしより大きくなってやるというその意気込みがいいですね。その挑戦,受けて立ちましょう!
 実は,わたしも同じことを思いました。例の師匠に対してです。師匠との出会いがあったから,わたしは教師になろうと思いました。同じ教師になるなら,絶対に師匠を超える教師になってやると,ずっと思ってきました。5年前,初めて卒業生を出した時にはまだ超えていないなと思いましたが,今は超えられたんじゃないかなと思っています。
・「ゲーム好き(ドラクエなど),マンガ好き。」
 どうやら,こういうところでみんなは親しみを持ったのかもしれませんね。ドラクエはファミコンの時から全作品クリアしてきました。ファイナルファンタジーも1〜7,9はクリアしました。いわゆるRPGと呼ばれるゲームが好きなのです。
・「中学生の時の目標は何ですか?」
 目標というのとは違うかもしれませんが,その頃からずっと教師になりたいと思っていたので,そのためには大学まで進学しなくてはならないから,一所懸命勉強しました。師匠には「学年10位には入っていないとダメだな。」と言われ,授業中は集中して取り組むようになりました。中間・期末テストに備えての勉強もけっこうしていました。その成果があって,学年で10位以内をなるべくキープし,希望の高校に進学することができました。
 あとは部活ですね。まずは,レギュラーをとること。次は,試合に勝つことでした。チームが弱かったので試合に勝つのは難しかったのですが,自分の技術は向上したと思います。

巣立つ日に

 1年前にスタートした6年2組も,今日でおしまいです。本当にあっという間に過ぎ去ってしまいました。それだけ,充実した日々を送れていたのだと思います。
 4月当初,わたしは学級解体なしでの持ち上がりのクラスを受け持ったことがなかったので,なれ合いになってしまい,けじめがつかなくなってしまうのではないかと不安に思うこともありました。でも,そんな心配は無用でした。
 この1年間で,子どもたちは最高学年として,学校のリーダーとして頼もしく成長してくれました。クラスとしてのまとまりもとてもよくなり,最高の状態で卒業式を迎えられたと思います。
 ここまでくるには,つらい思いをしたこともありました。自分の思いが子どもたちに伝わらなかったとき,しからなければならなかったとき,トラブルがなかなか解決しなかったとき,くやしくてなかなか眠れませんでした。
 でも,つらい思いをしたことをプラスにすればいいと自分に言い聞かせてきました。学級目標である「プラス思考で!」は自分のためのものでもありました。子どもたちとともに成長していけたらという思いがあったのです。
 その思いをどこまで子どもたちに伝えられたか,正直に言って疑問があります。でも,子どもたちの成長した今の姿を見ていると,ほんの少しでも確実に伝わっていたのだと思います。
 子どもたちはこれからさまざまなことに出会い,ときには挫折することもあるかもしれません。けれども,どんなことでもプラスに考えていけば,きっと乗り越えていけると思います。それだけの力が,子どもたちにはあると信じています。
 常にプラス思考で!
 すてきな6−2のみんな,また会おうね!

史上最強のいい卒業式にしよう(春の増刊号)

 3月18日の「今日のプラス」は「史上最強のいい卒業式にしよう」でした。「史上最強」の意味が今ひとつ不明でしたが,そういうところも6年2組らしくていいかということで,とにかく「いい卒業式にしよう」を目標にしました。
 少々時間をもどしてみます。朝,7時過ぎ。出勤したわたしは,卒業証書のチェックや三旗の掲揚などいろいろやっていました。そんなわたしの様子を見て,S先生は「花嫁の父みたいだねえ。花嫁の母ってわりとどっしりと構えているのに,父の方は落ち着かないんだよな。」と言いました。…うーん,父…ですか?確かに朝から落ち着かなかったのですが。
 まず,子どもの登校時間がいつもより遅かったこと。1時間近く遅くなる子もいます。卒業生は,9時に着席となっているからです。わたしにとっては,この待ち時間がたまらなく嫌なのです。なかには,30分以上早く着きすぎた子たちもいましたが。
 ようやく子どもたちの登校時間になりました。教室に行ってみると,いつもと違う服装になっている子が多く,すでにハイテンション状態。男子は,ネクタイをしている子が多かったのですが,かなり興奮していたために,入場する頃までにはみんな軒並み曲がってしまいました。ネクタイをしている子は全員チェックし,直したのですが,なかには,ブレザーを脱いで腰に巻き付けたため,よれよれにしてしまった女の子もいました…。
 そうしている内にハプニング発生。ブレザーのボタンが取れてしまった子がいたのです。わたしの方はもう入場間近になっていて,子どもたちより先に体育館に行くことになっていたので,S先生に縫ってもらうことにしました。もう一人「オレのも取れそう!」などと言い出した子もいましたが「これ以上さわらなければ大丈夫!」と言っておきました。…本当に取れなかったのかな?
 ところで,体育館入場前にわたしは子どもたちに勝負を提案しました。「わたしを感動させることができたら君たちの勝ち。この勝負,受けます?」子どもたちは受けて立ちました。ポイントは3つ。呼名で大きな声で返事をすること,別れの言葉をしっかりと言うこと,歌声を響かせることです。なぜこんな勝負を提案したのだと思いますか?子どもたちが精一杯がんばってくれれば,わたしも精一杯がんばれると思ったからです。
 卒業式前の1週間は,とにかく辛かったのです。何をしていても泣きそうになってしまうから。卒業式の予行でも泣きそうになっていて,このままだと本番の呼名もまずいかもしれないという状態になっていました。何があっても,呼名だけはしっかり行わなければいけない。泣いてしまって呼べなくなるのだけは避けなくては。ほんのちょっとでも気がゆるんだら,すぐに泣けてしまうのです。でも,この勝負のおかげで,呼名は早口になってしまったけれど,無事に終わりました。1組が呼名している間の待ち時間の緊張のおかげもあるかもしれませんが。ちなみに,この待ち時間も非常に嫌でした。
 全員がしっかりと卒業証書を手にし,気になっていた記念品授与も上手にでき,いよいよ別れの言葉と合唱です。子どもたちも緊張していたのか,だいぶ早口になっていたけれど,一所懸命言っている様子がよく伝わってきました。合唱もきれいに響いていて,来賓や保護者の皆様からお褒めの言葉をいただきました。退場するまで,本当に立派な姿でした。この勝負,完全に子どもたちの勝ちです。
 その後,卒業を祝う会を行いました。子どもたちと長い時間一緒にいられてよかったし,保護者の皆様からもいろいろと声をかけていただけて,とても嬉しかったです。最後までしみじみとはしなかったけれど,それも6年2組らしくていいかな。
 卒業式の翌日は,1日事務仕事をしていました。大切な宿題を,N先生と2人で抱えこんでいたのです。5時ちょうどに宿題が終わり,ホッと一息。忙しい1日で良かったのかもしれません。寂しさを感じずに済むから。仕事をしていたのは職員室。やっぱり教室には行けませんでした。学校中で一番寂しい場所は,あの教室だから。春休みになり,どのクラスからも子どもたちがみんないなくなったら,教室に行けるのでしょうね。

史上最大の楽しい1日にしよう(春の増刊号)

 再び時間をもどします。今度は卒業式前日です。この日は2時間クラスレク。実行委員がずいぶん前から一所懸命準備をしてくれていました。
 最初にサッカーが予定されていたのですが,あまり天気は良くありません。とりあえず,朝の会を済ませて様子を見ようかな…と思っていたところに「ゴキブリだ!!」という声が。「はい?ゴキブリ?」「ゴキブリ!!」「どこ?」「ここ!!!」見つけてしまった子は半分逃げ腰です。「そのゴキブリ,生きているの?」「死んでる…かな。あ,生きてる!!」「ゴキブリ,小さいの?」「ううん,大きい!」「えー?そんな大きいゴキブリが出るのって変だなあ。どこから来たんだろうねえ。まあ,いいや。ちりとりと小ぼうきでとって,トイレに流しちゃおう。」とわたしはけっこうのんびりと構えていました。
 キャーキャーと逃げる子もいる中で,落ち着いてゴキブリをちりとりと小ぼうきで捕まえてくれたのはOくん。無事,ゴキブリを退治することができました。ありがとう!!
 ようやく,レクの時間となりました。お別れ会という名前になっていたと思うのですが,みんな同じ中学に行くんだよね…。学級解体にはなるから,一応お別れかな。
 さて,いよいよサッカーのお時間がやってまいりました。結局,あの天候でサッカーを決行しました。水はけ状態が非常によいグラウンドならではの技です。少々泥が跳ねていたけど,そんなことはお構いなし!最初は15分だけの予定だったのに,結局10分延長戦。でも,今までで一番いい試合でした。特にSくんのキーパーはすばらしかった!
 その後,何でもバスケット風のゲームや,ビンゴをやりました。どちらも大騒ぎ。非常に楽しそうにやっていました。
 ところが,時間が足らなくなってしまい,長縄とみんなから一言という企画ができなくなってしまいました。それは5校時にやろうということになりました。しかし,その5校時も通知票を渡していて時間切れ。長縄は強行突破で,5年生が卒業式準備をしている最中に校庭で跳んできました。記録は伸びなかったけれど,卒業の前日まで長縄を続けてこられたことがよかったと思います。
 結局,そんなこんなでバタバタしていて,ちっとも卒業式の心構えだとか,心にじーんとくる話をする暇なんてなし!(遊びまくっていたせいなのですが。)まあ,それもうちのクラスらしいかもしれません。「史上最大の楽しい1日」になったことで,よしとしましょう。

☆この日の子どもの迷言
・「服がけがれる!」
 卒業式当日,雨が降ったら服が汚れるので学校で着替えてもいいのかという質問が出たのです。その時に,「服がよごれる」ではなく「服がけがれる」と言ったのでした。どちらも漢字で書くと「汚れる」にはなるけれど,この場合は「よごれる」なのでは?
・「ぬくもりがない」
 離任式の日には,教室には来ないで体育館に直接行くことを告げたら,「それってぬくもりがない…。」という発言がでました。「懐かしい教室に入りたいじゃないですか。」とさらに言いだしたので,「じゃあ,春休みに懐かしい教室の後片付けを手伝いに来てもいいよ。」と言ったら「ぬくもりがなくてもいい。」と即答。ねえ,あなたにとってのぬくもりって,なに?

子どもたちの春休み(春の増刊号)

 卒業式から10日あまりが過ぎました。みんな,どんな春休みを過ごしたのでしょうか。少しだけ情報が入ってきたのでお伝えしたいと思います。
 3月20日,子どもたちはなんと,総勢20名以上でディズニーランドに出かけたそうです。確かに,卒業前から女子が集まって計画を立てていたのは知っていたのですが,まさか男女混合で20名も参加するとは…。どうやら隣のクラスの子も少し加わっているようですが,それにしてもビックリです。それだけ,仲が良くなったってことなのでしょうね。
 この日からディズニーランドでは手荷物検査が始まりましたが,子どもたちは遊ぶことに夢中であまり気に留めなかったのかな…。それとも,戦争を身近に感じ取ったのかな…。
 お子さま方,あとで必ずこの日のことを報告するように!

久しぶりだね(夏の増刊号)

 元6−2のみなさん,久しぶりですね。元気にしていましたか?中学生になって2ヶ月以上が過ぎました。ときどき小学校に遊びに来てくれる人たちの様子を見ていると,ずいぶん成長したなあと思います。
 また,掲示板やメールで中学校生活を報告してくれる人もいました。部活に夢中な人,学校行事に燃える人,勉強をがんばる人,いろいろいてよいと思います。自分なりの中学校生活を楽しんでください。
 でも,楽しいことばかりではないかもしれません。初めてのテストが2日後にせまっていますね。しっかりと勉強しないと大変なことになりますよ。中学校のテストは小学校のころとはちがい,はんいがとても広いのです。計画を立てて,毎日少しずつ進めないと,勉強せずにテストを受けるようなことになってしまいます。(テスト2日前になって言うことではありませんが…。)アルバムをじっくりと見て楽しむのはテストが終わってからでも大丈夫。アルバムはにげたりしませんから,まずはテスト勉強をしっかりとしましょう!
 また,新しい環境になり,今までとはちがうなやみごとも出てきているのではないでしょうか。そんなときは,ひとりでかかえこまず,まわりの人に話してみましょう。話すだけでも,気持ちがすっきりしますよ。
 卒業アルバムをみんなより先に見せてもらったのですが,いろいろなことをとてもなつかしく思い出しました。何度も見たくなる,楽しく,すばらしいアルバムになったと思います。
 わたしの方の近況報告ですが,今年は2年生の担任です。「えーっ!2年生なんて担任できるの?2年生がこわがっているんじゃない?」なんて言い出しそうですが,ご心配なく!みんなよりさらに3人少ない,20人のクラスです。去年,みんなが一所懸命めんどうをみてくれた,あの1年生の半分を受け持っています。何がいいかって,全員わたしより小さい!教室にいても,ちゃんと先生がどこにいるのかわかるのです。去年はみんなの方が大きかったから,よく「先生はどこにいるの?」と聞かれたからね…。でもとてもパワフルな子たちです。20人しかいないとは思えません。ただいま生きもの広場を開くため,教室にはザリガニ,カナヘビ,アリ,カタツムリなどいろいろいます。そうそう,メラニーちゃんとナインチェちゃんもちゃーんといます。ぞうのぬいぐるみには,名前がつきました。「パオちゃん」と「ごまぞう」です。え?何で2つ名前があるのかって?名前を決めるときに,この2つにほぼ同じ人数が手をあげてしまったので,どちらで呼んでもいいよということにしたのです。
 さて,卒業前に質問のあった『翼』の最終号がいつ出るのかということですが,これは卒業アルバムにのせてあります。アルバムをなくしてしまわない限り,永久保存版の『翼』です。つらいときには,読み返してみてください。何年経っても,あなたたちへのメッセージは常にそこにあります。
 また会うときまで元気で!くれぐれも事故には気をつけてください。

自分探しの旅(最終号)

 みんなが六年生として過ごしてきた一年間を、『翼』は見つめてきました。おもしろかったこと、がんばったこと、うれしかったこと、ちょっと失敗しちゃったことなど、さまざまな思い出がいっぱいつまった大切な記録でした。新しい出発に向けて『翼』の最終号を卒業アルバムに載せ、みんなに贈ります。
 初めてみんなと出会ってから、もう二年以上になります。偶然なのですが、みんなが三年生の時に、O先生からみんなのことを聞いていたので、正確には四年以上ですね。本当にあっという間に時間が過ぎてしまったような気がします。それは、毎日の学校生活がとても充実していたからだと思います。みんながどんどん成長していく姿が、とてもまぶしく見えました。
 助けられたこともたくさんありました。みんなは気づいていなかったかもしれないけれど、明るく元気な姿は、わたしをはげましてくれていたのです。本当にありがとう。一人一人の存在すべてが、わたしにとってかけがえのないものでした。自分一人で生きているのではないのだということ、お互いに助け合って生きているのだということをみんなに教えられました。
 この先、新しい環境にとまどうことはたびたび起こるでしょう。まったく知らない人たちの中へ飛びこんでうろたえることもあるでしょう。でも、自分が心を開いて話しかければ、きっとこたえてくれるはず。だから、おそれずに前へ進もう。いやなことがあっても、ものは考えよう。いつでも「プラス思考」でいこう!
 自分の人生ではだれもがみな主人公、スポットライトを浴びている主役なのです。だから、友達とは同等の立場であってほしい。また、自分にも周りにも恥ずかしくないように生きてほしい。そして、本当の自分を見つけだしてほしい。自分を見失ったら、自分の心とゆっくり向き合ってみよう。きっと道は開かれるはず。
 何年か経って、つらいことに出会ったときは、このアルバムや『翼』を開いてみてください。なつかしい思い出の日々が、あなたたちの力になるはずです。たくさんのできごとを乗り切ってきたみんなの姿が、そこにはあるから。
 常に自分の心という名の王に忠実であれ!
 みんな、また会おうね!

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