子どもとわたし


[すばる(5年生)] [すずかけ(6年生)]

 職業柄わたしは子どもとふれあう機会に非常に恵まれています。児童文学やマンガは大人も子どもも読むもの(どう考えてもこじつけ^^;)ということで、読み手である現在の子どもの様子や子どもへのメッセージをノンフィクションを原則としてお伝えします。(といってもほとんどがわたしの作った学級通信からの引用です。)

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 「先生はこんな人」は6−2(すずかけ)の子どもたち,
「先生はこんな人2」は6−2(つばさ)の子どもたちによるわたしの紹介です…。

 [コスモス(2年生)] [ひばり(3年生)]
[つきくさ(5年生)] [かざはや(5年生)]
[つばさ(6年生)] [かざぐるま(2年生)]
[先生はこんな人(すずかけ)] [先生はこんな人2(つばさ)]
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すばる(5年生)

キャンプ終了(陸のキャラハンたちの熱き戦い)

 2泊3日の那須甲子キャンプが終わりました。晴れ男と自ら言い切るM先生のおかげか、梅雨まっただ中にも関わらず天気に恵まれました。一番心に残ったのは、やはりオリエンテーリングです。わたしはゴール地点にいたのですが、うちのクラスの2つの班が時間になっても戻ってきません。捜索に行かなければならないかと本気で考え始めた頃、ようやく2班とも帰ってきました。いったい何があったのか、それは子どもの作文を読む方がわかりやすいので、抜粋します。

  途中でSくんの班に会った。SくんたちはもうM先生を見つけたのかと思い、聞いてみた。「M先生に会っ
 た?」「うん。」「どっちの方向?」「あっち。」「ありがとう。」情報をもらしてしまったSくんは、班の仲間にお
 こられていたけど、わたしたちは先を急いだ。「あっち。」という言葉で、大惨事になりかけるとは、私達は何
 も気づいていなかった。なんと、山の中で迷子になってしまったのだ。はじめは道があったはずなのに、気
 がつくと草だらけだ。「もう時間なんかどうでもいい。はやく出たい。」と言いながら歩いていた。着いたところ
 は行き止まりだった。上に登って草から出たら、やっと道路に出た。
〔注:この「道路」は一般道のこと。今回のオリエンテーリングで一般道は使用しなかったことをお断
りしておきます。〕

  「やったぁ。」と喜んだけど、どこに行けばいいのかわからなかった。途中、みんなで「助けてぇ。」「5年2
 組の4班ですぅ。」「死んじゃうよぉ。」「水を確保しなきゃ。」などと話していたら、車が来たので、「助けてく
 ださい。」と言ったけど無視されてしまった。また呼びかけたら、手をふったのとまちがえられたのか、手を
 ふられてしまった。次の車が来たときには「SOS!」といったら止まってくれた。少年自然の家を親切に教
 えてくれた。その通りに歩くと、丘の上から声をかけられた。M先生だ。そしたら、なぜか知らないのに涙が
 出てきた。とても安心して、その場にすわりこんでしまった。M先生のところまで行って、写真を撮ってもらっ
 た。つらかったけど、楽しい思いでができた。陸のキャラハンにならなくてよかった。

 「陸のキャラハン」とはなんぞや?と思う方が多いと思います。子どもたちはこのキャンプの直前に、国語の教科書にあったキャラハンという人物が海で漂流した話を読んでいました。それが頭の中をよぎり、自分たちも陸地で同じ様な目に遭うのではないかと本気で心配したのです。この「キャラハン事件」は運動会の種目にも取り入れられてしまうなど、後々まで語り継がれたのでした…。
 このキャンプでは、きもだめしも行われました。ルールはたった一つ「男女仲良く手をつないで行くこと。」当然子どもたちからはブーイングがでましたが、教師軍団にそんなものは通じません。最初から最後まで「おばけなんてなっいさっ」と歌いながら来た人がいたり、スポーツマンでとても強そうな子が泣きながら戻ってきたりと大いに盛り上がりました。

ナルニア国へ

 朝の読書タイムでは読み聞かせをしています。2学期は『ライオンと魔女』(C・S・ルイス)を読んでいたのですが、とんだ計算違いでどうやっても読み終わりません。そこで、かなりの反則技ですが、続きをビデオで見ることにしました。「自分が想像していたのと違うなあ。」という子もいましたが、それでも食い入るように画面を見つめていました。コンピュータ室の大画面で見たため、迫力があり、そのせいかその後の本の貸し出しでは『ライオンと魔女』にみんなで群がっていました。「ナルニア国ものがたり」というシリーズになっているので、『ライオン…』以外の作品を借りていく子もいました。 

バレンタイン 〜それぞれの思惑〜

 2月14日はバレンタイン。男の子は朝から落ち着きがありません。「机の中にチョコ入っているかなー。」「チョコチョコ、ほしいなー。」わたしほうをじっと見つめる男の子もちらほら。「どうしたの?」「んー。いやー。…なんでもない。」この子は笑っていなくなってしまいました。「?」このときわたしはバレンタインをすっかり忘れていました。だから「何かまた悪事でもしたのかな?」と疑ってしまいました。そわそわしていたのは女の子も同じ。朝からいつもと行動が違うのです。「どうやって渡す?」「うーん。」と必死に考えています。しかし、わたしに見つかってしまったのが運のつき。「学校を出てからチョコは渡そうね。」と申し渡されてしまいました(チョコは学校に持ってこないという約束になっていたので…。)
 その後、わたしは出張に行ってしまったので、教室でどのような動きがあったのかはわかりません。でも、日記を読むと、様々な思惑がからんでいたようです。
 翌日、ある男の子が朝の会で発言をしました。「あのー、ぼくの机の中にチョコをいれたの誰ですか?」本当に困った顔をしています。彼にしてみれば、誰からなのかわからないチョコは得体のしれない物だったのかもしれません。でも、堂々と発言したのは立派!チョコを机の中に入れた女の子は、それが精一杯の勇気だったのかもしれません。でも、名乗り出られたらもっとよかったね。5年生ってそういう年頃なんだと、改めて気づかされました。

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すずかけ(6年生)

春はとかげとやってくる…

 クラス替えで始まった新学期。教室で自己紹介をする予定だったのですが、わたしも子どもも春の陽気に誘われて、外に出ることにしました。さらに、とかげも…。自己紹介の途中で、とかげがいることに気づいた子がそれをつかまえました。「ほ〜ら、とかげっ!」わたしは何が苦手って、は虫類、両生類、昆虫のたぐい。とかげを見た瞬間、パッと下がってしまいました。それを見た子どもたちは大喜び。なんと教室の中にとかげを連れてきたのです。まさか持ってきているとは思わなかったわたしは、教室で再びとかげと対面することになり、本当に逃げまわる羽目になりました…。

6−2の歌

 「そろそろ戻ってくるな。」テストの採点の手をとめ、腕時計のちらりと目をやりながらわたしは思った。子どもたちは今、教室にはいない。音楽の授業中だ。いつもにぎやかなせいか、子どもがいない教室は静かすぎてどうも落ち着かない。大きく伸びをして、わたしは再び赤ペンを動かし始めた。
 しばらくして、通路の方から元気な歌声が響いてきた。「まっいっにっちっ、まっいっにっちっ」(「およげたいやきくん」のメロディで)「まだ授業中なのにどこのクラスだろう?…でも、これくらいうちの子たちも歌ってくれるといいのに。」6−2の歌声はお世辞にも元気がよいとは言えないのだ。歌声が次第に近づいてくる。「R先生に!」「ん?わたし?」思わず採点の手が止まった。教室の前のドアが勢いよく開く。「しかられてやになっちゃうよ!」その声の主たちは笑いながら6−2の教室に入ってきた。「先生!今日6−2の歌を作ったんだよ。もう最高!!」得意満面の笑みで、子どもたちがわたしの周りに集まってきた。「6−2の歌?」「そう。替え歌なんだけどね。おもしろかった〜。男子なんか先生のこといっぱい歌にしているんだよ!」「もしかして、さっきの『まっいっにっちっ』っていうの、そう?」「うん。黒板に書いてあげるよ!」
 そういうなり、黒板に向かってせっせと歌詞を書き始めたのは男子数名。初めのうちは現状をよく把握した内容になっていたのだが、途中からあやしくなってくる。わたしが子どもを倉庫に閉じこめる?校長先生パニック?なんということを!「ちょっと、ウソはいけないよ!」「え〜、ウソじゃないよ〜ん。」「よし!できた!」そういうとみんなでまた「およげたいやきくん」のメロディにのせて歌い出すのであった…。 

鎌倉物語

 朝7時。駅前に到着した。集合時間よりかなり早い。しかし、リュックを背負った子どもの姿がちらほら見える。普段は遅刻する子もこの日はもう来ていたのだが、逆に早く来る子の姿が見えない。「おかしいなあ。だれか連絡聞いている?」「ううん。学校に間違えて行っちゃったんじゃないの?」そんな会話がとびかっているところに、話の主は息を切らせながらやってきた。「どうしたの?」「めざまし止まってんだもん。」「自分で止めちゃったの?」「ちがうって。そうじゃなくて、時計の針が途中で止まっててめざましならなかったんだよ。」…とんでもないハプニングに見舞われていたのである。でも、間に合ってよかった。
 電車の中は大混雑。けれども、子どもたちはほとんどおしゃべりをせず、50分間耐え続けた。「この調子なら鎌倉での自由行動も大丈夫。」わたしはそう思った。しかし、この判断はかなり甘いものだったかもしれないと、後に考える羽目になるのである。
 鎌倉駅前で解散し、班ごとの自由行動となった。わたしはチェックポイントの明月院まで歩いていった。鶴ヶ岡八幡宮を通りかかると見慣れた集団が目に入った。Dくんの班だ。「あの階段が実朝の暗殺された場所だよ。行ってみた?」と話しかけると、「おおっ、そうか。じゃあ、写真とらなきゃ。心霊写真できるかな。」「……。(何か違うよ…。)」わたしは八幡宮を後にした。
 明月院は人、人、人の波である。この日の某テレビ局の朝の番組で明月院の紹介をしていたのである。「うへー。座れるところもなさそうだなー。」しばらくして、最初の班が到着した。Dくんたちである。「順調だね。みんな余裕を持って行動しているな。」しかし、これ以後、定刻通りに現れた班は一つもなかったのである。
 6班中2班は明月院に来ないことになっている。彼らは途中でわたしに連絡を入れることになっているのだが、携帯電話の呼び出し音はいっこうに鳴る気配がない。「便りのないのはよい知らせ」と思っていると、「♪シドレシソラソソファファ〜♪ (イッツ・ア・スモールワールドのメロディ)」ようやく携帯電話が鳴った。「あのー、先生?」「だれですか?」「Uですけど…。その…。」なかなか続きが出ない。「何かあった?」「…実は30分くらい遅れています。」…便りがないのはよくない知らせだったようだ。
 しかし、まだ残り1班からの連絡がない。わたしは他の班がほとんど到着したので、明月院を出ることにした。すると「♪シドレシソ♪」再び携帯電話が鳴った。「はい。」「♪〜(妙な歌声)」「??(イタズラ電話?)だれですか」「♪〜(まだ歌っている)」「だれ!!」「Sでーす。」「(むっとしながら)どうしたの?」「実は…予定通りいっていません。」「なんで?」電話の向こうで話し声がする。話し手がかわったようだ。「先生?Yですけど。めざましテレビのロケやってて、Tくんたちサインもらおうって言って行っちゃったんです。それでもめて遅れたんです。」「サイン〜?もらえたの?」「はい!!全員の名前、書いてもらったんです!」「……早く次のチェックポイントに行こうね…。」やってくれた。多少の遅れは出るだろうと思ってはいたが、まさかサインをもらっていて予定変更になるとは…。(ちなみにこのサインは卒業までずっと6−2の教室に飾られていた。)
 集合時間になり、鎌倉駅前に行くと、疲れてはいるが元気に話している子どもたちの姿があった。迷子になり、鎌倉のまちの人に道を尋ねて目的地に着いた子は、人の優しさを知りとても感動していた。大仏の予想外の大きさに圧倒された子もいた。自分たちの力で鎌倉のまちを歩きまわり、さまざまなことを発見していった、すばらしい旅となった。 

硝子の少年

 6−2では、朝の会で歌う曲を自分たちで決めています。ヒットしている曲から選ばれるのですが、今回はKinki Kidsの「硝子の少年」です。どうやら女子の票が集中したようで、男子は今ひとつ乗り気がしないといった表情でいました。男子いわく、「『僕の心はひびわれたビー玉さ』なんて恥ずかしいよ。クサイじゃん。」うーん、ごもっとも。でも、みんなで歌えば…、ほら、けっこう楽しいよ。

日光うちあけ話

子どもの作文より。

  「…じゃあ、朝の3時ね。」「O.K.わかった。」ヒソヒソ話し声が聞こえる。きっと今夜の計画のことだろう。
 わたしは考えた。タフな人、素早い人、勇気のある人が参加できる計画だろうと。なんだか大石真の『チョコ
 レート戦争』みたいだ。少しドキドキする。わたしは3時まで起きていようかとばかなことを考えたが、いつの
 間にか眠ってしまった。ハッと起きたときには2時だった。「かたまったように寝てたよ。」と言われて、寝相
 の悪いわたしは自分に対してとてもびっくりした。だんだん3時に近づいてきた。でも、また眠ってしまった。
  “ガヤガヤ、ガヤガヤ”(うーん、なんだよ。うるさいなあ。)と思って目が覚めたころにはもう4時を過ぎてい
 た。メンバーはそろっていて、騒いでいる。わたしは寝起きが悪いので、そのまま眠ろうと思ったが、どうも
 眠れない。しまいにはけとばされてしまった。(うう…しかたがない。起きるか。)と思い、気合いを入れて起
 きたら、みんなは男子の部屋へ行ってしまった。わたしもついていったけど、大勢で押しかけたため、遊ば
 ずに帰ってきた。しばらくして先生が来て一発ドカーン、わぁ…。それからみんなは遊ぶのをやめ、6時まで
 眠った。
  こうして計画は成功だか失敗だかわからない終わり方になった。でも、わたしはこのイタズラ計画を
 一生忘れない。

 修学旅行で日光に行ったのだが、この旅はちょっとかわっていた。ふつうはクラスごとにバスを割り当てるのだが、この学年はクラスの垣根を取り払っていたので、どのバスにも全部のクラスの子が乗っていたのだ。違うクラスの子がいてもまったく関係なく、楽しく過ごせるのだから大したものである。カラオケ状態のバス、レクで盛り上がるバスとそれぞれ短時間のうちに独自のカラーを作り出していた。
 「先生の一発ドカーン」だが、これはわたしを寝起きの悪い状態にしてしまったのが子どもたちの敗因である。那須甲子キャンプでも寝起きの悪さは証明してあったのだが、子どもたちはそのことをすっかり忘れていたようだ…。

制服にまつわるエトセトラ

 中学校の制服の採寸がありました。制服姿の子どもたちを見て、ようやく「卒業なんだ」という実感が湧いてきました。制服が似合っていてかわいいと思う反面、なんとなく淋しい心持ちになってしまいました。
 また、制服がなつかしく思えました。初めて制服を着たとき、なんだかちょっと大人っぽくなった気がしたこと、車ひだのスカートにアイロンをかけず怒られたこと、まだ中学の制服を着る日があるのに、卒業式にリボンやボタンを後輩にあげてしまい、あせったこと。さまざまな思い出がよみがえってきました。こんな風に、子どもたちも制服とともにいろいろな思い出を作っていくのでしょうね。
 制服というと思い出すのがセーラー服。わたしは中・高とブレザーだったため、セーラーにとても憧れました。「いいなぁ。」と思って子どもたちを眺めていると、「先生も着てみれば?」という子どもの声。「じゃあ着ようか。」と、調子に乗ってS先生と一緒に本当に着てしまいました。思っていたより、着たり脱いだりするのが難しくてびっくり。
 最後におわび、あやしい中学生もどきが現れて驚いた人、ごめんなさい…。 

I was born

 卒業していくみんなに何を贈ったらよいだろうかとだいぶ長い間考えました。さんざん迷ったのですが、自分が今までに感動してきたのは文章だったので、大好きな詩を贈りたいと思います。
 『I was born』は吉野弘さんの作品です。この作品に出会ったのは高校1年生の時で、いろいろな面で考えさせられました。中学生だった頃、一番いらだちがあり、「何でこんなにつらいことが多いのだろう。何で生まれたんだろう。生んでくれと頼んだ訳ではないのに。」と何度も思いました。そんなわたしが、親の思いに気づくきっかけになったのがこの詩です。親がどんな思いで自分の誕生を待ち望んでいたか、自分を生むためにどれだけ苦労してきたか、それを思ったとき、「生まれさせられた」と考えることがどんなにひどいことか、知ることができたのです。自分の人生は自分で切り拓くもの、けれども、自分一人だけの力ではなく、多くの人が関わってくれているからこそ生きていけるのだと強く感じました。6−2のみんなと出会うことができたのは、自分がここに存在しているからです。当たり前のことかもしれないけれど、親が自分を生んでくれなかったら、こんな体験はできなかったのです。わたしは自分を生んでくれたことを親に感謝しています。

自分の居場所は

 中学校では新しい出会いが待っています。友達、先生、先輩、教科、部活、そして校舎。みんなにおすすめしたいのは、自分の場所を探すことです。「ここにいるとホッとするな。落ち着くなあ。」と思えるところを見つけてほしいのです。それは、人であるかもしれません。「この人と一緒にいると楽しくていいな。」と思えればよいと思います。もしかしたら部活かもしれません。「このスポーツは自分にあっている。夢中になってできる。」教科ということも考えられます。「この授業、好きだなあ。」
 わたしの場合、自分の場所はいくつかありました。まず、体育館。本当に場所なのですが、朝早くから暗くなるまで部活をしていたあの場所が好きでした。他には美術準備室も好きでした。考え事があるときには、担任の先生に断ってそこに入り込んでいました。その担任の先生も、大切な自分の居場所でした。今でも困ったときに相談したり、世間話をしたりしています。
 自分の居場所をぜひ見つけてください。

自分探しの旅

 みんなが6年生として過ごしてきた1年間を、『すずかけ』は見つめてきました。おもしろかったこと、がんばったこと、うれしかったこと、ちょっと失敗しちゃったことなど、さまざまな思い出がいっぱいつまった大切な記録でした。新しい出発に向けて『すずかけ』の最終号を卒業アルバムに載せ、みんなに贈ります。
 初めてみんなと出会ってから、もう2年以上になります。本当にあっという間に時間が過ぎてしまったような気がします。それは、毎日の学校生活がとても充実していたからだと思います。みんながどんどん成長していく姿が、とてもまぶしく思えました。
 助けられたこともたくさんありました。みんなは気づいていなかったかもしれないけれど、明るく元気な姿は、わたしをはげましたくれていたのです。本当にありがとう。一人一人の存在すべてが、わたしにとってかけがえのないものでした。自分一人で生きているのではないのだということ、お互いに助け合って生きているのだということをみんなに教えられました。
 この先、新しい環境に戸惑うことはたびたび起こるでしょう。まったく知らない人たちの中へ飛び込んでうろたえることもあるでしょう。でも、自分が心を開いて話しかければ、きっと応えてくれるはず。だから、おそれずに前へ進もう。いやなことがあっても、ものは考えよう。いつでも「プラス思考」でいこう!
 自分の人生ではだれもがみな主人公、スポットライトを浴びている主役なのです。だから、友達とは同等の立場であってほしい。また、自分にも周りにも恥ずかしくないように生きてほしい。そして、本当の自分を見つけだしてほしい。自分を見失ったら、自分の心とゆっくり向き合ってみよう。きっと道は開かれるはず。常に自分の心という名の王に忠実であれ!

裏すずかけ秋の増刊号

 秋の増刊号を出したいところだけれど、最終号を出してしまったことと、違う学校へ進学した子がいることから、ここに「すずかけ・秋の増刊号」を載せます。
 6−2のみんな、久しぶり!7月7日に卒業アルバムを渡してから2ヶ月。あの時も「みんなずいぶん成長したなあ」と思ったのですが、今日の運動会ではさらに成長したみんなの姿を見ることができて、とてもうれしく思いました。わたしと背比べをした人のほとんどがわたしより大きくなっていて、うれしい反面、とーってもくやしかった…。卒業からたった半年で、10pも伸びているなんて、ずるいよー。わたしは1pたりとも大きくならないのに。
 応援合戦、盛り上がっていたね。正直、去年のみんなからは想像できない気合いの入った応援だったと思います。わたしもあの中に入って、応援合戦に参加したかったな。マーチングバンドの演奏、ピッタリそろっていてとてもよかったよ。東関東大会、がんばってね。
 今年は種目数が少なかったけれど、来年は中心になって活躍する場が増えるはず。今から来年の運動会を楽しみにしています。来週は小学校の運動会です。すぐ隣なので、よかったら遊びに来てね。
 P.S.その1
  春・夏・秋と増刊号を出したので、冬の増刊号も出すかもしれません。
 P.S.その2
  今日一緒におしゃべりしてくれたみんな、ありがとう。ハガキ、待っているよ。

裏すずかけ・冬の増刊号

 元6−2のみんな、久しぶり!『すずかけ 冬の増刊号』をお届けいたします。秋の増刊号を出したときに、「冬の増刊号も出して!」という声があちこちから聞こえてきたので、調子に乗ってまた学級通信を書いてしまいました。
 早いもので、もう3学期。卒業式へとまっしぐらに突き進んだのが1年も前のことだなんて、何だか信じられません。それほど、あの時のことをよく覚えているのです。3学期に入ったとたんの大雪。わたしは思いっきり遅刻をしたのですが、みんなは元気に登校し、雪かきをやってくれていたっけ。その後の雪合戦もすごかったな…。本気で投げてきた人もいたね、確か…。さらに、大きくしすぎて動かせなくなった雪だるま。けっとばしてむりやりこわしたよね。
 その後のインフルエンザ大流行にも、なぜか6−2は学級閉鎖にならなかった…。みんなは「おれたちも帰りたい。」なんて言っていたけど、みんな元気だったし、勉強が進んだ分、後でいっぱい遊べたからよかったとわたしは思いました。
 小学校では6年生を送る会の練習が始まります。今年は卒業記念の手作りカレンダーを作る側になりました。去年、みんなと一緒にもらったあのカレンダーは、今の教室にずっと飾ってあります。みんなもきっと3ヶ月に一度めくっているだろうなと思いながら。
 1日1日大人へと近づいてくるみんな。タイムカプセルを開ける約束の日まであと7年。あの場所にはだいぶ草がはえてきて、埋めたあとがよくわからなくなってきました。
 みんながそれぞれの場で活躍している話をよく聞きます。どんどん成長していくあなたたちは、とてもすてきだよ!

P.S.クリスマスプレゼントや年賀状をくれた人、ありがとう!とてもうれしかったよ。

裏すずかけ・秋(?)の増刊号2

 お久しぶりです。「元気にしていたでしょうか?」と言う必要はないということが、中学校の運動会を見ていてよくわかりました。久しぶりに会った人、そうでもない人とそれぞれですが、元気いっぱいのみんなを見ることができてとてもうれしかったです。同じ中学には進学していない人も、メールや手紙や他の人からの話でそれぞれの近況を教えてくれるのでとてもうれしいです。
 去年の運動会では初々しかったみんなが、男子はたくましく、女子は女性らしくなっていてとても驚きました。この1年の成長は大きいですね。今年も背比べをしていった人がいましたが、もう比べる必要はほとんどないでしょう。ちょっとくやしいけど。
 去年に比べ、みんなの活躍する場面がだいぶ増えましたね。男子の組体操は動きが速く、大きな技も次々と決めていてとても迫力がありました。カッコよかったよ!女子のダンスは華麗で見事ですね。来年はきっとクラスごとに衣装や振り付けを考えるのでしょうね。今からとても楽しみです。ブラスも素晴らしいですね。演奏しながらあれだけピッタリとそろった動きをするなんてビックリです。選抜種目に出た人の足の速さにも驚きました。部活対抗リレーは楽しませていただきました。小学校の先生たちと大笑いしました。特に柔道部、来年も期待しています!応援合戦はあいかわらずパワフルですね。みんなのノリの良さははんぱじゃないですね。
 部活では3年生が引退してみんなが中心になっているのでしょうね。運動部のとりあえずの目標は新人戦でしょうか。文化部の人も部活のリーダーとしてがんばってね。3年間の中学校生活も、もう折り返し点。ここからの1年は信じられないくらいはやく過ぎてしまいます。1日1日を大切にしてください。
 来年の運動会で成長したみんなに会えるのを楽しみにしています。

 P.S. 今年は3年生の担任です。140pを越えた子が何人かいて、ちょっとあせっています。 

立春式に寄せて

 立春式、おめでとうございます。
 自分探しの旅を続けているみなさんに、326(ミツル)の詩を贈ります。
 「生きてゆく事は掛けて行く事。どんなにもチャンスがめぐってきても、僕がゼロなら意味がない。」
 人生はかけ算。自分がゼロでは何をしてもゼロのまま。増えることはありません。確かな自分を見つけ、さまざまな経験を自分に掛けて、豊かな人になってください。

夏が来た!!

 元6−2のみんな、こんにちは。ついこの間卒業したばかりだと思っていたのに、あっという間に3年の夏がやってきましたね。最上級生となったみんなは、どんな先輩になっているのでしょうか?
 部活動をしている人にとっては中学校生活最大の大会が目前にせまっていることと思います。(もう大会が終わって引退している子もいますが。)これまでがんばってきた成果が出ることを期待しています。どうかくいの残らないようにしてください。
 大会が終わったら、いよいよ受験を考える時期になりますね。もう進路のことは考え始めているのでしょうか。今は家の人が働いたお金でみんなは生活していますが、大人になったら自分で働いたお金で暮らしていくことになります。その時自分はどんな仕事をしていたいのか、じっくりと考えてみてください。そして、希望の仕事につくにはどんな進路があるのかをよく調べてみてください。ただ単に「受験だから勉強しなくちゃ!」と考えるのではなく、自分の進む道をじっくり考え、そのために必要な勉強をしてほしいと思います。
 来年の3月に笑顔のみんなに会えることを楽しみにしています。
 9月の運動会にまた現れる予定です。みんなの活躍が今からとっても楽しみです。

熱かった!

 運動会後恒例の「すずかけ秋の増刊号」です。中学校の運動会、今年も楽しませてもらいました。最上級生として、そして中学校生活最後の運動会。みんなの明るい笑顔が何よりも印象的でした。
 男子の組体操はキビキビとした動き、そしてぴったりとそろった演技にしびれました。さすがですね。小学生ではこうはいきません。夏休み前から練習していたのかな。最後のタワーは、1ヶ所うまく立ち上がれずにいたところがあったのでハラハラしましたが、成功して本当に良かったなあと思いました。
 女子のダンスはみんなが楽しそうに踊っていたところがすてきでした。短い時間でよくあれだけの振り付けを覚え、完成させたなあとびっくりしました。手作りの衣装もすばらしかったよ!初めて中学校の運動会を見たときから、みんなが3年になってメインで踊る姿を楽しみにしていたのですが、待っていたかいがありました。
 ブラスバンドの演奏もすばらしいですね。ピタッとそろった動きには思わずため息が出てしまいました。音色もよく響いていました。小学生に見習わせたいです。
 部活対抗リレーは相変わらずのおもしろさですね。柔道部は期待通り!ありがとう。
 選抜に参加したみんな、お疲れさま。懸命に走る君たちの姿はとても格好良かったよ。
 一番盛り上がっていたのは応援だと思います。あれだけのパワーをぶつけられる君たちなら、これからもきっと元気にやっていけると思いました。君たちが目一杯楽しんでいた運動会は、見ているわたしたちもとても楽しめました。
 それにしても、久しぶりにあったみんなの成長ぶりには本当に驚かされます。外見はもちろん、中身もだいぶ成長したなと思いました。そして、何年経っても「先生!」と嬉しそうに声をかけてくれることも、とても嬉しかったよ。

 中学校生活も残り半年となりました。「小学校のころって楽しかったな。」と今振り返ってくれているように、「中学校のころって楽しかったな。」と振り返ることができる、そんな中学校生活となりますように。すばらしい思い出を作る時間はまだまだあるのだから。不満があっても、自分の考え方次第で満足に変えることができます。常にプラス思考でいこう!

卒業に寄せて

 卒業おめでとう!
 ついこの間小学校の卒業式を終えたばかりという感じがするのに、もう3年も経ってしまったなんて…。何だか信じられません。
 これまでに進学する高校を報告に来てくれた人が何人かいました。ちょっと大人びた顔をして、でも、小学生の頃の面影をちょっと残しているみんなの姿を見ることができて、とても嬉しかったです。
 手紙やメールで報告してくれた人もいましたね。中学から私立に進学した人も、近況を報告してくれました。
 そんなふうに、いつになっても忘れずにいてくれるみんなの気持ちがとても嬉しかったです。
 いよいよ義務教育が終了します。ここから先は、自分で考えて進むべき道を選ばなければなりません。今までより自由に選べることが増える分、選んだことに対して持たなければならない責任も増えます。「自由」とは「何をしてもよい」という意味ではありません。自分で好きに選んだことは、すべて自分で責任をとらなければならないのです。
 「自分探しの旅」はまだまだ続きます。中学卒業は旅の途中の駅に過ぎません。困難なことにぶつかるかもしれないけれど、それを乗りこえることは絶対にあなたたちの大きな力になります。たとえくじけても、そこから立ち上がっていってほしい。乗りこえる強さを手に入れてほしい。
 立春式の日に贈った326の詩を覚えているでしょうか。「生きて行くことは掛けて行くこと。僕がゼロなら意味がない。」人生はかけ算。さまざまな経験をして、豊かな人になるには、元となる自分を確かにしなくてはなりません。新しい仲間との出会い、新しい生活の中で経験したことを自分に掛けて、大きく大きく自分を育てていってください。
 みんなが卒業してからも続いた「すずかけ」ですが、今回の増刊号でいよいよ最後です。この間、6−2以外の人が「この学級通信、おれたちが『見せて。』って言っても『これは6−2のものだから、6−2じゃない人はダメ。』って見せてくれないんだよ。」と話してくれました。みんな、この通信を大切にしてくれていたんだなあと嬉しくなりました。(でも、同じ学年の仲間なんだから、見せてあげてもよかったんだよ!)みんな、どうもありがとう。
 また、会おうね!

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