氏名(イニシャル) |
O |
性別 |
男・女 |
年令 |
60才 |
職業 |
専業主婦 |
身長・体重 |
150cm 42s |
嗜好 |
特になし |
趣味 |
編み物 |
主 訴 (医師による診断名) |
左膝内側の疼痛 (脛骨粗面の内側約4cm付近)
医師による診察・治療を受けている |
その他の愁訴 |
冷え症 |
病 歴 |
2ヶ月ほど前から少しずつ痛み出し、某整形外科に外来で通院した。レ線で異常は認められなかった。膝痛を起こすようなアクシデントは特になかったらしい。同病院に毎日通院しているが少し楽になったくらいで、それ以上は改善傾向にない。 |
診 察 |
来院時左下肢の疼痛性は行が認められた。患部には熱感・発赤・腫脹は認められなかった。神経学検査に異常はなかった。SLRテスト、アンビルテスト、内転・外転ストレステスト、パトリックテスト、マクマレーテストなどは陰性。徒手筋力テストは左後脛骨筋が4でその他は正常。可動域は内旋が少しだけ抵抗がある。後脛骨動脈、足背動脈の脈は左右差がなく体温も左右差はなかった。圧痛点は経穴でいうと「地機」にあたる。トリガーポイント的な反応はなかった。問診上「最近肉類が食べにくくなってきており、便はキラキラと光っているような感じである。又様式便所で便が浮くことが多い」とのことであった。臍部やや上方に軽度のシコリと違和感。 |
治療・経過 |
内臓マニピュレーション = 膵臓・十二指腸
施術直後に疼痛は軽減し、は行せずに普通に歩けた。念のため他医を紹介 |
治効理論・根拠 |
検査結果から筋・骨格系の異常というより、内臓=体性反射(内臓の異常が神経的なつながりによって筋肉などの組織を緊張させたりする反応のこと)
が関係するものと推定した。 一つの考えとして患部は東洋医学的に言うと「地機」と呼ばれる経穴で、(元来東洋医学では膵臓は五臓六腑には含まれていないが)現在では膵臓の異常が反応するポイントと言われている。西洋医学的にも”肉類の食欲減退” ”脂肪便”は小腸の吸収障害や膵臓の機能低下などで認められる。以上を考えると膵臓からの内臓=体性反射性の疼痛かもしれない。しかし嗜好の変化などは例えば胃がんなどの症状などにも認められるので、改めて整形外科以外の診療を受けることを勧めるべきである。 |