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2003年12月 メキシコ、レイク・エルサルト釣行記
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「パパロタ軍団 ”切り込み部隊” レイクエルサルトへ出陣」 [岐阜県・三輪様]
2003年12月 メキシコ、レイク・エルサルト

長年の夢であったメキシコでのバス釣りがついに現実のものとなった。2年越しの計画となったが、悩みに悩んだ割には、最後は自分でも不思議なくらいあっさり(というか勢いだけ)決定した。

年も押し詰まった12月20日に友人Y氏(なんと2年連続の釣行)と関西空港を出発。実釣日数6日と移動日をあわせて計10日間のフィッシングトリップである。
ロス経由(一泊)でマサトラン空港までは、とりたてて大きなトラブルもなく到着。さあ、エルサルトへ!とゲートを出たが、本来いるはずの送迎ドライバーが見当たらない。二人とも「まあ、たまにはこんなこともあるさ・・。」とはじめはタカをくくっていたが、40分、50分と時間が経過するとさすがに不安がつのってくる。Y氏が覚悟をきめてオフィスに電話をかけにいった時、怪しげな現地人が近づいてきて早口で何かまくしたててきた。「なんで独りでいる時に限って喋りかけてくるんだ」と心の中でつぶやきつつ対応に四苦八苦する。結局、その男は迎えに来るはずのドライバーの伝言を伝えにきた空港関係者であることが発覚し、事無きを得たが、海外旅行に不慣れな私としては結構スリリングな体験であった。
それから10分ほどするとやっとドライバー(ラウル)が到着し、今度こそレイクへと思ったが、空港を出てもそれらしきミニバンが一向に見当たらない。なんとこのドライバー、空港到着寸前に事故ったらしく(車はオシャカ寸前になったそうだ)その処理に手間取って遅れたということが判明。結局、街のオフィスまでタクシーで行くことになったが、7フィートのロッドを入れたバスーカの収納は普通車ではかなり厳しく、運転手も思い切り迷惑顔であった。

約15分でオフィスに到着。オフィスにはガタイのいいお兄ちゃん(ハビエル)がいて、いきなり「テキーラ」のストレートをご馳走してくれた。私は飲めないので丁重にお断りしたが、Y氏は3杯を一気に飲み干し、独りハイテンション状態。暫くの間ハビエルと釣りの話とエロ話で盛り上りっていた。帰りは土産を買う時間がとることができないため、しばし土産を求め街を散策し、小さな陶器の置物とTシャツを購入。その後、海辺のレストランで食事をしたが、ここのオーシャンビューがあまりに素晴らしすぎて、逆に男3人で食事をしている自分たちが我ながら不憫に思えてしまった。結局、3時間ほど街ですごし、いよいよエルサルトへ。

かっ飛ばすこと約1時間半(くらいっだっと思う)、殺風景な景色の中にたたずむ「パパロタロッジ」へ到着。三つ星ホテルとはいかないが、必要なものはそろっており、釣り目的の我々には十分といえる。特に食事はボリュームたっぷりで、日本人の口にも良くあって◎だった。
ロッジは湖畔にはなく、エルサルトまで車で10分ほどかかる。

一日のスケジュールは、朝6時に出船し12時まで釣りをして、昼食後、約1時間半のシエスタ。そして2時ごろ再びレイクへ向かい、日没までまた釣り三昧(体力に自信があれば、ランチを作ってもらってシエスタなしで釣りが可能)。ガイドはメキシコ人でスペイン語しか喋れないが、そこは釣り人同士、なんとなく通じ合うものがあり、コミュニケーションに特に問題は感じなかった。
使用したボートは17フィートのほどのFRP製で60hpのエンジンが付き、ガイドを含め3人で釣るのに十分な広さであった。持込んだタックルはMHからHまでのベイトタックルを4本、加えて、日本で大ブレーク中のミドスト(ミッドストローリング)を試してやろうとスピニングロッドを1本用意し、ラインにナイロン8lbという普通「ありえーへん」タックルもスタンバイ。

釣り場となるエルサルトは大規模なリザーバーで、水の色は黒っぽく、透明度は1mほど。バスのメインベイトのテラピアはあちこちでテラピアボール?をみることができるほど大繁殖してる。
一日のパターンは全日とおしてほぼ同じで、朝一は岬のシャローや流れ込み跡に居る(はずの)大物をトップで狙い、トップへの反応がなくなると小さいワンドをいくつかランガンし数釣り(サイズは35〜45cmでキロフィッシュ多し)。午後、風が吹いてきたら大場所で10lbオーバーに狙いを絞り、夕方は暗くなるまで午前中のワンドで、再び数釣りという展開。



朝一はやっぱりトップ。朝、シャローに捕食にあがってくるだろうグランデを狙う。湖面は寒暖差が激しいため水蒸気が立っている。岸際では時折ボイルが起こっていて、「いかにも」という雰囲気が漂っている。レッドペッパーを岸に向かい遠投し早めのテンポで流す。2投目にいきなり「バシュツ」という音とともにルアーが50cmくらい空中にふきとばされる(まじかよ!)。でも、のらない。もうワンアクション。今度は「ドボン」という音ともにバスがルアーをくわえ、そのまま空中で反転する(凄い、凄すぎる)。まさにビデオで見るようなシーンが実際に目の前で起こるのである。湖面に陽が差し込むまではかなりの確率でバイトがあり、いやおうなしに朝からアドレナリン全開になる。
この時間帯でよかったのはレッドペッパーとサミー100。初日はポッパーやバズはもちろん、タロン等のデカスイムベイトなどいろいろなルアーを試したが、結局2日目以降はほとんどこの2つのルアーで押し通した。アクションはスライディングより、ダイブも含めたパニックアクションのほうがサイズが上がるがわかってきた。ただ、ここのバスは「燃焼系アグレッシブ」ではあることは間違いないが、エサを食うのはかなり不得手なようで、アタックの半数はミスバイトである。アクションが早かったせいもあるが、それを差し引いても下手クソであることは間違いない。
出たバスはすべて獲りたい我々にとっては我慢できない状況であり、3日目からフォローベイトを投入。フロント側のルアーにミスバイトがあれば、すかさずリアからフォローベイトを投入するというJBUも真っ青な連携プレーを展開。まあ、なにもそこまでとは思いつつも体が動いてしまうのは悲しいトーナメンターの性と言わざるおえない。ちなみにフォローで効いたのはSENKO5インチ(場合によっては4インチも投入)、パワーミノー等のスティックベイトのフォール&トゥイッチ。
総じてエキサイティングな釣りであったが、狙ったグランデは結局出ずじまいで、二人とも6日間通してトップのMAXは5lbであった。

陽が上るとワンドでの釣りになる。ワンド内にテラピアが群れており、このテラピアに付いているバスを狙う。まずはクランクで手返しよく攻め、反応がなくなるとラバージグ、テキサスとローテーション。どのワンドも相当の数のバスをストックしているようで、ガイドも入れて3人で打って行っても釣れ続く。管理釣り場でやるような「10本早がけ競争」をやっても、調子が良ければ30分もあれば勝負がついてしまうくらいだ。
このワンドの釣りにもコツがある。一つはルアーセレクト。驚いたことに、これだけ釣れるエルサルトにおいても「当たりルアー」、「当たりカラー」というのがあって、結構ルアーセレクトによって差がでる。二人(場合によってはガイドも入れて3人で)で「当たり」を探していくと効率がいい。もう一つは水深。バンクの釣りはどうしても岸ギリギリに投げたくなるのが、このパターンにはまってしまうとサイズが伸びない(というか選べない)。この釣りで3lb〜4lbを拾っていくためには、バンクの外側のブレイクやバンク中心部付近を探っていくほうが確率が高い。まあ、所詮数釣りと割り切ってしまえばそれまでだが、やはり4LBクラスが混じってくるとだいぶモチベーションが違ってくるはずだ。

ガイドのセサー(本当は年下)はかなり釣り好きらしく、ロッドを持たせてやると、それまでの強面の親父から笑顔あふれる青年(?)に変身する。この男、さすがガイドだけあって釣りはなかなかの腕前で、特にテキサスのマキマキは抜群に上手い。この釣りは結構コツがあるらしく、ボトムを擦るぎりぎりのスピードでリーリングし、ボトムと魚の当たりの微妙な違いを見分けなければいけない。しかも、エルサルトのマキマキには「当たりを感じたら送り込んでスイープにフッキング」などという軟弱さはなく、「疑わしきは有無を言わせず電撃フッキング」が肝。セサーは「バシュッ」という効果音とともに、バックシートで鬼のようにあわせまくっていた。


この時期のエルサルトは朝は涼しいものの、日中は30℃近くまで気温があがり陽が高くなると、さすがに爆釣レイクでも「食い」が渋くなってくる。ここからがいよいよ「ミドスト」の出番。そもそもメキシコで「スピニング+ナイロン8lb+ジグヘッド1/16oz」というタックルを使うこと自体が無謀かと思われたが、まさにこれが大爆発。その威力はおそるべきもので、暑さやプレッシャーで他のリグが沈黙しようとも、ミドストだけは永遠にバイトが続く感じ。まさに無限バイトである。
この釣りの最大のポイントは、ワームを中層でナチュラルに動かすことが出来ることである。糸フケをつかって「張らず緩めず」の状態でワームを引いてくることにより、直接ルアーにテンションが掛からないため、文字通り「漂う」ように中層を泳がすことができるのである。「中層」×「漂う」というタイプの釣りはあまりやる人がいないため、「食わせ」の効果が高く、スレにくいのが特徴である。ただし、この釣り、乱獲できるのはいいけど、まともなサイズをかけるとランディングまでにベイトタックルの10倍くらい時間がかかり、むちゃくちゃ疲れるのが難点であるが・・。(まじで筋肉痛になった。)
結局、ワンドでの釣りでは、一番よかった日で3人(含むセサー)で200本位をゲット。でも、サイズはやはり5lbどまりで、この場所でも我々の目指すグランデは捕獲できなかった。

どうやら、この時期のエルサルトは小バスと巨バス(?)の釣れる場所がはっきりと分かれており、数釣りエリアではグランデのゲットは期待できないことがわかってきた。ガイドの話では、7lbクラス以上はまだシャローにあがっておらず、6〜8M以深のディープを狙わないと捕獲は難しいらしい。エリア的に大き目のインレット絡みの大場所(イメージ的には河口といったほうがあっている)でテラピアが多く刺し網が沢山入っているような場所がベストとのこと。しかも、風が吹き出さない食わないため、午後からが勝負である。この釣りは、一箇所で粘って、ひたすらまわってくる回遊バスを待つという、どちらかと言うと忍耐の釣りである。
使用ルアーは最近エルサルトはもとよりメキシコ中で大流行のストームのワイルドアイシャッド(スイムベイト)。ヘッドの部分にシンカーが入っており日本ではサイトに時期に使わることが多いらしい。私も昔から知っていることは知っていたが、あまりぱっとしない外見なので使ったことがなかったが、泳がせてみるとこれが結構スゴイ。ストレートリトリーブで泳がすとバタバタとロールするような感じで、まさにテラピアそのもの。このスイムベイトをひたすらスローにボトムをズル引きするわけだが、フックがむき出しのため立ち木エリアでは全神経を集中することが必要。

運命の5日目。風が吹きはじめるタイミングにあわせ、昨日7LBをゲットしたポイントに到着。期待がふくらむ。一気に集中力が高まり、船上にピリピリとした緊張感が走る。何本かかけるが狙っているサイズではない。でも、テラピアが追われているようで、水面がざわつきだしている。まわって来ていることを確信し、キャストを続ける。約20分が経過。「どうした?いないのか?」、集中力が途切れそうになった瞬間、ティップが軽いバイトを感知した。ここで即アワセは禁物。「食え、食え」と念じた瞬間、バットが引き込まれた。重みを感じながらスイープにフッキング。重い。今までに感じたことのないパワーがロッドに伝わる。スピードはないが十分過ぎるほどトルクのある重い走りだ。グリップをお腹に押し付け、耐えるが、突っ込みのたびに腰が浮くのがわかる。ガイドがその引きをみて「グランデ」と叫び、ネットを構えた。
魚が見えた。デカイ。しかも丸々と太っている。10lbいけるかもという思いが頭を駆け巡る。ボート際の最後の抵抗をなんとかかわし、頭をこちらにむけ、いよいよフィニッシュ。ヤツはガイドのネットに納まった。重さ10.2lb、58cm。ラグビーボールのようなバスだ。空っぽだった頭のなかに意識が芽生え、嬉しさがこみ上げてきた。「そうだよ、これを釣りにきたんだ、これを!」と叫び、ガイドとがっちりと握手をした。



結果は私が6日間で10lb、7lb、5lbが1本ずつに4lb以下は300〜350本(その内7割位がキロフィッシュ)。Y氏は残念ながら10lbをゲットできなかったが、6lbが1本、5lbが3本、それ以下はほぼ同じくらいであった。6日間という期間の割にはビッグフィッシュが少ないように感じるかもしれないが、個人的にはかなり満足であった。10ldはもちろんだが、キロフィッシュの入れ食いというのも捨てがたい魅力であると思う。加えて、今回つくづく感じたのは、やはりメキシコのバスのコンディションの良さだ。とにかくパワー、スピードともに凄すぎ。まるでソルトウォーターの魚を相手にしているようだった。レイクの豊かさがそうさせるのか、プレッシャーの低さが要因なのかわからないが、とにかく、日本のバスとは比べ物にならなのは事実で、こんな魚に会えるだけでも幸せだと思う。

費用や時間もかかるメキシコ釣行だが、私は十分価値があると感じている。何もかも忘れて釣りに没頭できる環境、子供の頃味わった味わった「ドキドキ」感や「ワクワク」感を呼び戻してくれるバス達。メキシコは言葉では言い尽くせない感動と興奮を与えてくれるはずだ。

最後に、旅行全般にわたってアドバイスを頂いた「Access!海外バスフィッシング」の皆さん、本当にありがとうございました。予約等すべて代行していただき、とても助かりました。
「Access!海外バスフィッシング」こそが、10lbバサーへの最短ルートですね、きっと。


□補足

その1 私のタックル
テクナGP64CMJプロト(借り物)+TD−X103PV+PE30lb(トップ用)
テクナGP70CHJプロト(借り物)+TD−Z103HL+フロロ20lb(スイムベイト用)
テクナ60CMHJ+TD−X103HV+フロロ20lb(クランク、バイブレーション用)
テクナ70CMHJ+TD−X103HVL+フロロ20lb(ラバージグ、テキサス用)
テクナGP64SULJ+TD−S2506C+ナイロン8lb(ミドスト用)

ヒットルアー
スイムベイト:ストーム ワイルドアイシャッド4in(チャート系)
トップ:レッドペッパー(アユ)、サミー110(クリヤーボーン、イエローボーン)
クランク:ファットペッパー(スモーク、ブラックバック/シルバー)、ラパラDT10(アメリカンブルーバック/シルバー)、DEEP−X200T(アユ)
バイブレーション:ライズバッカー(ブルーバック/シルバー/オレンジベリー)
ラバージグ:相羽ジグ1/2oz(ブラック)+ブラッシュホッグ(ウォーターメロン)
テキサス:ブラッシュホッグ(ウォーターメロン)、デッドリンガー(ウォーターメロン)、シンカー3/8oz
ミドスト:1/16ozジグヘッド+シャッドシェイプワーム(ウォーターメロン)、スタッド5in(ウォーターメロン)、Xレイヤー(モロコ)

その2 メキシコは釣れるか
やっぱり釣れますね。ただし、この季節(プリ)の場合は次の2点に注意が必要。一つ目は、狙うサイズによってエリアが全然違うので、同じエリアで数釣りと大物の両立が難しいということ。つまり、数を釣っているうちに7lb以上がまじるということは期待できないということ。次に同じ数釣りエリアでも、狙い方によってアベレージサイズが変わるということ。グランデ狙いの根本的解決にはならないが、今回は同じワンドの釣りでも、深場を狙うことによって魚のクオリティをあげることができた。その人ごとの楽しみ方にもよるが、より釣果を伸ばそうと思ったら、パターンを探ったり、新たなリグを投入したりというような、それなりの工夫はしたほうがいいかもしれませんね。今回のミドストのようにバクッとはまれば、「桃源郷」を体験できますよ。


[管理者より補足]

「10ポンド達成」のニュースを聞き、私達もお手伝いした甲斐がありました。体長から考えるといかにデブバスだったか想像がつきます。写真でも伝わってきますが、「ラグビーボール」というのはまさにそのとおりでしょう。体高と幅がスゴかったはずです。この「幸せ」があるからメキシコは「絶対また行く!」になっちゃうんですよね。

今回、昨年末のほぼ同じ日程でエルサルトの同じロッジに行かれたグループの釣行記を全部で4つ掲載することが出来ました。わざわざ時間を割いて詳しくレポートしていただいたそれぞれのグループに改めて感謝致します。
こういう機会は大変貴重ですので、読者の皆さんにも非常に参考になると思います。ぜひ再度4つの釣行記を読み返してみて下さい。たとえ同じ時期、同じレイク、同じロッジで釣りをしても、みんなが同じような釣果になるわけではないことがおわかりになると思います。人それぞれで釣り方が違いますし、大物が「釣れる」「釣れない」は「紙一重」の部分もあります。当然「運」もあります。
メキシコは確かに「日本より遥かに高い確率」で大物を期待出来ます。でも、「誰もが釣れるというほど甘くはない。」ということだと思います。メキシコ釣行を計画中の方は日本人にありがちな過剰な期待は持たず、気を引き締めて「デカバス」との闘いにのぞんで下さい。(→海外のほうが大物が釣れるの?

 ■年末4部作
  ・「パパロタ軍団 ”切り込み部隊” レイクエルサルトへ出陣」
  ・「レイク・エルサルト釣りレポート」
  ・「パパロタ軍団、エルサルトに出陣」
  ・「嗚呼!! 楽しくも悲しいレイク・エルサルト」


10ポンドはこれよりスゴい。日本では出来ない釣りにチャレンジ! ※メキシコがイチ押しの理由→こちら

このロッジも手配サポート可能です。もっと情報が欲しい方や予約したい方はこちらへご連絡下さい。


今回の釣行記もぜひ参考に。 「役立つサイト」目指してます! →今日のバスサイトランキング

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