現役時代よりアクセスが多いこのサイト。野崎勇治という「元」キックボクサーのキャラを象徴しているようで何とも皮肉だが、まあおっさんの戯れ言にお付き合いいただいている方が多数いることに感謝いたしやす。
さて、またもK−1。K−1について書くと、あちこちに直リンク貼られてしまう。まあ、それ自体はいいのだが、普段の読者と違ってその日記の一部分しか読まないから、真意が伝わらなかったり、誤解されかねない。なので、昨日の日記をちょいと補足。キックとK−1をとりまく流れが変わってきていることを説明したい。
最初、キックはK−1に警戒感を抱いていた。それが、K−1がブランドとして確立し、魔裟斗選手のブレイクで中量級が開催。オファーが来た。
そこでキック団体は考えた。「これを利用しちゃえ」と。「K−1で知名度上げて、その分、キック興行に客を連れてきてくれるだろう」。おまけに「知名度が上がらないという選手の不満も解消することができる」。「一挙両得じゃないか」と。。。。マスコミもそれを煽った(と記憶している)。
実際、NJKF興行では、小次郎選手は堂々たるメインイベンターになった。キック協会興行も武田幸三選手の知名度アップで、盛況になったと聞く。ホクホク……のはずだった。
しかし、選手は気づいてしまった。「キックで打倒ムエタイ目指すのと、K−1でトップ目指すのと、全然違うことなんだ」と。打倒ムエタイ用の練習してたんじゃ、K−1でトップにはなれない。こりゃまずいぞ、と。キック団体の興行なんて、出てる暇ねえぞ、と。
で、結果が
小次郎選手がジムを退会、打倒ムエタイのトップグループを走っていた武田幸三選手も、K−1に専念するという記事をどっかで見た。
選手の立場からしたら、当然の選択だろう。金のあるほうへ人が流れるのは、至極、健康なことだ。今後、K−1ライト級などができたら、この流れは二倍、三倍になってキック界に押し寄せる。
カッコウという鳥がいる。自分では子育てをせず、他の鳥の巣に卵を産みつけて、その鳥に育ててもらう。おまけにカッコウの卵は最初に孵化し、その鳥の本来の子供の卵を全部巣の外に放り出して巣を独占してしまう。巣立ちのときが来たら、ハイ、さよなら。鳥さん呆然(笑)
キックの将来を観ているようだ……(汗)
キックのとるべき道は二つ。
・K−1と真っ向勝負する
・K−1戦士(カッコウ)の育て親に甘んじる
全日本キックは、サドンデスルール、ほぼK−1ルールのトーナメントを実行。キックがK−1に歩み寄ることで、状況を変えようとしている。一つの選択ではあるだろうが、わしは支持できない。
個人的にキックの醍醐味だと思っている、「多種多様なスタイルが絡み合って起きる化学反応」的な試合は観られなくなる。かといって、K−1と真っ向勝負できるほどの財力も知恵も団結力もない。だから「キック世紀末」「キックの危機」なのである。
キックがK−1になれば、わしは興味湧かないから観に行ったりはしなくなる。キックボクシングなら教えられるが、K−1は教える自信がない。よって、ジムに教えに行くこともなくなるだろう。当然、チャモアペットムエタイセミナーも存在意義を失う。
キックのK−1化は、わしがこの業界から去ることを意味している。だから、個人的に、このテーマは関心大ありなのだ。
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