「ペンギンくらぶ」ホームページ
(最終更新日:2004.3.28)
今まで行っていた活動から、本が生まれました。
このページの目次
- 学習障害について。
- アスペルガー症候群とADHDについて。
- 社会的な学習困難について。
- 学校への対応について。
- 関連リンク・参考資料。
- 相談コーナー。 ※現在は受付しておりません。
1、『ペンギンくらぶ(注:団体ではありません)』は、学習障害への理解を呼びかけています。学習障害とは、「全般的な知的発達に遅れはないが、聞く・話す・読む・書く・推論する・運動する」 などの特定の能力の習得と使用に著しい困難を持つ人たちです。
しかしここでは、学習上の困難を引き起こすもととなる障害があり、それによって上記のような困難が生じ、個別の学習プログラムが必要な子供たちを「学習障害児」と呼ぶことにします。
学習障害について
治療教育の方法 (2000.8.24参考図書を追加/11.12更に追加。)
参考資料
『神戸YMCA』ホームページより
こんな子いるかな? LD(学習障害)の理解のために (2003.5.6追加)
学びかたのちがうこどもたち 学習障害って知っていますか? (2001.12.5追加)
2、言葉の遅れがある場合には、診断される可能性が高く、比較的早期から療育が始まります。しかし、発達の正常範囲に入っているとみなされている子どもの中にも、「アスペルガー症候群」や「注意欠陥障害」といった発達障害を持っている子どもがいます。外見上は普通と変わりなく、言葉も達者で、時にはおしゃべりで利口そうに見えますが、実は学習能力の偏り・自己統制と行動の問題・社会的な困難などを抱えています。
発達障害を持っていることに気づかれずに、「おちつきがない・調子者・だらしない・注意力がない・わがまま・素直じゃない・がんこ・わざとやっている・反省がない・何度言ってもわからない…。」などと問題児扱いされている子どもは多いと思います。しかし、本人にはどうしようもないことで叱られ続けているのですから、心理的にこじれてしまったり、反抗や「うつ」といった二次障害・三次障害を起こしてしまうことがあります。
逆に、問題が目立たなすぎて、「気をつければできる・頑張ればいい・その気になればなんとかなる・責任を持たせればやるだろう・大人になれば大丈夫…。」などと見逃されてしまったばっかりに、何の対応もできないまま成長して、せっかくの能力が活かせなくなってしまうこともあります。
広汎性発達障害とアスペルガー症候群
軽度発達障害と高機能自閉症 (2000.8.24追加)
最新の自閉症診断と自閉症スペクトル障害(リンク追加あり)
ADHDとアスペルガー症候群(2001.2.12追加/3.2加筆/2002.5.15追加)
ADHDの子どものためのプログラム
注意の転動が激しい子どもへの対処法(2001.2.16追加)
集団行動ができないADHD児への指導例。(2001.7.18追加)
3、そのような障害のある子供にとって、勉強についていけるかどうか心配なのは容易に想像されるでしょう。しかし、最も大切なのは社会的な学習の困難さをいかに補うかということです。
同級生やその父兄とのささいなトラブルはつきものです。利用されやすく、いじめの心配もあります。ごくあたりまえの常識がない、ルールが守れない、異常な行動をする、変なことを言うといった面が目立つと嫌われ者になってしまうこともあります。それを防ぐには、本人と周囲との互いの努力で、まわりとの溝をできるだけ早いうち・小さいうち・こじれる前にコツコツとそのつど埋めていく必要があります。一度言ったからいいだろう・解っただろうという甘い考えは通用しません。かといって、どうせできない・わからないに違いないと決めつけてもいけません。
かつて、「ペンギンくらぶ」では障害児としての社会性の訓練をするのではなく、普通の子供として学校生活を楽しく過ごす為の《遊び場》を設けていました。マンガ・ゲーム・ブロック・人形など、一見「これが勉強?」と思えるものが教材でした。それこそ「みんなのたまり場」(Play Room)でした。
※ここでの注意※
- 上記のPlay Roomがあったのは、私の長男とその同級生「自閉症」児(注:共に現在中学生)が、小学校低学年の時期です。思春期を迎えた現在の課題は、「自閉症」特有の「こだわり」を社会的に妥当なものにしていくこと・身辺自立のための生活習慣を身につけること・中学での学習にある程度ついていきながら基礎学力をつけることです。また、ADHDの次男が現在小学生で、こちらにも個別対応が必要なため、現在、活動は行っていません。(2002.4.19一部変更)
- 上の文中に、“《遊び場》を設けて”とありますが、これは感覚統合訓練に使う遊具や療育に使用した玩具などの面白さに惹かれて、子どもたちが集まって自然発生的にできたものです。そこに集まった子どもたちは、初めは個人個人がバラバラでしたが、やがて自分たち独自の決まり事を工夫しながらオリジナルな遊びを展開するようになりました。私がこれを維持しようと思ったのは、発達障害のない子どもたちも、ルールのない基礎運動や゛かくれんぼ゛のようなごくありきたりの“遊び”を必要としていると感じたからです。たまたま、発達障害児を集団に馴化する「場」ともなりましたが、意図的にそうしたわけではありません。(2002.4.19追加)
- 社会的な学習困難の根底に感覚・運動の微細な機能障害があることは、しばしば見落とされます。それらの身体的な訓練と、ソーシャルスキルカードやソーシャルストーリーなどを利用した社会的認知の学習とを併用し、実際の現場での体験を積んで始めて身につくものだということを忘れてはならないと思っています。(2002.4.19追加)
家庭でできるソーシャルスキルトレーニング
−小学校低学年ぐらいまでの自閉症児を対象とする−
周囲との折り合いのつけ方(二つの例)(2002.1.20追加)
私たちの応援団になって!
アスペルガー症候群の子どもたちにかかわりのある、一般の方々へ。
アスペルガー症候群とその家族についてのFAQ
−よく聞かれる質問への回答事例集(試案)−
ここに書かれている質問は、アスペルガー症候群のことをよく知らない人が抱く疑問ですので、ご本人にはきついと思われるような表現が多くあります。
告知後の不安定期を乗り越えていない人、自分の障害と上手に付き合っていく覚悟の固まっていない人などの、このような問いを冷静に受け留める事ができない段階の当事者の方向きのものではありません。
ただし、現状では、アスペルガー症候群の当事者が、ここに書かれているようなことを一度も言われずに一生を過ごすことはほぼ不可能です。その時のために、堂々と答えられるようにしておくこともまた、必要なソーシャルスキルの一つとの考えから、敢えて掲載しているものです。
プリントアウト用
(ASfamilypdf.pdf)PDFファイルの閲覧・印刷には、Adobe Reader が必要です。 ダウンロードはこちらから(無償)
4、発達上の障害を持ちながら成長して行く子どもたちの能力を最大限に発揮し、社会的な不利益を被らないためには、それぞれの障害特性に合わせた特別な学習が必要です。しかし、「普通に振る舞えるようになることと本人の幸せとは必ずしも一致しない」という立場から、下記のような方針で発達障害児を受け持つ先生方へのお願いをし、理解と協力を得て来ています。(2001.12.18追加)
学校教育において:集団の中にいられること
- 発達障害(LD・ADHD・自閉症など)の特性を熟知した者の指導下にあるべきこと。指導できる助言者(内外問わず)を配置するばかりでなく、教職員全員に基礎知識が必要。
- 行動障害や学習障害があって集団に加わることができない段階にある子どもに対しては、集団行動の妨げになっている環境要因を極力除去するとともに、それぞれの特性に応じた集団参加ができるようなゆるやかな働きかけをすること。
- 何か一つだけ「目標」を設けて、それができたら十分に評価すること。(できること・できそうなことから始めると、効果があがる。)(2002.4.19加筆)
- 集団に参加できていても、人との係わり方・会話のルール・他者の行動の意味・自己の行動の社会的意味などについて(いわゆる、ソーシャルスキル)、指導の必要性を忘れないこと。
学校教育において:個別指導が必要なこと
- 健常児との比較ではなく、それぞれの障害特性(ここでは、LD・ADHDだけなのか自閉症があるかの見極めが重要)に応じた発達尺度で、現在、発達段階のどこにあるか常に把握していること。
- 今できていること・今わかっていることの、一つ上のステップを課題にすること。
- できることを伸ばし、そこから広げて行くこと。
- それぞれの障害特性に固有の心理的問題を、決してないがしろにしないこと。
文部科学省の動向に注目!
一人一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について(文部科学省答申)
特別支援教育の在り方に関する調査研究について(文部科学省審議会情報)
今後の特別支援教育の在り方について(中間まとめ)(文部科学省審議会情報)
今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)(文部科学省審議会情報)
小・中学校におけるLD(学習障害),ADHD(注意欠陥/多動性障害),高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)
(2004年1月30日・報道発表一覧 より)
参考資料
学校における高機能自閉症児への対応(当事者からのお願い)(2002.2.28作成/4.18追加)
『独立行政法人国立特殊教育総合研究所』ホームページより。
2003.2 『自閉症とADHDの子どもたちへの教育支援とアセスメント』ダウンロードPDF 国立特殊教育総合研究所(科研) 2003.2 『自閉性障害のある児童生徒の教育に関する研究 第6巻』ダウンロードPDF 国立特殊教育総合研究所(研究部) 2004.3 『自閉症児・ADHD児における社会的障害の特徴と教育的支援に関する研究』
ダウンロードPDF国立特殊教育総合研究所(科研) 2004.3 『自閉性障害のある児童生徒の教育に関する研究 第7巻』ダウンロードPDF 国立特殊教育総合研究所(研究部)
『静岡アスペの会』資料より。
よくある質問への杉山先生からの回答 (2000.11.21追加)
『アスペ・エルデ親の会』のホームページより。
高機能広汎性発達障害(高機能自閉症・アスペルガー症候群)への心理療法的接近から (2001.1.1追加)
『日本自閉症協会静岡県支部』ホームページより
自閉症協会での講演記録より (2000.11.22追加)
自閉症の理解とその援助 (2000.11.22追加)
『日本自閉症協会京都府支部』ホームページより
高機能自閉症・アスペルガー症候群の理解と援助(2000.12.28追加)
『長野県精神保健福祉センター』ホームページより
アスペルガー症候群および高機能広汎性発達障害のための援助(2001.2.3)
『児童精神科医:門眞一郎の落書帳 』より
児童精神医学関係の論文集 (2001.10.16追加)
『よこはま発達クリニック』ホームページより
幼児期の「高機能自閉症」 (2001.12.5追加)
藤田基先生の『インターネットと児童精神医学』ホームページより
広汎性発達障害をもっとよく知ろう 新潟県立医療センター (2003.4.18追加)
高機能広汎性発達障害を理解するために 自閉症協会新潟県支部 (2003.4.18追加)
学習研究社・特別支援教育ホームページ
自立をめざして! (2003.9.25追加)
『通所作業所設立をめざすMindホームページ 』より
自 閉 症 -学習のまとめ- 学童期にむけて (2001.10.18追加)
『すぎの子教室 』ホームページより
すぎの子教室の「自閉症児療育Q&A」 (2002.4.7追加)
『横浜国立大学・教育人間科学部・松石研究室:研究論文集 』
障害・医学・教育研究会のホームページ (2002.9.8追加)
テレビ放送関連リンク
(注):テレビ番組を紹介するコーナーではありません。「障害」の説明として参考にして下さい。
TBSドラマ『君が教えてくれたこと』ホームページより
高機能自閉症とは? (諸先生方の寄稿が、多数掲載されています。)
愛知県自閉症協会ニュースレター『SHARE』より(#17/#18に関連記事あり)
『よこはま発達クリニック』ホームページより
自閉症スペクトラムとは (ドラマに関連付けた、分かり易い「自閉症」の解説です。)
あちらこちらの「掲示板」に書き込んだことや、「診断基準一覧」などをまとめてあります。(他の方の書き込みはできません。)
「療育」関係の質問は、現在は、受付しておりません。
元記事が一番上になっていますので、下の方からご覧下さい。
以下の質問に、お答えするものではありません。 ●このホームページの主旨にそぐわないもの。 ●診断についての判断を求めるもの。 ●進学・療育機関に関する情報提供。 ●こちらでは解決できないと思われるもの。 ●思春期以降の、二次的な問題に関するもの。 ●家族性の要因が複雑に絡んでいるもの。 ●質問の内容が具体的でないもの。
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