(1).好ましくない行動をやめさせる方法
社会的な認知能力に欠陥のある子供たちが、その場にふさわしくない行動をした時、まず最初にしなければならないのは、その行動を「やめさせる」ことです。「どうしていけないのか」とか、「してはいけないことを学習する」といった理屈は後回しにして、とりあえずストップをかけます。その方法は、
- 言葉で指示する:言葉の意味が解って、指示が通る場合
- 絵や図を使って指示する:行動を統制する力が弱い場合
- その場から離れさせる:刺激に対する反応が強すぎる場合
まずは、落ち着かせることです。その後で理由を説明します。一度だけでは理解できないし、刺激を受けるたびに繰り返しますので、何度も根気よく教え、学習させます。
有効なサインの例
「ただちにやめなさい」「ストップ」という意味を表わす。
「ダメ」という意味。絶対にやっていけない危険な行動をしていることを教える。
「がんばってやりなさい」「ただいま練習中」「失敗を恐れるな」、励ます時に使う。
上手くできなくてパニックになっている時に、「落ち着いて取り組む」ように指示する。
(2).心理的支援
自分のペースで、少しずつ解るようになっていきます。根気よく、繰り返し教えて下さい。そして、成長を認め、好意を持って見守っている人がいることを伝えてください。
ただし、学習の効果が上がっても、完全に治るわけではありません。体調や心理状態によって退行することもあります。たとえ表面的には落ち着いてきたとしても、精神的には負担になっていることにも配慮してください。