記号

 

ATS★★

「Automatic Train Stop device」の略。日本語に直すと「自動列車停止装置」。

詳しく説明すると1冊の本が出来てしまうくらい説明量があるが、

簡単に言えば、運転士が正常にブレーキをかけなかった場合、停止信号の手前で必ず停車させ、先行列車に追突しないようにしたものである。

その方式は様々あり、安全度も違う。

旧国鉄ではB形・S形というものが搭載されていた。

これは、停止信号手前を進行中の列車に警報音を鳴らし(ジリジリジリジリ…と鳴った後、キンコンキンコン…と鳴り続ける)、

5秒以内に確認ボタンを押さないと、自動的にブレーキがかかるものである。

ここでよく考えてみると、5秒以内に確認ボタンを押してしまえば、あとはチェックフリーとなり、ブレーキをかける必要がないのである。

つまり、そのままのスピードで先行列車に突っ込むことも可能である。

さすがに今ではこのような代物は作られなくなり、新たにATS−P形という方式が徐々に設置されてきている。

これはレール間にある地上子から大容量の指令を受けられるだけでなく、列車から地上子に情報を送ることもできる優秀なものである。

私鉄では各会社によって様々あるが、さすがにB形・S形のようなものはない。

大きく分けると、2つに分けることができる。

1つは地上子を用いて、特定区間を通る時に規定の速度以下かどうかをチェックし、オーバーしていればブレーキがかかるというもの。

もう1つはレールに電気を流して、上のようにある1点ではなく連続して速度をチェックするものである。

前者は京王電鉄などに使われている方式だが、これには大きな欠点がある。

というのは、「減速」「注意」「警戒」などの制限を受けてから「進行」などに変わっても、信号機を過ぎるまでその規制を受け続けるという点である。

朝ラッシュ時などは、制限を受け続けている時は、先を見越して最初から減速する方がスムーズに行けるのか、

信号に合わせて減速する方がスムーズに行けるのか、運転手の力量が問われるところである。

後者は特に西武鉄道が優秀とされており、ほぼATCに近いATSらしい(川島氏による)。

レールに微弱な電流を流し続けて、列車がそこを通ると車輪によって回線がショートする状態を利用したものである。

これにより、あらゆる場所で速度照査を行うことができ、信号が変わればすぐに加速できるようになっている。

しかしATSも万能ではなく、人為的にスイッチを切ることもでき、その結果として最近では大月駅での衝突事故などが起こっている。

また私鉄に関して言えば、必ずしもATSを付ける必要は無い。

そのため、旧型車両の多い地方の中小私鉄では全部の車両に付いているとは限らない。

国から近代化の補助も出ているが、なかなかそこまで手が回らないのが現状である。

さらに言えば、万が一ブレーキ自体が壊れていたら全く役に立たないということもある。

それが2000年12月の京福電鉄の衝突事故で明るみに出た。


ATC★★★

「Automatic Train Control device」の略。日本語に直すと「自動列車制御装置」。

「制御」と言っているが加速には関係せず、減速と停止の時に作動する。

ATSは運転士のブレーキ操作に誤りがあった時に作動するものだが、ATCは運転士が操作する前に自動的に減速などを行う。

これが採用されると、車上信号と言うものを採用することができる。

これは、信号機を必要とせず、速度計の回りにある速度表示で速度照査するものである。

「進行」「減速」「注意」「警戒」「停止」の5段階の速度制限でなく、より決め細やかな(5〜10キロ間隔での)速度制限をすることができる。

JRでは新幹線、山手線、京浜東北線、埼京線、

私鉄では営団地下鉄丸の内線、銀座線、東急東横線、新玉川・田園都市線などで見受けられる。

ただし全く問題がないわけではない。

制限がかかる場合、いきなり常用最大でブレーキがかかるため、非常に乗り心地が悪くなるという点である。

そのため、東急では1つ先の閉塞区間の制限も分かるようにしている(制限がかかる時のみ現示)。


ATO★★★

「Automatic Trafic Operation device」の略。日本語に直すと「自動列車運転装置」。

ATS、ATCをより発展させたもので、加速、減速、停止をすべて機械が行うもの。

結果として運転手は用済みということになるのだが、

大阪トランスポートシステムで起きた過走事故に代表されるように、決して機械が万能とは言えないので、非常事態に備えて運転士も乗っている。

新交通システムなどで主に採用されており、非常時以外は機械に任せられるから、ワンマン運転などがしやすくなるという利点がある。

ただし運転士や車掌が乗っていないために融通が効かず、一度ダイヤが乱れると大変である。

そのためにだいぶん余裕を持って走っており、大江戸線のように遅延回復モードで速く走ることができるようにしている。

営団地下鉄南北線、都営地下鉄大江戸線、多摩都市モノレールが遅いのはこのためである。


ATOS★★★

「Autonomous Transport Operation System」の略。

JR東日本では「東京圏輸送管理システム」と呼んでいるが、

「Autonomaous」の本来の意味は、「自治の、自治権の(ある)、自律的な」という意味らしい。

CTCと、ダイヤに基づいて列車の進行方向などを決めるPRCをドッキングさせて、大規模高密度線区の1ヶ所で制御出来るようにしたもの。

田端にその制御機関があり、平成8年に中央本線東京〜甲府で初めて採用された。

列車、信号、ポイントなどの制御の他にも、案内システムとリンクして遅れなどがすぐに掲示され、

駅員なども端末で運行状況等を把握できるようにしたものらしいが…。

しかしうまく働いているとは言えず、ATOSそのものがダウンして列車が全て動かなくなってしまったこともある。


CTC★★★

「Centralized Train Control device」の略。日本語に直すと「列車集中制御装置」。

数駅の信号の制御やポイントの切り替えなどを、1ヶ所で集中的に管理するシステム。

昔は駅ごとに駅員がいて、タブレットの受け渡しや転轍機の切り替えをそこの駅員が行っていたが、

乗降客がたとえ1人もいなくても駅員を配置する必要があったため、人件費が相当かかっていた。

しかし、これを導入することにより多くの駅を無人化することができ、多少の設備投資費は人件費に比べたら遥かに安く済む。

例えば、東海道・山陽新幹線は東京駅日本橋口上にあるコントロールセンターで、東京〜博多を一括制御できるのである

(もっとも新幹線は、COMTRACという更に高度なものを使っているが)。


E電★★

死語。Eは「Electric」のEか??

国鉄時代に、首都圏の20メートル4扉車、いわゆる通勤列車が走る区間をこう名づけて定着させようとしたが、あえなく失敗した。

まだあちこちにその名残はある。


JNR★★

「Japan National Railway」の略。

日本語に直すと「日本国有鉄道」、つまり「国鉄」である。


JR★

「Japan Railway」の略。

国鉄が多額の赤字を出して民営化されるにあたって、この名称になった。

その際、北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州、貨物、新幹線整備事業の7つに分けられた。

現在、新幹線整備事業は消滅、北海道、四国、九州、貨物は赤字に悩んでいる。

小学生は国鉄を知らないというのは、時代の流れである。

なお「JRA」というものもあるが「Japan Railway America 支社」の略ではない。


JR形配線★★★

駅の配線の1形式。

正式名称ではないが、川島令三氏の用語集にしたがってみた。

JRになってからはあまりこの形態のホームが作られなくなったので、前身の国鉄形ホームと称することもある。

形態は島式ホームと片側ホームを組み合わせたもの。片側ホームには駅本屋を設ける。

一例として、駅本屋側から1、2、3番線とすると、1番線は上りホーム、3番線は下りホーム、

2番線は折り返し線や優等列車の待避線に用いられる。

このように、2番線(中線)の汎用性がいいために数多く作られた。

しかし、上下線同時に待避できない、(上の例では)上りの緩急接続が同じホーム上でできないなどの弊害もあり、

近年、駅本屋を橋上駅舎化、片側ホームを島式ホームにして、2面4線形式の駅に作りかえられていることも多い。

→島式ホーム
JR形配線


L特急★★

「L」というのに別段意味はないらしい。語感がいいということからか?

はっきりした定義はないが、1日の本数が多い特急についている。


L/Cカー★★★

近鉄に存在する車両。

「L」はロングシート、「C」はクロスシートの略。つまり、どちらの座席配置にでも出来る車両(ただし個人の自由にはできない)。

朝のラッシュ時は集客力を増やすためロングシート、日中は快適性のあるクロスシート(進行方向)、と使い分ける。

ただし、7人掛けロングシートが6人掛けにせざるを得ず、そこが欠点である。

昔、国鉄も同じ事を考えたが、ロングシートをクロスシートにも出来るという考え方から、

クロスシートにした時に肘掛けがないなど、評判が悪く実用化にならなかった。


LED★★

発光ダイオードのこと。

最近これを使った方向字幕(字幕というのもおかしいが)、サボ、車内案内が増えてきた。

今まではフィルムに行き先を書いて、それをグルグル回して使っていた。だいたい1つのロールには100くらいの行き先が記されるらしい。

しかし、新線の開業などが行われるとそのたびに書き加えていったりしなくてはならない。

特に通勤路線ではその数が多くなるし、広い版図を持った鉄道では他の路線に転配させるときに大変である。

それに比べてLEDだとデータを打ち込むだけで簡単に新しい行き先を作ることができる。

また車内案内では、停車駅の案内、列車種別の案内、開くドアの方向、広告など様々なことができてサービスの向上になる。

名鉄のように速度計や新聞のニュースを流しているものもある。

その反面、JR東日本の最近の車両の車内案内は、漢字、カタカナ、ローマ字による次の停車駅を表すだけである。

ただし、LED化をむやみやたらに進めればよいか?というとそうでもない。

LEDは電気代がかさむのもまた事実で、それが理由に寝台特急「サンライズ」はフィルムによる方向字幕になった。


LRT★★★

「Light Rail Transit」の略で、日本語では「軽快電車」と訳されることが多い。

しかしどうもしっくりくる訳ではないような気がする。別に車両が軽いからという意味ではない。

最近よく聞かれるようになった単語ではあるが、その意味を知っている人はそう多くはない。

最近登場している超低床車のことをLRTと思っている人がいるらしいが、それは半分しか当たっていない。

かと言って、厳密な定義のある用語でもないので正確な意味というものは存在しないのだが…

早い話がLRTは路面電車の進化したものである。

ただの路面電車との違いを述べると次のようになる。

@リザベーション:路面電車と同様に道路の上を走るが、自動車の走行車線と分離、自動車が軌道敷地内に入れないようにする。

Aトランジットモール:歩行者天国を人々と共に走り、どこからでも乗れるようにする。

B交通量の交差点では高架化、地下化するなどして、信号待ちをなくし高速運転ができるようにする。

C郊外では完全な専用軌道として、時速100キロ前後の高速運転を行う。

Dもちろん低床電車を投入させる。100%低床車でなくても、乗降口とその付近の座席を低くするだけでも効果がある。

E車両は2〜5両の連接車が基本。郊外では更に複数編成連結させて輸送力を大きくする。

F郊外の通常鉄道とはホーム上で乗り換えられるのが理想的。

などなどである。要するにバスと普通鉄道の中間的なものという位置付けである。

@については都営荒川線の一部でセンターリザベーションがなされている。

また広島電鉄などでは、自動車を軌道敷内進入禁止(右折車についても)としている。

Aについてはまだ日本では実例がない。やるとすれば福井鉄道のヒゲ線あたりか。

Bについてもまだ日本では実例がない。東急世田谷線の若林でぜひ実践してほしい。

Cの前半については名鉄や広島電鉄で実践されているが、時速100キロを出すようなものはまだない。

Dについてはだいぶん登場してきており、熊本市交5000形、広島電鉄グリーンムーバー、名鉄800形がある。

Eの連接車については、広電のグリーンムーバーや京阪・京都市営に見られる。

Fについてはない。日本の普通鉄道は市街地の中心まで走っていることがほとんどだからである。

バスと普通鉄道の中間的な位置付けといったが、それはモノレールや新交通システムも当てはまる。

しかし、LRTとモノレール・新交通システムには決定的な違いがある。

それは建設費の安さ、工期の短さ、普通鉄道と線路をつなげられるという点である。

モノレールや新交通システムは道路の一部としてインフラの補助が受けられるが、それでも構造物がデカイだけに建設費は高い。

LRTについてはまだ大きな補助がないが、それでも併用軌道(路面区間)なので大幅なコストダウンになる。

また必要に応じて高架化、地下化にするなり、すぐに対応できるということもある。

現在、広島電鉄が一番その姿に近いと言われているが、まだまだと言ったところ。

会社側の努力も必要だが、まずは地域住民、行政の理解が必要である。


M車★★★

電動車。モーターのついている車両。モーターのM。

JRの車両形式で言うと「モハ」が当てはまる。

Mc車と言うのもあるが、こちらは電動制御車。つまり運転席とモーター両方がついている車両。

cはコントローラーの頭文字。JRの形式で言うと「クモハ」である。

→T車、モ


MT比★★★

M車(モーターあり)とT車(モーターなし)の割合。

当然の事ながらM車の割合が多いほど、加速力や最高速度はよくなる。

しかし、電気の消費量が多くなるというデメリットがあるが、加速度や最高速度の向上は

所要時間の短縮になり、ひいては電気の消費量も少なくなるから、一概に悪いとは言えない。

かつてはオールM車という化け物も存在した。

1:1以上(つまりM車が半数以上)が普通だが、インバータ制御だとM車が少なくてもほぼ同じ走行性能を得ることが出来るらしい。


PC枕木

PCとは「Pressed Concrete」の略。

ピンと張ったピアノ線にコンクリートを枕木状に固めたもの。

最近、都会では木でできた枕木を見かけなくなり、ほとんどがこれになっている。

どうやら、環境対策で「木の切り過ぎには注意しましょう」と言うことらしい。

もっとも、コンクリート道床とかスラブ軌道など、枕木自体必要としないものも普及しつつある。


T車★★★

付随車。床下にほとんど装置がついてなく、これだけでは動かない車両。トレーラーのT。

JRの車両形式で言うと「サハ」や「サロ」が当てはまる。

Tc車と言うのもあるが、こちらは制御車。つまり運転席がついている車両。

cはコントローラーの頭文字。JRの形式で言うと「クハ」や「クロ」である。

→M車、サ


VVVF制御
★★★

「Variable Voltage Variable Frequency」の略。スリーヴイエフと読む。

日本語訳にすると可変電圧可変周波数。インバータ制御の項を見て下さい。


YRP野比★★★

京急久里浜線にある駅名。

当初は野比と称していたが、近くに「横須賀リサーチパーク」なるものが出来たために、それぞれの頭文字を取ってこのへんな駅名に。

ローマ字では「YRP Nobi」、ふりがなは「わいあーるぴーのび」と表記してある。


3線軌★★★

箱根登山鉄道小田原〜箱根湯本に見られる。

箱根登山鉄道の軌間は標準軌だが、この区間は小田急が乗り入れ、その小田急は狭軌となっている。

そのためにレールを3本しいて、1本は両方の車輪が兼用して、内側が狭軌幅、外側が標準軌幅となっている。

当然のことながらポイントは複雑になるし、場所によってはホームと列車の間隔が大きく開いてしまうこともある。

そのため箱根板橋の下り線は、島式ホームが小田急専用ホーム、海側のホームが登山鉄道専用ホームになっている。


600メートル条項★★★

鉄道運転規則で「列車は600メートル以内に停められること」としている。

そのため、列車のスピードをむやみやたらに上げることはできないのが現状である。

例えばJR西日本の「サンダーバード」は160キロでも走れるような構造になっているが、これがネックとなって抑えて走っている。

また近鉄特急の「アーバンライナー」は、青山峠の上り坂では130キロを出して走れるが、

下り坂では120キロしか出せないという不思議な現象が起こっている。

これもこの条項のために、下り坂では600メートル以内に止めることはできないからである。

この条項をクリアするのは常用ブレーキでなくてもよく、非常ブレーキで600メートル以内に止められればよいことになっている。

そのため、JR四国では電磁石の磁力をレールにかけて止める方式が開発され、150キロでもこの条項がクリアできるブレーキを開発した。

しかしレールへの負担も大きく、実際は実用化されていない。

ただし、条件次第では特認を受けてこの制限なしに走ることができる。

例えば長いトンネル内や連続立体化によって踏み切りがない区間が挙げられる。

だから新幹線は限界のスピードまで出すことができるし、青函トンネルや北越急行や湖西線では140キロ出して走っている区間もある。

将来的には緩和されたり、ブレーキの開発によって列車のスピードを上げることにはなろうが。


→パーミル


○○法典

@ハムラビ法典★★

ハンムラビ法典とも言う。ハムラビ大王とは、紀元前18世紀のバビロニアの王。

「目には目を、歯には歯を」で始まる有名な法律。復讐法とも言う。

Aナポレオン法典★★

ナポレオンとは、言わずと知れたあのナポレオン1世のことである。

欧州各地を征服していったがロシア遠征で大敗。

その後、諸国民戦争のライプチヒの戦いで敗れてエルバ島に流されるが、すぐに復活した。

しかし結果的にワーテルローの戦いで敗れ、セントヘレナ島に流されそこで生涯を終えた。

本人に言わせると、自分の一番自慢できることはこの法典を作ったことらしい。

B船橋法典★★★

船橋さんが作った法律、と言うことではない。

武蔵野線の駅名で、西船橋のすぐ北の駅である。

すぐ近くに中山競馬場があり、日曜ともなると人でごった返す。

しかし、なぜ「法典」なのかいまだに分からない。どうやら地名でもないらしい。

誰か知っている人がいたらご一報を。


○○温泉★★

日本人は風呂好き、温泉好きと言われているが、それは駅名にも反映されている。

温泉とつく駅名はここ最近急速に増えた気がする。

実際、石和→石和温泉、湯谷→湯谷温泉など、駅名の改称がここ最近多い。

しかし、やたらめったらこういった名前にしていいものだろうか?


○○ヶ丘、○○が丘★★

ここ最近、地名をつける時によく見受けられる。

○にはよく、植物の名前が入り、ニュータウン建設時によく付けられるようだ。

はっきり言って、私はこの手の地名は大嫌いである。

殊に某電鉄の、「ユーカリが丘」「つつじヶ丘」「聖蹟桜ヶ丘」「百合ヶ丘」「ひばりヶ丘」等々、味も素っ気もない。

実際にユーカリ、ツツジ、サクラ、ユリなどが咲き乱れているわけでもないし、ヒバリが大量に飛んでいるわけでもない。

全くもって意味不明である。意味不明と言えば、「たまプラーザ」なんてのもありますが。



あ行

か行

さ行

た行

な行

は行

ま行

や行

ら行

わ行

記号

列車形式