は行

ハ★★

JRの車両形式の一つ。普通車を表す。

昔は1等車〜3等車と言う区分をイ、ロ、ハと表していたが。

その後、1等車であるイをなくし、ロがグリーン車、ハが普通車という区分になった。

モーターがついていると「モハ」、運転席がついていると「クハ」、その両方がついていると「クモハ」と表される。


バケットシート★★

一人ずつに区切った座席のこと。この方が臀部にフィットして座り心地がいいらしい。

その他にも、ロングシートでなるべく定員通りに座ってもらおうとする魂胆もあるらしい。

そのため、日中の閑散時間帯の利用者からはゆったりと座れないという文句も…。

最近では、E217系や209系の座席のように、足を組んだり浅く座ったりすると疲れるような構造のものもある。


パターンダイヤ★★★

ある一定の周期(これをサイクルと言う)で、同じような列車種別、時刻で走らせること。

例えば、東武東上線池袋発(平日・日中)の場合。

毎時00,15,30,45分に急行、

毎時08,23,38,53分に準急、

毎時04,19,34,49分に各停(川越市行き)、

毎時11,26,41,56分に各停(成増行き)

となっており、この場合、15分サイクルのパターンダイヤと言う。

この方が乗客にとっても分かりやすいし、列車の運行も楽になる。

その点、JR東○本はてんで無頓着で、あちこちから非難を買っている。


パーク・アンド・ライド★★★

訳すと「(駐車場に)停めて(列車に)乗る」

つまり家から駅までは自家用車を使い、駅から都心部までは列車を使うという方法である。

これは地方都市において非常に有効的な方法である。

地方都市と言えども中心部の渋滞はどこもひどいものがある。

しかし一歩郊外に出ると田畑が広がり、駅までバス路線が走っていないことも多い。

家からそのまま中心部の職場まで自家用車を使ってもいいが、渋滞に巻き込まれる上に駐車場の問題がある。

ならば格安の郊外の駐車場に自家用車を停めて、そこから鉄道を利用する方が環境にも宜しいのである。

その代わり駐車場は駅付近であることが前提である。

また鉄道利用者は駐車場料金を割引くなどのことも必要である。

慢性的な渋滞に悩まされている鎌倉市(もっとも自動車の流入を防ぐために道の拡張などを行っていないそうだが)では、

江ノ電を使ってパーク・アンド・ライドの実験が行われた。

大手私鉄でも名鉄などで駅前の駐車場の整備を行って、モータリーゼーションに対抗している。

これのバスバージョンとして、パーク・アンド・バスライドというものもあるが、あまり普及はしていない。

→キス・アンドライド


パーミル★★★

勾配を表す記号。「‰」。パーセントが100分率なら、これは1000分率。

つまり、水平に1000メートル進むごとに、何メートル昇るか(下るか)を表す。

だいたい20‰が急勾配かどうかの境目。

この数値を境にスピードに大きな影響が出る。

普通鉄道の日本最急勾配は、大井川鉄道井川線の90‰。

あまりに急勾配のため、日本で唯一のアプト式になっている。

普通の粘着式による最急勾配は、箱根登山鉄道の80‰。

また、JRの最急勾配は長らく、信越本線横川〜軽井沢の67.6‰だったが、長野新幹線の開通で同区間は廃止。

代わってトップに躍り出たのが、JR飯田線沢渡付近の40‰である。


パンタグラフ★

「電車」を走らせる上で必要なもの。

架線に流れている電気を取りこむために、電車の屋根の上に付いている。

真横から見ると菱形になっているものが多いが、

トンネルなど屋根との空間が狭い線区では、下の方が交差しているコンパクトな「下枠交差式パンタグラフ」が、

最近では騒音との兼ね合いから「シングルアーム式パンタ」「Zパンタ」などが採用されている。

架線の高さは常に一定ではないので、ばねの力で架線への押し上げ力がはたらいている。

ただし、押し上げ力をむやみやたら大きくすると架線の変位が大きくなり、

パンタグラフと架線が瞬間的に離れて(離線)、電気の供給がなくなってしまったり、大きなアーク(火花)が生じる。

また、逆に弱くしすぎると、雪が降った時に雪の重みでパンタグラフが下がり、電力の供給が出来なくなり立ち往生することもあり、

この押上げ力をどれくらいに調整するかは非常に難しい問題となっている。


標準軌★★

軌間が1435ミリの規格。

世界で一番多く使用されているのでこの名になった。

日本のJRでは新幹線、ミニ新幹線、

民鉄では営団地下鉄銀座線・丸の内線、都営浅草線・京急・京成・北総開発・都市基盤公団・新京成、

近鉄(南大阪線系統、養老線、北勢・内部・八王子線を除く)、京阪、阪急・阪神・神戸高速・山陽、西鉄などで採用されている。

ただし日本では1067ミリが主流なので、これに対して広軌と言う場合もある。

→軌間、ナローゲージ、狭軌、偏軌、広軌、改軌


表定速度★★★

停車時間も含めたその列車の平均時速。走行距離÷所要時間×60(分)。

電化路線でいうと、普通で40〜50キロ、快速等が60〜70キロ、特急で80キロ以上あるのが理想的。

中にはとんでもないのがあって、JR東海の東海道本線「新快速」は、名古屋〜岐阜で100キロも出ている。


踏切★

線路と道路が交差する所に作られる。列車が来ると自動車や歩行者は通れなくなる。

都市部では嫌われ者(→開かずの踏切)。しかし、鉄道ができた当初は、列車の方が停められていた。

現在でも箱根駅伝では、箱根登山鉄道や京急空港線が停められる事もある。

ほぼ全てにおいて、黒と黄色の塗り分けとなっているが、私は理由は知らない。

警報機と遮断機両方あるものを第1種、警報機だけのものを第2種、何もないものを第4種としている。

最近では目立つようにいろいろ工夫され、形状も様々なものが現われてきた。


プラットホーム

@★★★

ロッククライミングで手を引っかけるでっぱりのこと。

ロッククライミングはシドニーオリンピックで公開競技となるそうです。

A

省略してホームといわれるのが普通。列車に乗る場所。

但しホームの高さはまちまち。外国では20センチくらいの高さしかない駅も多い。

日本の通勤路線などでは、高さが1.5メートルくらいあり、扉との高低差は10センチくらい。

地方では扉との高低差が30センチ以上ある所も多い。

ホームを扉よりも高くしてはいけないらしい。


フリーゲージトレイン★★

車輪幅を自由に変えることの出来る列車。

スペインの「タルゴ」などが有名。

日本では新幹線と在来線を直通する「ミニ新幹線」なるものがあるが(山形・秋田新幹線)、

在来線を狭軌(1067ミリ)から標準軌(1435ミリ)に変えなくてはならず、当然その在来線は他の在来線と直通は出来なくなる。

フリーゲージトレインは(ゆっくり)走りながら車輪幅を変えて、新在直通できるようにするものである。

この前、日本でも試作車が完成し、6両編成を1分弱で変えることが出来るらしい。


振り子車両★★(02・10・21)

日本の地理的特徴を一言で表すと「山が多い」ということである。

山が多いというという事は、鉄道にとって致命的な急カーブが多いということになってしまう。

自動車ならば半径200メートルくらいでも80キロ程度でも走ることができるが、

鉄道のカーブ本則は、半径200メートルで50キロ、半径300メートルで60キロである。

このカーブを少しでも速く走れるようにしたものが振り子車両である。

これは客室部と台車部の間をワンクッション空けて、そこに「ころ」というローラーを設けたものである。

車両がカーブにさしかかると遠心力がかかるために、この「ころ」が客室部だけをカーブ外側に傾けてくれる。

これによって線路についているカントよりももっと大きなカントになったことと同じになる。

それで本則よりもプラス20〜35キロ速く走ることができるのである。

ただし、上記のものを自然振り子というのだが、これには大きな欠点がある。

遠心力で車体を傾けるので、カーブにさしかかってからでないと振り子が働かないことである。

これがどういう影響を及ぼすか。

まず、急に傾くので足元がすくわれるような状態に陥る。トイレに行くにしても大変である。ましてや自由席に立っている人は大変だった。

そしてこちらの方が大きな問題なのだが、振り遅れが出るために酔ってしまう人が多数いたことである。

さらにS字カーブでは、最初のカーブでまだ元の態勢に戻りきっていないにもかかわらず、

次の逆のカーブにさしかかってしまい、遠心力とは逆の方向に振っている状態になったのである。

そのために特急「しなの」には鬼太郎袋が備え付けてあったそうな。

中には車掌が酔ってしまい業務ができなくなってしまったという逸話もあるくらいである。

あの酔うことのなさそうなノーリ氏も一度撃沈したらしい。まさに強者であった。

そこで近年では制御振り子(強制振り子)というものが主流になっている。

基本的には自然振り子なのだが、ATS地上子を利用して、そこに情報を入力しそれによって機械が徐々に傾けていくという方式である。

簡単に言えば、地上子に「××から○○キロ地点に半径△△メートルの右・左カーブがある」という情報を入力しておくのである。

それを列車が読み取り、カーブにさしかかる前から徐々に車体を傾け始め、自然と遠心力で傾く状態に移行するようにしている。

これにより乗り心地が大幅に改善された。

しかしこれも完璧ではなく、カーブ半径が大きすぎると(緩いカーブでありすぎると)振りすぎてしまったり、

振り子が経年劣化すると、カーブでもないのに車内が振れたりする(ほんの僅かだが)こともある。

そこで「振り子式」以外にも「機械式」なるものがあり、これは遠心力を一切利用せず、機械だけで傾けようというものである。

これはキハ261系でようやく採用され、角度は小さいながらも名鉄特急1600形にも採用されている。

現在では、振り子車両の先駆者381系(自然振り子)が「やくも」「(スーパー)くろしお」の他に臨時「しなの」に、

383系が「(ワイドビュー)しなの」に、

E351系が「スーパーあずさ」に、

283系「オーシャンアロー」に、

8000系が「しおかぜ」「いしづち」に、

883系が「ソニック」に、

885系が「かもめ」「ソニック」「きらめき」

名鉄1600形が特急用車両として投入されている。

また、気動車の振り子は不可能だと言われてきたが、

2000系でそれが実現され「南風」「しまんと」「しおかぜ」「いしづち」「うずしお」「宇和海」「あしずり」に、

キハ281系が「スーパー北斗」に、

キハ283系が「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」「スーパー北斗」に、

キハ261系が「スーパー宗谷」に、

HOT7000系が「スーパーはくと」に投入されている。


平行ダイヤ★★★

狭義的に言えば、普通だけを走らせること。

ダイヤグラムを見ると列車のスジが全て平行になっていることから。

広義的に言えば、優等列車が普通を全く抜かさず走っている状態。

ダイヤグラムを見ると完全に平行ではないが、その様に見えるから。

列車本数を増やすことはできるが、優等列車のスピードは普通列車と同じことから、当然遅い。

朝ラッシュ時の小▲急線が代表的。

最近は和泉多摩川〜喜多見で複々線ができて少しは速くなったが、

かつては相模大野から新宿までずっと抜かさないという現象もあったそうな……


平行ダイヤマジック★★★(04・5・24)

ある駅を境にダイヤのサイクルが変わるときに使われる措置。

サイクルが変わる駅でしばらく停車、もしくはその駅以後ゆっくり走って、前後の列車と間隔を等しくすることである。

一例として、

下記の図のような駅があり、A駅〜E駅は3分間隔、E駅〜J駅は4分間隔で走らせるとすると、3分と4分の最小公倍数である12分サイクルで考える。

まず、A駅〜E駅は12分に4本、E駅〜J駅に3本走ることになるので、1本はE駅で折り返しとなる。

まず1つのやり方として下図左側のダイヤグラムのようになる。

E駅折り返し列車(A駅12:09発の列車)の次の列車(A駅12:00、12:12発の列車)は、E駅で通常の停車時間でJ駅に向けて発車する。

その次の列車(A駅12:03発の列車)はE駅で1分多く停車して、A駅12:00発の列車の4分後に発車する。

更にその次の列車(A駅12:06発の列車)はE駅で2分多く停車して、A駅12:03発の列車の4分後、E駅折り返し列車が到着する1分前に発車する。

またもう1つのやり方として下図右側のダイヤグラムのようになる。

E駅折り返し列車(A駅12:39発の列車)の次の列車(A駅12:30、12:42発の列車)は、E駅で通常の停車時間でJ駅に向けて発車する。

その次の列車(A駅12:33発の列車)はE駅を通常の停車時間で発車した後、H駅までゆっくりと走ったり、F駅、G駅での停車時間を長くするなどして、

H駅を出発する時点ではA駅12:30発の列車の4分後に発車するようにする。

更にその次の列車(A駅12:36発の列車)はE駅を通常の停車時間で発車した後、H駅まで更にゆっくりと走ったり、F駅、G駅での停車時間を長くするなどして、

H駅を出発する時点でA駅12:33発の列車の4分後、A駅12:42発の列車の4分前に発車するようにする。

こうすることで、E駅〜H駅のサイクルは若干ずれてしまうが、利用者が気付かない(!?)うちにH駅〜J駅を4分間隔にすることができるのである。

ただし、E駅で時間調整する列車に乗ってしまった直通客にとっては迷惑千万な話である。


偏軌★★★

軌間が1372ミリの規格。

日本では京王電鉄(井の頭線を除く)とそれに接続する都営新宿線、都電荒川線、東急世田谷線、函館市交しかない。

昔は馬車軌間と言って、馬車の車輪幅がこの長さで、そのために路面電車ではこの規格が多かった。

京王電鉄も元はと言えば甲州街道上を走る路面電車だったのである。

京王電鉄がこの軌間だったために、それと直通運転をする都営新宿線も偏軌で建設されたという経緯を持つ。

また、京成もかつては偏軌であったが、都営浅草線が京急に合わせて標準軌で建設したために、

営業しながら偏軌から標準軌に改軌したという経緯を持っている。

→軌間、ナローゲージ、狭軌、広軌、改軌


方向別複々線★★(02・11・3)

複々線の一形態。線路別複々線と対をなす語。

線路が4本あるとすると、各停下り、優等下り、優等上り、各停上りというように走らせる。

またその逆に、優等列車を外側に、各停を内側にすることもある。

前者は、各停が折り返すための立体交差を設ける必要がある、

駅部の面積が大きくなるために買収する土地が多くなる、などの欠点があるが、

駅部でも真っ直ぐ線路を敷くことができるので、高速運転向きである。

後者はその逆で、折り返し設備平面でよく、駅部の面積も小さくすることができるが、

駅の前後に曲線が入るので、場合によっては減速を受けてしまう欠点がある。

しかし方向別複々線の最大の利点は、

下り同士、上り同士島式ホームを作ると、各停と優等の乗り換えがホーム上でできるので便利な点である。

こちらの方が乗客本位の設計といえ望ましいとされている。

また複々線の途中で各停から優等列車に、優等列車から各停に転線することも楽にできる。

→線路別複々線


ボックスシート★★

2人掛けクロスシートを2つ向かい合わせにして、4人掛けにした座席。

他は転換クロスシートを採用しているが、いまだに東日本が好きな座席配置方法。

当然、進行方向逆向きに座る人が半数いる。

113系や115系で採用されているが、そのシートピッチは特に狭く、膝と膝が触れ合う事も多い。

そのため窓側に座った人は、通路に出るのが一苦労である。


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