[2244] J・オースティンの海軍さん 投稿日:2006/02/04(Sat) 18:14 | |
投稿者:コットン |
1年ぶりにお邪魔いたします。「プライドと偏見」に触れておられましたので。岩波版で読んだのですが、他社と(立ち)読み比べてもそう大差ないように思えました。文体の好みとお値段、2冊組か分厚い1冊か、決め手はそのへんでしょうか。 つられてこの作家の他作品も読みましたところ、ナポレオン戦争真っ只中に生きた人ですから海軍さんも当然登場します。が、一般人はこうなのか?というほどヒロインたちは恋とご近所付き合いに腐心しています。いや楽しいですけども。ソフトなハーレクインというか。 オカに上がった海軍さんの恋模様な「説き伏せられて」(岩波文庫)と、ヒロインの父がもと海兵隊員の「マンスフィールド・パーク」(中公文庫)こちらは兄が海尉さんになるのですが、陸に上がった姿しか出てきません。海軍さん本人が出てくるのはこの2冊くらいでしょうか。 ただ直接戦争にかかわっていなかった人々の意識がこういう風だったなら、ボライソーと妻の温度差もうなずけると思いました。 |
[2243] 謎の深さは測深不能(ノー・ボトム) 投稿日:2006/02/04(Sat) 16:40 | |
投稿者:サマキ |
★にっけさん >延々と続く試験に艦長たちもくたびれた 結局のところ、何人ぐらい受験したのでしょう。 ゴルゴン号で受験した士官候補生はディックとマーティンだけかと思いましたが、3章でバーリングが「他の5、6名は~」と言及しています。 これを「総受験者数が(ボライソーとダンサー含め)7、8名」という意味にとるか、「ゴルゴン号からの受験者が(ボライソーとダンサー含め)7、8名」という意味にとるかですか。しかし総受験者数7、8名の場合、7時間以上かかるとは思えないですし、受験者全体の合否を翌日には一副長が把握しているというのも恐ろしい気がするので、やはり後者でしょうか。他の受験者たちがいつゴルゴン号からポセイドン号に渡ったのか、気になるところです。 ついでに、他のその受験生たちについてはバーリングのお見送りはなかったようなので、「バーリングが見送った受験生は必ず合格する」なんて伝説が生まれたら楽しそうです。 >12巻をめくってみたら 私もやってみました。28巻から1ヶ月程度しか経っていない時期のお話ということもですが、字の大きさにも驚きました。デスティニー号の名前がとても懐かしく、 28巻からの流れで、再度通しで読んでみたいと思いました。『過去を振り捨てて』、彼の遺体はやはり水葬に付されたのでしょうか。 >いいとこ一個もなかった 「ボライソー悪役列伝」もしくは「こんな上官は嫌だ」シリーズなんか、あったら楽しいですね。 悪役たちは、最後には悪運尽きて……な場合が多かったですが、主人公にしても、上司運と女運と金運と、すべてに恵まれた人はなかなかおらず。一番平均値が高いと思われるラミジでも、上司運は泣けるほど悪かったような。ボライソーはだんだん「非運」が強くなっていきました。強くなっても良いとは言えない運が。 >いろいろわからんもの 密輸船団は、その場所の地形も込みでよくわからなかったです(正体や目的も実はよく……)。 とりあえず、ホットスパー号を除いてあの場にいたのは、ブリッグが1隻、沿岸交易船(コースター)が1隻、ボートが2艘でいいと思います。 原文でも、ラガー(lugger)の単語は9章でやはりいきなり出てきまして、「遥か沖合い」に位置していること、「リーボード」をどちらも持ち、「フッカー」も目撃している、などの特徴から、コースター=ラガーで合っていると思われます。ラガーはコースターによく使われる船種、といった予備知識でもあれば、もっとわかりやすかったのかもしれません。しかし、そういう予備知識(共通認識?)があるのかどうか、自分にはわかりません。とほほ。 「重役椅子を回すプロービーの姿」、あはは、前方には机、後方には大きな窓もありますし、はまりますね。 原文該当箇所は「(Proby) swung round abruptly on his chair.」となっています。腰から下も「くるっと回った」(お尻で回転した)のだとしたら、肘掛けがついていないタイプの椅子なのかな、と思いました。 「?」な部分は本当にいろいろありますね。つながらないところとか。 80ページの、「彼(=ティンカー)の綽名を使うのでさえ、正確で、発音に崩れがない。そんなことを実行できるのはバーリングをおいていない。」は、「みんな、バーリング以外は『ティンカー』と呼んでいるつもりで『ティンガー』とか『テンカー』とか『チンカー』になっているってことかな?」と首を捻っていました。 原文は「Even the use of his nickname seemed correct and formal. Only Verling could have carried that off.」でした。発音が正しいとかではなくて、綽名を使うことそのものが適切で、正しいことに思える、ということのようです。これはこれで、「太陽にほえろ!」のナチュラルに綽名が乱れ飛ぶ世界を思い出してちょっぴり笑いました。そしてバーリングとティンカーへの好感度アップです。 |
[2242] 謎は深まる 投稿日:2006/02/03(Fri) 21:52 | |
投稿者:にっけ |
>ままよの人 ついふき出してしまいました。延々と続く試験に艦長たちもくたびれたところですし。最後の受験者の幸運……幸いなる少数なのか。 >「スペインの財宝船」の原題が「Stand into Danger」 確かに、おおっ、ですね。「さて、どんなDangerだったっけ。きれいさっぱり忘れたな(涙)」と、12巻をめくってみたら、しばしば彼の死を思い出してる姿がありました(そして二章の章題は『過去を振り捨てて』)。 ティンカーの台詞原文、ありがとうございます。 本当だ、そのまんまなのですね。なおのこと、はっきり事実がわからない訳が不満になりました。 ボライソーも頑張ってたけれど、結局ホットスパー号の戦いに関しては傍観者でしたよね。 そんなもどかしさや、将来、自分が指揮をとることを思い描いていたり……。「次の水平線」を見ていたボライソーの足元をすくうように突きつけられるはずの彼の死が、曖昧になったことが惜しいなあと思います。 >バーリング いい上官だと安心して読めていい、などと妙に感心してました。いえ、だって9巻のペラム・マーチンなんて、いいとこ一個もなかったですもん。 ちょっと前にドリンクウォーターを読み、あちらは話のわかる上官ばかりで物足りなくすらありましたが(わがままな読者です)。 落ち着いて読み返してますが、おや、いろいろわからんものが出てきました。 ラガーに切り込んだのはいいが、そのラガーはいったいどこから出てきたんだろう、コースターのことでいいの? とか。任官試験の場面で、いわゆる重役椅子を回すプロービーの姿を思い描きましたが、「椅子の中でくるっと回った」のは、それで正解なのか、とか。 謎だわ。 |
[2241] ままよの人 投稿日:2006/02/02(Thu) 21:33 | |
投稿者:サマキ |
★にっけさん こんばんは。 >ちょっとくだけた文章も、年齢にあってる気がして楽しかった そうですね。特にマーティンが出てくると、それだけでぱあっと明るくなる気がして楽しかったです。対照的にディックはネクラーズ、もとい真面目だなあと思いました。 年齢は違いますが、マーティンの口のすべり具合に、ドラマ「ホーンブロワー」のケネディ海尉の笑顔がちらつきました。 会話はくだけているというか、たまに時代劇調に感じられるのが面白かったです(イギリスの時代劇だと言われればそうなのですが)。 プロービー艦長の「ええい、ままよっ!」とか、エグモントの「しばらく、そこの二人!」とか。エグモントのセリフの時は、「あいや待たれい」とか、「しばし待てい」などの言葉が頭の中で回りました。 にっけさん御指摘の「御用だ!」も、まさにランタンより提灯の世界ですね。あの章題の原文は「In the King's Name」なので、「国王陛下の名の下に」とか、「国王陛下の名代だ」みたいな意味になるのでしょうか。 余談ですが、プロービー艦長の「ええい、ままよっ!」。「ままよ」って「なるようになれ」って意味ですよね。てっきりボライソーを試験にパスさせるかどうか悩んでヤケになり、「ええい、ままよっ! 微妙なラインだが君は合格だ! もうどうでもいいから合格させてやる!」と続くのかと思って身構えてしまいました。ちなみに原文は「What the hell!」で、hellが斜体になっています。訳の方は、「ままよ」を「ええい、なんだというのだ!」ぐらいの意味で使っているのでしょうか。 >ぼかした いろいろ考えて、やっぱりすっきりしないです。 あそこでぼかして、変な方向に行ってしまったために、ティンカーがディックに話している言葉の数々も「???」と意図するところがつかみづらく、ディックが流した涙の意味も不明瞭になり(むしろ「彼が助かって安心した」という嬉し涙にとれてさらに混乱したり)、さかのぼれば、バーリングの「われわれは手を尽くして……」のくだりが無駄になり、もっとさかのぼって「彼がわかるようにだ! だが、本当は誰のつもりなんだ? 彼がわかるようにとは……」という暗示も、全部つながらないものになってしまった気がします。 渋滞につかまって、何だろうと思っているうちにまた車がスイスイ流れるようになって、でも結局渋滞の原因はわからずじまいな状況に似ているというかなんというか、今までずっと謎だったものが、さらに謎が深まったみたいだというか、なんともぐるぐるします。 それはともかく、ティンカーの台詞の原文などを。 「新しい人生へ」の辺りは「you'll be standin' into a new life.」、「次の水平線を考える」は「Just think of the next watch, an' the next horizen, see?」で、割とそのまんまです。 ふと思ったのは、前者の「standin' into a new life」。時間軸においてこの直後の話になる邦訳12巻「スペインの財宝船」の原題が「Stand into Danger」なので、「おっ」と思いました。新しい人生は危険そのものなのかなあ、と。 ですが、なんだかんだ言って、懐かしい人や懐かしい艦と再会できて、楽しく読めました。 時々出てくるヒュー兄さんの名前とか、名前だけだけれど活躍しているダンサー父とか。 バーリングとティンカーのつながりも面白いと思いました。ティンカーへの信頼が、口に出さないまでもしっかり見えましたし、バーリングの有能で誠実な面が見られたのもよかったです。 アダムとか、不倫時代のボライソー(笑)は、こちらの胃がキリキリしてしまうので、今回は「心底嫌われている」海尉さんや、「根っからの悪人」の艦長さんの方にキリキリできてホッとしました。 |
[2240] プロテクターの人 投稿日:2006/02/02(Thu) 21:17 | |
投稿者:サマキ |
記事No.2238のリンク先にあるボライソー28巻のネタバレ感想を、こちらにも投稿しておきます。 -------- ジュブナイル調の訳、というのが読みはじめの第一印象。地の文の言葉がかなり口語っぽくても、そういうものかと思うことにする。 1章の「プロテクター」に爆笑。スポーツや格闘技で使うプロテクターを思い出して、任官試験に挑むマーチンがもこもこに着ぶくれした完全防備の姿で現れる図が浮かぶ。おかげでとてもリラックスして読み進む。 そして9章。最初の5,6ページ、意味のとりづらい文章が続く。それまでは少なめだった単純な誤字がいきなり増える(その後また減った)。 さらに、原書では"Best leave him, sir. He's gone, I'm afraid."と書かれていた場面。 邦訳では、マーティン(名前の表記が変わってしまったのは時代の波か)が某カナダ人パイロットになってしまった気がする。どうして「気を失ったみたいだ」とぼかしてしまったのだろう。百戦錬磨の水兵であるティンカーの発言ということもあって、「ああ、気を失ったのか」と素直に信じてしまう。それとも"He's gone, I'm afraid."は、この場面では本当にこの程度の意味しかないのか。 どうもすっきりしない。 -------- (続く誤字脱字表記揺れなどへのツッコミは略しました。) ジュブナイル調なのは、邦訳1巻の「若き獅子の船出」がジュニア小説として書かれたらしいということを考えれば、特に不思議ではないし、地の文で「すってんころり」「えんやらえんやら」と出てくるのはユーモラスで、緊張しがちなお話の中、一服の清涼剤のように息が抜けて楽しいです。 「プロテクター」も、あまりにおかしくて笑いすぎてしまい、「せめて『お守り』とか……」と考えないこともありませんでしたが、これはこれできっと「学業成就」「交通安全」など神社の御守を連想してしまうのだろう、と思いました。 しかし、話しているのがマーティンなだけに、余計に笑えた気がします。 ヤードの上の小鳥さん、金髪の士官候補生、ロンドンの富裕な紅茶商人の息子、というこれまでのイメージに加えて、プロテクターの人、という新たな概念が加わりました。ありがとうございます。 |
[2239] 28巻、読み終わりました 投稿日:2006/02/01(Wed) 22:49 | |
投稿者:にっけ |
こんばんは。 数日前に読み終わったのですが、頭の中がふわふわしてたので、落ち着けようと少し時間を置いてみました。しかし、効果は上がってません。 リチャードが久々に登場ということで身構えていたせいか、予想していたよりもずいぶん面白かったです。 ちょっとくだけた文章も、年齢にあってる気がして楽しかった(時折、喋り言葉がくだけすぎな気もしましたが)。 彼の最後の場面は、私もわかりにくいと思いました。どうしてぼかしてあるのか、疑問ですね。 この後の「新しい人生へ」「次の水平線を考える」という台詞(の原文)って、どんなだったのでしょうか。 いえ。「ネタばれ感想ページ」に書いて下さった台詞と、これらはニュアンスがつながってたりするのかな~、と思ったので。 >プロテクター 笑かしてくれました。あと、章題の「御用だ!」も勘弁して頂きたかったな。ランタンならぬ提灯が目に浮かびます。 何のかんのと言いつつ、楽しく嬉しく読みました。 電車内で読んでいるとね、こう背筋が伸びて、ついつい足を踏ん張ってしまうんですよ。 そして、心のうちでは「かわいいなあ、かわいいなあ!」←大甘ファン。 アダムの話ではこうはいかない(ついでに、不倫時代のボライソーでもいかんです)。 リチャード編ということで、贔屓目3割増くらいにはなってるかもしれません。 頭はまだ舞い上がったままのよう。また、落ち着いたら出直すかもしれません。 長文失礼しました。 |
[2238] とりあえずの感想 投稿日:2006/01/30(Mon) 19:46 | |
投稿者:サマキ |
ボライソー28巻の短い感想を書きました。 ネタバレというか、先入観の入る可能性がありますので閲覧の際はご注意ください。 http://www2u.biglobe.ne.jp/~warawa/28.html |
[2237] 読破 投稿日:2006/01/29(Sun) 09:14 | |
投稿者:サマキ |
ボライソー28巻、邦訳も読み終わりました。感想はまた今度(とか言っていたら、書けたためしがないですが)。 28巻のネタバレ解禁は2/1(水)とします。 ご協力をよろしくお願いします。 |
[2236] 読んだので読めます 投稿日:2006/01/28(Sat) 18:28 | |
投稿者:サマキ |
★2級水兵さん こんばんは。原書をたった今読み終えて、「今から邦訳が読めます。わーい」と書き込もうと思ったところでした。 ハリポタは「ハリネズミさんのポタポタ焼き」おいしそう……じゃなくて、ハリー・ポッターですね。あんな分厚い本を読破しようと思ったら、それは根性がいりそうです。ファイトであります。千里の道も一歩から。続けていればゴールもあります。 などと、1冊読み終えただけで(しかも字が大きく、行間も広々と、本文129ページの本)えらそうなことは言えません。恥ずかしくなる前に邦訳を読んできます。 しかし、 >買ってほっていた 関西っぽい「ほっていた」に和みました。ハリポタ読破、がんばって下さい。 |
[2235] 私も原書を読もうかな。 投稿日:2006/01/28(Sat) 17:40 | |
投稿者:2級水兵 |
今晩は。サマキさんに触発されて買ってほっていたハリポタを訳して見ようかなと思っています。数ページ訳して、辞書を引くのが嫌になってしまっていました。根性やあ。 |
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