今月の一枚
  9月の着物
 
9月の着物写真1 9月の着物写真2

 9月といえばもう秋。といっても実はまだ暑いのです。それでも涼しげなものは御法度。いくら単衣でも、白っぽいものや水辺の模様はこの月には向きません。というわけで、紅葉の染め模様です。本当は姉の袷だったのですが、ちょうど洗い張りに出して布のままだったので、単衣を持っていない私がそのように仕立ててもらって借りることにしました。直しがきくというのが、着物のいいところですよね。

 ところで、人の記憶というのはいい加減なもので、私の中では灰色地に線描きのもようというイメージだったのに、改めてみるといろんな色の紅葉。姉は十代の頃これを買ってもらったそうですが、その年の娘さんにしてはちょっと地味だったのでは。模様の大きさで少しは若さが出ているけれど。

 写真ではわかりませんが、金色の線が入っているので、まったくの普段着というわけではなさそうです。合う帯が無くて、2パターン写してみました。秋らしいのは、黄土色のほう。無難ではあるけれど、ぴったりというわけにはいきません。菱形模様のほうは、白っぽいので初秋よりは初夏という感じになってしまいます。これにお抹茶色の帯締めを持ってくると“青楓”が強調されて。なので、せめて帯締めは茶系にしてみましょう。

 私がもう少し若ければ、赤茶色の楓と同じ色を持ってきてもいいんですけど、平凡になってしまうかな?深い緑色地の染めなんかいいですね。こんな風にだいたいのターゲットを決めて、帯を探しに行きます。そうしないと、目移りがしちゃって。でも、焦りは禁物。こういうものはめぐり逢いというか、縁というか、思ってもいないときにひょいと見つかったりするものですから。

 とにもかくにも、私にとっては初めての単衣。夏の陽射しが残っていても、風は涼しい初秋の街を、着物で歩くのが楽しみです。 

 
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