今月の一枚
  6月の着物・弐
 
 
 6月の着物その弐は、紬です。自分で誂えた初めての単衣、実はずっと探し続けている「黄色い紬」になかなかめぐり逢えなくて、つい横道にそれて衝動買いしたもの。特にどこの産地というのでもない、民芸紬とでもいうのでしょうか。色合いは灰色の久米島紬に似ていて、絣模様は縦糸のみ。だから衝動買い出来る値段なのでしょうね。

 左の帯は、本多先生のオリジナル結城紬格子帯。この写真ではよくわかりませんが、地色は生成り、そこに水色と群青、そして明るめの黄土色の線が入っています。小物で夏を演出するため、帯揚は絽、帯締めは細い三分紐にトンボ玉の帯留を。ここまでが6月上旬バージョンです。

 で、本当なら絽綴れか博多紗献上の帯でもあれば中旬辺りにちょうどなのでしょうけれど、それは持っていないので、15日あたりまでが限度かもしれません。最近は地球温暖化で早くから暑くなるので、下旬になるともう皆さん薄物をお召しのようです。その分5月末あたりから、気の早い人は中旬あたりからもう単衣を着ているそうですね。秋に袷を早く着ることは決してないけれど、夏を先取りするのはよいとのこと。せっかくの単衣、1ヶ月ほどは着たいですものね。

 右の写真は9月向けの組み合わせです。帯の黄土は枯葉色、帯締めはレース組みながらこっくりとした紺色。帯揚だけは薄めだけれど、これも白ではなく灰色で。夏の終わりに白っぽいものを身につけるのは何となくわびしいもの、少し濃いめの色で秋を意識するのが良いようです。

 いつか理想の黄色い紬にめぐり逢ったら単衣に仕立てて、6月には生成りの紬に百合模様の染帯、9月にはこげ茶色の帯で秋景色、そんな着こなしをしたいなと思っています。
 さて、「いつか」は来るのでしょうか?

 
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