朱里通信

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Book
模倣犯
模倣犯
宮部みゆき
★★★
 映画化もされた作品なので、ご存知の方も多いはず。宮部女史の『模倣犯』のレビュウです。
 (ジャンルはミステリーなので、未見の方のためにもネタバレ発言はいたしません)
 この本は全部で3部構成。上下巻にわたる長編です。
 物語の核となる事件は「連続殺人事件」。犯人は非常に目立ちたがりで狡猾。すべて計算ずくの犯行。
 展開はドラマチックで、最後まで飽きることなく、文字通り目が離せません。

 私は3日間かけてこの作品を読破しました。
 見事なくらいに緻密に組み立てられたプロット、巧みで豊かな心情表現にただただ圧倒されるばかりでした。
 読みながら何度「はぁ〜」と息をついたことか(それは安堵だったり、感心だったり、ため息だったりするわけですけれども。)
 この作品が提示しているテーマは、非常に深く、またたくさんあるので一言で「これ」と言うことは私にはできません。
 「すごい」「さすが」の言葉に尽きます。
 ただ、私のオススメ印は「星3つ」としました。これには理由があります。 

・読んでいて、気がめいってくる
 あまりに心情表現がリアルなため、読んでいて身につまされたり、切なくなってきたり、と・・・。
 ある意味、長所だとも言えますが、私にはちょっとキツすぎたかな・・・。

ちょっぴり強引な展開
 他の部分が際立って緻密なだけに、強引な部分が際立って見えてしまうのです。
 どことは具体的には書きませんけど。

・感想を一言で言うなら「感動」ではなく「安堵
 ああ、やっとこれで一段落・・・という思いに尽きました。

・とにかく長過ぎる
 息のつまる展開が上下巻(2段組みで、700ページちょっと)も続くというのが、ちょっと・・・。

 そもそも、ミステリーというジャンル、それも殺人事件を扱うものって、底抜けに明るいハッピーエンドにはなり得ないわけです。
 どうしたって後味の悪さはつきまとってきます。
 でも、どれもこれも人間というものの「弱さ」「脆さ」「危うさ」を描いている。
 誰しもが避けることのできないこと、目を反らすことはできないことを、提示している。
 この作品を読んで、そのことをひしひしと感じてしまうのでした。

 「長編のミステリーが読みたい!読みたくて読みたくてしかたない!」という方向けの作品です。
2004-08-21
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