とーこさんの作品でした。 |
…一席将校もまた危険に飛び込んでいく男であった(嗚呼…)。 これ、ヘリックだったら無駄と知りつつ止めると思うの。キーンでも一言は言うと思うのだけれども。 あなおそろしやジュノー号…。老航海長からしてあぁだからして…(嘆息)。 |
お題 参加者及び参加人数(50音順) 歌数(歌も俳句も狂歌も川柳もみんな含む) |
D.A.レイナーの「眼下の敵」は、水面下に潜むUボートと海上の駆逐艦との戦いで、そりゃぁ確かに眼下ではあるのだけれど、水中は見るものではなく聴くものだわね。…というわけでダイヤモンド丘から焼き釜水道を見下ろすのが、本当に正しい「眼下」の姿でありましょう。
…でも個人的には、The Enemy Belowを眼下の敵と訳した方のセンスはすばらしいと思うのですよ。最近は横文字をそのまま並べる映画が多いけれども、やはり一工夫欲しいかな…と。
蛇足っすけど、「鯨魚取り」は枕詞ってやつでさぁ。これで一番有名なのは『万葉集』の「鯨魚取り 海や死にする 山や死にする 死ぬれこそ 海は潮干(しおひ)て 山は枯れすれ」でやしょうねぇ。これが元になって、さだまさしさんの名曲、「防人の詩」ができやした。この詩に出会って15分で歌詩ができたってこたぁ、ほとんどつっかえずに、一息にできたんでやしょう。あっしの場合、ただの字数あわせでさ。
からし膏薬って言やぁ、つまり「タイガーバーム」のことスよね? あっしもよくお世話になるス。今日もプンプンさせてまさぁ。
それにしてもチェスってやつぁ、将棋盤より狭い盤面に飛車角4枚、飛車角兼用のが2枚、しかも桂馬に至っちゃ四方八方に動くもんだから、ちいっとも油断ができねぇんでさぁ。相手の胆(はら)ぁ読むのに気ぃとられて、不用意な駒を不用意に動かしたヒにゃあ、ジャック・ロビンソンって言う間もなく王様を取られちめぇやす。仕事が終わって、やれやれって時にゃあ、あんまりやりたくねえっすよ。
縫帆兵ってなぁ、当直がねぇから「怠け者」って言われるんスけど、どうしてどうして、ラミジ艦長の縫帆兵は寝る間もないんじゃねえすかねぇ。それ軍艦旗だ、やれ信号旗だ、あげくに拿捕した敵艦の帆も直さにゃならねぇし。何にもなくても軍艦旗の作り置きをしてるみてぇだし。てぇしたもんだねぇ。あっしもモーガン主計長の下じゃ、休む間もねえっす。
戦(いくさ)の胆の読み比べってのはチェスに通じやす。でも、懸かっているものの重さときたら全然違いやす。ボーエン軍医はそこんとこ、よくご存じみたいすね。どうにも山本五十六提督の幕僚がたはよく解ってなかったようで……おっと、縫帆兵風情のあっしなんぞに出す口ぁ、ありませんやね。
まるでラミジ艦長がおっしゃったように詠んでやすけど、実は違いやす。でも、結局はこういうことなんじゃねぇかなあって思って詠みやした。
映画の『眼下の敵』じゃあ、戦った二人の艦長がタバコの火を分け合ってやすけど、D.A.レイナーの原作じゃあ、駆逐艦と潜水艦が沈んじまった後も救命ボートや海面で英独の将兵が殴り合いを続けてやした。現実って奴ぁ、そんなもんでやしょう。
でも、『三国志』を読めば「勝敗は兵家の常」って言葉が出てきやす。昔の日本でも「武士は相身互い」って言いやした。こういう道理が大手振って出てくるのが「ラミジ艦長物語」の気持ち良さで、このシリーズが海洋冒険小説の『水戸黄門』って呼ばれるわけでしょうかねぇ。
いけねぇ、ちょいと真面目になっちまいやした。それじゃ、あっしはこの辺で。
ごめんなすって、へぇ。