本の紹介のスタンス

 このサイトを立ち上げたのは,自分のお気に入りの本を紹介するためでした。
 8年ほど前,ネット社会では特定の作品や作者のファンサイトは少しずつできはじめていました。わたしにはどれか1つにしぼってサイトを作るということはできそうにないし,すでにそれは他の人がやってくれていたので,自分が気に入っている本をいろいろ紹介してみようと思ったのです。 しかも,原則的には自分が所有しているものの中から。ですから,紹介している本はほとんど実際に自分の手元(もしくは学級文庫)に置いてあり,なおかつ気に入っているものばかりです。
 立ち上げた当初は,作家の方たちとの交流はありませんでした。でも,1年くらい経った頃でしょうか,少しずつ作家の皆さんと交流する機会が増えてきました。
 きっかけはいったい何だったのか…。ひこ田中さんが運営されている「児童文学書評」にリンクのお願いをしたところ,うちのサイトに載っている紹介文に直リンクをしてくださるようになったことだったのでしょうか。(「書評」ではなく「紹介文」で申し訳ないなあと思ったことをよく覚えています。)

 今はネットの普及でいろいろな方と交流するようになっています。作家ご本人も来てくださっていることがあります。でも,「自分のお気に入りの本を紹介する」というスタンスは決して変わっていません。
 紹介するということは,人にすすめるということ。ですから,自分の心に響かなかった本は紹介していません。
 また,多くの人に読んでもらえるよう,紹介文には気に入ったところを書くようにしています。と言いつつ,時々厳しい内容も書きますが,真っ向から否定する気持ちだったら最初から紹介すらしませんので,そこには何か光るもの,わたしが引きつけられたものがあるのです。

 また,交流してくださっている作家の皆さんには申し訳ないのですが,作家のために本の紹介をしているのではありません。自分が気に入っているから紹介するのです。このサイトは,児童書好きのわたしが,自分の思いをわがまま勝手に発信しているだけなのです。ですから,この作者とは交流があるから厳しいことは書けないということはないのです。きつい表現になりますが,読んでみて気に入らなければ最初から紹介はしません。(工事中の部分は,読んだ当時非常に仕事が忙しく,更新がまったくできなかった時期のものです。それ以降も忙しい状態が続いていて,このままだといいかげんなものをUPしてしまいかねません。それだけは絶対にしたくないので,工事中のままかなりの月日が流れております…。すみません。)

 作家の皆さんがこのサイトを訪れ,紹介文を読んでくださっていることはとても有り難く思っております。作者からお返事をもらえるとは思わずに書いているので,コメントをいただいたときには本当に嬉しいです。また,自分が皆さんの本を気に入っているということを直接伝えられるのも,本当に嬉しいことです。そして,子どもたちとも交流してくださり,その思いを受け止めてくださることに,言葉では言い表せないほど感謝しております。

 このサイトは「書評」ではなく「紹介」をしているのだということ,そして,紹介文を読んだ人が「読んでみたい!」と思ってくれることが一番だと考えております。今後もそのスタンスで運営していきたいと思っています。

 追記:このサイトで紹介している本の作者のことを応援しているのも事実です。これからも,子どもたちのために素敵な本を書いてほしいと思うからです。子どもたちの声をお届けするのは,子どもたちの心を揺さぶる本を書いてくださったことへの感謝の気持ちなのです。子どもたちは,自分の感動した心を作者へ伝える術を知りません。作者と子どもたちの橋渡しが少しでもできたらと思っています。(06/02/08)

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