小里方式

故小里勝之先生(東洋はり医学会)が考案された実技研修の方法。
東洋はり医学会の例会では本部、支部とも毎回行われている。

 これほど取穴、刺鍼の技術を効率よく習得していく方法は今のところ他には見当たら ない。天才的な資質など無い多くの平凡な鍼灸師がこのシステムの中で優秀な臨床家 となっていく事実がその確固たる証明だろう。理論の学習や構築も勿論大切であるが その理論を実践できる技術を身につけることが臨床家にとって一番重要なことである。  一般的には今までは徒弟制度的な封建的な中で師の技術を盗み取ると言うことで 初めて技術の習得が行われてきたわけだが小里方式によって技術研修を行えば徒弟制度 に依らなくても短期間に技術の習得をする可能性が大きくなる。

方法

 3〜6人一組で行う。モデル患者を一人、術者を一人、残りが検者となる。初心者 などを指導する時は指導者が検者となる。技術交流を目的とする場合はそれぞれの役 を循環して全てを経験するようにする。

術者は取穴や刺鍼をする。
検者はモデル患者の脉状や呼吸、皮膚の変化を観察し術者が行う取穴や刺鍼について 意見を交換したり指導を行う。

画像の説明

術者Aは太白穴に刺鍼している。
検者Bは患者の右手の脉を検脉しながらその手技の評価、指導をしている。
検者Cは患者の左手の脉を検脉し且つ腹部に手を置くことで呼吸の変化や皮膚面 の変化を観察しその手技の評価、指導を行っている。


画像の説明

術者Aは太陵穴に刺鍼している。
検者Bは患者の左右の耳前動脉を検脉しながらその手技の評価、指導をしている。
検者Cは患者の右手の脉を検脉し且つ腹部に手を置くことで呼吸の変化や皮膚面 の変化を観察しその手技の評価、指導を行っている。


画像の説明

術者Aは太淵穴に刺鍼している。
検者Bは患者の左右の足背動脉を検脉しながらその手技の評価、指導をしている。
検者Cは患者の右手の脉を検脉し且つ腹部に手を置くことで呼吸の変化や皮膚面 の変化を観察しその手技の評価、指導を行っている。

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新着情報
はじめに
コラム

(1)理論
1.1陰陽五行
1.2生理
1.3脉状
1.4病症
1.5六十九難
1.6奇経
1.7子午

(2)診察法
2.1脉診
2.2簡易脉診法
2.3腹診

(3)治療法
3.1プロセス
3.2上達のコツ

(4)実技研修
4.1取穴
4.2刺鍼法
4.3小里方式

(5)その他
5.1参考文献
5.2リンク
5.3Memo
5.4その他

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