臨床経絡
はじめに
十二の都市を持つ国の話
経穴ゲートスイッチ理論
気論
十二正経と奇経と経穴の関係 本論 代表的なスイッチ群 補瀉論
理論の実践
治療原則 刺鍼法 四診(望・文・問・切)
脈状診 比較脈診 症例
役立つ古典理論
陰陽五経 生理
脈状
病症 奇経 子午
附録;難経の読み下し文子午
臨床ひろば
異論な医論

督脈に病症のある症例


「経穴ゲートスイッチ理論」では症状からその発現している根拠になる「経(流注)」を絞り込んで治療方針を導き出します。誤解を恐れず言えば「証」を立てなくても「経」を特定できれば治療ができるものも沢山あります。以下はその一例です。

患者 75歳♀

主訴 肛門からひきつるような痛みが続いている。動作には関係ないがかなり痛いので内科を受診し大腸ファイバー検査をしたが異常所見は認められない。更にCT検査を行う予定(後日CT検査の結果、異常なし)。

既往歴・現病歴 脊柱管狭窄症

治療方針 病症は督脈の流注にあるので督脈の病症であると判断した。また痔疾に有効な百会穴も併せて用いてみる。更に現病歴より陽?脈の申脈を従穴として用いることにする。

脈状 遅数=ヤヤ遅、浮沈=ヤヤ沈、虚実=虚、ヤヤ牢、ヤヤ?

治療
@;後谿;手太陽小腸経(兪土穴)、八脈交会穴(督脈、陽?脈に交会)、作用;寧心安神、清利温熱、通絡止痛
A;申脈;足太陽膀胱経、八脈交会穴(陽?脈、督脈に交会)、作用;疏風解表、安神定志、舒筋活絡緩急止痛
B;百会;督脈(肝に交会(作用;平肝)、三陽五会(三つの陽経と足厥陰肝経、督脈が交会))、作用;情熱開竅、
健脳寧神、回陽固脱、平肝熄風

督脈―陽?脈の組み合わせを使い、右後谿穴、左申脈穴、百会穴(痔疾特効穴)ヘステンレス0番8分鍼を5mm程刺入し置鍼し途中から後谿穴には和的手法を加えた。5分程で症状は消失した。以後、同じ症状は出ていない。

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