臨床経絡
はじめに
十二の都市を持つ国の話
経穴ゲートスイッチ理論
気論
十二正経と奇経と経穴の関係 本論 代表的なスイッチ群 補瀉論
理論の実践
治療原則 刺鍼法 四診(望・文・問・切)
脈状診 比較脈診 症例
役立つ古典理論
陰陽五経 生理
脈状
病症 奇経 子午
附録;難経の読み下し文子午
臨床ひろば
異論な医論

病症の弁別


<肺・大腸の病証>

  • 肺の病証

風邪症状(咳 喘息 呼吸困難 咽喉の痛み)、息苦しさ 胸の中が満ち満ちてきて胸苦しい、肩こり、上気(上気;顔が火照り上せが出る(顔のみが紅潮) 逆気;足腰が冷え後頭部から眼の奥まで突き上げられるような症状の強いのぼせ)

肺経の流注に沿った痛み、痺れ、運動上全、小水の異常(頻尿)、湿疹、蕁麻疹

  • 大腸の病証

咽喉(大腸経の環る部位の)痛み、悪寒戦慄、鼻水、涕(はな)、下歯、下歯齦部の痛み炎症、頸 肩 上腕 前腕の大腸経の環る部位の痛み、便秘、下痢

<脾・胃の病証>

  • 脾の病証

身体重く痛む、易疲労、食欲減退、摂食するが躰が痩せる、鳩尾(みぞおち)がつかえる、上快感、あくび、放屁便通があれば気持ち良くなる、腹痛、下痢、便秘、尿閉、黄疸、股関節や膝関節など関節の腫脹、第1趾が用いられない(痛風 外反母趾)、胸息切れ、心窩部痛、舌の強ばり、呂律(ろれつ)が回らない、顔や手足のむくみ

  • 胃の病証

虚……悪寒戦慄(身の前寒い)、消化上良をおこす、腹がはる

実……身の前熱す、消化が亢進するので食べても食べても満足感が得られない

(貪食にして上飽)

虚・実 うつ症、躁症、胃経の環る部位の病症(鼻の病、歯痛、顔面痛、乳腺炎、心窩部痛、大腿部から下腿部にかけた前面の痛み、膝関節痛や腫脹)

<心・小腸の病証>

  • 心の病証

発熱、更年期の症状、咽喉の渇き、胸脇 心窩の痛み、上肢の心経の環る部位の痛み、手掌の熱感

  • 小腸の病証

利尿障害、便秘、下痢、眼耳の症状、顎、項、肩、上肢の小腸経の環る部位の激しい痛み(小腸経特有の痛み)

<腎・膀胱の病証>

  • 腎の病証

空腹なのに食べられない、血痰、立ち眩み、咽喉が痛み口が乾く、心臓が脅かされたり突き上げられるような上快感、痛みの無い慢性下痢、便秘、むくみ、心窩痛、黄疸、出血、臥することを好み痩せる、足の裏がやける、骨、生殖器の病

  • 膀胱の病証

背中がぞくぞくと寒い、肩口や襟首が寒い、頭、項、肩、背中、腰、下肢の後面の強ばり、痛み、凝り、疲れ、冷え、痺れ、鼻水、鼻血、涙、便秘、下痢、痔疾、小便量の異常、

<心包・三焦の病証>

  • 心包の病証

胸内苦悶、心痛、呼吸速拍し上安感がある、胸肋部の痛み、掌中がやける心の病証と類似

  • 三焦の病証

耳が塞がる、耳鳴り、難聴、外眥の痛み、咽喉腫脹、婦人科疾患、流産

<肝・胆の病証>

  • 肝の病証

筋や眼の病変、眩暈(回転性めまい)、脇肋、心窩満ちる、生殖器系の病証、神経症、嘔気、便秘と下痢が交互に起る、脱腸、尿閉、尿失禁、蕁麻疹、薬疹などの解毒に関する病証

  • 胆の病証

寒熱往来、神経の昂ぶり(イライラ)、腋窩、脇の痛み、外眥の痛み、フラフラしてよろめく、腰痛(捻ると痛い)