「水の一滴から宇宙を見る絵本」と書かれているだけあって、この水玉を、地球やあらゆる生き物たち、人生、宇宙……色んなものに見立てているのです。
この本のすごいところは、どのページを見ても、全然飽きることがない、ということ。
指紋をつけるのもためらってしまうほどの、美麗なビジュアルが満載です。
デザインも、素人目で見てもため息が出るほどカッコイイ!
そのため、すぐさま次のページをめくれません。
時間も忘れてじーっくりその世界に浸りたくなってしまう……そんなページばかりなんです。
ジャンルで言うと、ビジュアルブックとでもいうべきでしょうか……?
でも、詩集でもあるし、名言集でもあるんです。
「水玉」にまつわる詩や、ことわざなどもあちこちに隠れています。
お堅いものもあるし、洒落のきいた創作もある。
全ての要素が見事に調和しているんです。
特に私のストライクゾーンだったのが「まえがき」に記されている、短い童話。
もう、もうこれだけでも買ったかいがあったな、と思いました(笑)
さらに注目したいのは、この本、中身だけじゃなくて装幀自体にも、ものすごーく凝っているということ。
画像では分かりづらいと思いますが、この本、真ん中に丸い穴があいているんですよ。
覗き込むと向こう側が見えてしまいます。
さらにさらに、初版本は楽しい付録つき!(沼田元氣さんの本はみんな面白い作りなんですよ)
小さな詩集(もちろん内容充実)や、綺麗なカード、水木しげるさんが寄稿している帯も!
特に、カバーやら帯やらは「『広告用』だから、購入したらはずしてください」という注意書きがあるくらいの懲りよう(笑)。
(私はとてもじゃないけどもったいなくて私ははずさず大事に取ってありますけれどね)
とにもかくにも、ページをめくるたびにドキドキわくわくできて、まるで、おもちゃ箱みたいな本です。
「まえがき」にこう記されています。
外国の子供たちに見せたら、『ペーパー・アクアリウム』だと言われた……と。
うんうん、本当にそんな感じ!
これ、お勧めの一冊です。
贈り物にも最適だと思いますよ。
2002-05-08