やはりK-1は裾野が広いのか、昨日書いた日記が数カ所で餌食にされている。
2ちゃんでは、予想通り、こういうスレッドが立ってしまった。
「ムエタイは、弱くなったのか?」
http://sports3.2ch.net/test/read.cgi/k1/1057416918/l50
こういう反応をみると、Kー1という存在が、キックやムエタイにとって必ずしも有益なものだとは思えない。「打倒ムエタイ」というキックの価値観は、さらに世間と縁遠いものとなってしまっている。キックでしか味わえない魅力が、どんどん失われていくような気がしているのはわしだけだろうか。
BOUTREVIEWのキック&中量級のスレッドでは、
http://www.boutreview.com/cgi-bin/hyperbbs/hyperbbs.cgi?mode=view;Code=11
昨日のわしの日記の「キックの5回戦上位レベルなら、キックルールでボクシング世界王者に負けない」という趣旨のことを書いたことに対して議論が少々。一応、それについて補足説明しておきます。
まず、もちろん結局試合は個人対個人であって、個人の資質によって勝敗は変わります。ただし、5回戦上位という肩書きにふさわしい技術・体力をもったキックボクサーが、勝敗に徹底的にこだわって試合をするなら、ボクシング以外に格闘技経験のないボクシング世界チャンピオンに負ける可能性は理屈的にはかなり低いと思います。
試合のゴングがカーンとなったら、走って相手に抱き着いて、ひたすら首相撲。ブレイクかかっても、間を置かずにガンガン前でて首相撲。相手がパンチしか出してこないのであれば、きちんとした技術を持っている選手なら、ほとんどパンチはもらいません。後はじわじわといたぶれば、いつかヒジ、ヒザでボコボコになります。もちろん、ボクサーがボクサーのまま、何の対策も立ててこないというのが前提です。もちろん相手がウィラポン(元ムエタイ王者)なら、誰も勝てませんが(笑)
つまり、キックルール、ムエタイルールという場なら、キックボクサーはボクサーに対して、いわゆる「猪木ーアリ」状態を作り得るのです。
K-1だと話は別です。首相撲のブレイクが早いため、徹底して首相撲は厳しい(そもそも、そんな試合をK-1でやったら、二度と試合は組まれないでしょうけどね(笑)。トーナメントの3Rだと勝負を急がねばいけない分、隙が生まれやすい。ヒジがないから、不格好でもヒザを手でガードしたり、ボディーブローで首相撲に対抗もできる。もちろんキックルールなら、がら空きの頭部にヒジぶちこまれて終わりです。
あとK-1という場の性格上、相手はみな打ち合って来ます。相手の火を消すタイプは皆無に近いです。ローであれ、ミドルであれ、相手が打ち合ってくれるのであれば、圧倒的攻撃力を持つ世界的なボクサーのパンチであれば、相手を沈めることはさほど難しいことではないでしょう。ただし、ヒジがあれば、パンチの連打は危険です。カウンターで斬られて終わる可能性があるから、なかなか出せなくなるのです。
結局・・・
「キックはボクシングより」強いとか弱いなどというくだらないことを言いたいわけではありません。異種格闘技戦自体がナンセンスだと言いたいだけです。
ちなみに藤原敏男対西城正三(ボクシングの元世界チャンピオン)の試合ビデオは持っています。西城側が突如試合放棄する試合ですが、あれは参考になりません。ボクシングからキックへ転向した西城ですが、キックで数戦をこなし、キックボクシングの基礎は身につけています。キック対ボクシングの事例としては参考にならんでしょう。あしからず。
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