ぽつりひとこと【5】



ひとりめの子供をみごもり
五ヶ月・戌の日に腹帯を巻いた時
犬って安産なのか
ならば犬になりたい・・・とおもった

1月末の寒い夜、よせてはかえす陣痛のもと
うぅっ、なんだこりゃ?
犬だって苦しいし、痛いはず
「犬願望」から「ごめんね、犬のお母さん」へ
気持ちが変化した頃、長女誕生

生まれたばかりの赤子は想像以上にか細く
ふにゃふにゃと心もとない気がした
これほど頼りなさそうな姿で生まれるのは
人間の子供だけだな、象になりたいぞ・・・
少し考えを改め(?)る

長女3歳の秋、七五三
着物の帯を締める時、急に気分が悪くなり、数日後
ふたりめの子供を宿している事を知った
今回の願いは、象みたいな育児!(笑)

が・・・この「象願望」もすぐに撤回された
なにしろ2度目の悪阻は
次女を出産する当日まで続いたのだから
象の妊娠期間を思えばいわずもがなである

子供がふたりに増え
一瞬、カンガルーに憧れたりしたけれど
次女が歩けるようになった時点で
「カンガルー願望」もあえなく自然消滅

次女、かぞえの7歳、七五三
近くの神社にて手をあわせながら
やっぱり人間でよかったかも・・・と感じた

成長の早い動物の世界では
七五三を祝う暇などなく子は巣立つ
私はもうしばらく子供と手をつないでいたいのだ






ひとりでに

大きくなった

顔をして

私が小さき

子を生む不思議

某誌掲載歌
byTAMA
2001.11.18



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