[Franceのページへ] [南仏] [パリ美味しいもの] [パリ暮らし] [ノルマンディー] [サヴォア] [ベルギー] [アルザス]

ブルゴーニュ地方

食の都リヨン

綿密に言うとリヨンはブルゴーニュではなく、ローヌ・アルプ地方なのだが、私はこのリヨンとブルゴーニュのボーヌという街を一緒に旅したのでここに書くことに勝手に決めた。 パリからTGVで約2時間、パリが東京なら古都リヨンは京都といったところか。 街には地下鉄こそ走ってはいるものの、2日あれば見所は十分回れてしまうほどの小さなこの街がフランス第2の都市であるとは信じがたい。 山・川の幸にめぐまれ美食の地として名高いと聞いて、胸踊る思いでTGVに乗った。

リヨンで食べたもの

サン=ジャン大司教教会付近のレストランLe lyonnaiseでは98frsのコースを食べた。フランスのレストランのコースはアントレ(前菜)、プラ(メイン)、デセール(デザート)、をそれぞれ2−3種類の中から選ぶ方式。バゲットは食べ放題で、カフェは別料金。水道水は言わないと出してくれない。
*アントレ…サラダ・リヨネ(レタス、ポーチドエッグ、カリカリベーコン、クルトン、シブレット、をシンプルなヴィネガーのオイルで食べるリヨン風サラダ
*プラ…カマスのクネル(カマスをミンチしたボールの上にマヨネーズのようなソースをかけ、オーブンで焼いたもの、ここのはしょっぱくて魚くさくてあまり美味しいと思わなかった)
*デセール…クレーム・ブリュレ(フランスのどこへ行っても食べられるカスタードプリンざらめがけ)

フランス一美味しいショコラ

フランス料理の名シェフ、ポール・ボキューズの店BERNACHONというショコラやさんはあるガイドブックにはフランス一美味しいショコラやさん、と紹介されていた。ケーキ、ショコラを4つ買って一人で食べた。フランスにいる間なるべく地方へいってその土地の美味しいものを食べたいと思っていた私はよく一人でも旅行に行った。一人は気楽だし、語学の勉強にもなるので嫌いじゃないのだが、困るのは食事。友達とシェアすることができないから食べたいものは買っても食べきれなかったり、不経済だ。
古ぼけたホテルの部屋で一人寂しく食べたせいか、あるいはチョコレートクリームがあまり好きでなかったせいか、さほどの感動はなかった。私はチョコは苦い板チョコと、チョコレートケーキの中からトロッと溶けたチョコが出てくるショコラ・フォンダンという焼き菓子が一番好き。両隣にはサロン・ド・テと食材やさんもある。

レストランの夜

だいたいどこの街にもレストランが立ち並ぶ、ちょっと雰囲気の良い路地があって、私はそういうところでフランス人が楽しそうに食事をしている姿を見るのが好きだ。フランス人は自分の国の素晴らしい食文化を誇りに思い、食事の時間をものすごく大切にしているように思う。 夜ご飯は8時から始めるのが一般的でそれこそ、お酒を飲んでお喋りをして10時くらいまで楽しい時間を過ごす。
ホテルに帰る途中、あるカフェの中をふとのぞいたら、ピアノを弾きながら歌っているおじさんと目が合って、ついつい入ってしまった。 カフェ1杯8frs、200円で生のジャズ(ピアノ&歌)が聞ける、いくらでもそこにいられる。 とても贅沢な、得した気分になった。 2年前に旅行でN.Y.に行ったときにもたった600円(ドリンク代)でジャズの聞けるバーに行った時も同じように「すごいなぁ外国って!」って思った。

ボーヌへ向かう列車の中で思ったこと

リヨンから急行に乗って約2時間、「コート・ド・ボーヌ」で有名なワインの産地ボーヌへ向かった。 人から聞いた話によるとボーヌのレストランはハズレがなくどこも美味しく、ワイン市場では試飲もできるとか。

今になって思うとなんであんなに気持ちになったのか不思議なのだが、ボーヌ行きの列車の中でたまらなくウキウキしてすごく幸せな気分になった。 これから私は世界で一番美味しいワインの獲れる土地へ行って最高のワインをたらふく飲めるんだ、と思うとこれってすごいことだ!と興奮してきたのだ。

そこでとれる一番美味しいものを一番良い状態のまま食べることができるというありがたさ。 同時に、日本には日本の、土地の、旬のものを食べれる幸せに感謝しなきゃいかん!とも思った。
食文化だけじゃなくて、芸術なんかもそう。外国のものを取り入れるばかりでなく、もっと日本にある素敵なものを大事にしよう、フランス人が自国の文化を自慢に思うように、私は日本の文化ももっと知って、自慢できるようになろう、なーんてようなことまで考えていた、フランスの列車の中で。

感動のブフ・ブルギニヨン

仏ブルゴーニュ地方といえば、ワイン、マスタード、エスカルゴ、などで有名だが、私が食べたものの中で一番美味しかったのは、ブフ・ブルギニヨン(牛肉の赤ワイン煮込みブルゴーニュ風)だ。
ビーフ・シチューというよりも、たっぷりのワインで長時間煮込む柔らかい牛肉がメインで野菜は最後に付け合わせとして置くだけ。 とにかく赤ワインをたくさん入れるため、お酒に弱い人は酔っ払ってしまうほど。
ボーヌのレストランはどこも美味しいと聞いていたし、街自体がとてもこじんまりしているので、自分で適当な店を歩いて捜して入った。 ブルゴーニュの代表料理がコースで食べれて、テラスが素敵なRestaurant du Grand Balcon という店では、他にハーフの赤ワインとエスカルゴを頼んだ。 ボーヌの赤はタンニンが多く渋味が強いが、くせのあるエスカルゴや肉料理にはとても合う。 昼間からワインを飲み美味しいものを食べ、極楽極楽。

Marche aux Vins〜ワイン市場〜にて

街の中心部にはワインの試飲もできるカーヴ兼即売所があり、ここはワインの好きな人にはぜひ行ってもらいたい。
はじめ私はボルドーのシャトーに行きたかったのだが、街の中心部から離れていて交通の便が悪く、さらにシャトー見学には予約が必要と聞いてがっかりしていたら、友達がボーヌなら簡単に行ける、と教えてくれたのがここ。
約1000円で、赤ワインを中心に20種類の試飲ができる。薄暗くてかなり広いカーヴは一人だと不気味な雰囲気だ。ワインの名前の書かれたリストを渡され、値段や味についての感想を自分で書き込み、気に入ったものを買うことができる。 値段もものすごく安いらしく、送料を入れても日本で同じ物を買うのよりも割安なのだとか。ここから日本に送ることもできるそうだ。そこで私が購入したワインは以下の2本。

Hautes Cotes de Beaune 1992
Givry 1993

どちらもほどよく渋味があるけれど、「っシッブーい!」って顔を歪めるほどではなく、香り高いものだった。一本1200円くらい。 ここはかなりお勧め、皆さん是非行ってください。
2,rue Nicolas Rolin,21200,BEAUNE
tel;03 80 25 08 20


[Franceのページへ] [南仏] [パリ美味しいもの] [パリ暮らし] [ノルマンディー] [サヴォア] [ベルギー] [アルザス]