家を建てたいと考えた時、雑誌や展示場で高気密、高断熱という 言葉を聞く事になると思います。 そして、○○工法という名前が付いています。 ○○工法と名前が付いていますが、皆さんが求めているのは 夏涼しく、冬暖かいという家ではないでしょうか。 これは○○工法でなくても断熱材の入れ方、気密の保ち方、 窓にペアーガラス等を使用すれば可能です。 どの工務店でも大工さんでも作れます。 皆さんは言葉に騙されています。 ○○工法というと何かとてつもなく凄いことが可能な工法のように聞こえます。 工事業者(ハウスメーカーなど)はそんな皆さんの心の隙間に入り込んできます。 このページでは高気密、高断熱について解説しています。 そして、私が出会った「通気断熱WB工法」についても解説しています。 通気断熱WB工法の考え方は、とても自然の理に叶った考え方です。 夏涼しく、冬暖かい家の作り方の考え方をご説明させていただきます。
昔の家は、雨・風がしのげれば良かったです。それが、段々快適な室内空間を求めるようになってきました。 快適な空間はすごしやすい気温や湿度、新鮮な空気、風速などの条件が整った状態です。 こんな状態を作り出す事は自然界と喧嘩をしている事になるのではないでしょうか。 寒い時に部屋を暖かくしたり、暑い時は冷やしたりする事は自然現象に対抗している行為としか思えません。 この喧嘩はかなり人間に不利な状態です。技術の進歩によって快適な空間を手に入れようとジタバタとしてきましたが、未だに問題を残しています。 自然に勝とうとして無理をしている為に問題が発生しています。 これから紹介する通気断熱WB工法は自然の力と技術の進歩を融合した工法で、自然現象を利用しながら快適な空間を作り出せる工法であると私は考えています。(工法となっていますが、作り方ことです。) 是非、家作りの参考にして下さい。
家を建てようと考えた時、雑誌や展示場で「高気密、高断熱」という言葉を耳にすることが多いと思います。 家を高気密化するようになったのは最近です。 これは、密閉した住宅です。ビニールシートで家を覆って冬の隙間風が入らないようにしています。 家に隙間があると風や温度差によって外気が室内に入り込みます。 風は外壁があればかなり入りませんが、風が建物に当って起こる、圧力差によって室内に入り込んできます。 北風の場合、北面に風が当り圧力の高い状態(正圧)になります。南面は風により空気が引っ張られ圧力の低い状態(負圧)になります。 この時、気密が悪いと、南面から部屋の空気が外に引っ張り出される事になります。負圧だからです。 北面からは空気が入ってきます。正圧だからです。気密が悪いと圧力差によって空気が出入りします。このような現象が、風による隙間風です。 次に温度差による隙間風ですが、空気は温まると軽くなり上昇します。冷たい重たい空気は降りてきます。 部屋の温度が上がると暖かい空気は上に移動します。そして、天井や壁上部の隙間から空気が出て行ってしまいます。床と壁の下部では負圧となり、隙間から冷たい重い空気が入って来ます。これが、温度差による隙間風です。 この風と温度差による隙間風を防ぐ為に気密シートが使われるようになりました。 気密シートはビニールシートの事で、湿気も通しません。家の屋根や壁、床に張ります。このシートで隙間なく包み込むことで、冬の寒い空気や夏の暑い空気が入らないようにしています。タッパーや魔法瓶のように中に空気が入らないように遮断しています。 これが、気密です。気密にすることで、隙間風が防げるのです。 次に結露ですが、空気の中の湿気が水になってしまう事です。皆さんがよくご存知なのは、寒い冬にガラス窓に付く水滴です。 実は室内の壁にも水滴が付いている場合があります。室内の壁が冷たければ水滴が付きます。防止策としては断熱材を壁の中に入れ壁の表面温度が下がらないようにする方法があります。断熱材については後ほどお話します。 続いて、内部結露を防止する為に使われている気密シートについてお話します。(内断熱についてです。) 内部結露とは壁の中に湿気が入って、結露を起こしてしまう事です。 壁の中に水分があると木が腐ったりカビが生えたりします。この内部結露は建物の骨である木にとって対敵となります。(適度な湿気は必要で多すぎるのが問題である) 又、湿気を吸ってしまう断熱材ではカビが発生したり、水分を含んで重くなり壁の中で下がってしまいます。 湿気は人間が生活をしていると大量に発生させてしまいます。水として考えると4人家族で1日当り6〜10リットルの発生量と言われています。 壁や天井に気密シートがないと湿気が壁や天井に入り込みます。ガラス面の水滴と同じように、見えない壁の中で冷たい面(外壁)と接触することで水滴となってします。これが、内部結露です。 この結露は吸湿性のある断熱材の内部でも起こります。 この内部結露の防止の為に壁の部屋側に気密シートが張られました。気密シートを張る事で生活で発生した湿気を壁中に入れないようにした訳です。こうすることによって壁の中に湿気が入らなくなりました。 当然、内部結露が防止された訳です。 断熱材は熱を伝え難いという性能を持った材料です。この断熱材を床、壁、屋根、天井などに入れ、部屋を外部と区画します。外部の熱が伝わり難い部屋の完成です。 夏は暑さを部屋に伝え難くします。冬は寒さを部屋に伝え難くします。それが断熱材の役目です。 熱を伝え難いので部屋の空気は外気温によって、冷えたり、暖まったりし難くなります。 高断熱というのは断熱の性能が更に高いという事であり、より熱を伝えづらい材料という事です。 今、高断熱は余り問題になっていませんが、化学物質を含む断熱材があります。 又、地球環境の問題でオゾン層の破壊が指摘されているフロンガス、温暖化の原因となる代替えフロンガスなどを使用している物もあります。 このような問題の無い断熱材を早急に開発するなど問題を解決しなければならないと思います。(高い材料では完全な自然素材の物もあります) 大体、高気密が必要とされる理由、気密シートが必要とされる理由、高断熱が必要とされる理由はご理解頂けたかと思います。 それでは、高気密についての問題点のを話します。 前々から、シックハウス症候群の問題が社会問題となっていました。化学物質の人体に与える影響です。 現在はシックハウス対策ということで法律が出来、施行されています。 これは化学物質が蒸発して気体となり、室内の空気を汚染して人間に害を与えるているので規制しますという法律です。(発ガン性のある物質) ビニール臭かったり、シンナー臭かったら、化学物質が揮発して臭っていると思っても良いでしょう。 化学物質は毒薬の物が多く、床材や壁材をカビや害虫から守る事と接着剤として利用されてきました(ホルムアルデヒドなど) しかし、毒薬なので人間に害があるのは当たり前のことだと言えます。 高気密=密閉にする事によって、床や壁から出る化学物質を部屋の中に閉じ込めてしまっているのが、今の住宅です。 密閉しているので濃度が増し、人体に影響があるという濃度になってしまいます。(実際は濃度が低くても発ガン性の疑いがるので怖い。化学物質は無い方が良い) そこで、法律で化学物質の揮発量の制限をし、換気扇を付けることで部屋の中の化学物質濃度を下げようという規制が生まれました。これがシックハウス規制です。 法を守れば安全な家とは言えません。ですが、化学物質を一切使わない家を建てることは難しいです。 今できる範囲で少なくするということが最善の道だと思います。 続いて、計画換気とはそれぞれの住宅の必要換気量を算出し、必要な量だけの換気を行おうとするものです。それは、冷たい空気を必要以上、住宅内に入れない事で省エネをしようという事です。 新鮮な空気が行き届かない場所が出来ないように空気の流れを作ろうとしています。 室内の空気は換気行為によって、家の外に出た量と同じ量の空気が入ってきます。(第三種換気 排気型)家の中の空気の量は常に一定ですので、空気の入り口と出口を出来るだけ遠くに配置し、新鮮空気が家全体に行き渡るようにという考え方をしています。 ストローと同じ状態を作ることで空気の流れを家全体に起こそうとしています。 ストローは吸い込んだ量だけ、反対側の入り口から新鮮空気が入ってきます。この法則を利用しようとしています。 キッチンやトイレ、浴室、脱衣室などの湿気の多い部屋に排気用の換気扇を取りつけ寝室やリビングなどに給気孔を取りつけます。そしてドアーにガラリや隙間を設けてリビングなどから入った外気が次の部屋に移動して行くようにしています。(第三種換気 排気型) ですが、タンスの裏側やソファーの裏側等必ず空気は停滞します。物の影になるからです。また、作られた空気の道は入り口から出口まで直線状になります。(風の道)つまり、外から入った空気は引っ張られて入ってきたので引っ張られた先に一直線で向かってしまうという事です。窓を開けているのに暑い場所と風が通るのがわかる場所がある事は皆さん経験されていると思います。 空気は交じり合い難い性質を持っています。タバコの煙が見える事を考えてください。部屋の上部に煙が停滞している状態を見た事があると思います。これは、空気が混じらない状態です。(空気が動く事で多少は希釈されている) 新鮮空気が一瞬にして部屋の中の空気と交わるとがなく、風道が出来てしまう理由がわかって頂けたかと思います。 風道の近くの汚れた空気は一緒に排出され易い状態ですが部屋の中の物陰の空気は汚れたままで淀みます。汚れた空気は必ず部屋から排出されるとは限らないという事になります。 更に言うと、冬の空気は冷たく床に下がります。下がった新鮮空気がドアーなどのスリットから次の部屋に出て行く事になります。当然、天井付近の空気とは混じらずに次の部屋に行ってしまいます。 以上の事から計画換気が完璧で無い事を理解して頂けたかと思います。 計画換気では汚れた空気や化学物質、湿気を完全に排除する事は出来ません。それは上記のように空気が淀んだり、全ての空気が完全に入れ替わる事が無い事から理解して頂けたのではないでしょうか。 注ここで例に上げている計画換気は第三種換気(排気型)です。沢山の方式を書いてしまうと解り難くなってしまうのでこの方式について書きました。この他の換気システムについては別の資料を参考にして下さい。 次に化学物質の続編です。 化学物質を揮発するのは床材や壁材、天井材だけではありません。家具の接着材やカーテンの防炎材、おもちゃ、衣類などありとあらゆる生活用品からも出ています。これは、住宅が完成した後に化学物質が持ち込まれる事になります。 ハウスメーカーでも新築時に化学物質の濃度を測定する所があります。入居後に濃度測定をしない理由は家具などが入ってしまうと濃度が上がるからです。つまり、家具などが入った後では化学物質の濃度が上がってしまい下げる事が出来ないからです。 計画換気量以上の化学物質の揮発量があった場合、部屋に揮発した化学物質は残ってしまいます。よって、化学物質が高濃度な住宅になってしまいます。すると、シックハウス症候群などの病気になったり、カビやダニが発生し易く、アレルギーや喘息になる可能性が高くなるという事です。 この高気密住宅は病める建物とも呼ばれています。空気が淀んだ部分がある以上健康的ではありません。
3・高気密の問題
高気密にする事での私の考える問題点を上げます。 内壁側を防湿シートで覆う事の問題点です。(内断熱工法での高気密=密閉) 空気を密閉してしまうので内部の空気が汚れたままになる。(換気が無い場合) 湿気を密閉してしまうのでカビやダニが繁殖し易い状態になる。 化学物質を密閉してしまうので化学物質濃度の高い部屋になってしまう。 壁の内部に室内から湿気が入らないように防湿シートを利用しているが、夏は外部から湿気が入ってしまう。そして、構造によっては、一度入った壁の中の湿気はなかなか外に出ず、カビや腐れの原因となる。 計画換気では空気の通り道以外は空気の淀む部分が出てしまう。 計画換気ではソファーや家具の裏側に入った湿気は排気出来ない。 化学物質の揮発は建材だけではなく、家具やカーテンなどからも出ているので、計画換気で設定されている換気量よりも必要とされる場合がある。(各家庭によって持ち込まれる化学物質の量は違う量になる)
以上です まとめると、密閉状態という事は空気の出入りが無いという事です。空気は汚れ、湿気が淀み、化学物質は室内に溜まります。更に完全密閉の場合は人間は生きて行けません。 それが、多少の空気を入れ替えるだけで、果たして人間が健康に生きて行くことが出来る空間にする事が可能なのでしょうか。 とても、問題のある空間だと思います。 計画換気は内部空間を密閉したのにもかかわらず、外気が入るように穴を空けるという矛盾をしています。 それは、人間に新鮮な空気が必要だからです。人間に必要な空気量以外は計画的に室内に入れないようにしています。 これは、寒さを出来るだけ入れないという考え方から来ています。 ですが、人間に必要な空気の量はいろいろな条件で変わります。来客が大勢あれば必要な空気の量も当然多くなり、ガスなどの燃焼器具を利用する場合にも普通以上の空気が必要になります。 人間が生活する全ての状態を想定した換気システムはまだ存在しないと思います。 又、そんな事を実現する事はとても難しいと思います。それは、人間が生活しているという事は、刻々と新鮮空気の必要量が変化するからです。その変化に対応出来る換気システムを作り出す事はとても難しい事は理解してもらえると思います。 上記にもありますが、壁の中に湿気が入り込み続けたり、入った湿気の出る所が無い場合、内部の木はカビたり腐ります。家の寿命を縮める原因になります。壁の中が自然な湿度以上になる事が問題になります。 逆に言えば外気と同じ湿度であれば問題が無いという事が言えます。 これは、正倉院などの木造建築物が今でも腐らずに存在する事を思えばなんの不思議もありません。(木材の場合含水率が18%以下であれば腐らない) 外気と同じ湿度の状態に木材の環境が保たれていれば木は腐らないのです。 高気密の場合は湿気を壁の中に入れない為に防湿シートを張っています。室内の湿気を壁の中に入れない事で外気の湿度と壁の中の湿度を同じになるように考えられたと言っても良いかも知れません。 ですが、防湿シートを張る事で室内の湿気を壁の中に入れない事は出来たかも知れませんが、室内を密閉する事になってしまいました。 壁の中に入る湿気は止まるが汚染された空気を密閉してしまうという事です。 空気汚染については幾ら化学物質の揮発量の少ない材料を使おうとも無くなる訳ではありません。少なからず空気は汚染され続けます。外気より危ない空気という事が言えます。(外気が汚染されている場合は別)この空気の淀む部分があるという事はその汚染された空気を人間が吸ってしまう可能性があるという事です。これは、問題ではないでしょうか。 この問題点を完璧にクリヤー出来る工法を私は知りません。
4.通気断熱WB工法
上記の問題点の解決をしている工法は通気断熱WB工法だけです。(私の知る限り) 上記の番号に合わせて通気断熱WB工法が問題をどのように解決しているかを書き出します。 春から秋に掛けては通気層から新鮮空気を積極的に取り入れています。(通気巾木)通気層から空気が室内に入り込みます。冬は夏場より流入する空気の量を減らしています。(通気巾木を閉める)これは、暖かさを確保する為です。 空気は夏場よりも冬場の方が汚染されている事になります。ですが冬場と言えども、気密住宅よりも多い新鮮空気を自然換気で行います。 空気の入れ替え回数はかなり多い状態になると思います。(隙間風による換気) 室内の春から秋までの湿気は通気層を通して外に排出し、冬は木材に湿気を吸わせる事で室内の湿度を調整しています。 冬、吸われた湿気は夏に蒸発して通気層を通って外部に排出されます。つまり、1年周期で湿気対策を考えているという事です。(冬の間の人間が出す湿気量程度は木材が吸ってくれます) カビや腐れの菌は木材の含水率が18%以上になり、気温が10度〜12度位から活動し始めるので冬は繁殖し難い状態と言えます。(含水率は夏場に木材が乾燥するので冬場で18%を超える事はない) 高気密の住宅では冬の湿気を壁の中に溜め込み、暖かくなってカビや腐れが発生し始めます。こちらも1年周期で起こると考えて良いでしょう。(各工法の条件による) 揮発した化学物質は湿気と同じ水蒸気なので、夏も冬も湿気と同じ考え方で、通気層から出たり、構造体が吸ってしまうので濃度が上がりません。(防虫剤などの濃度を高くするものが無い場合) 春から秋は通気層(湿気の抜け道)があるので湿気は通気層から外部に出てしまいます。冬は木材が湿気を吸って調湿しています。ですので、通気層の湿度は高くなる事が無い為、カビや腐れが起き難い状態です。そして、木の部分の空気が動いているので、繁殖し難いという事も言えます。又、冬は温度も低いので繁殖し難い状態になります。(高気密の住宅は壁の内部まで密閉されているので空気が動かず、温度が上がると腐れてくる) 室内の空気は通気巾木(換気口)により自然換気が行われている この換気口は壁の中の空気を部屋の中に取り入れているので外気より冬は暖かかく、夏は冷たい。(ちょっとだけ) 壁、天井が透湿性のある材料で作られているので湿気は壁材に吸われ、そして、通気層に移動して行く。つまり、家具の裏側の湿気は壁に吸われてしまうという事です。(湿気は湿度の低い方に移動する) 揮発した化学物質は湿気と同じような空気中の水分なので夏は通気層から外部に排出されます。 冬は通気層から外部に出る量が少なくなります。ですが、湿気は乾燥した木材に吸われてしまいます。ですので、濃度があまり高くなりません。ただし、発生量があまりにも多すぎると濃度は上がってしまいます。(部屋で防虫剤などを使った場合) 上記の説明では、解り難いと思われますので図示します。 通気断熱WB工法の夏場の状態です。 通気断熱WB工法の夏場の考え方を順を追ってお話します。 夏の熱は殆どが日射によるものです。 この日射によって屋根と外壁が熱を受けます。この熱が部屋の中を暑くしています。 通気断熱WB工法では、2重の通気層を設ける事で熱を排出しながら、断熱材によって部屋の中に熱が伝わり難くしています。 屋根からです。 屋根は太陽の日射によって暖められます。この屋根材の温度は70度〜80度程度まで上がります。この熱がそのまま、小屋裏に伝わってしまうと、2階が熱くなり、俗に言う「焼け込み」という状態になります。この焼け込みを防ぐ為に屋根材の下に屋根裏通気層を設けて換気棟から熱を逃がします。 軒先から入った空気が温められて、上昇気流を作り、換気棟から外部に出て行きます。暖められた空気を外に出す事で廃熱をしているという事です。 又、屋根裏通気層内の空気の温度は高くなるので、屋根裏通気層の下に断熱材が必要になります。この断熱材があるので、小屋裏通気層に熱を伝え難い状態を作る事を可能にしている訳です。 ですが、小屋裏通気層にも断熱材では熱を止め切れず、熱が伝わります。 ですから、小屋裏通気層の空気も温度差による上昇気流の原理を使って、換気棟から廃熱しています。 これは、屋根裏通気層と小屋裏通気層の2重通気層があるという事になります。2重の通気層がある事で通常の工法より更に部屋まで熱を伝え難くしていると言えます。(殆ど外気温と同じになる) 外壁は屋根ほどではありませんが、強い日射を受けています。 特に、東面と西面の日射の量は多くなります。(水平な屋根面より2/3程度の熱の量がある)この日射によって暖められた外壁の温度を室内に伝え難くする為に、外部通気層を設けています。 外壁の熱が伝わった空気を温度差による上昇気流の原理を使って外壁上部の換気孔から外に出しています。これは、屋根と同じ原理の考え方です。 外部通気層は内側の断熱材を暖め難くしています。又、断熱材は部屋側の通気層へ熱を伝え難い状態にしていると言えます。 ですが、部屋側の通気層の空気も断熱材から伝わる熱によって暖められ、通気層内に上昇気流を発生させます。この上昇気流は小屋裏通気層を通って換気棟から外部に出て行きます。断熱材から伝わった熱が通気層の空気を暖め、上昇気流によって、外部に排出できるようにしているのです。 よって、部屋の壁材を暖め難くしていると言えます。 外壁も屋根同様、2重通気層となっているのでより、室内に熱を伝えない構造になっているのです。 ※断熱材は温まらないという事はありません。温まり難いという事です。通常は断熱材からの熱が部屋まで伝わってしまいます。 外部通気層は外気を温度差による上昇気流によって、引っ張り上げる事になっていますが、内部の通気層は床下換気孔から床下に入った空気を引っ張り上げる事になります。 床下の空気は地熱によって冷やされます。その冷やされた空気を内部の通気層が温度差による上昇気流によって、引っ張り上げます。外気より冷たい空気を引っ張り上げる事になり涼しいのです。 ただ、床下に入ってきた空気が地熱によって冷やされるより早く、通気層に引っ張り上げられてしまいます。 ですので、冷却効果はそれほどありません。わずかですが北面は効果が大きいようです。(南面より気温が低い為) 湿気については通気層内の方が部屋の中より湿度の低い状態になります。 上記にもありますが、人間が出す水蒸気は1日に4人家族で6〜10gです。人間が部屋に居るだけで水蒸気は出ていますし、入浴や調理などの生活行為でも水蒸気を出しています。部屋の中は外部より、常に水蒸気の多い状態になるということです。 通気層内は大量の空気を排出していますので外気と同じ湿度になり易く、湿度の低い状態です。ですので、水蒸気は部屋の中から通気層に移動します。 又、気温が高い場合と低い場合を比べた時、空気中の水分が同じ量だとすると、湿度は高い温度の方が低く、低い温度の方が高くなります。これは温度が高い空気の方が水分を多く含む事が出来るからです。 湿度というのは空気が含む事が出きる水分量と現在の水分量の比率です。 通気層の方が断熱材から伝わる熱がある為、温度が高くなり、湿気を室内より多く含む事が出来る状態になっています。 湿気は湿度の高い方から低い方へ移動して行きます。これは水分を多く含んだ空気の方が重く、その重さによって、移動しているという事です。 ですので、部屋の中の湿気は通気層内に移動するのです。 気が付いた人もいらっしゃるとおもいますが、上記は日中の日の当る時の事です。夜間や北面は日射による温度差が無かったり、起こり難くなります。 夜間は柱や梁、間柱などの木材が活躍します。木材はとても調湿性能の高い材料です。木材の調湿性能というのは湿気を吸ったり、吐いたりする性能が高いということです。木は湿度を調整してくれます。 通気断熱WB工法は昼間、日射による温度差により、通気層内に面している木材が乾燥しているので、夜は乾燥した木材が室内の湿気を吸ってくれます。空気中の水分が多いと重いので木材の穴の中に水分が入り込みます。湿度が低くなると水分の放出が始まります。木材などの調湿性能を持った材料は常に湿度を40〜60%の間で保とうとします。そういう性質を持っているのです。その性質を利用して通気断熱WB工法では夜間の湿度調整をしています。 北面についてですが、こちらは東西南面に助けられていると言えます。日が当らないので温度差による上昇気流が生まれ難い状態です。北面では東西南面でおこる調湿効果により北面の木材が調湿されていると言えます。 通気断熱WB工法は北面も他の面と同じ作りになっているので、部屋の湿度が下がれば、水分を放出します。調湿においては活躍しているのです。 壁材はどの面も透湿抵抗が低くい材料で作られています。湿気においては部屋の中に壁材がないのと同じ状態だと言えます。これは、部屋の中に柱や梁、間柱が露出しているという状態になっているということです。ですので、木による調湿効果が期待できる訳です。 この様にして通気断熱WB工法では湿度を調整しています。 ではなぜ、湿度調整をしなければならいかと言うと、気温が同じ場合には湿度の低い方が涼しく感じます。これは、人間の出している汗が蒸発し易いからです。 人間の体は36度程度の体温があり、汗を出す量を調整する事で体温を一定に保つように作られています。湿度が高いと体が出した汗が蒸発し難くなり、体温が思うように下がらなくなるので暑く感じるのです。蒸し暑いと感じます 夏、涼しく過ごそうと思った時には湿度調整が必要不可欠となります。 エアコンの除湿は清々しさを助けています。エアコンの効いた部屋では湿度が下がっていますので汗がすうっと引くという経験をされている人は多いはずです。 通気断熱WB工法では上記のように湿度を下げていますので家の中が涼しく感じるという事が理解して頂けたかと思います。 室内の湿度は結露という意味では関心が持たれますが、快適空間を確保しようとした時の湿度はあまり、関心が持たれません。ですが、以上の事から快適空間を考えた時、湿度調整は無視出来ないものである事が理解して頂けたかと思います。 高気密の家ではこの湿度に対しての対応を計画換気だけに頼っています。 淀む部分がある以上難しいのではないかと思います。(湿気は床に溜まり易いので天井付近の換気扇では吸いきれない) 室内汚染については化学物質が揮発して汚染していると言えます。 ホルムアルデヒドもVOCも化学物質が水蒸気という水分になって空気中にあるという事だと言えます。 つまり、湿気という事になります。 通気断熱WB工法では上記のように湿気(揮発した化学物質)を常に通気層を通して排出していますので部屋の中の濃度をかなり下げられます。これは、実験でも明らかになっています。 部屋の濃度よりも、通気層の濃度が高く、通気層側に化学物質が移動している事も確認されています。 大量の空気を常に通気層内に入れ、部屋の湿気(揮発した化学物質)を常に外部に排出しているのです。 湿気が壁材を通過するのは透湿性の高い材料を使う事で可能です。 仕上げ材には透湿性のあるクロスや和紙、布、珪藻土などを用います。 下地には石膏ボードを用います。石膏ボードは透湿抵抗が低く、調湿性能はあまりありません。 水分(湿気)を通し易く、溜め難い性質を持っています。 通気層は部屋の中より湿度が低いので部屋の湿気は通気層に移動します。揮発した化学物質が湿気(水分)として通気層側へ移動する訳です。そして、通気層から小屋裏通気層、換気棟へと移動し、外部に排出されます。 以上の事から通気断熱WB工法が化学物質の排除に優れてい事が解って頂けたかと思います。 化学物質の排除と湿気の排除は同じ事として考えられます。 ただ、全ての化学物質を排除出来ている訳ではありません。揮発している化学物質に限ります。少しでも、大きな粒子になると、当然、壁材を通過する事は出来ません。粉塵は出せないという事です。この粉塵の排出には換気扇を使うしかありません。 通気断熱WB工法では室内の給気口として、通気巾木があります。これは、通気層内の空気を取り入れるものです。換気扇で排気をして、通気巾木から給気しています。この通気巾木は手動ですので、換気扇を付けた時に手動で開きます。そして、通気層内の空気を給気し排気の時に空気が外に出易くする訳です。 以上が夏場(春から秋)までの通気断熱WB工法の考え方です。 少しまとめますと、夏の暑さ対策は温度による上昇気流の原理を利用して対応しています。2重通気層によって、通常よりも室内に温度の伝わり難い状態を作っています。 湿気については外部から床下に外気が入り、土台上の換気口から通気層に外気が入ります。そして、温度差による上昇気流で空気が換気棟から外部に排出されます。この時、室内の湿気を一緒に外に連れ出しています。ですので、室内の湿度は下がり、快適な空間が生まれる訳です。 揮発性の化学物質については、湿気なので上記の湿気と同じ原理で外部に排出されるので、濃度を下げる事が可能となっている訳です。 次に通気断熱WB工法の冬場の状態です。 通気断熱WB工法の冬場の考え方を順を追ってお話します。 冬の寒さは外気の進入と外部から冷たさが伝わる事で寒くなります。 外気は屋根や外壁の隙間から室内に入り込みます。それから、寒さが屋根や外壁から伝わって部屋の中に入ってきます。 通気断熱WB工法では、通気層を設ける事で直接部屋に冷気が入り難くしています。寒さも通気層が緩衝帯となり、直接部屋に伝わらない状態を作っています。直接部屋の空気を冷やさないという事です。 屋根と外壁からです。 冬の換気口は形状記憶合金によって、閉じている状態になります。図の中の赤い線が閉まった状態を示しています。 換気口を閉める事で屋根裏通気層の空気と小屋裏通気層の空気、内部通気層の空気、外部通気層の空気が外部に出ないようにしています。 暖かい空気を出さないことで暖かさを保っています。気密を夏より高くしているという事です。そして、高断熱により寒さを伝え難くしています。これが基本です。 形状記憶合金付きの換気口は幾つかあります。換気棟と屋根裏通気層の入り口である軒先と外部通気層の上下の換気口、床下換気口、内部通気層の土台上換気口です。これらの換気口は全て気温が15度になると完全閉鎖します。これらの換気口を閉めるのは気密を高くする為です。気密を高くする事で隙間風に対応しています。 換気口を閉めるのは夏よりも換気の量を減らす事で暖気を外に出し過ぎない為なのです。 夏は人間にとっては必要以上の換気量となり、涼しく過せるようにしていて、冬は必要な換気量として必要以上の換気を行わない事で余計な暖かさを逃がさないようにしています。省エネです。(必要換気量となっているかは問題) 季節の変化に対応していると言えます。 換気口が全て閉まるのは夜です。日中は日が当るので屋根や外壁が温まり、形状記憶の換気口が開きます。ですから、冬でも昼間は換気口が開きます。そして、内部の空気が上昇気流によって排出されます。 これは、室内の換気という意味で必要な事だと考えています。内部の空気が排出されるので湿気を排出している事になります。又、新鮮空気を取り入れている事にもなります。 それから、換気口が閉まっているとはいえ、この換気口の気密性はそれ程高くありません。換気口には隙間があります。隙間があるので風による圧力差で自然換気が行われますし、室内の温度と外気の温度差による自然換気も行われます。ですから、高気密の工法より換気量の多い工法という事が言えます。 では、どのようにして寒さをしのぐかというと、内部通気層が大きな役目を果たします。風による圧力差で起こる隙間風と温度差による隙間風が入ってくるのは通気層です。通気層の空気が冷やされ、直接部屋の空気が冷やされる訳ではありません。ですので、直接的な寒さは感じなくて済みます。 ですが、部屋の外の通気層が冷やされ、現実的には部屋が冷えます。高気密より冷え易いと言えます。 部屋の中で天井付近と床付近の温度差が出易くなります。 そこで、通気断熱WB工法では天井対流扇を設けています。この天井対流扇は天井に取りつけられ、回転させる事で、上がった熱気を床に降ろしています。部屋の中の空気を攪拌して上下の温度差を無くしています。(1〜2度程度の温度差となる)右図参照 頭が温かく足が寒いという状態がなくなります。この天井対流扇は1部屋に付けるだけでなく、階段の吹き抜け部分に付ける事で効果を上げます。家中の温度差を少なくする事が出来ます。 天井対流扇が無い場合、右下図のように熱気が上昇して行きます。その熱気は天井裏へ抜けて行ってしまいます。これは暖まった空気の浮力によるものです。「熱気が上がって行くならば2階の方が温かいではないか」という人がいると思いますが、熱気は2階から小屋裏へと抜けて行ってしまいます。熱はどんどん小屋裏へ逃げて行きます。 この温まって上がった空気を天井対流扇を廻す事で下に降ろし、部屋の中の上下の温度差をなくしています。これは天井部分での温度を下げている事になるので浮力を小さくしている事になります。当然、天井裏へ抜け難くなります。 室内の暖かさは壁と天井からの熱伝導で逃げていくのが殆どです。一般的な住宅でも同じ理屈なので、天井対流扇を数カ所付けるだけでかなりの熱ロスを無くす事が出来、家全体を暖かく出来ます。 この天井対流扇は熱気の浮力を小さくしているので、温度差による自然換気を少なくするメリットも持ち合わせています。 それから、反対の話しになりますが、部屋の温かさは内装材から通気層に伝わります。内部通気層内で温度差による上昇気流が発生します。 それは、断熱材から伝わった冷たさが通気層内の空気に伝わり、部屋からは暖かさが伝わって来るからです。両者が揃った為に通気層内で上昇気流が発生します。 この上昇気流によって、通気層の下部では、部屋側の空気も引っ張るのですが、外部からも外気を引っ張る事になります。少し隙間のある形状記憶合金使用の換気口の隙間から、外気が進入してきます。 ですので、冬でも呼吸している事になります。 補足します。いくら外気を引き込むと言っても建物内部の空気が外に出なければそれ程入って来ません。それは、部屋の中の気積が変わる訳はないので出た量の空気しか入らないという事です。換気口を形状記憶合金で閉めてしまっているので、空気が外部に出難くなっています。ですから、外気は入って来難いのです。(入らないという事ではない) 天井対流扇で部屋の熱気が小屋裏に抜け難くなっていますので、小屋裏の温度は上がり難く、温度差による自然換気はかなり、小さくなっています。後は風で起こる圧力差の自然換気です。これも、形状記憶合金付きの換気口が閉まっていますので、それ程、大きなの換気能力がありません。ですので、冷気が進入し難くなっています。 それから、天井対流扇のメリットは他にもあります。 階段などの吹き抜け部分に付けられた天井対流扇により小屋裏通気層の温かい空気を部屋の中に引っ張り返し、床下まで降ろしています。 通気層内に伝わったり、入り込んだ暖かい空気は小屋裏通気層まで上がって行きます。そこで、天井対流扇を回し、天井面で負圧の状態を作ります。通気層を上がってきた暖気を天井面を負圧にする事で部屋側へ引っ張り込む事が出来る訳です。(少量) この時、内部通気層内の下部は上昇気流によって暖かい空気が上がって行きますので負圧になります。室内側では天井対流扇により壁下部は正圧になっているので、空気が出易い状態になっています。又、外部からは外気が入り難い状態(出て行かないから)ですので、部屋側の空気を引っ張り込み易い状態といえます。 下図をご覧下さい。 もう1度、空気の流れをお話します。通気層内の温まった空気が上昇気流で小屋裏通気層に上がり、天井対流扇により、部屋の中に引っ張り込まれ、床面に降ろされます。そして、通気層下部が空気の上昇気流によって負圧になっていますので、部屋の下部から空気が通気層内に引っ張り込まれる訳です。 天井対流扇を利用するメリットは小屋裏通気層の暖気を部屋側へ引っ張り込める事と新鮮空気を室内に引っ張り込める事にあります。熱ロスを少しなくしているのと換気の為です。実際は熱ロスよりも換気の為と言えると思います。 部屋を冷え難くしているのは断熱材と内部通気層です。隙間風を防いでいるのは天井対流扇と形状記憶合金の換気口・通気層です。家中の温度を一定にしているのは天井対流扇です。熱ロスを少なくしているのは天井対流扇と形状記憶合金の換気口・断熱材です。換気を促進しているのは天井対流扇です。 通気断熱WB工法では、以上の装置や材料を使う事で家を暖かく保っています。 ※家全体の自然換気量や熱ロスを実際に計る事は不可能です。ここで、書いている事も机上で考えられる事ばかりです。実際に全てがこの通りになっているとは考えないで下さい。 家が自然界に建っている気象条件は刻々と変わって行きます。又、地域によっても気象条件は違います。春夏秋冬があり、晴れた日や雨の日、曇りの日、雪の日などもありますし風の強い日、弱い日もあります。又、朝昼晩でも日光の条件が変わります。そして、東西南北面の外部に面している条件も刻々と変わります。これらの全ての条件に対応出来るという事になると、建物自体が変化しなければ不可能です。夏と冬の条件は反対ですし、夜と昼の条件も反対です。 建物が変化しない限り、反対の状況に対応しようとしても無理です。 人間はこの無理な条件に抵抗しようとしています。抵抗する事が悪いとは言いませんが、きっと自然には勝てないのではないでしょうか。ですので、自然に逆らわず自然体で生活する必要があると思います。 冬の湿気については木材が吸ってくれます。木は調湿性能の高い材料です。湿気を吸う能力が高いという事です。又、湿度が下がると湿気を吐き出してくれます。 春から秋までの間、通気層を上昇気流によって外気が流れます。ですので、木材を常に乾燥させている事になります。ですので、冬場の水分を大量に吸う事が出来ます。 これは、冬の間の室内の湿気を吸う事が出来るという事です。40坪程度の住宅1軒の木材量があれば4人家族の生活で発生する水蒸気量を500日程度、吸い続ける事が出来ます。 それだけの大量の水分を吸っても木材は腐る事がありません。それは、春から秋までの間に乾燥させているのと、木材が密閉されていない事、木材の腐る含水率18%にはなり難いからです。(条件が悪いと含水率が18%になりえます) 冬場の外部の湿気は温度が低いので、空気中に含まれる水分量が少ないという事が言えます。この温度が低く、湿度の高くない空気が室内に入った時、室内での湿度が下がります。それは、水分の少ない空気が入って来るので、部屋の中の空気の水分量が結果的に減る事になるからです。ですので、冬場は乾燥し易いと言われています。 これは、室内の温度が高いので、空気を含む事が出来る量が多くなり、外気によって空気に対する水分量が減るので湿度が下がるという事になるのです(湿度は気温によって空気が含む事が出きる最大量と水蒸気との割合)湿度を誤解されている方が多いので注意して下さい。 高気密の住宅の場合、部屋の温度が高く、水分の発生量が少なければ湿度が低い状態になります。ですが、この部屋の温度が下がると湿度が上がる事になります。 高気密の住宅でも部屋の温度が下がるとガラス面に結露が起こります。これは、ガラス面の空気が外気によって冷やされ、ガラスに接している空気が湿度100%になってしまい、結露するという事です。(湿度が100%になると水蒸気は水になってしまう) 高気密住宅の場合は湿気をビニールで覆い、外に出ないようにしているので、水分の逃げ場がなく、部屋の温度が下がると空気が水分を含む事が出来なくなり、一番冷えているガラス面で結露します。ただ、一般的に部屋の温度が高断熱の為に下がり難くなっていて暖かく結露しないという事が多いようです。更に、暖房器具が燃焼時に水分の出ないFF式やパネルヒーター、エアコン、床暖房などで行われていると結露は起き難いです。(水分の発生源が減るという事)湿度が低くなり結露する温度になり難くなります。 通気断熱WB工法では壁材は透湿性が高い(特別な材料ではない)ので湿気においては存在しないのと同じ事になります。(ちょっと大げさな表現です)部屋が木材で囲まれている状態に近くなります。(急激な湿度変化には対応出来ない)木材の調湿性能が100%生かされるという事になり、部屋の中の湿度を40〜60%に保つ事が出来ます。 湿気は木材が常に調湿してくれます。部屋の温度が下がっても、湿気を木材が吸ってしまい湿度は上がりません。40〜60%に湿度を調整してくれます。 ですので、快適な湿度を確保でき、結露を起こす事が少なくなります。 これは、木の特性を生かしているという事になります。特性については別の書籍を参考にして下さい。(壁装と調湿ー彰国社を参考にして下さい) 冬の湿気は木材が全て吸っている訳ではありません。上記にもありますが、冬でも形状記憶合金の換気口が開き、上昇気流が置きます。ですので、換気が行われている事になり、湿気が外部に排出されているのです。でも、この湿気の排出はプラスα程度です。冬場の湿気対策は木材の調湿性能に頼っています。そして、木材は期待に答えてくれています。それと高断熱による室温低下の防止も必要です。 冬場の揮発性化学物質の発生量は温度が低い為、夏場よりも少ないです。ですが、発生しない訳ではありません。 冬場も夏場と同じく通気層側の方が湿度の低い状態になります。外気が少量入るのと木材の調湿効果で室内より湿度が低い状態になるのです。室内の湿気は通気層側へ移動して行きます。この時、揮発性の化学物質も一緒に通気層内に移動してきます。そして、木材が吸ったり、通気層から外部に排出されます。 ですので、冬でも室内の揮発性化学物質の濃度は低い状態になります 少し問題があると思われる事は木の吸った化学物質が部屋の湿度が下がった時、吐き出され、室内に入り込む事です。これは、冬場の換気口を形状記憶合金を使って閉めてしまうので、通気層内に入った化学物質が外に出て行き難くなってしまうからです。ですが、実測値は低い状態です。10社のハウスメーカーの住宅と通気断熱WB工法を実際に計測してみた結果は一番低い状態でした。(信州大学調査結果)理論的には冬場でも通気層から抜けて行く化学物質がある事と木材が吸っている事が考えられます。この調査は年間を通して行われた結果です。 高気密との違いは換気量が多い事です。排出される化学物質の量も多い訳です。更に湿気を通気層側に呼び込んでの排出しているので、他の工法より排出され易い状態です。高気密の計画換気では湿気だけを排出している訳ではないので、その効率が通気断熱WB工法ほど良くない事は理解して頂けるのではないでしょうか。計画換気は化学物質の排出において通気断熱WB工法ほどの効果がないという事です。 粉塵の排出については夏場と同じく換気扇で行います。そして、空気を出す為には給気が必要なので、内部通気層に繋がっている通気巾木から空気を入れています。通気層内の化学物質を部屋の中にもう1度戻す事になっています。これは、問題です。ですが、今のところ断熱効果(冷気の直接進入の防止)を優先して考えています。実際に部屋の中より通気層の化学物質の濃度は高いのですが、すごく高いという事ではなく、部屋の中より高いという事です。(他の工法より低い)内部通気層がある事による断熱効果(冷気の直接進入の防止)の方がメリットが高いという見方をしています。
以上が冬場の通気断熱WB工法の考え方です。 少しまとめますと、冬の寒さ対策は形状記憶合金を利用した換気口を閉める事と高断熱で対応しています。 通気層を閉める事で隙間風が入り難い状態を作っています。それから、熱気を出難くしています。そして、断熱性能が高い断熱材を使う事で寒さを伝わり難くしています。 形状記憶合金の換気口は隙間がありますので少量の空気の出入りはあります。入った少量の冷気が直接部屋に入らないようにしているのが内部通気層です。外の冷たい空気は内部通気層に入り、隙間や通気幅木から部屋の中に入ります。 自然換気でありながら直接外気が入らないので部屋が寒くなり難くしているという事です。そして、天井対流扇を回す事で上下の温度差をなくしています。上下の温度差がないので座敷やコタツ利用時も暖かく過せます。 湿気については基本的に木材の調湿性能を利用しています。換気口が形状記憶合金によって閉まっているので気密が少し高い状態になっています。湿気は外部に排出され難い状態になっていますが、内装材に透湿性能が高い材料を使う事で湿気が通気層内の木材の所まで簡単に行ける状態を作っています。そして、木材に調湿させる事で湿度調整をしています。ガラス面が結露する事が少なくなります。 それと、木材は春から秋までの間に乾燥させられていますので湿気を吸う事が沢山出来る状態です。冬場の湿気程度であれば吸い続ける事が出来ます。 揮発性の化学物質については、湿気なので上記の湿気と同じ原理で木材に吸わせます。また、少しは換気口の隙間から排出されます。ですので、濃度を下げる事が可能となっている訳です。 人間が自然体で生活をするには新鮮な空気が必要不可欠ではないでしょうか。住宅内に新鮮空気をいっぱい入れ、部屋中に行き渡らせる必要があると思います。大量の新鮮空気を室内に入れる事は夏においては良いのですが、冬は新鮮空気と一緒に寒さも入れてしまう事になり厄介です。新鮮空気を取り入れながら寒さを防がなければなりません。通気断熱WB工法では上記のように内部通気層を取り入れる事で夏と冬に対応しています。 通気断熱WB工法は季節によって変化する住宅を作っていると言うことが言えると思います。 さまざまな実験でも良い結果を出しています。そして、一番感じる事は空気が新鮮に感じるという事です。臭いもしないですし、澄んだ感じがします。この辺は体験して頂くしか方法がありません。興味を持った方はご連絡下さい。