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・半田付けの代わりに圧着端子を使った工作例を紹介しています。
工作例:LEDがふんわり消える回路,チラッチラッと光る回路,点滅する回路,電子サイコロ
・同じ回路図でも,底板やスペーサの選び方によって手作り感やオリジナリティの高い仕上げが可能です。
・回路の動作説明は,初心者向けの平易な説明と,回路学習用の技術解説の2つを付けました。
最近の更新(以前の更新)
2012/08/13 ”電子じゃんけん”の回路を修正。
2012/08/05 ”電子じゃんけん”を追加。
2011/07/30 ”LEDによる北斗七星”を追加。
危険事項についての注意を一読下さい。
【手順概略】
@電子部品の足にねじ止め用の金具(圧着端子)を取り付けます(Bを先にやっても良いです)。
Aスペーサ(支柱)に電子部品をねじ止めします(Bを先にやっても良いです)。
Bスペーサ(支柱)を底板にねじ止めします(回路実験だけなら底板無しでもOKです)。
【圧着端子の種類】
圧着端子は,ホームセンターや電設パーツ屋さんで売っています。買うのは,「丸形(R形)裸圧着端子」という種類です。寸法規格としては,次のような種類があります。
・0.3-3 市販の中で対応する銅線の径が最少です(単線0.32〜0.5mmぐらい)。しかし拙宅の近場に売っているところがありませんでした。"圧着端子 0.3-3"で検索すると通販で売っているところが色々見つかります。-3とは3ミリ(M3)のネジで止められる物です(以下同)。大同端子製造の物を手に入れましたが,外形は0.5-3より若干大きく,肉圧も微妙に大きいです。メーカによって違うのかもしれませんが,私は0.5-3の方が使いやすいと思います(個人の感想です^^;)。
・0.5-3 (写真 下側の右2個) たまたま寄ったパーツ店に置いてありました。税込みで100個735円でした。通販だと例えば楽天で"圧着端子 0.5-3"で検索すると10個60円,100個480円など各種見つかります(2011年1月時点)。普通の電工ペンチでやや力を入れれば圧着できました。小3の子供にやらせてみたところ,1個はきっちり圧着できましたが,2個目がすっぽ抜けた所で,「もう飽きた」と言って去ってしまいました。子供の夏休みの工作用でも,圧着だけはお父さんが手伝う必要があるようです。ちなみに専用工具は,7千円ぐらいするようです(ニチフ製NH60)。単線0.5〜0.8mmぐらいが適合サイズ。
・1.25-3 (写真 下側の左2個)JIS規格品なのでホームセンターでも手に入ります。ユニディ若葉台店で100個457円でした(2010年8月)。通販では300円前後の所もあるようです。しかし,電工ペンチで圧着するのは相当力がいります。握力トレーニングをしたい人以外には電工ペンチ締めはお勧めできません。専用工具は安いものでは千円台からあるようですが,軽い力で圧着できるトグル機構が付いた工具(ホーザン製P-732など)になると5千円以上するようです。
★LED(発光ダイオード)に圧着端子を取り付ける場合は,後で極性が分るように目印をつけておきます。足の短い方がマイナス(カソード)側です。電解コンデンサにも極性がありますが,極性マーク(マイナス)がケースに表示されているので迷うことはないでしょう。
★ICのように端子間隔をあまり広げられない場合は,IC端子に延長用の配線材を付けます。この場合は,0.5-3または1.25-3の圧着端子からネジ穴部分を切り取ってパイプの部分だけにし,そこIC端子と配線材を差し込んで圧着します(電子サイコロの製作例参照)。
【配線材】
部品だけでは配線距離が足りない場合は,スズメッキ線などの配線材または0Ω抵抗に圧着端子を取り付けます。
・電子パーツ屋さんで買った0.65mmφ(#22相当)のスズメッキ線(裸線)を使って見たところ,圧着しやすく,曲げても形状が安定していて良い感じです。
・絶縁電線を使いたい場合は,単芯線(KQE-0.5mm (#24相当))が適します。これも曲げた形状が比較的安定しています。(電線専門店へ行けば,単芯線で芯径0.65mm前後の物が見つかるかもしれませんが,まだ探してないです)
【スペーサ(支柱)】
スペーサとしては,絶縁性の観点からジュラコン・スペーサ(オス・メス型)が良いでしょう。通販の場合,50個以上購入の場合は廣杉計器が安いようです。1個単位とかではマルツ電波などで購入できます。
●写真奥側:BS-312E(ジュラコン・スペーサ)とASB-306E(黄銅スペーサ(ナット代わり))。同じ値段でちょっと長いASB-308Eの方が回しやすいと思いますが,見た目のバランスが悪いかも。
●写真右側:BS-320E(ジュラコン・スペーサ)とASB-306E(黄銅スペーサ)。BS-312Eよりちょっと高いですが,取り付け時にスペーサを持つのが楽です。
●写真左下:M3のネジとナットだけでも接続は出来ます。とにかく安く済ませたい場合は,これですね。この場合底板をつける場合はプラスチック,ベークなどの絶縁材質のものを使います。
ジュラコンではなく黄銅スペーサのBSB-320Eとかを使うと若干安くなりますが,絶縁されてないので底板を付ける場合は絶縁材質のものにします。あるいは底板の金属をGNDがわりにする場合は,グランド・ポストとして黄銅スペーサを使うのも良いでしょう。
【底板の種類】
展示する場合は可搬性を考慮して底板を取り付けると良いでしょう。底板の材質は,プラスチック,木,ベーク,あるいは厚紙でも良いと思います。最初から3ミリ穴が開いているパンチング・メタルを使うと楽です。
●ユニバーサル基板
右の写真に例を示します。元から開いている穴を下穴として,3ミリのハンドドリル(近くの100円ショップで購入)でネジ穴を開けています。
●パンチング・メタル
東急ハンズ(町田店)には手ごろなサイズで300円台〜各種ありました。右の写真は2010年8月に購入したものです。左から@100x200x1t,3.5横長穴,¥430,A100x200x1t,3ミリ穴x5ミリピッチ,¥430
(黒は¥520),Bカラー各種150x150x0.5t,3ミリ穴x5ミリピッチ,¥318(225x300は¥807)
近くのホームセンターには20cm角の1600円ほどの物しかありませんでした。
通販だと,タカチ電機工業製のPA-11(200x100x1t,3ミリ穴x5ミリピッチ),PA-B11(同,黒色)あたりが入手できると思います(楽天で”タカチ電機工業
PA”で検索すると各種出てきます/2011年1月)。黒色は一応絶縁性のようです。
★注意★パンチング・メタルの周囲の切り欠部分はとがっているので,怪我しないようビニール・テープなどで保護すると良いでしょう。
●蒸し器目皿
ダイソー(100円ショップ)で買った105円の蒸し器目皿(足つき)。パンチング・メタルの代わりになるか・・・(^^;
●ファンシートレイ
これもダイソーで105円でした(裏返した状態)。一応ねじ止めで来ます。絶縁性の底板として良いかも。
使用する部品の回路記号と端子名称は以下のとうりです。
・抵抗
伝統的に使われているのが右の記号です。現在の規格(JIS C0617-4,IEC 60617-4)の記号だと長方形の箱になります。一般雑誌では,電子工作マガジンは新記号になってますが,トラ技(トランジスタ技術)は旧記号のままです。私も当分旧記号のままです。
・コンデンサ
左側の記号が極性のないコンデンサです。写真左2つに対応します。
右側の記号が極性(+,−)のあるコンデンサです。ただし現在のJIS記号では,斜線部分がありません。
有極性のコンデンサは,足が短い方がマイナス側です。ある程度の大きさがあれば,本体ケースにも+,−の記号が印刷されています。小さなものや足のないもの(チップ部品)になると,+側を示す帯のみとなります。
・LED(発光ダイオード)
足の短い方がカソードです。現在のJISの記号だと斜めの矢印が上向きで2本です。
・ダイオード
現JIS記号だと,アノードからカソードに直線が引いてあります。
色々な形状がありますが,たいていカソード側に帯が表示されています。写真は最近では消滅しつつあるガラス封止タイプ(写真左から,スイッチング用1S955,検波用1N60,整流用200V3A)。
・トランジスタ(バイポーラ)
写真は工作用として良く使われるTO-92という外形名称のものです。国産の代表的なトランジスタの足(リード)は,品名の書いてある方の左からエミッタ,コレクタ,ベースとなっています。海外品だと真ん中がベースのものがある(多い?)ようです。
・MOS-FET(絶縁ゲート形 電界効果トランジスタ)
2SK2961(NチャネルMOS-FET)は,TO-92形の外形(ただしロングボディ)で,端子は品名の書いてある方の左からソース,ドレイン,ゲートの順です。
・IC(集積回路)
本サイトでは,基本的に四角の箱に端子記号を書いています。オペアンプ(演算増幅器)やゲートIC(論理ICの一部)には一応記号がありますが,本サイトでは使用してないです(端子記号の代わりとしては使用)。
・電池
もともとの記号は,左側の記号を1セル(乾電池なら1.5V)当りの電池としていましたが,現JISの記号では何セルでも左側の記号を使うようです。旧記号だと006P乾電池(9V=6セル)あたりは途中を・・・で省略した書き方をしていました。私は旧記号に準じて4.5V=3セルの場合は3段重ねにしています。
電子工作マガジン(雑誌)の2010夏号は,だいたいにおいて現JIS記号に統一されていますが,電池だけは依然として旧記号も使っています。チェック漏れかな?
・スイッチ
スイッチは種類により,プッシュ,トグル,スライド,など色々あります。左図上側は,プッシュ(押している間だけオン),下側はトグルやシーソー(オン/オフ切替え時のみ力を加える)です。現JISでは基本的には下側の図で○が無いものです。
・配線の交点
部品ではありませんが,配線と配線の接続点には,・(ポチ)を付けます。逆にポチの付いてない十字交差は接続しないようにします。特に裸線を使う場合はショートしないように注意します。
なお,本ページの回路図では十字交差の接続点は使わないようにしています。
E3 | 10(茶黒) | 22(赤赤) | 47(黄紫) | |||||||||||||||||||||
E6 | 10(茶黒) | 15(茶緑) | 22(赤赤) | 33(橙橙) | 47(黄紫) | 68(青灰) | ||||||||||||||||||
E12 | 10 | 12 | 15 | 18 | 22 | 27 | 33 | 39 | 47 | 56 | 68 | 82 | ||||||||||||
E24 | 10 | 11 | 12 | 13 | 15 | 16 | 18 | 20 | 22 | 24 | 27 | 30 | 33 | 36 | 39 | 43 | 47 | 51 | 56 | 62 | 68 | 75 | 82 | 91 |
色 | 1本目 | 2本目 | 3本目 (倍率) |
4本目 (誤差) |
---|---|---|---|---|
黒 | 0 | 0 | x1 | |
茶 | 1 | 1 | x10 | F:±1% |
赤 | 2 | 2 | x102 | G:±2% |
橙 | 3 | 3 | x103 | |
黄 | 4 | 4 | x104 | |
緑 | 5 | 5 | x105 | D:±0.5% |
青 | 6 | 6 | x106 | C:±0.25% |
紫 | 7 | 7 | B:±0.1% | |
灰 | 8 | 8 | ||
白 | 9 | 9 | ||
金 | 0.1 | J:±5% | ||
銀 | 0.01 | K:±10% |
R5 | 1.00 | 1.60 | 2.50 | 4.00 | 6.30 | |||||
R10 | 1.00 | 1.25 | 1.60 | 2.00 | 2.50 | 3.15 | 4.00 | 5.00 | 6.30 | 8.00 |
工作例の技術解説を読むために必要な基礎知識について説明します。
入力 A |
入力 B |
出力 |
---|---|---|
L | L | L |
L | H | L |
H | L | L |
H | H | H |
入力 A |
入力 B |
出力 |
---|---|---|
L | L | L |
L | H | H |
H | L | H |
H | H | H |
入 力 |
出 力 |
---|---|
L | H |
H | L |
入力 A |
入力 B |
出力 |
---|---|---|
L | L | L |
L | H | H |
H | L | H |
H | H | L |
入力 A |
入力 B |
出力 |
---|---|---|
L | L | H |
L | H | H |
H | L | H |
H | H | L |
入力 A |
入力 B |
出力 |
---|---|---|
L | L | H |
L | H | L |
H | L | L |
H | H | L |
【1】機能・使い方
・スイッチを押すとLED(発光ダイオード)がパッと点灯します。
・スイッチを離すと,LEDがふんわりと消えます。
スイッチの下に支えのスペーサを入れた方が良いかも(次の製作例参照)。
【2】回路図,部品リスト
(足の短い方がカソード)
部品名 |
値,規格,品番 |
抵抗器R1 | 炭素皮膜抵抗器,100Ω,1/4W。色表示は,茶,黒,茶。 |
抵抗器R2 | 炭素皮膜抵抗器,1kΩ,1/4W。色表示は,茶,黒,赤。この抵抗値を小さくするとLEDが明るくなりますが,消えるまでの時間が短くなります。 |
コンデンサC1 | 電解コンデンサ,1000μF/16V。静電容量を大きくすると消えるまでの時間が長くなります。耐圧は電源電圧の1.5倍以上を選びます。 |
LED | 発光ダイオード。順電圧(VF)が2V前後,明るさ70mcd(ミリカンデラ)以上のLEDが適します。超高輝度品や青や白など順電圧が高いLEDを使う場合は電源電圧を6V以上にします。昔のLED(今の基準では低輝度LED)を使う場合は,R1=22Ω,R2=100〜220Ω,C1=4700μF程度に変更します。 |
スイッチ | プッシュスイッチ。ミヤマ電器製DS-660R。サトー電気で¥105で売っていました。タクトスイッチだと50mA以下の品種が多いのでチャージ電流の流れる電源系のオン/オフには適しません。 |
電池ケース | 単三x3本用など。なお,単三x3本ケースの取付けネジは,M2.6皿ネジです。なお,この回路は4V〜9Vで動きます。LEDの種類によっては6V以上が必要になります。電圧が高いほどLEDが明るくなります。電池の種類は展示期間やスペースに合わせて選ぶとよいでしょう。 |
【3】簡単な解説
@スイッチを押すとLED(発光ダイオード)に電気が流れて光ります。抵抗器R2はLEDに電気が流れすぎないように制限するものです。また,スイッチが押されている間にコンデンサC1に電気が蓄えられます。抵抗器R1はコンデンサC1に電気が流れすぎないように制限するものです。
Aスイッチを離すと,コンデンサC1に蓄えられた電気がLEDに流れて,LEDが光り続けます。しかしコンデンサに蓄えられた電気が徐々に減るため,LEDの光が徐々に暗くなり,ついには消えます。
【4】技術解説
@スイッチON時のLED電流は,次の式で計算できます。
LED電流 = (電源電圧 - LED順電圧) / R2
LED順電圧は,次の図のようにLED電流に依存しますが,ある程度の電流範囲では一定と考えて計算します(この図はイメージ図で実製品のデータではありません)。LEDのカタログには電流20mA時の代表値が記載されていることが多く,その値で計算しても大差はありません。気になるようでしたら,電流が1桁少ない範囲では0.1〜0.2Vくらい低めに考えれば良いでしょう。
Aスイッチ・オン時にコンデンサに流れる電流と,コンデンサ電圧は次のように変化します。
充電電流 = ( (電源電圧 - 残電圧) / R1) exp( -t/(R1・C1) )
充電電圧 = 電源電圧 - (電源電圧 - 残電圧) exp( -t/(R1・C1) )
tはスイッチ・オンからの経過時間[秒]です。expは指数関数(底がe)です。
スイッチ・オン1回目の残電圧は0で, 2回目以降はLED順電圧(最小値)になります。2回目以降はコンデンサの電圧がLED順電圧より下がると電流がほとんど流れず,その電圧が残るためです。ここで,電源電圧の98%までコンデンサが充電される時間(2回目以降)を計算すると,
電源4.5V,残電圧1.5Vの場合,
0.98 x4.5 = 4.5 - (4.5 - 1.5) exp( -t/(R1・C1) )
0.09 / 3.0 = exp( -t/(R1・C1) )
loge(0.09/3.0) = -t/(R1・C1)
t = 3.5・R1・C1 = 3.5 x 100 x 1000μ = 0.35 [秒]
すなわち0.4秒あれば十分充電できることになります。
Bスイッチ・オフ時は,コンデンサC1に蓄えられた電荷は,R1,R2,LEDを通って放電されます。この時のLED電流は次のように変化します。
LED電流 = ( (充電電圧 - LED順電圧) / (R1 + R2) ) exp( -t/( (R1 + R2)・C1) )
ここで,LED電流が0.1mAまで下がる時間を概算してみると,電源4.5V,順電圧1.8Vでは,
0.1m = ( (4.5 - 1.8) / (100 + 1k) ) exp( -t/( (100 + 1k)・1000μ) )
0.11 / 2.7 = exp( -t/ 1.1 )
loge(0.11 / 2.7) = -t / 1.1
t = 3.5 [秒]
となります。
【1】機能・使い方
・スイッチを押すと7つのLED(発光ダイオード)がパッと点灯します。
星座の形と違う・・・^^;
【2】回路図,部品リスト
下向きの矢印は金属板への接続を示します。その部分はジュラコンスペーサではなく金属スペーサを使っています。塗装されてないパンチングメタルを使用してください。
星座らしくするために,背景を黒くしたい場合は,後から黒く塗ります。黒塗装のパンチングメタルと2枚重ねしたり,グランド側も配線するというのもありです。手間暇を天秤にかけて色々工夫されると良いでしょう。
部品名 |
値,規格,品番 |
抵抗器R1〜R7 | 炭素皮膜抵抗器,220Ω,1/4W。色表示は,茶,黒,茶。 |
LED D1〜D7 | 発光ダイオード。順電圧(VF)が2V前後のLEDが適します。超高輝度品や青や白など順電圧が高いLEDを使う場合は電源電圧を6V以上にします。 |
スイッチ | プッシュスイッチ。ミヤマ電器製DS-660R。サトー電気で¥105で売っていました。 |
電池ケース | 単三x3本用など。なお,単三x3本ケースの取付けネジは,M2.6皿ネジです。なお,この回路は4V〜9Vで動きます。LEDの種類によっては6V以上が必要になります。電圧が高いほどLEDが明るくなります。電池の種類は展示期間やスペースに合わせて選ぶとよいでしょう。 |
【3】簡単な解説
@スイッチを押すとLED(発光ダイオード)D1に電気が流れて光ります。抵抗器R1はLEDに電気が流れすぎないように制限するものです。D2〜D7,R2〜R7も同様です。。
【4】技術解説
@抵抗値は,次の式で計算できます。
抵抗 = (電源電圧 - LED順電圧) / LED電流
電源電圧は電池電圧4.5V,LED電流は10mA程度,LED順電圧はカタログから見て2V程度とすると,抵抗は250Ωになります。これに一番近いE3系列値の220Ωを使います。
LEDが7つあるので,スイッチにはその合計の電流が流れます。
LED順電圧は個々にばらつくので,複数のLEDに対して1個の抵抗で済ませようとすると輝度のバラツキが出ます。その方が”星座”らしくていいかもしれませんが,最悪点灯しない(ほとんど見えない)LEDが出る可能性もあるので今回は個々に入れました。個々の抵抗値を変えれば個々に輝度を変えることが出来ます。
電池を6Vにするとか,006P(9V電池)を使えば,LED数個を直列にして抵抗を減らすこともできます。上式のLED順電圧の所に直列にするLED順電圧の総和を入れて計算します。
【5】補足
今年は,LED8個を流れるように点滅させるとか,技術的にレベルアップした回路を検討していたのですが,結局息子は「LEDがたくさん付いていれば,それで豪勢に見えるからいい」ということで単純なものになりました。
【1】機能・使い方
・スイッチを押している間,チラッ,チラッ,とLED(発光ダイオード)が光ります。
(うーん,造形センス無いなぁ。)
【2】回路図,部品リスト
部品名 |
値,規格,品番 |
抵抗器R1 | 炭素皮膜抵抗器,22kΩ,1/4W。色表示は,赤,赤,橙。この値を大きくすると周期(光る間隔)が長くなります。hFEが大きなトランジスタを使う場合は,22kΩでは小さすぎて発振しないかもしれません。その場合は47kあるいは100kに変更してみてください。 |
抵抗器R2 | 炭素皮膜抵抗器,220Ω,1/4W。色表示は,赤,赤,茶。 |
抵抗器R3 | 炭素皮膜抵抗器,1kΩ,1/4W。色表示は,茶,黒,赤。 |
コンデンサC1 | 電解コンデンサ,10μF/50V。 |
トランジスタQ1 | 2SA1015。(ただし私は昔ポピュラーだった2SA733を使用しています) |
トランジスタQ2 | 2SC1815。(ただし私は昔ポピュラーだった2SC945を使用しています) |
LED | 発光ダイオード。順電圧(VF)が2V前後のLEDが適します。超高輝度品や青や白など順電圧が高いLEDを使う場合は電源電圧を6V以上にします。 |
スイッチ | プッシュスイッチ。ミヤマ電器製DS-660R。サトー電気で¥105で売っていました。タクトスイッチを使う場合は50mA以上の品種を使ってください。 |
電池ケース | 単三x3本用(取付けネジM2.6皿ネジ)など。この回路は4V〜9Vで動きます。ただしLEDの種類によっては6V以上が必要になります。電圧が高いほどLEDが明るくなります。電池の種類は展示期間やスペースに合わせて選ぶとよいでしょう。 |
このようにC,Rによる充電電圧がある電圧に到達したときにCを放電させて周期波形を作り出す回路を弛張発振回路または弛緩発振回路と言います。本来はLEDの無い回路です。
【1】機能・使い方
・スイッチを押している間,LED(発光ダイオード)が点滅します。
・ボリュームによって,点灯時間を調整できます。
・黄銅スペーサを使っている部分(電源部分)はアルミ板を配線として使用しています(手抜き^^;)。
・ボリュームやスイッチのように操作する部品の底にもスペーサを立てています。
・底板は白より黒の方が写真写りが良いですね。組み立てる時も見やすいし。
ただし黒は塗装部分が電気を通さないので,上記のような手抜きは出来ません。
【2】回路図,部品リスト
部品名 |
値,規格,品番 |
抵抗器R1 | 炭素皮膜抵抗器,47kΩ,1/4W。色表示は,黄,紫,橙。 |
抵抗器R2 | 炭素皮膜抵抗器,10kΩ,1/4W。色表示は,茶,黒,橙。 |
抵抗器R3 | 炭素皮膜抵抗器,220Ω,1/4W。色表示は,赤,赤,茶。 |
抵抗器R4 | 炭素皮膜抵抗器,1kΩ,1/4W。色表示は,茶,黒,赤。 |
ボリュームVR1 | 100kΩ。製作例では18φツマミ付きのボリュームを使用しています。 |
コンデンサC1,C2 | 電解コンデンサ,10μF/50V。 |
トランジスタQ1,Q2 | 2SC1815。(ただし私は昔ポピュラーだった2SC945を使用しています) |
LED | 発光ダイオード。順電圧(VF)が2V前後のLEDが適します。 |
スイッチ | プッシュスイッチ。ミヤマ電器製DS-660R。サトー電気で¥105で売っていました。タクトスイッチを使う場合は50mA以上の品種を使ってください。写真のスイッチは,たまたま秋葉原に寄ったときに鈴商で¥100で買ったオムロン製A3A-7110(0.1A)です。 |
電池ケース | 単三x3本用(取付けネジM2.6皿ネジ)など。この回路は5V以下で使用してください。電池の種類は展示期間やスペースに合わせて選ぶとよいでしょう。電圧を6Vにする場合は技術解説の注意事項を参照してください。 |
【3】簡単な解説
この回路は,以下のようにトランジスタQ1とQ2が交互にオン,オフを繰り返します。
【4】技術解説
この回路は,典型的な無安定マルチバイブレータ回路にLEDとボリュームを付けたものです。
以降,以上の動作を繰り返します。
★注意★ 上記Aでベースに-3.8Vが加わります。もし電源電圧が6Vならこの値が−5.3Vになり,トランジスタのエミッタ・ベース間耐圧(VEBO)の規格値(5V)を越えてしまいます。もし電源電圧を高くしたければ,トランジスタのエミッタ側またはベース側に直列にスイッチング・ダイオードを接続してください。
【1】機能・使い方
・スイッチを押すと,LEDのサイコロ表示が次々と変わります。
・スイッチを離すと,徐々にサイコロ表示の変化が遅くなり,ついには止まります。
・スイッチを離してからしばらく放置すると,サイコロの表示が消えます。
この規模になると,さすがに電工ペンチは疲れるので圧着工具を買いました。
ICのリードと配線材(単芯0.5mm)を直接圧着。
【2】回路図,部品リスト
部品名 |
値,規格,品番 |
LED D1〜D7 | 発光ダイオード。順電圧(VF)が2V前後,輝度70mcd(ミリカンデラ)以上のLEDが適します。逆耐圧5V以上必要(ほとんどの製品は問題ありませんが,まれに低い製品があります)。 色は好みによります。製作例では,真ん中のD4を赤,その他を黄緑にしています。 |
抵抗器R1〜R8 | 炭素皮膜抵抗器,1kΩ,1/4W。色表示は,茶,黒,赤。ただしR8//R11は,330Ω1個に置き換えてもよいです。 |
抵抗器R9〜R10 | 炭素皮膜抵抗器,10kΩ,1/4W。色表示は,茶,黒,橙。 |
抵抗器R11〜R12 | 炭素皮膜抵抗器,470Ω,1/4W。色表示は,黄,紫,茶。ただしR8//R11は,330Ω1個に置き換えてもよいです。 |
抵抗器R13 | 炭素皮膜抵抗器,47kΩ,1/4W。色表示は,黄,紫,橙。 |
抵抗器R14 | 炭素皮膜抵抗器,100Ω,1/4W。色表示は,茶,黒,茶。 |
抵抗器R15 | 炭素皮膜抵抗器,100kΩ,1/4W。色表示は,茶,黒,黄。 |
コンデンサC1 | 積層セラミック・コンデンサ0.1μF。結果が片寄るようでしたら外してください。 |
コンデンサC2 | 電解コンデンサ,1μF/50V。 |
コンデンサC3,C4 | 電解コンデンサ,100μF/16V。点灯時間を延ばすにはC4を220μFあるいは470μFにします。 |
トランジスタQ1,Q3 | 2SC1815(ただし私は昔ポピュラーだった2SC945を使用しています)。hFEランクは120〜240程度(2SC1815-Y)のものが適します。hFEが高すぎると発振しなくなる可能性があります。その場合はR13を100kΩにして見てください。 |
トランジスタQ2 | 2SA1015(ただし私は昔ポピュラーだった2SA733を使用しています)。hFEランクは120〜240程度2SA1015-Y)のものが適します。 |
MOSトランジスタQ4 | 2SK2961(サトー電気で売っていました)。 |
8ビット・シフトレジスタU1 | TC74HC164AP(または互換品)。写真のはNEC製UPD74HC164Cです。これは2010年8月サトー電気町田店で買ったんですが,ロット番号が8749・・・つまり1987年49週(12月ごろ)製造の物なんすよ。動いたからいいんだけどぉ,ちょっとめまいが・・・。 |
ダイオードD8〜D9 | スイッチング用ダイオード。1S2076A,1S953,1S1588など。本体に帯印が付いた方がカソードです。 |
スイッチ | プッシュスイッチ。ミヤマ電器製DS-660R。サトー電気で¥105で売っていました。タクトスイッチを使う場合は50mA以上の品種を使ってください。 |
電池ケース | 単三x3本用(取付けネジM2.6皿ネジ)など。この回路は5V以下で使用してください。電池の種類は展示期間やスペースに合わせて選ぶとよいでしょう。 |
【3】簡単な解説
この回路は,大きく分けて,次の3つのブロックから成り立っています。
電源維持回路は,次のように動作します。
クロック・パルスを作る回路は,次のように動作します。
シーケンサは次のように動作します。
・サイコロの目のように配置したLEDは,次のように点灯します(1,3,5,6,4,2の順)。
○_○ ○_● ●_● ●_● ●_● ●_○ a e
○●○ ○●○ ○●○ ●○● ○○○ ○○○ bd f
○_○ ●_○ ●_● ●_● ●_● ○_● c g
LEDにa〜gの記号をつけると,
a,g:5,6,4,2で点灯。=QBがハイ・レベルで点灯。
b,f:6でのみ点灯 =QCがハイ・レベル,QDがロー・レベルで点灯。
c,e:3,5,6,4で点灯。=QAがハイ・レベル,QEがロー・レベルで点灯。
d :1,3,5で点灯。 =QCがロー・レベルで点灯。
となります。
LEDのアノード側をハイ・レベル側(無いときは電源電圧)に接続し,
カソード側をロー・レベル(無いときはグランド)に接続すれば,上記の条件で点灯します。
【4.1】電源維持回路の動作
MOSトランジスタQ4による電源スイッチ回路は,次のように動作します。
【4.2】クロック・パルス生成部の動作
トランジスタQ2,Q3により弛張発振回路を構成しています。次のように動作します。
なおコンデンサC3は,スイッチをオフした後も,しばらくクロックを生成するためのものです。
パルスの持続回数は,C2の放電電荷によってC3の電圧が3.3Vまで下がるまでを計算すればよく,
C3・(C3充電電圧 - Q2オン電圧)/{C2・(Q2オン電圧 - C2残電圧)}
= 100・(4.5 - 0.6 - 3.3)/ {1・(3.3 -
0.6)} = 約22 [回]
最初は0.08秒周期ですが,C3の電圧が下がるに連れてC2の充電時間が延びるため,パルスが止まるまでに数秒かかります。
【4.3】シーケンサ部の動作
8ビット・シフトレジスタU1とトランジスタQ1によるシーケンサは,次のように動作します。
8ビット・シフトレジスタU1の状態とLED(a〜g)の点灯状態(点灯をH)は次のとおりです。
賽の目 | QA | QB | QC | QD | QE | QF | a,g | b,f | c,e | d |
1 | L | L | L | L | L | L | H | |||
3 | H | L | L | L | L | L | H | H | ||
5 | H | H | L | L | L | L | H | H | H | |
6 | H | H | H | L | L | L | H | H | H | |
4 | H | H | H | H | L | L | H | H | ||
2 | H | H | H | H | H | L | H | |||
X | H | H | H | H | H | H | X | X | X | X |
この表からLED点灯の論理式を導くと,
a,g=QB, b,f=QC・~QD, c,e=QA・~QE, d=~QC (ただし・はAND,~はNOTを示します)
ここで,LEDの点灯条件をA(アノード),K(カソード)で表すと,点灯=A・~Kであるので,H=VDD,L=GNDを用いて,
a,g=QB・~GND, b,f=QC・~QD, c,e=QA・~QE, d=VDD・~QC
というようにLEDのA,Kが対応するように書けます。
(本当は,そうなるように賽の目の状態割り当てを工夫しています)。
LEDの駆動電流は,74HC164の能力を考慮して約2mAとしています。
もし低輝度のLEDを使う場合は,U1を74AC164に変更し,R1〜R7を220Ωに変更します。
これにより10mAでLEDを駆動できます(VFが2V程度時)。
【1】機能・使い方
・スイッチを押すと,LED表示(ぐー,ちょき,ぱー)が次々と変わります。
・スイッチを離すと,ぐー,ちょき,ぱー いずれかのLEDが点灯します。
・スイッチを離してしばらく放置すると,表示が消えます。
【2】回路図,部品リスト
部品名 |
値,規格,品番 |
LED D1〜D3 | 発光ダイオード。順電圧(VF)が2V前後,輝度70mcd(ミリカンデラ)以上のLEDが適します。 色は好みによります。製作例では, ぐーを赤,ちょきを黄色,ぱーを黄緑にしています。 |
抵抗器R1〜R4,R9 | 炭素皮膜抵抗器,1kΩ,1/4W。色表示は,茶,黒,赤。 |
抵抗器R5〜R8 | 炭素皮膜抵抗器,470kΩ,1/4W。色表示は,黄,紫,黄。 表示時間を短くしたい場合は,R8を470kΩ2本並列または3本並列に変更して下さい。 ぐー,ちょき,ぱーの変化速度を早くしたい場合は,R6を470kΩ2本並列に変更して下さい。 |
コンデンサC1〜C2 | 積層セラミック・コンデンサ0.1μF。 |
コンデンサC3 | 電解コンデンサ,100μF/16V。点灯時間を延ばすにはC3を220μFあるいは470μFにします。 |
MOSトランジスタQ1 | 2SK2961(サトー電気で売っていました)。 |
8ビット・シフトレジスタU1 | TC74HC164AP(または互換品)。写真のはNEC製UPD74HC164Cです。 |
NANDゲートU2 | TC74HC00AP(または互換品)。写真のは手持ちのTC74AC00Pです。 |
ダイオードD4,D5 | スイッチング用ダイオード。1S2076A,1S953,1S1588など。本体に帯印が付いた方がカソードです。 |
スイッチ | プッシュスイッチ。ミヤマ電器製DS-660R。サトー電気で¥105で売っていました。タクトスイッチでも良いです。 |
電池ケース | 単三x3本用(取付けネジM2.6皿ネジ)など。この回路は5V以下で使用してください。電池の種類は展示期間やスペースに合わせて選ぶとよいでしょう。 |
【3】簡単な解説
この回路は,大きく分けて,次の3つのブロックから成り立っています。
電源維持回路は,次のように動作します。
クロック・パルスを作る回路は,次のように動作します。
シーケンサは次のように動作します。
・LEDは,次のように点灯します。
ぐー =QAがロー・レベルで点灯。
ちょき =QAがハイ・レベル,QBがロー・レベルで点灯。
ぱー =QBがハイ・レベルで点灯。
LEDのアノード側をハイ・レベル側(無いときは電源電圧)に接続し,
カソード側をロー・レベル側(無いときはグランド)に接続すれば,上記の条件で点灯します。
【4.1】電源維持回路の動作
MOSトランジスタQ1による電源スイッチ回路は,次のように動作します。
【4.2】クロック・パルス生成部の動作
別途解説予定。
【4.3】シーケンサ部の動作
8ビット・シフトレジスタU1とインバータ回路(U2の左下NAND回路)によるシーケンサは,次のように動作します。
8ビット・シフトレジスタU1の状態とLED(a〜g)の点灯状態(点灯をH)は次のとおりです。
じゃんけん | QA | QB | QC |
ぐー | L | L | L |
ちょき | H | L | L |
ぱー | H | H | L |
X(クリア) | H | H | H |
LED点灯は,QA,QBからの論理式を導くと,
ぐー=~QA, ちょき=QA・~QB, ぱー=QB (ただし・はAND,~はNOTを示します)
ここで,LEDの点灯条件をA(アノード),K(カソード)で表すと,点灯=A・~Kであるので,H=VDD,L=GNDを用いて,
ぐー=VDD・~QA, ちょき=QA・~QB, ぱー=QB・~GND
というようにLEDのA,Kが対応するように書けます。
LEDの駆動電流は,74HC164の能力を考慮して約2mAとしています。
もし低輝度のLEDを使う場合は,U1を74AC164に変更し,R1〜R7を220Ωに変更します。
これにより10mAでLEDを駆動できます(VFが2V程度時)。
以前の更新
2011/01/27 ”危険事項”を追加。
2011/01/17 ”作り方”の購入先情報を更新。”技術解説を読むための基礎知識”を追加。
2011/01/15 ”部品の基礎知識”に抵抗とコンデンサを追加。
2011/01/05 ”回路図の見方”を更新。
2010/12/27 ページ・フォーマットを変更。
2010/10/31 ページ構成を若干変更。内容も徐々にブラッシュアップ中。
2010/08/22 ページタイトル変更。その他一部追記・修正。
2010/08/14 電子サイコロを追加,底板としてファンシートレイの写真を追加。
2010/08/11 増築