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研究概要

 私達の研究プロジェクト(基盤C)グループは、筑波大学生命環境系において、農業害虫の一つであるチャノコカクモンハマキを対象として、その化学生態学および行動学の両面からの研究をおこなっています。その中でも性フェロモンに対する定位飛翔行動の研究は、その成果が将来の行動制御による防除に結びつくことを目標とした基礎研究であり、成果が期待されます。また、昆虫の性フェロモンなどの行動制御物質の研究を通して、害虫管理の道を目指しています。天敵昆虫に関する研究も同時に行っており、最近発見された寄主の性フェロモンに対する反応についても研究を進めていきます。このウェブサイトでは、研究の成果と発表論文、その他の活動等を紹介します。戒能自身は、2021年3月で定年となり、その後非常勤研究員を経て、2024年4月1日より研究員として4年目には入り、客員研究員として独立した研究室をもち、応用動物昆虫研究室のご厚意で施設を間借りして研究を継続しています。このウェブサイトを見て、内容に興味を持った方、昆虫飼育の様子、風洞やオルファクトメーターなどの施設見学を希望される方は、Eメールで戒能まで連絡下さい。(高校以下の学生の方、一般の方でも歓迎します)

新着情報

2024/09/26 (Thu)
 新年度になってから半年が経過しようとしています。帝京科学大での授業も昨日から開始しています。久しぶりに北千住の街中を歩いてみると、以前工事中だったところがすっかり新しい建物になっていたり、以前と違った景色になっている様子を感じました。商店街から住宅地への最短通路も途中で迷うところもありましたが、何とか通過して大学本館までたどり着きました。
2024/06/06 (Thu)
 新年度になってから早くも二ヶ月が経過しました。帝京科学大で毎週昆虫学の講義をしていますが、終わってから意表を突く質問があり、いつも答えるのに苦労しています。その場で答えられない質問には持ち帰ってWeb上で回答していますが、周囲の研究者に聞くこともあり、自分の勉強にもなっています。
※出前講義のお知らせ
 以前教員だった頃は、学類事務より依頼があった場合に、周辺の高校に出前講義に出かけて行きましたが、最近はそれはありません。高校からすると、教育組織ですから、学類事務に問い合わせて現役の先生に、というのが通常でしょうが、定年後の時間のある先生方に講義をしてもらうのもいいかもしれません。余り古い話でも困るので、最新情報も入れながらと言うのが条件ではあります。そこで、私としては、以下のタイトルでの出前講義を受け付けます。中高生や一般の方の集まりで、昆虫にまつわる話題提供(30分から1時間くらい)をご希望でしたら連絡下さい。多少の準備期間は必要ですが、できるだけ期待に添えるように話したいと思います。以下は、現時点で可能なタイトルです。
 
「昆虫の性フェロモンとその利用」‥‥昆虫の性フェロモンの発見から始まり、最初に同定されたフェロモン、その利用方法などを解説します。
「化学生態学とは?」‥‥1960年代から化学物質を介した自然現象を研究対象としたこの分野が産声を上げました。その後の発展などを解説します。
「たで食う虫も好き好き」‥‥タデは虫が嫌う植物の代表とされて、このようなことわざが知られていますが、その物質は何か知っていますか。昆虫と植物の関係を紐解きます。
「昆虫と植物のせめぎ合い」‥‥昆虫と植物の関係は両者が地球上に現れたときから始まります。食う食われるの関係は、どのような進化を遂げるでしょうか。
「食われる植物とそれを助けようとする寄生蜂」‥‥植物が昆虫に食われるのはごく当たり前に目にしますが、植物は食べられるままにしているでしょうか?三者系とも言われる寄生蜂との関係を見ていきます。
「害虫防除事始め」‥‥害虫防除の歴史は紀元前から記録にあります。現在までの、歴史を紐解きます。
「ヤドリバエの生物学」‥‥ヤドリバエ科と言われると余り知られていない昆虫のグループですが、天敵であったり害虫であったり、その面白い寄生生物学に迫ります。
「養蚕業とキョウソの歴史」‥‥キョウソと聞いて今驚く人はいないでしょうが、昭和初期、養蚕業が盛んであったころ、びっくりするほどの大害虫でした。
「寄生蜂の寄主制御」‥‥寄生去勢と言う言葉をご存知ですか?寄生蜂が寄生された寄主は様々な形でその影響を受けます。その一部を紹介します。
2024/04/11 (Thu)
 新学期が始まりました。筑波大学は、先週入学式も終わり、今週は新入生のオリエンテーションが終わった頃でしょうか。来週から授業開始というところです。今年度からの学生諸君は、コロナの心配もなくのびのびと大学での活動が出来ることを願っています。昨日は、帝京科学大学での前期授業の始まりでした。久しぶりに、中央線に乗り、上野原の駅で降りてバスで東京西キャンパスへ行きました。しばらくぶりなので戸惑うこともいくつかありました。初回授業の参加人数は44名ほどでちょうどいい人数でした。
2024/04/01 (Mon)
 新年度の始まりです。今年度から新たな科研費プロジェクト「チャノコカクモンハマキの定位飛翔に及ぼす視覚刺激」予算が採択になり、性フェロモンと蛾の飛翔行動を主として研究することになりました。テーマとしては、1年前に博士課程を修了した宮本隆典氏(現在、東京海洋大所属)の研究テーマの続きとなります。このテーマの成果もこのサイトで順次解説して行きたいと思います。

※扉の写真の説明: 左上:カリヤコマユバチがアワヨトウ幼虫に産卵しているところ(蔵満先生撮影)、右上:ハマキコウラコマユバチがチャノコカクモンハマキの卵塊に産卵しているところ、左下:性フェロモンを出しているチャノコカクモンハマキの雌に雄が近づいたところ、右下:チャノコカクモンハマキの雌雄