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2025/09/09 後2週間で帝科大の後期の授業が始まる。この夏期休暇の二ヶ月間、実験が効率よくできると思ったが、それほどでもかった。成果と言えば、チャノコカクモンハマキの成虫を15℃で冷やすことにより、オスの性成熟をそのままにして2週間ほど維持できることがわかったことだろうか。通常昆虫を飼育していると、羽化のピークがあり、その前後でたくさんの成虫が使えるのだが、多くの個体が無駄になることが多い。そこで、10℃から15℃くらいの低温に置くことにより、寿命を延ばし使える期間を長くするのはよくやる手法である。しかし、場合によっては、低温に置いた影響があるので、昆虫の使用目的によってはその影響の有無をはっきりさせた方がいいだろう。ということで、この夏に取ったデータから言えることは、性フェロモンの実験においてはオスの反応は冷却の影響を受けにくい、というものであった。しかし、冷却期間が2週間くらいになると、フェロモンに反応して飛び立つまでの時間が長くかかるので、使うパラメータによっては冷却処理はしない方がいいだろう。2025/06/27 昨日は、東京の永田町にて松山南高校(関東支部会)の同窓会にて昆虫の話をした。昨年から予定を入れていたので、十分な準備をと思いながら気にはなっていたが、期日が近づいてくると準備のアイデアはあってもなかなか実行には至らず、結果的には手持ちのスライドを組み合わせて何とか間に合わせたのが実情である。20名くらいの聴衆に集まってもらったのだが、面白いと思ってくれただろうか。質問は思った以上にたくさん出て、皆さんの昆虫に対する興味は大きいと感じた。同窓会の後、数ヶ月間の肩の荷を下ろして、近隣の居酒屋で同期数名の懇親会にて歓談した。 この年齢になると、プレゼンの大失敗はないものの、出来不出来は内心感じるもので、達成感は準備の大変さと話の後の質問数のかけ算のような気がする。
2025/06/13 「法医昆虫学者の事件簿」を電車の中で読み終えた。著者はハワイ大学の昆虫学の教授であり、法医昆虫学者としての経験をいかに積み上げてきたかが詳細に書かれている。私としては、各種の事件現場の描写や昆虫の採集方法、研究仲間との交流など、様々な研究現場の状況がよく分かった。私も大学のラボでの教育・研究経験があるので、よく分かる部分もあるが、本書の大部分はフィールドワークのウェイトが大きく、それが大変な様子が伝わってきた。訳者のあとがきにもあったが、日本では法医昆虫学の専門家がほとんどいないと言ってもよいらしく、その理由の一つは国土が狭く数週間とか、数ヶ月間、死体が野外に放置されることはめったにないからのようで、だからといって需要はないわけではないだろう。岩手医科大学の三枝先生の著書「虫から死亡推定時刻はわかるのか?」は持ってはいるがまだ読んでいない。この方が、今のところ唯一といってもよい存在のようだ。今後の私の計画としては、手元にある川瀬氏の「シンクロニシティー」を読みながら、次の本を購入しようと思う。
2025/05/09 連休も終わり、通常の仕事モードに戻りつつある。上野原へ毎週講義に出かけていることもあり、行き帰りの電車内での読書時間がけっこうある。最近読み終えたのが、「法医昆虫学捜査官」(川瀬七緒著)で同じ著者の二冊目も読んでみたくなった。参考文献を見ると、昆虫学関係の教科書なども何冊かあり、ちゃんと昆虫学を理解して書いているようなので、読んでいてリアリティーがある。私が帝科大で担当する「昆虫学」のイントロで、法医昆虫学について紹介することもあり、前々から興味を持っていたので関係の書物は購入していたが、読んではいなかった。ここいらで読んでみようと思い立った。今は、「法医昆虫学者の事件簿」を読み始めたのであるが、これは前述の小説(フィクション)とは違い、大学の先生が書いたノンフィクションである。アメリカでの法医昆虫学の発達や現状(といってもしばらく前のことだが)がわかって興味深い。29ページくらいのところで、ポール・キャッツ(Paul Catts)という名前が出てきた。実はこの人には会ったことがある。会うだけで無く、一緒に飲んだり蹄鉄投げをして遊んだこともある知り合いである。話は、1988年に遡る。私は、カナダ・バンクーバーで開催された国際昆虫学会(1988)があり、そこでワシントン州立大(WSU)のブラウン(J.J. Brown)博士に初めて出会ったのである。ちょうど私の研究材料であるハマキコウラコマユバチと同属(Ascogaster)の寄生蜂を研究していたこともあり、私のポスター発表を聞いてもらい、しばらく意気投合して話していたが、「帰りにWSUに寄って行かないか?」と言われたのである。余りに突然で、帰りのチケットも早くから予約していたので、またの機会に伺いますと言って別れた。その後連絡を取りあって、数年後WSUに2ヶ月の短期滞在となったのである。家族を日本に置いて、一人の滞在だったので、休みにはブラウン博士達によく遊んでもらった。自宅に呼ばれてBBQをしたり、仲間を呼んでのバレーボールや蹄鉄投げのゲームをして遊んだ。その仲間の一人がポール・キャッツ氏なのである。WSUの昆虫学科の教授であったが、ブラウン教授とは特に仲がよく、laboにもよく来ていた。その時は、キャッツ氏とは昆虫の話はしたことがなく、彼の専門が何なのか全く知らなかった。帰国してから何年かして彼が有名な法医昆虫学者で、アメリカでのリーダー格であることを知った。昆虫学年報Annual Review of Entomologyの'Forensic Entomology in criminal investigations'の著者でもあることから、当時随一の専門家であることがわかったのである。その数年後(1996)に彼は亡くなり、その次に私が滞在した2000年には会うことは出来なかった。今でも、精悍なキャッツ氏の顔は今でも思い浮かぶ。
2025/03/24 3月20~22日の幕張メッセでの応動昆学会大会が終わった。今回は、チャハマキの定位飛翔行動に及ぼすLEDの阻害効果というタイトルで口頭発表したが、何とか時間内に終わり質問を受けることが出来たのはよかったと思う。質問の1つは、チャノコカクモンハマキとチャハマキとの種特異性についてで、両者ともLEDの飛翔阻害効果はあるのだが、直接的な比較をするにはもう少し方法を揃える必要があるだろう。もう一つは、LED光を流した時にその明るさで行動阻害を引き起こしているのではないかというもので、確かにプレゼンで使った動画は結構明るく見える。しかし、これは我々の目に見える残像によるもので、照度を測定するとそれほどは明るくなってはいないのです。LED光を動かしても動かさなくても飛翔行動を阻害するようで、このためにフェロモン源までたどり着けなくなります。最後の質問は、LED光の位置に関するもので、風洞の床に置かないで上の位置に置いた場合はどうなるかという質問でした。まさしくこれからやろうと思っていたテーマで、分かる人は分かるものだと感じた次第です。
2025/02/24 先日の土曜日に久しぶりの子弟の飲み会をした。この三人で飲むのは40年ぶりであろうか。当時、一人の先生と二人の大学院生の関係で、皆酒好きだったこともありよく飲みに行った。大学近くの飲み屋で、遅くまで飲んだような気がする。特に大事な話題があるわけでもなく、日々の相談事だったり、研究のことなどを何でも話したように思う。何時間か飲んで食べて帰ろうとするころにはすっかり出来上がっていて、それぞれは帰途に就くのだが、お互い大丈夫かなと心配するわけでもなく、何とかなるだろうくらいの気分になっていてそのまま別れ、翌日、ちゃんと大学で挨拶してやっと安心するという、そんなおおらかな時代だったように思う。さて、先日の飲み会の話に戻るが、お互いに年配の部類になったので、夜でなくて昼のみが安心ということで、12時から2時間、柏駅付近のビヤホール(流山在住の中学の同級生Nさんの紹介)で歓談した。昔話やら最近の話やら種々の話題の中でもやはり中心は体のことである。この数十年の病気・手術のことや、今の健康管理の話で随分と時間が過ぎた。予定の2時間はあっという間に終わった。これから5年後、10年後とかに元気でまた会えるだろうか?そんなことを気にしながら、次回を約束することもなく別れた。お互い、懐かしく感じることがあったらまたこういう機会を持ちましょう。あのころの若かったころの気持ちに、少しでも帰ることができますから。そんないい飲み会でした。
2025/02/17 毎週何か書こうと思いながらあれよあれよという間に五ヶ月が経過してしまった。この半年間で帝京科学大学での15回の講義を終えたことは一つの成果と言えるかもしれない。それと平行してラボ実験を継続した。チャハマキを風洞で飛ばせることができるかどうかはしばらくの間の懸案であった。チャハマキ用の性フェロモンルアーを田端氏に作ってもらい、それを誘引源として使うことでオス蛾の条件設定を行い、暗処理条件などもチャノコカクモンハマキのそれを参考にし、思ったより簡単に風洞内での飛翔を見ることが出来た。暗処理に使う30mLのバイアルから出るとまっすぐにフェロモン源に飛んで行く場合も多く、サイズも大きいので、チャノコカクモンハマキより行動観察には適しているかも知れない。LEDの光をいくつかのパターンで処理することで、風洞内の定位飛翔がどの程度乱れるかのデータを取り、次回の応動昆大会にて発表することにした。
2024/09/09 今日の午前中にオーストラリアからの客人Y君が来た。4月頃から予告していて、何度もメールのやり取りをしていたので、こちらもしっかりと予定に入れていた。京都の国際学会の帰りにあちこちに立ち寄ってから帰るらしく、先週は京都、大阪、東京と来て今日はつくばである。午後からはF氏のラボに行って見学し、夕方までに東京のホテルまで荷物を取りに行ってから羽田から帰国するらしい。元々はマレーシア出身で、現在は博士課程の最終年であるが、大学の入学時からオーストラリアの大学にいるだけあって英語は流ちょうで聞き取りやすい。私が使っている飼育室、別棟の風洞室などの設備を案内して昼前に次の訪問先まで連れて行った。要所々の説明をした後の質問も気が利いていて、それに関係した自分の話題も挟んでくるので会話が途切れない。案内しがいのある見学者だった。別れ際にも丁寧な礼を何度も言って、またの訪問を約束して別れた。
2024/08/30 久しぶりに何か書いてみようと思い立ち、PCに向かっている。つい先日のことであるが、今年度引き受けた英語での講義が終わりほっとしたところである。スライド原稿は去年作ったPPTスライドを手直しして出来上がっていたものの、スライドに書き込んだ英語を読んでばかりでは聞く方も飽きると思い、写真を入れたり、ここで虫の説明をしたりと新たに考えて工夫したつもりではある。話し始めて、1時間くらい経過すると、私の方も徐々に疲れてきて、やはり話し方も段々単調になってくる。生徒諸君も同様に眠そうだ。午後の授業はやる方も聞く方も楽ではない。さらに生徒諸君は午前中に外での作業があって疲れていたと後から聞いた。スクリーンを見ながらしていると、後方から欠伸の音が聞こえる。普通は欠伸はそっと静かにするものだが、聞こえよがしにしているのは何かのメッセージだろうが、こちらもがっくりくる。案の定、終了予定時刻が来てもうっかり話しを続けていたら、生徒の方から「時間が来たので止めてほしい」と言ってきた。生徒が疲れているので、30分でも早めに止めてもいいとでも誰かに聞いていれば、そうしたのだが。実際に、15分前には一区切り付いていたので、そこで止めるべきであった。という後味の悪い結末で、気持ちの晴れない一日となった。来年になってもし頼まれるようであれば、よりよい楽しめそうな構成を考えようと思う。
2024/01/23 毎週何か書こうと思いながら、年が明けさらに3週間も過ぎてしまった。科研費も今年いっぱいで終了なので、まとめる時期ではあるが、3月末の学会準備(実験も含めて)もあり、やることがたくさんある。さらに査読依頼がポツポツときて、これは自分がやらなくては、と決意するものの時間が経過すると段々と重荷になり、多忙な中でやる羽目になる。今も、卵―幼虫寄生蜂の査読があり、自分が長年飼ってきたハマキコウラのことを考えると、是非読んでみてコメントを、と思っている。今ちょうど数年前にハマキコウラで博士の学位を取得したDaoさんが短期滞在で来ていて、今日数名で会食をすることになっている。修了後何度か来日していて、ちょこちょことは実験するのだが、論文作成までは至らず、中途半端になっている。それも彼女がいる間に何とか進めたいと思っている。等と考えていると、この3月までの予定はぎっしりである。土日も大学に来て虫の世話をしなくてはならない。今は、パートさんが飼育を担当してくれているので何とかなるが、それ以外の作業も何かと忙しい。4月以降は全くの未定である。今申請中の科研費が採択になれば、4月以降も居られるだろうが、こればかりは何とも言えない。4月以降にここに書き込むとすれば、その報告をまず書きたいと思う。
2023/09/05 しばらくぶりに植物用インキュベータを覗いてみると、15本くらいある蛍光管の5本くらいが切れていて、内部が暗く感じる。誰かに任せておくと切れた蛍光管の交換などは後回しになる。早速、植物育成用の蛍光管に取り替えて明るくなった。グロー球も必要に応じて新しくした。このインキュベータ、もう、購入して20年くらい経過しているので、蛍光管のソケット部分が劣化して、無理に回そうとすると、パリンと割れてしまう。接着剤で固定しないと。肝心のコンプレッサー部分はまだ元気であるので、あと10年くらいは持ってほしい。最近のインキュベータだとLEDが使われているので、消耗品の交換などはほとんど無くなるだろう。古いものは、空冷部分のフィルターであるとか、蛍光管の交換であるとか、メンテナンスをしながら使っていると愛着が湧いてきてとことん使ってやりたい気がする。40W蛍光灯が20本として800W、全体では消費電力は軽く1KWを超えているだろう。今や電気代の高騰で、大学の出費も大変らしいので、本数を減らして運転すべきところであろう。
2023/08/31 今週の火曜日には、今までの懸案であった風洞室の空調装置(エアコン)が新しくなった。古い物は、25年間も使い続けて、この夏も正常に動いていた。大したものである。室内機も室外機も結構さびていて、循環している冷媒も圧力が上限ぎりぎりらしく、業者の方からはいつ壊れてもおかしくないと言われていた。この建屋には、空調機が5台ほど入っており、この3年ほどで4台までが新しくなった。風洞実験のメリットは、外気温に左右されず、飛翔行動が観察できることで、今までは、性フェロモンの生物検定、植物揮発性成分(HIPV)の生物検定などに用いてきた。直径30cmの円筒形の風洞では、30cm/秒の風速で実験するとして、1分間に1200リットルの風が出ていくわけで、かなりのパワーで冷却(または暖房)しなくてはならない。今年の夏のように、外気温が35℃であるとか、真冬の零下の時でも25℃で実験が出来るのが理想であるので、それなりの設備が必要である。
2023/08/15 「研究内容」の(5)にある、断面50x50cm,長さ1.5mの風洞は、2007年に当時、埼玉県園試に居られた根本久氏の研究プロジェクト(コンパニオンプランツ)予算で完成したものである。これまで、当研究室のいくつかのプロジェクトに貢献したもので、最近では「チャノコカクモンハマキの定位行動における視覚刺激の役割」というテーマで宮本君(現在、東京海洋大助教)が実験成果を出し学位を取得した。主な特徴は、部屋の空気を活性炭フィルターで清浄化してから流していること、風速は10~50cm/secの可変である。冬場の低湿度条件でも、大型の加湿器を備えているので、真冬の実験も可能である。気流の安定性であるが、整流を作るためにいくつかの工夫をしている。もし関心のある方、これから風洞装置を作ろうという方は、是非見に来て頂きたい。設置する部屋や施設の空調機を利用した風の流れを作らなくてはならないので、ケースバイケースで流路を考えなくてはならない。我々の現在の風洞が出来る前は、活性炭フィルターも無く、そのまま部屋の空気を風洞に導入し、換気扇で外に出していたが、隣のマウス飼育室の排気も同様に換気扇で排気していた。排気する場所が、学内の比較的人通りのある場所だったので、臭気が問題になり、換気扇を使って排気しないように大学から指示があった。隣にあった我々の換気扇もその余波を受けて、換気扇を閉じた。仕方なく、空調システムの排気口に風洞の出口を取り付け、バルブによって風量調節が出来るようにした。このシステムがちょうど我々の希望の風速等に合っていたので、これを長く利用している。INTECH出版の’Wind tunnels and experimental fluid dynamics research'にも書かせてもらった内容以外にも、いくつかのノーハウがあるので、関心のある人は相談に来ていただきたい。ちなみに、今まで見た中で一番優れたな風洞(もちろん昆虫実験用に限る)と言えば、ドイツのマックスプランク研究所の化学生態学グループのもつ風洞であろう。確か、真冬でも1m/secの風速で実験が可能だとか説明されていたように思う。もちろん、研究テーマありきで、テーマも一流である。
2023/03/24 今日は筑波大学の卒業式の日である。この3年間、オンラインの授業を余儀なくされ、サークル活動も自由に出来なくなり、大変な学生生活を送った学生諸君も多かったと思う。しかし、この日を迎えて、色々人生について、社会について、考えてきたことを今後の糧にして、生きていってほしいと思う。
私はと言えば、3月13日から15日まで、大阪の摂南大学にて日本応用動物昆虫学会の大会が行われ、それに参加した。大会が対面で行われたのは、2019年3月に行われた筑波大学大会以来である。応動昆大会となれば、1年に一度だけ会う人も居れば、しばらくぶりに会う人も居て、懇親会は大盛り上がりであるが、今回は懇親会は無しである。それにしても、ポスター会場は学生諸君や一般会員であふれて、いつもの学会らしい雰囲気を味わうことができた。私も30年以上のブランクがあるが、口頭発表を行った。その昔、日東電気工業にいたころの風洞実験条件の続きを実験して発表したものである。それまでは、チャノコカクモンハマキという蛾でどの程度の風速に耐えてオス蛾が性フェロモンに飛んでいくかは分からなかった。今回の実験で200cm/sec位の風速では定位飛翔が可能であることがわかった。250cm/secでは、オス蛾が飛べないで歩きながら風上に行くことが観察された。最も、よく定位飛翔する(風上の水盤トラップによく取れる)のは、10~50cm/secの風速であることもわかった。一般には30cm/secの風速がよく使われているが、これはどの種にも共通する飛びやすいスピードなのであろう。私の発表後に、若手の人から質問があった。それは、風速を測定したのはどこで測定したか?というものである。彼の風洞では、測る場所によって風速が異なるという。私の風洞は吸い込み式なので、吸い込み口はオープンにしている。つまり、部屋の空気を自由に吸い込む方式である。これだと、風圧は変化せず、どこで測ろうが一定の風速である。質問者の風洞は、風上と風下の両方にファンを取り付けて、双方の風圧を調節しながら風速を設定しているのである。ちょうどこの私のウェブサイトの研究内容を見ていただくと、それと同じ方式の風洞が見られると思う。このことが質問されたときに想像できたので、私の場合は1カ所の測定で十分であることを伝えた。もし、あのときの質問者がこのブログを見てくれた場合には、風上と風下の両方にファンがあるときにはどう調節するかで説明を加えたいので、ご一報願いたいが、難しいだろうか。この20年間は風洞と4-arm
olfactometetrを使い続けたので、色々残しておきたいノーハウがあるので、少しずつこのブログにも書いていきたい。英語で、風洞の総説(2011)を書いたことがあるが、細かいことは書かなかったので付け加えたいことも多い。
2022.09.22 今日で留学生のD君も修了だ。3年間、ほぼコロナ禍の中でよく頑張った。関係の皆さん、ご苦労さまでした。
2022.09.21 9月に入ってウェブサイトを少し新しくした。応用動物昆虫研究室からも組織的には離れることになり、ラボ名も新たにした。ラボといっても研究室の形態を取っているでもなく、プロジェクト研究を行うグループの集合をラボとしたわけである。このラボがいつまで続くかわからないが、研究活動が許される限り続けたいものである。

