研究内容

1.天敵昆虫の行動制御による生物的防除



2.昆虫行動制御物質の研究とその害虫管理への利用



3.昆虫の行動生態学

最近の研究テーマ


1.ハマキコウラコマユバチの学習行動 (写真)

 茶の害虫チャノコカクモンハマキの天敵であるハマキコウラコマユバチが、寄主を探すための学習能力を持っていることがわかり、植物成分に対する連合学習を中心とした研究を進めています。


2.カリヤコマユバチの植物成分への誘引と学習 (写真),(風洞装置)

 イネ科植物の害虫アワヨトウの天敵であるカリヤコマユバチは、加害を受けたトウモロコシに誘引されることがわかっています。コマユバチは、この加害トウモロコシからの揮発成分を学習して寄主探索を行うことが風洞実験から明らかになりました。



カリヤコマユバチの条件付け方法。トウモロコシ葉抽出物を処理したろ紙の上でアワヨトウの糞に反応する雌カリヤコマユバチ。

3.ブランコヤドリバエの植物成分への誘引 (写真)(風洞装置)

 チョウや蛾の幼虫に寄生するヤドリバエが寄主を探索するときにも、寄主の加害を受けたトウモロコシの揮発性植物成分を手がかりにしていることが証明されました。



 

4.Y字管を用いた選択実験(写真1,2,3,4,5)

 Y字管は、昆虫のにおいに対する反応を調べる装置です。簡単な検定法として、多くの物質のスクリーニングや2種類のにおいの選好性(好み)を比べる場合に便利です。ここに紹介するY字管は、透明摺り合わせを用いて気密性を高めたものです。



5.活性炭フィルターを備えた風洞装置(写真1,2)

 給気部分に活性炭フィルターを装着することにより、部屋のにおいを気にすることなく風洞実験ができるようになりました。照明も明るくして、昼行性の昆虫行動実験により適したものになりました。