2004年4月 メキシコ、レイク・エルサルト釣行記 |
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「地球の裏側にあった「楽園」(エル・サルト釣行記)」 [東京都北区・津谷様]
2004年4月 メキシコ、レイク・エルサルト
(はじめに)
「スィンコー?」。初日の朝、初対面の挨拶もそこそこにガイドのハビエルから突然の一言。「スィンコー」って・・・?数字の5か・・・?悩んでいると、彼はワームボックスを指差したのです。そして、指で何やら形を作り私たちに問いかけてきます。程無くして「センコー(ヤマセンコー)」のことだと解り、「ワームはせいぜいズームか、南部(アメリカ)や、地元(メキシコ)のローカルベイトだろう・・・」と漠然と持っていた固定観念があっさり崩されたのでした。
なぜ冒頭からこんなことを書いたのかと言うと、現地での「センコー信仰」が恐ろしく篤いように感じられたからです。正直意外でした・・・。滞在中に接したガイドの全員が、「センコーは持っているか?」と例外なく訊いてきました。「エル・サルトに行けばハードルアーでバコバコだ!」と意気込んでいた自分には「えっ・・・?」な出来事です。ワームをそれほど持込んでいなかったのですが、1パックだけあったセンコーとタフった時の押さえ用に持っていたバレットを見せると大きく頷き、妻のラインの先にリグったのです。なんと「ワッキー掛け」で!
※釣りたいならセンコーは必携かもしれません!(私はデスアダーで爆釣しましたが・・・。)
(夢のような4日間)
スペイン語と、日本人には聞き取りにくいアクセントの英語のアナウンスが着陸態勢に入ったことを告げると、マサトランの空港が見えてきました。隣の妻も目を輝かせて(さっきまでは爆睡してたのに・・・)窓の外に目をやっています。憧れの地、夢にまで見た「エル・サルト」がすぐそこまで来たのか、と思うと興奮を抑えられない自分がいました。
「新婚旅行どこにしようか?」妻の問いかけに「メキシコ行きたい!」と冗談半分で答えたのが、いつの間にかトントン拍子に話が進み、今では立派なバス大好きアングラーに成長した彼女の理解と協力に助けられ、今回のメキシコ釣行が実現したのです。日程は4/26〜5/4、ロス・カボスでのリゾートを前半の3日間に組込んだスケジュールです。「夢のまた夢」だと思っていたメキシコですが、「行くぞ!」と決めてしまえば行けてしまうものです(正直言うと、ほとんど妻任せ・・・)。 結婚式の準備に追われ、仕事もこなしながら、ほとんど全ての手配を済ませてくれた妻に感謝、感謝です!
また、今回の旅行にあたっては、当サイトのスタッフの皆様に多大なご尽力をいただきましたことを深くお礼申し上げます。面倒なロッジとの交渉等、皆様のご協力なくしては今回の釣行がとても実現できるものではなかったことは言うまでもありません。本当にありがとうございました。
《マサトラン〜パパロタへ》
空港に降り立つと(想像以上に小さい空港ですよ)人懐こそうな笑顔で声を掛けてきたのが案内役のラウル。「迎えの人とは間違いなく会えるのだろうか・・・?」という心配がまずはクリアされました(ただ、「パパロタの人ですか?」と確認することは忘れずに・・・)。
さて、あとはロッジまでGO!・・・と、行きたいトコロですが、なぜか迎えに来ていたのはタクシー。なんでも「オフィスに行って車を乗り換える」とのこと、少々不安になりながらもタクシーはマサトランの街をオフィスに向けて走り出しました。車中、(ラウルは英語が話せるので、私とのカタコト英会話で)新婚旅行で来たこと、メキシコは初めてであること、ラウルはバス釣りはしないが海釣りが大好きで、その日の朝も大物のマグロを釣ったこと・・・などを話しながら20分ほどでオフィスに到着。「何か飲んでいくか?」と尋ねられたのですが、辞退して車を乗り換えます。ここでやっと大型のバンが登場、それらしい雰囲気になってきました。ドライバーのバレンティーンは英語がほとんど話せないようで、(私もスペイン語はあいさつ程度しか話せない・・・)コミュニケーションに苦労しますが、ロッジまでは90分程度とのこと。途中でジェリー(ロッジ滞在中は父親のような存在。もちろん、その時点ではそんなことは解らない・・・)をピックアップして一路ロッジへ。海沿いの街中からハイウェイへと快適なドライブは続き、段々と「いかにも」な風景へと変わっていく景色を眺めながら、期待は大きく膨らむのでした。
到着したロッジは、想像していたよりもこじんまりとした造りで、中庭を囲むようにロッジと食堂、オフィスが建っています。ガレージ部分はさすがに広く、奥のカーポートにはボートが並んでいます(それほど豪勢なものを想像しないでくださいね)。
ジェリーに部屋まで案内され、夕食の時間などを話し合っていると、ウェルカムドリンクのマルガリータを持ってシノエ(日本で言う番頭さん?とても良く気が付くナイスガイ)がやって来ました。乾いた喉には嬉しいサービスです。アルコールは苦手な自分にも、スイスイ入ってしまいました。
ロッジの部屋は、日本の標準的なビジネスホテルぐらいの広さのツインベッドルームで、カーペット敷きです。シャワーとトイレ、部屋の隅に洗面台(日本人には高い!)があり、他に設備はエアコンのみ、といったシンプルな部屋です。が、過度の期待をしなければ充分快適です。キレイな部屋に泊まることが目的ではありませんし・・・。
部屋に入り、まっ先に心配だったロッドの梱包を解いてみると、まったくの無事。これでまた心配が1つクリアです!リールの梱包も解き、ロッドにセットする頃には約束の夕食の時間になっていました。外はまだ薄明るいのですが、夜の8時になろうかという時間帯で、当然お腹はペコペコ、勇んで食堂へと向かいました。
「うおっ!」思わず声が出るほどのボリュームある一皿が私たち2人を迎えてくれたのです。ケイジャン風に料理されたシュリンプフライです。たっぷりの野菜と熱々のスープまで付いています。大好きなトルティーヤも食べ放題で(エビと野菜をくるんで、サルサで食べると最高でした!)大満足のディナーです。しかも食後にはデザートのケーキまで!不覚にも半分を残してしまい、「ケーキは別腹よ!」と、力強く宣言する妻の胃袋へと収納されたのでした(笑)。
食事に関しては、非常に日本人の口に合う味付けです。その点を心配されている方がいらっしゃるのであれば、それは問題ないと思います。まぁ、「メキシコに行こうかな・・・」と考える方々のレベルで、という意味でですが(「毎日温かい味噌汁が飲みたい」などというのは無理ですよ)。2日目以降も、私たちは毎回の食事がとても楽しみでしたし、その期待に違わぬ内容でした。ただ食事の量に関しては、日本人レベルで考えると少し多いかもしれません。「大食い夫婦」を自認する私たちが、いつも満腹になるほどのボリュームですから(出てくるもの出てくるもの、全て平らげるので、段々と量が増えていったような気もしますが・・・)。
「アスタ マニャーナ!」と満腹で部屋へと戻り、シャワーで旅の疲れを洗い流すとさすがに睡魔に襲われました。「来ちゃったよ、エル・サルト・・・」。改めて感慨深いものがこみ上げます。夢の中で10パウンダーとリハーサルでもしながら眠るとするか、「釣るぞ〜っ、明日から!」。
《釣り初日》
陽は長いのですが、エル・サルトの夜明けは思いの外遅く、日の出は6時過ぎ頃です(夜明けと同時にスタートフイッシング、のようなので季節によって多少時間が前後すると思いますが、私たちが訪問したGWはその時間)。モーニングコーヒーで(シノエが部屋まで届けてくれます)目を覚まし、高鳴る胸を抑えながら食堂へ。またまたボリューム満点の朝食を堪能し、いよいよレイクへと出発です(メキシコとはいえ、この季節の早朝はかなり涼しいので、朝はしっかり着込んで出掛けることをお勧めします。私は長袖にジーンズ、の上からレインウェアの上下を着ました。それでも朝のボートランでは少し寒いぐらいです)!
紫色の空の下に、いよいよレイクが見えてきました!実際には10分ほどのロッジからレイクまでの道のりがとても長く感じられます(笑)。途中でガイドのハビエルをピックアップし、いよいよレイクに到着。ここまでボートを牽引して来るのではなく、すでにレイクにボートが用意されていました。
3人が乗り込んだボートは16ft程度の中型で、60馬力のエンジンと前後にエレキが装備されていました。魚探も付いていて、ピカピカの新艇ではないにせよ、必要充分な装備は備わっています。広さに関しても、ガイドは後ろでエレキの操船に専念してくれるので、2人が充分に釣りをできる広さは確保されています。
「バモノス!」。ジェリーに見送られながら、ボートは静かに離岸しました。さぁ、いよいよ「エルサルトバス」との夢の邂逅です!
「数釣りがしたい」という妻の希望もあり最初は「数釣りエリア」へと入ってもらいました。スタート地点からメインレイクを抜け、大きく左へとカーブし南側のバックウォーター(日本の感覚から言うと充分立派なメインレイク!)に向かう途中にある、なだらかな馬の背が中規模のワンドの出口になっているエリアで、最初にボートをステイさせた位置で水深9ftほど(だったと思う)。細い立ち木がところどころに顔を出しているような場所です。
「朝だからハードルアーで行こうよ。」ということで、立ち木の横を通した妻のシャロークランクにヒット!30センチちょいの元気な小学生でしたが、一投目からのいきなりの洗礼に「こりゃ、期待通りの釣りが出来るかな?」と、甘い期待を抱いてしまうのでした。
朝モヤの中、岸際のシャローでは日本のレイクではまず耳にできないような重く、低い「ガボン、ガボガボ・・・」という捕食音が響きます。ただでさえ興奮している状態には、まさに耳の毒(笑)。ライズに向かってペンシル、バズ、ポッパー・・・と投げ続けるも玉砕、後ろでは「クランクは根掛かりするからダメ」とワームに持ち替えた妻が入れ食い状態!サイズこそ30〜35センチですが生涯初の「入れ食い体験」を楽しんでいます。エル・サルトのバスは元気で引きが強いので、35センチクラスでも一瞬「おっ!」と思わせる突っ込みをします(感覚的にはプラス10センチか?)。これはこれで楽しいですよ、今の日本ではなかなか味わえないことには変わりがないでしょう。
「水面までは出てくれないのか?」と、スピナーベイトにチェンジして水面下を引いてくるとコレが正解。立ち木の脇を抜ける時にひったくるようなバイトが連発、がサイズは40センチまで・・・。40分ほど楽しんだところで移動。「このままじゃ、ワームがなくなるなぁ・・・」そんな心配が頭をよぎります。
続いてのエリアもシャロー。朝イチのエリアと似た風景です。とっくにセンコーとバレットは使い果たしていたので、妻にはジャングラのテールカットを勧めましたが、同じペースでほぼ入れ食いが続きます。ワームが苦手な自分はスピナーベイトとジャークベイトを使い分けてポツポツとキャッチしますが、やはり35センチ級が中心でサイズは上がりません。ほどなく移動・・・。
上流に向かって数分走り、川幅が狭くなり(対岸まで60メートルほど)やや流れが出てきたエリアに面する、深さのありそうなワンド入口の岬からスタート。ボートの真下で25ftだったと記憶しています。「岸に向かって投げろ」とのことなので、立ち木のまばらな箇所にスイムベイト(ブロディ)をキャスト。表層から水面下1.5メートルまでを丁寧に探るもノーバイト、途中40センチ弱が一度チェイスしてきたのみ。後ろでは相変わらず妻が、貴重なワームを惜しげもなく浪費しながら飽きない程度に30〜35センチをキャッチしています。この頃になると陽も高くなり、気温も上昇してきます(温度調整のできる服装と日焼け止は必携だと思います。妻は日焼け止の厚塗りで、歌舞伎役者のようになっていました。)。バスのレンジが下がったかな?と思い、テキサスにリグった8インチグラブを投入。数投後、25センチのかわいいバスが25ポンドラインの先にぶら下がっていたのはご愛嬌?
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数釣り希望ということもあり、午前中は似たようなエリアを廻って終了。12時にストップフイッシング。迎えの車でロッジに戻り昼食後、軽くシャワーを浴びて昼寝タイムです。とても優雅な感じがして、これぞリゾート気分!
もちろん昼食は味、ボリュームともに申し分なしです。
午後の開始は2時半に設定しました。もちろん調整は可能でしょう、女性同伴ということもあり長めの昼休みとしましたが、正解だったと思います。暑い中での釣りは体力も消耗しますし、しっかりリフレッシュして午後〜夕マズメに集中した方が良い結果が望めるような気がします。
午前中の釣りで自分なりに「メキシコとは言え、そうそう大物ばかりが釣れるわけではない。」、「シャローには中型が多く、早い動きに好反応。大型はディープでスローな釣り・・・?」みたいなパターンが見えてきたので、少しずつ自分の釣りが出来るようになり、ペースも掴めてきました。ガイドへの指示は午前と同様に「数釣り!」とし(楽しそうな妻の姿が嬉しいので)、自分はその中で大物を狙って行く、飽きたら巻き物で中型と遊んで集中力キープ、という作戦を立てます。
ほぼ作戦通りの釣りが展開(唯一の誤算は大物が出ないこと・・・)され、妻は大満足!私は中満足・・・の中、日没でストップフイッシング。釣りをしていると、あっと言う間に時間が経ってしまうのだけは、日本もメキシコも共通のようです(笑)。途中ボートトラブルで転覆しかけたりというトラブルもありましたが(お陰で翌日はボートのグレードがアップしたので良しとしましょう)、おいしい空気、素晴らしい景色、釣り人の少なさ等のロケーションの良さ、魚影の濃さ、ルアーへの反応の良さ、引きの強さ等の釣りのクオリティーの高さ、と非常に充実した一日でした。さらに、ロッジに戻ればおいしい夕食と楽しい雰囲気が待っている・・・となれば、これはもう楽園ですよ。
初日の釣果:43を頭に40クラスが6本、35級25本ぐらい?30以下の小型(かなり引く)が10本ほど。
※中型は立ち木の際でワームをゆっくり使えばいくらでもつれるカンジ
立ち木エリアでのスピナベの釣りはかなり楽しいのでお勧め
《釣り2日目》
初日の夜、ロッジマネージャーのスィギスが「どうだった?」と訊いてきたので、「とても楽しい。大物は釣れなかったが最高だ!妻も非常に喜んでいる!」と答えるのに併せて、ボートのトラブルの件と、ワームがなくなってしまいそうで心配なこともしっかりと伝えておいたところ、翌日にはボートがしっかりとレンジャーの17ftに変わっていました。「一晩でボートのメンテが完全に終わるかな?」との心配は解決!困ったことや疑問はなんでも伝えてしまうのが良いと思いますよ。向こうもその方がやり易いと思います、必ず何かしらの対処はしてくれますから。
昨日ガイドをしてくれたハビエルが風邪でダウンしてしまい(釣りの最中からスゴく辛そうで心配だった・・・)、今日からポンシァーノにガイドに変更。英語がほとんど通じないけど気の良いタイプで、こちらの拙いスペイン語にも明るく反応してくれたのでボートの上は和やかな雰囲気。な〜に、釣りの最中はコミュニケーションなんて絶対に何とかなりますって!
「数がまぁまぁ釣れて、大物が期待できるようなエリアに行きたい!」というわがままなリクエスト(たぶん通じたハズ・・・)に半分苦笑いを浮かべながら着いたのは、スタート地点からそう遠くないシャローフラット(それにしても朝のボートランは気持ちいい!)。陸上のなだらかな地形がそのまま水の中へと続いていて岸から20メートル離れた位置で水深5〜6ft、切り株になった立ち木も多く、岩も点在するエリアです。昨日で数釣りを満喫し「少し大きいのを釣りたい」気分になっている妻はデスアダーのノーシンカー、私はスーパースクープでスタートします。昨日同様、あちこちで超大物と思われるライズ(そのたびにポンシァーノが「グランデ〜!」と笑いながら叫ぶ)があるのですが、なかなかトップには出てくれません。パワーホグをコンボしたジグとスピナーベイトにチェンジし、岸際を撃ちまくる。底質の固いスポットでジグをリフトした瞬間に重たいバイト!思い切りフッキングすると「ズシン」という、かなりの手応えが・・・。「ん、デカいかも?」。強烈なファイトを強引に寄せてくると、ボートの近くでまた大暴れ・・・1.5オンスまで対応するジグロッドがいい曲がりをします。ところが、ジグをガッポリ咥えて上がってきたのは44センチほどの魚。ただ、今までに見たこともないほど丸々と太ったグッドプロポーションです。よほどベイトが豊富なのでしょう。自分の国内記録である49センチより明らかにウェイトがあり、引きの強さも勝ってました。「このクラスでこれなら、8ポンド、10ポンドはどうなんだ!?」、そう思わずにはいられない一匹です。
その後も40センチ級がポツポツとヒットし(ガイドも私もそのエリアにかなり手応えを感じていたこともあり)2時間以上粘ったのですが、それ以上の大物はなし。そこそこ?と思われるサイズを一本掛けたのですが、スタンプに擦れたのかブレイク・・・可哀想なことをしました。デュエルの25ポンドだったのですが、ラインチェックを怠った自分のミス・・・。
トイレ休憩の後(「ヨ ケロ イル アル バニョ.」(「トイレに行きたい」)は覚えておいた方がいいと思いますよ)移動したのは上流のベンド部でした。インサイド側の岬がそのまま水中に続いているエリアで、9時過ぎになってもまだ日陰になっています。立ち木はややまばらで、あちこちにティラピアの稚魚がスクールしているおいしそうなエリア!「なんとかのひとつ覚え」でスピナーベイトとブロディをキャストしまくります。・・・が、ここでは何の音沙汰もなし。妻のジャンボグラブ(テールカット)に35センチ級が一本出たのみです。ある程度陽当たりが良くて水温の上がるスポットの方が午前中は好結果を期待できるのかもしれません。
冷たいコーラでリフレッシュ!の後、大きく移動。到着したのは、一転して広〜いメインウォーターのほぼど真ん中、見慣れた立ち木も、岬もありません。少々不安になり、「ここ・・・?」と眼で尋ねると、ポンシァーノは大きく頷きます。身振り手振りから「水底に大きな起伏があって、大物がいる」らしいことが解り、ちょっとヤル気に。このあたり、釣り人なんて現金なものです(笑)。
「キャロライナリグ&スイムベイト!」との指示(実際はもっと訛ってますよ・・・)なので、妻にはキャロを自分はスイムベイトを結び大物目掛けて何もないレイクのど真ん中へ遠投します。あっ、そうそう・・・こっちでガイドが言う「スイムベイト」はいわゆる日本での「ビックベイト系スイムベイト」ではなく、ストームのワイルドアイシャッドを指すようです。実際よく釣れるので、持って行くに越したことはないと思います。サイズと色を変えて2パターンずつ程度あると助かるでしょう。ノンラトルの重たいバイブレーションでも代用が効きますが、根掛かりのしにくさを考えるとストームかな、と。柔らかい波動が効くのかもしれませんが、私は国産のバイブレーションでもかなり釣りましたので(ダブルフックに変更しておいたのが役立ちました)、その辺はお好みで。おっと、かなり脱線してしまいました・・・硬い底質らしく、ズル引きすると「コリコリ」した感触が伝わってきます。周辺には他のボートも浮いているので、かなり実績のある場所なのでしょうか。ここで初めて他のボートとバッティング(という程接近してるわけでもありません)したというのも驚きですが・・・。風向きや水流が悪かったのか、ベイトが回っていなかったのでしょう、ここではノーバイト。
その後、深さのあるワンドを2箇所ほどチエックし、帰りの途中にダムサイト近くの島周りを流して午前の釣り終了。島周りで妻が立ち木に巻かれてブレイクしてしまいましたが、それほどの大物ではなかったように思います。相変わらず立ち木エリアでのスピナーベイト(私)、デスアダーのフォーリング(妻)がストロングなのですが、あくまで「日本に較べて」の話・・・。ホント、中型までなら、面白いように釣れるんですが・・・。
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午後からは「もう大物狙いオンリー!」で妻との意見も一致したので、「グランデ!」を連呼しながら、ひたすら大物ハンティングです。どうも、エルサルトのこの時期は午後になると風が強くなるようなのですが、昨日にも増しての強風が吹く中、「バモノス!グランデ〜!」です。
スタート間もなくの、両岸が急激に狭くなる岩盤エリアから開始です。かなり風が強く当たり、流れもキツいのですがポンシァーノはハンドコンで上手にポジショニングしてくれ、頼もしい限りです(キャストミスの言い訳はできませんが)。風も流れも強いため3/4オンスのラバージグを結び、岩盤際をフォールで攻めます。ところが一向にバイトなし・・・ジグを諦めスピナーベイトにチェンジすると途端にバイトが連発します、が、毎度おなじみの35センチ級のオンパレード。中には25センチクラスまでもが元気にバイトしてきます、でも君じゃないんだよ〜!大物はもっと深場か?閃きのようなものに従い、スピナベを少しカウントダウンしてみます。2メートル付近を丁寧に探ってみるのですが、今度はアタリすらなくなってしまいました。風と波でベイトもバスも浮いているのでしょうか?かと言って、表層を流せばサイズは上がらないし・・・妻は強風のためにバックラッシュしてるし・・・って、直してる間に釣れてるよ!「究極のナチュラルフォール」メソッドでしょうか??(笑)殺気も消えてるだろうし。この一件から、この技は妻の得意技になりました。バックラッシュを直していると2分の1ぐらいの確率でバスが喰ってきてました。
後ろでやられると、かなり力が抜けますよ。なんだか必死にルアーを操作するのが虚しいような・・・。このままではサイズが上がりそうにないので、程無く移動です。
妻のバックラッシュを哀れに思ったのか、大きな岩盤状の岬の風裏になる部分が次なるエリア。やはりかなり急深で、水面下には立ち木がチラホラ(顔を出している立ち木は少ない)。ディープクランクでスローに攻めますが一向に反応なし。妻のデスアダーにもアタリすらないまま時間だけが過ぎるばかり・・・。
やはり、午後の日中は風や水の動きがキーになるみたいです。多少釣り辛くても、風の当たるスポットを攻めるべきでしょう。しかし、ガイドにそこまで伝える語学力もないためどうしようかと思っていると、彼の方から「移動!」と言って来ました。
想いか通じたのか、水通しの良さそうな立ち木ジャングルエリアに到着。岸から40〜50メートル沖まで立ち木がビッシリで、魚探を覗くとなんと水深は33ft!「ここを釣るんかい・・・」と思わずツッ込みたくなるのをこらえ、8インチワームのテキサスをセット。立ち木に沿ってフォーリングさせ・・・たいのですが、なにしろ風が強く、波も激しいのでフロントデッキに立てない状況。海の沖にジギングに来た気分です(笑)。おまけに無数の立ち木の中には、かなり枝ぶりの良いのもあってボートの進行を阻むこともしばしば・・・後ろで妻が根掛かりでもしようものならもうパニック!さらに妻の根掛かりが外れた途端に前で私が・・・慌ててボートを前に進めると、後ろで妻にヒット。
「来た〜」と喜んだのも束の間、立ち木に巻かれてしまいアウト・・・ボートの上は大騒ぎで、3人で爆笑です。まるで遊園地のアトラクションのよう・・・。
そんなことをしに来たわけではないのに、それはそれで結構楽しかったりしたのです。さずかに「こりゃ敵わん!」と思ったのか、このエリアは早々に見切りを付けたポンシァーノでした。お疲れ様、でも結構楽しかったよ・・・(恐らくはこんなエリアの深場に大物はサスペンドしているのでしょう、魚探にも大きなフイッシュマークが映っていました。13ftとか18ftに・・・)。
夕方までは、あまり良い結果が出ずに数箇所を廻り(シャロー、ディープともにダメ)ちょっと集中力が途切れかかった釣りを続けているうちに陽が傾き始めてきました(7時前頃から夕方、といったカンジです)。最後のエリアはメインレイク、陸地の大きな丘が巨大スロープのように水中へと続く大場所です。釣るのは岸から30メートルほど離れた、水深15ft前後のブレイク。顔を出している立ち木が急に途切れているスポットです。あちこちでバスのディナータイムが始まっているようです。不思議なもので、こうなると釣り人の活性も自然と高まり、やる気満々!(笑)
まずはシャロー側へバズベイトを遠投、遠投。しかし、一度だけ出たようなのですが不発に終わり、ダブルフックにしてあるバイブレーションにチェンジです。エルサルトでは、やはり立ち木を攻めることが多いので、根掛かり対策は必要でしょう。ガイドは必ず根掛かりを外してくれようとしますので、その度に釣りが途切れますし、時間もロスしてしまいます。ソフトルアーはさておき、巻物好きの自分としてはやはりクランク・バイブで攻めたいため、ダブルフックに替えたルアーをいくつも持参しました。アタリはほとんどフックアップしましたし、ハードルアーのロストは1つで済みました。ディープクランクやロングビルは集中してスローに巻けばほぼ根掛かりしませんが、バイブはそうは行きませんので・・・(バイブで手返し良く釣れるんですよ、これがまた!)。
バイブレーションで楽しく釣り続けるも、サイズはイマイチ。そんな私を尻目に後ろで妻はフィーバー状態に突入!40アップのほぼ入れ食いでかなり楽しそうです。デスアダー恐るべし・・・しかも、サイズアップを狙って8インチを投げてるみたいです。そんなものを見せつけられては私もたまりません、すかさずデスアダー(当然8インチ)投入です。すると私にもやって来ました、フィーバータイム!(笑)
たちまち7キロオーバーのリミットメイク達成、といったトコロでしょうか?しかも、どのバスもヒットの瞬間から「ひょっとして・・・」と思わせるほどの激しいファイト。これほどの釣りは初めて味わう経験です。日本ならば超々大満足の釣りなのですが、人間とはつくづく欲深い生き物です。気が付くと「う〜ん、またこのサイズかぁ・・・」と贅沢なことを思ってしまう自分がいるのです。ですが、そうそう世の中うまく事が運ぶはずもなく、親指がザラザラになったトコロで日没、ストップフイッシングとなりました。妻はすっかり興奮した表情で大満足!その顔を見て、改めて「来て良かった!」と思いました。
ロッジに帰っての夕食の時にも、その日の釣りを振り返りながら話に花が咲きました。ただ「今日の釣りでこんなに楽しいんだから、10ポンドとか釣ったらどうなるんだろうね〜?」と、彼女もすっかり「メキシコ熱」に冒されているようです。食事が終わる頃、スィギスがやって来て「これを使ってくれ」とワームを差し出します。見ると、街まで行って手に入れてくれたと思われる「センコーもどき(バスプロショップ版)」です。釣るたびにワームがなくなり、ボート上でライターによる補修作業を繰り返す私を見て、急遽買いに行ったのでしょうか?手持ちのデスアダーも減っていたので、ありがたく受け取りました。こういった気配りは嬉しいものだし、さすがです。ストームのスイムベイトも1袋もらっちゃいました。「あの〜、コレ普通の竿じゃ投げられないぐらい重いんですけど・・・(笑)」。「これを使って大物を釣ってくれ!」。よ〜し、釣ったろうじゃないか!
2日目の釣果: 44(5?)を頭に40アップ級が14〜5本、35級10本、30以下10本ほど
※ワームを大きくしてもそれ程サイズは選べない
なぜかラバージグには反応悪い
クローム系のバイブレーションに好反応
《釣り3日目》
昨日の余韻も冷めないまま、今日も釣る気は満々です。狙うはもちろん10パウンダー!・・・それにしても朝は寒いなぁ・・・。でも朝焼けの景色は最高ですね、ホントにきれいです。
朝イチは浅い小さなワンドが2つ連続していて、その沖にハンプがあるエリア(魚探と立ち木の生え方からの推測ですが)。ワンドを遠目に見て、ハンプの沖側から釣り始めます。ボートの下で水深9ft程度、ハンプのブレイク方向に投げろとのことです。私はペンシルベイト、妻はポンシァーノの勧めにしたがいセンコー(もどき)のワッキーをキャスト。あちこちでライズがあるのですが、なぜかトップには反応なし・・・ならば、と立ち木の薄い部分にジャークベイトを通すと30センチ級がポロポロと出て来ます。妻のセンコーにも「良く喰ったなぁ」と言いたくなる小バスがポツポツ・・・(ちなみにセンコーは7インチ)。ワンドの奥まで入ってるんじゃないの?と思いながらも、ハンプにおいしそうな立ち木があるので、ついつい撃ってしまいます。テキサスに1本だけ40センチが出たのみで、いよいよボートはワンドの中へ。ポンシァーノのアプローチはとても丁寧で、風向き等もよく考えた操船をしてくれます。スポットへもしっかりと手前から攻め入って行き「考えてるなぁ」と思わされます。メキシコに行く前はガイドの操船等にはもっと雑なイメージを抱いていたのですが、それは全くの偏見でした。ごめんね、ポンシァーノ・・・(笑)
ワンドの中は泥底のフラットで、ワンド中央で4ftほどの深さです。やり慣れたシャローフラットの釣りなので、ちょっと安心したりして・・・。おいしそうに見えたワンドですが、それほどでもなく、私のテキサスに2本の「そこそこ」が来ただけ。妻のバックラッシュ釣法がここでも炸裂しましたが、小バスでした。
この日は前日までよりも気温が低く、朝の活性が低いように感じました。その後も良さそうなエリアを廻ってみてもサイズ・数ともにイマイチ。まぁ、もう数にはそれほど固執してはいないのですが・・・。「今日は釣れないね・・・」お互いにこぼしながら移動してきたのは上流のかなり切り立ったエリアでした。川幅30メートルほど、日本のダム湖の上流部のような雰囲気で、なんとなく(見慣れた景色に)安心してしまいます。立ち木は少なめで岸際は小石混じりの土になっています。あちこちでベイトのライズがあり、時折それを追い回すバスのライズが起こり、やる気もアップです。シャロークランクで流していると、すぐさま元気なバスからの反応があり35センチ、40センチと続けてキャッチ。「ここはいいんじゃない?」と後ろを振り向いた瞬間、妻のクランクベイトにヒット!なかなかのサイズのようで、ロッドは大きく弓なりです。「大きいかも・・・」そう言いながらファイトを続ける妻、なんとか寄せてきたバスを見た瞬間、ガイドのポンシァーノが2日間で初めてネットを手にしたのです。「デカいね!」。思わず私も叫ぶほど頭の大きな、丸々と太ったバスです。
オープンなエリアだったため立ち木に巻かれる心配はなし、あとは「バレるなよ〜」とだけ祈って、必死にファイトする妻を見守ります。激しいファイトの後、なんとかネットに収まったバスは47センチのグッドシェイプでした(超大物を期待していた方、ごめんなさい・・・)。自己記録更新です!国内ではそうそう釣れないサイズに自分も興奮、もちろん妻は大興奮!!(でもポンシァーノは「ノーグランデ」と冷めていました(笑))
記念撮影をしてリリースした後も、しばらくボートの上で盛り上がりました。「もっと大物がいるかも・・・」と意気込んではみたものの、期待に応えるサイズはあがりません。ですが、自己記録更新という最低の目標は達成できたので、ご機嫌のまま午前の釣りは終了です。
午後になると気温も上がり、ランチと昼寝でリフレッシュした私たちは再び湖上へ。メインレイク部が急に狭くなるエリアの岩盤から釣り始めます。かなり流れが強く、エレキでステイするのがやっとの状況の中、必死にスイムベイト(ストーム)を投げるも小バスが2本。妻の得意技(バックラッシュはしたんですが)もここでは不発でした。
続いて移動した「岩盤のエグレ+浮き草」のスポットも不発・・・スピナベを沈めて中型を1本のみ。陽射しが強くなってタフなのでしょうか?それとも大物だけを釣ろうとしてるうちに知らず知らずに釣りが雑になっているのでしょうか・・・?
続いては大きな岬2つに挟まれた、深さのあるワンドを釣ります。「ハードベイトを使ってくれ」とのことなので、私はバイブレーション、妻はクランクベイトで攻めていきます。水深1メートルほどのブレイクを探っていると、かなり気持ちのいいバイトがあり「おぉっ!」と思うと40センチ弱・・・相当引きましたが、もはや喜べるサイズではなくなっています。なんて贅沢なんだ・・・人間ってコワい・・・。
ワンドの最奥部まで流したトコロで、より深く探ろうとディープクランクへとチェンジ。立ち木をかわしながらスローにスローに釣っていた数投目のことでした、一瞬「根掛かりか?」と思う感触から「グンッ・・・」という重い感覚が竿に伝わってきました。大きなストロークでしっかりと巻き合わせ、よし乗った!
とたんに下へ、下へと突っ込む強烈なヒキ・・・「立ち木だけはダメ」と必死に竿を立てリールを巻きます。が、明らかに今までに経験したことがない程のパワーで相手もなかなか姿を見せません。巻いては堪え、堪えては巻き、竿先が水面まで曲がることもしばしば・・・。
どれぐらいのファイト時間だったのでしょうか、やっと姿を見せたバスはやはりなかなかのサイズです。興奮と「バレるなよ〜」という不安の中、とうとうネットに収めることに成功しました。「やった〜」、「うわ〜大きい!」。2人の声が釣り場に同時に響きました。早速メジャーをあてると53センチ、お腹がパンパンの見事なバスです。恥ずかしながら、午前中の妻に続いて私も自己記録を更新!「せめて50アップは釣らないとな・・・」と思っていた最低のノルマは達成できました。ポンシァーノと握手し、喜びを伝えます。が、彼は「もっと大きいのを釣ってくれ」と言わんばかりの複雑な表情・・・そりゃ、釣りたいのはやまやまですけどね(笑)。
53センチをキャッチしてからは、明らかに狙いがディープの方へとシフトしていきました。時間的なものもあるのでしょうが、岬やワンドではなく沖の水底変化や水の動きを釣っていきます。キャロやスイムベイト、重目のバイブ等がメインになります。ロングビルを2〜3メートル潜らせての中層ジャークも効果的でした。ですが、満足サイズとは出会えず(大物狙いのため)数もポツポツ・・・。昨日の最後に爆発したエリアにも向かいましたが、先行者が入っていたためダメ・・・。このあたりになると、「あと明日半日しかない」というあせりが徐々に2人のプレッシャーになってきて、釣りもチグハグになりがちなのか、ますます釣れない状態に。最後に入ったエリアもいい雰囲気のシャローで、いかにも「釣れそげ」だったのですが大した釣果はなし。そして日没終了です。まっ、2人とも自己記録は出たし、まずまずの釣りだったかな。
3日目の釣果: 53、47を頭に40センチ級が4〜5本、35級7〜8本、30以下7〜8本ほど
※53は黒金、47はアユカラーのクランクベイト
ワームはデスアダーがやはり強い
日中はスローな動きのルアーに反応良し
《釣り4日目》
さぁ、泣いても笑っても最終日。「ここに浮かんでいられるのもあと数時間かぁ・・・」、そう思うと無性に寂しくなります。ですが、朝からそんなことは言ってられません、残る半日、ベストを尽くして釣るのみです。行くぞ〜、ポンシァーノ!「バモノ〜ス!」
最初に到着したのは見覚えのある景色、2日目の午後に釣ったシャローフラットとそれに続くブレイクの絡むエリアです。海用の大きなペンシルポッパーをブレイク上からフラットに向けて遠投し、早めのアクションでチェック。反応がないのでポーズを交えてゆっくりとアクション・・・しかしダメ(トップには早い時期なのでしょうか?)。ならば、とデスアダーを立ち木に絡めてゆっくりと攻めます。エル・サルトでのデスアダーの威力は絶大、その日のファーストフイッシュからのアタリがすぐさま伝わってきました。まあまあのファイトですが、一気にゴボウ抜き。君じゃないんだよな〜・・・。そして妻にも同様のサイズ・・・、何本か釣ってもサイズが上がらないので移動です。なにしろ今日はあと半日しか時間がありません、見切りは早めにしないと。メインレイクに突き出す大きな(切り立った)岬、上流部の立ち木ブレイク、と大物の気配がないまま時間だけが過ぎます。
次なるエリアは2つのバックウォーターが合流してメインレイクになる地点。2本の川に挟まれた岬状の地形が水中へと長く続いている大場所です。かなり沖合にボートを停めたポンシァーノは水底の起伏を手振りで説明してくれます。
真下の水深は20フィート少々、立ち木も沈んでいるようです。スイムベイトを沈めてボトム付近をスローに探ると、立ち木に当たる感触が伝わり、いかにも釣れそうな予感。しかし「ブルブル」というアタリはあるものの、魚が小さいのかフックアップせず・・・。朝からあまり釣れていないので、自分の中のルール(大きいルアーだけで攻める)を破りバイブレーションを投げると30センチクラスの入れ喰いが始まりました。これはこれで楽しいのですが、狙いとは違うことをいつまでも続けるわけにもいかず、スイムベイトに戻すと釣果も元に戻ってしまいました。焦りばかりが先行する中、また次のエリアへ移動。その後もテンポ良く移動をくり返すのですが、大物はちっとも返事をしてくれません・・・。40センチ弱が2本釣れたのみです。
太陽が頭の真上まで昇り「ここが最後かな・・・?」と望みを託したのは、2日目の午前中にノーバイトに終わった沖の水中台地のエリア。他のボートも2艘浮いているので、実績のある場所なのでしょう。私はスイムベイト、妻はデスアダーのキャロで最後のチャンスに賭けます。大物狙いの釣りはバイトが少なく集中力が途切れがち、切り株でも沈んでいたのか、スイムベイトを根掛かりさせてしまいました。気分を変えようと大型のディープクランク(DB3)にチェンジしフルキャストを続けること十数投、ルアーが潜りきったあたりで「ガッツ〜ン!」と強烈なアタリとともに、ものすごいヒキが伝わってきました。明らかに昨日の53センチよりも重い手応え、手持ちのいちばんヘビーなロッドがグイグイ曲がっています。「来たよ〜!コレはデカいよ・・・!」。30ポンドラインを信じてひたすらリールを巻きますが、なかなか巻けません。お、重い・・・、ロッドの曲がりから察したのかポンシァーノも「グランデ?」と訊いてきます。頷く間もなく、急浮上してきたバスがジャンプします。ボートの10メートルほど先で右から左へ大きくジャンプする魚体は紛れもなく「グランデ!」なもの。離れていてもその大きさがハッキリと分かります、全身の血が逆流するほどの興奮、ロッドを支える腕にも力が入ります。休む間もなく今度は左から右へと大きくジャンプ!そしてその瞬間、あろうことかラインのテンションが失われ、ルアーが宙に弾き飛ばされたのです。痛恨のフックオフ・・・DB3のフックでは分厚い口を貫通し切れていなかったのでしょうか?膝から力がヘナヘナと抜けていくのが分かります・・・。「えっ、バレちゃったの・・・」。妻も呆然としています。ポンシァーノも「オ〜ッ、グランデ〜・・・」と本当に残念そう。いちばん残念なのは自分だってば!ボートからかなり離れた位置だったので、はっきりとは言えませんが、ジャンプの時にルアーがかなり小さく見えたことから想像しても60センチ前後はあった(もしかしたら、もっと・・・?)ように思えます。しばらくはキャストする気力も失せ、ただルアーを眺めるだけの時間が過ぎます。「あ〜あ、終わった・・・」。時計は11:40を回っています。本当に劇的な最後のチャンスだったのに。まるでテレビのロケみたいな「タイムアップ寸前の大物」という見せ場を逃してしまったショックと、もう日本にもどらなければならない寂しさが一気にこみ上げてきます。ポンシァーノがエレキを上げます、帰着の時間でしょう。「バモノス・・・」の声もどこか力なく聞こえます。
「またいつか、再チャレンジしなさい!」釣りの神様がそう言っているのかな?「もちろん、きっと来るから!」。スタート地点に戻り、湖畔で待っていたジェリーに先ほどの一件を伝えました。自分のことのように残念がってくれた彼に、「大丈夫、次に来た時に絶対釣ってみせるから。その時はもっと大きくなってるでしょ。」と答え、ロッジへと戻る車に乗り込みました。あ〜あ、帰りたくないな〜、「アディオス、エル・サルト!」。
4日目(半日)の釣果: 40センチ級が5本、35級7〜8本、30以下5本ほど。65センチ(推定)バラシ・・・
※最大魚はディープクランク(DB3、赤系)にヒット
ワームはストレートかカーリーテール、色はシナモン系が◎
ハードルアーのフックはサイズアップしておきましょう、針先の確認はもちろん必須です
[使用タックル]
6.6ft HH ナイロン30ポンド スイムベイト、大型ルアー用
6.6ft H ナイロン25ポンド ワーム、ジグ、小型スイムベイト用
6.6ft M ナイロン25ポンド ハードルアー全般、ノーシンカー用
6.0ft M ナイロン25ポンド 妻のなんでも用
6.0ft M PE2号(スピニング) 小型ミノー、4インチワーム用(出番少)
5.6ft ML PE2号(スピニング) 妻の小型ルアー用(初日以降は出番少)
※ラインは最低20ポンドでしょう、スピニングには絶対にPEをお勧めします。
ラインの色にはそんなに神経質になる必要はないようです。
ハードルアー用のスナップは海用の頑丈なものを、絶対に安心です。
ワームフックは呑まれ対策も兼ねて大きめを、私は6/0メインでした。
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(夢の終わり・・・)
昼食を摂り、シャワーを浴びると、急いでタックルを片付け慌しく出発です。本当に良くしてくれたロッジのみんなとあいさつを交わし(スタッフへのチップはここでスィギスに渡しました)、お父さんのようなジェリーとは再会を誓いって熱いハグ(ちょっとウルウルした)。本当に楽しい想い出が詰まったパパロタ・ロッジともお別れです。建物をバックに記念撮影を済ませ、荷物を車に詰め込みます。ホントに帰るのが辛かったなぁ、また来るよ、パパロタ・・・。
遠ざかっていくロッジを車の中から見つめながら、ため息ばかりを連発する私に、妻が優しく「また来ようね!」の一言。優しいな〜、でも自分が来たいだけなんじゃないの・・・?(笑)
マサトランまでのドライブは道路も良くなかなか快適、ただ気持ちは寂しく、帰りたくないばっかりです・・・。3日半の釣りのこと、ロッジでの生活を振り返っているうちに、いつしかマサトランの空港へ。ドライバーのバレンティーンにお礼を言い、本当にパパロタとお別れです。帰りの荷物はなぜか重たく感じます・・・。
早めにチェックインを済ませ、空港ビル2階のレストランで軽食&休憩。空港内(日本と較べるのもなんですが)にしてはリーズナブルで味も及第点でした。荷物検査も無事「青ランプ」で通過、結局ロス・カボスも含めた4回とも「赤ランプ」に捕まることはありませんでした。日頃の行いが良いせいでしょうか?(笑)
機内は満席、早めにチェックインしておかないと2人の席が離れてしまうので(現に帰りの大韓航空はそうでした)ご注意を!離陸が迫り、改めて楽しかった想い出と、それ以上の寂しさが押し寄せてきます。そんな自分の感傷にはお構いなしに飛行機はあっさり離陸、マサトランの大地が徐々に小さくなっていきます・・・、今度はいつ来れるんだろう・・・。生涯最高の想い出をありがとう、「ビバ、メヒコ.アディオス、エル・サルト!」。
[妻より]・・・こちらのサイトに初めてメールをした時から、とても親切にアドバイスをしていただき、夫の夢である"メキシコでバス釣り"を実現することが出来ました。本当に感謝しています。スタッフの方に「新婚旅行」と伝えたところ、釣りの他にロスカボスに滞在するプランはどう?と・・・。早速、ロスカボスのガイドブックを立読みし、リゾートが大好きな私は即決でした。
ロスカボスでは、ウェスティンレジーナというハネムーンにピッタリの素敵なホテルに泊まりました。部屋からはどこまでも続くあまりにも青い海と空、そして、乾いた山とサボテン。素晴らし過ぎます。着いた日はホテルでゆっくり過ごし、ルームサービスで波の音を聴きながらメキシコ料理を堪能しました。時間がゆっくり流れます。
次の日は、早朝起き、カボサンルーカスの港までタクシーで20分。海釣りをする為、漁師さんと交渉。ホテルのツアーデスクで申し込む半額くらいでした。荒波の中、アジを餌に釣り開始。船から見える景色も最高で、観光スポットのエルアルコや、ラバーズビーチ、アシカのコロニーやイルカの群れを見せてくれました。ダイナミック! 釣りの方は、大型のさわらが釣れ、夫は20ポンドのマグロを釣りました。掛かったマグロを追いかけてイルカが船の下まで!
危うくイルカの餌になるところです。力の強い夫がマグロを上げるのに必死です。何だか楽しそうだわ〜。「私もそれ釣りたい!」
とこれからの時に夫は船酔い・・・「リタイアしてもいい?」ですって。あ〜、残念・・・。自分だけ釣っちゃうのはいつもの事だものね。でも、まだ旅前半、具合が悪くなってはかわいそうなので、泣く泣く港に戻りました。その後、港近くの海岸で少し泳ぎました。白い砂浜、青く穏やかな波、浅瀬にも魚がいます。贅沢な海水浴です。午後は、街の土産物屋で民芸品などのお買い物をしました。テキーラやガラス細工、バニラエッセンス、銀製品、Tシャツ、二人で持ちきれない程のお土産を買い、ホテルに戻りました。部屋からのサンセットも綺麗です。
女性同伴で行く方には、時間が許すならロスカボスはお勧めです。ウェスティンレジーナは街から少し遠いのが難点ですが、設備、景色、料理、サービス等本当に充実しており、「のんびりリゾート」には最適なホテルといえるでしょう。また、港町周辺にもステキなホテルがたくさんありましたので、旅のスタイルによって選択されるといいと思います。
エルサルトでは、釣り3日半という女性には長いかな・・・と思われるプランでしたが、日本では味わえない釣りと景色で短く感じたくらいです。
女性に心配なのはトイレですが、湖畔近くにトイレはたぶんありません。「トイレに行きたい」と伝えたところ、岸にボートを着け、青空トイレです。馬や牛が見ていますが、釣り人はほとんどいないので、他人に見られてしまうことはありません、ご心配なく。どうしても抵抗があるという方は、お昼にロッジに戻る時まで我慢するようになるでしょう。飲み物を控えましょう。
暑さ寒さ対策ですが、陽が昇るまではかなり寒いので、午前中はトレーナーと上下雨具、午後からは日差しが強くなりますので、薄手の長袖Tシャツとジーンズで対応しました。暑さで体力が奪われます、タオルを一枚持っていきクーラーボックスの氷水で冷やし、首に巻いていました。かわいくないですが、これで大分違います。帽子とサングラス、日焼け止めは忘れないでください。UVリップも持っていくといいと思います。私はそこまで気が回らなかったので、いつの間にか唇が腫れてタラコになっていました。痛い・・・。
ロスカボス、マサトラン共に素晴らしく魅力的な場所でした。何より、夫がこの上なく楽しんでいる姿を見て、「ここに来て良かったー!」と心から思いました。もちろん私も同じように楽しい旅でした。確かに、旅行の準備はこちらのサイトのスタッフ方の協力と私でしましたが、旅の最中は夫に頼りっきりのお気楽妻でした。この場を借りて、ありがとう。そして、また必ず逃したグランデを釣りに行こうね、楽園へ!
※ロッジに着いたらすぐに、前日に泊まっていた日本人の方から、参考までに・・・とアドバイスのお手紙をいただきました。こちらの釣行記を拝見したところ、岡部様夫妻かと思われます。ご親切にありがとうございました。
[管理者より補足]
思ってもみなかったほどの非常に充実したレポートを頂き、スタッフ一同感謝、感謝です(涙)!
「釣りさえ出来れはあとはどうでもいい」という我々釣りバカの男達とは違って、ほとんどの女性は「釣りだけのためにメキシコへ行きたい」なんて言ったらおそらくすぐに「うん」とは返事してくれませんよね(当たり前か・・・笑)。
私達はこれまでも女性がいる場合はマサトランやロスカボスのビーチでの滞在を行程に含めて旅行することをお薦めしてきたんですが、今回の津谷さんのレポートや前回の平本プロのレポートをご覧になるとわかるように、リゾートを入れることで「女性も十分楽しめる旅行」にすることが出来ますよ。これまで彼女や奥さんに「メキシコで釣りを・・・」とはなかなか言い出せなかった皆さん!このレポート見せて拝み倒してみては?
最も大事なことはやはり「女性の楽しみが主、釣りは従」の姿勢かも(笑)。
津谷さんはハードルアー好きのためワームはあまり持って行かなかったのと、消費スピードが予想以上にハイペースだったためワームが底をついてしまったとのことでした。これからメキシコに行く人はぜひある程度ワームは持っていくようにして下さい。特に、使用頻度が非常に高く、子バスからデカバスまでバイトする5インチ〜6インチのスティック系やピンテール系のワーム(センコー、デスアダー、フルーク、スタッド等)とウォーターメロン系の8インチリザードだけは他より多めに持っていって下さい。
メキシコのバスはレポート下さった多くの方が口を揃えて言っているように非常にパワフルです。ソルト入りの素材のものは強度が弱く、1匹かけるとダメになることもしばしばです(特に動きの激しい小さめのバスがかかった時)。
マサトランにはバス用のタックルショップはないようですのでロッジマネージャのスィギスが用意してくれたものはおそらくロッジにあったもの、もしくは彼の手持ちのものではないかと思います。
メキシコではこんなのが相手。日本では出来ない釣りにチャレンジ! ※メキシコがイチ押しの理由→こちら
このロッジも手配サポート可能です。もっと情報が欲しい方や予約したい方はこちらへご連絡下さい。
今回の釣行記もぜひ参考に。
「役立つサイト」目指してます! →今日のバスサイトランキング
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