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33 1/11(金)
23:42:50
 ご存知レジー・スミス。彼も70年代のスラッガーの一人です。  メール転送 古老  No.21  996 

 
70年代にナ・リーグ西地区で圧倒的な力を誇ったシンシンティ・レッズ。1971年の4位以外は、
すべて西地区1位か2位ですが、そのレッズが2位のときに首位に立ったのはいつもLAドジャース
でした。そのドジャースに1976年に入団して、翌年からのリーグ連覇に大きく貢献した選手、
それがこれから紹介するレジー・スミスです。といっても、そんなまわりくどい紹介は不要
でしょう。彼はその後来日して読売巨人軍でプレーしたので、その頃の野球ファンなら知らぬ者
はいないはずです。

スミスはレッドソックスでデビューした選手です。1967年にヤストレムスキーが懸命にボソックスを引っ張ってリーグ優勝まで漕ぎつけたとき、すでにスミスはヤスを助けていた優秀な若手外野手でした。R・ソックスは黒人選手を入れるのが一番遅かった球団で、その意味でボソックス初期の代表的な黒人選手であったスミスは、黒人特有のパワーとスピードを期待されていました。彼はその期待に応え、1968年にはリーグ最多二塁打、22盗塁、15ホーマーとマルチぶりを発揮し、守備でもゴールドグラブ賞を獲得。強肩俊足の外野手として、ヤスの拙守を助けました(ヤスは巧いときと下手なときが極端だったようです)。しかし、ファームでフレッド・リン、ジム・ライスといった素材が出始めた1973年、スミスはカージナルスへトレードされます(これであの1975年のWシリーズへ出場し損ねた!)。あまり知られていない事実ですが、スミスの全盛期はこのカージナルス時代のようです。移籍年の1974年には、彼自身唯一の100打点を記録、打率も100試合以上出場したシーズンでは最高の.309をマークします。翌年も3割を打ちますが、所詮優勝の望みのない弱いチームだったので全米的には目立ちません。そして1976年にドジャースへ移籍。これが転機となります。

当時のドジャースはラソーダ監督の手腕が光り始めたときで、ヤンキースの札束攻勢とは対照的に、充実したファームから有望選手を送り出すという理想的な運営が成功を収めていました。しかし、S・ガーヴィーに代表される有望な若手も、リーグ優勝を争う修羅場ではキャリア不足で、経験豊富なベテラン、それも左打者の補強が必至とされていました。スミスはその条件にぴったりでした。スミスは、当時のドジャースの若手になかったものを全部兼ね備えていて、まさに現れた数字以上にドジャース打線に貢献しました。1977年のドジャースがリーグ優勝できた最大の要因はスミスの補強だといっても過言ではありません。この年、ドジャースはロン・セイ、ダスティ・ベーカー、スティーヴ・ガーヴィー、レジー・スミスと4人が30ホーマー以上を記録し、史上初の30本カルテットを形成しました。そして、ヤンキースとのWシリーズ。スミスはホームランを打ちまくりました。打率こそ2割台でしたが、第2戦、第6戦、第7戦とホームランを打ち込み、その第7戦で奇跡的な3打席連続ホーマーを打ったレジー・ジャクソン(ヤ軍)と並んで、「もう一人の(偉大な)レジー」と呼ばれました。

このヤンキースとのWシリーズは、なぜかNHKがゴールデンタイムで録画放映しました。解説もなぜか川上哲治氏。ドジャース戦法を日本に取り入れた経歴が買われたのでしょうか。私にとってメジャーの試合をきちんと見たのは、このテレビ放送が初めてでした。試合開始前に先発メンバーが一人一人紹介されるシーンは今や当たり前の画像ですが、私はこのとき初めて見たのでカルチャーショックを受けました。当時の日本の野球では想像もできないやり方です。そして、スミスが紹介され、その顔がアップになったとき、思わず「怖ェーー」とつぶやきました。スミスと並んで紹介されたS・ガーヴィーの爽やかさと対照的でしたが、実況アナが「今年のドジャースではスミスの加入が大きかったですねえ」としきりに強調し、川上氏が「ほんとにそうですねえ。実力者の加入で打線に芯ができましたねえ」と大まじめに誰でも言えそうなコメントをしていたことをはっきりと覚えています。

1983年、まさかまさかで日本にやってきました。さすがに金持ち球団は連れてくる選手が違うわいと感心するやら呆れるやらでしたが、期待通りのド迫力でメジャーの実力者の片鱗を見せたのではないかと思います。個人的には、今まで来日した外国人選手のなかでは一番の実績のある選手ではないかと考えています。何と言っても、スイッチヒッターではマントル以来のホームラン数を記録した選手ですから。

次回(もし書くことができたら)デイブ・キングマンの予定です。


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