吸血鬼ドラキュラ、
あるいはヴラド三世、ワラキア公、キリストの悪魔

串刺し公(Impaler, Tepes)、龍の息子、悪魔の息子(Dracula, Son of Dracul)

出典:(実際の歴史) ドラキュラ伯爵 (ニコライ・ストイチェスク、中公文庫)
Site "Dracula's Homepage" http://www.ucs.mun.ca/~emiller/
出典:(暗闇の世界の歴史)
Children of the Inquisition, Transylvania Chronicles 1,2,3,4, Transylvania by Night, Children of the Night
出典:(その他の幻想世界における歴史)
Site "Project Gutenberg Bram Stoker" http://www.literature.org/authors/stoker-bram/dracula/
Site "The Webworld of Bela Lugoj" http://www.atcon.com/~tournier/webworld.htm
ドラキュラ世紀&ドラキュラ紀元 (キム・ニューマン著、創元推理文庫)
”ようこそドラキュラ伯爵の館へ” http://www.wats.co.jp/index.html

「暗闇の世界」で唯一、現実の影と照応するだけの「実体」を持つ吸血鬼が、どのように生み出され、定命の生を生き、「血族」の血を得たのかを示すだけの情報をここで出すことは不可能であると言ってよい。それでもヨーロッパの中でも日本人には関わりの薄い地域である、古代以来のルーマニアの多民族を交えた歴史と共に、血族のアサマイト、トレメール、そしてツィミィーシのジハドにおける暗闇の歴史を同時進行させなければならない。

WoDとその背景世界はアメリカで作られている。英語で書かれた地名、人名等を日本人に分かりやすい現地の形に直すのに誤解やあやまちが出るのは残念なことに知識の不足から避けられない。前述した通り、ドラキュラはきわめて有名な実在の人物でありながら、その特異性とさまざまな要因から数多くのステレオタイプ的な属性や、極彩色の背景で動くことを強いた物語の雰囲気をまとい、現実というたとえようもない複雑性の長所と欠点双方を打ち消してしまう。WoDの背景は現実に近づきつつ、現実を退けるという物語を作る上で誰もが無意識に行う難しい作業を意識的に強いるところがあるので話が難しくなる。人間という複雑な存在に魅力を覚えるか、幻想の中での象徴の実在化に価値を置くかの判断は別にしても、その上でWoD自体が数多くの異なる考えを持ったデザイナー達の産物なのでさらに事をややこしくする。この問題についてさらに追求したい方はこちらを見ること。

Map of Romania at the Age of Dracula


活躍の背景
家門と血統
凄惨なる闘争
トルコとの戦争と血族
裏切りと陰謀
暗闇の生の正体

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