*<*・ PhotoShopを持たない人の ・*>*
*<*・   PhotoShop本ガイド    ・*>*

私は困っていました。画像処理ソフトを使いたいのに、画像処理の全般的な解説書がほとんど見つからな かったからです。
書店のコーナーにあるのはPhotoShopについての本ばかり・・・ とりあえず中の画像がキレイ なのでパラパラと立ち読みしていると、PhotoShopの本には2種類ある事に気がつきました。
1つはPhotoShopの「操作方法」の解説本。
「このボタンをクリックしてこのキーを押しながら範囲を選択し・・・」とか、そういう具体的な手 順が書いてある「操作マニュアル型」のものです。
もう1つはPhotoShopを代表とする「フォトレタッチソフトを使ったテクニックとアイデア集」 の本です。

この 「テクニックとアイデア集」 の方は、他のフォトレタッチソフトでもやり方さえ理解すればいく らでも使う事ができます。 PhotoShopのために書かれた本なので、関係者さんにはちょっと怒 られちゃうかもしれませんが、便利なので他のソフトを使っている人も応用してしまいましょう。

紹介した本に載っているテクニックは、フォトレタッチソフトやペイントソフトで同じような結果を得る 事ができます。
使えるソフトの目安としては、選択範囲やマスク画面(アルファチャンネル)をセーブしたりそこに 描画できたりすること、画面の透明度を選択操作できること、あとフローティングオブジェクト(アニメ でいうところの透明セル)の機能があること・・・などです。
めやすで言うと2万5千円から3万以上のソフト、1万円前後の画像ソフトだとちょっとむずかしいかも ・・・という感じです。ソフトの価格差はだいたいこういう機能の有無にあります。
もちろん、PhotoShopを持っている人には、そのまんま役に立ちます。

なお、Mac版しか出ていない本もありますが、アイデアやテクニックを応用するだけですからWind owsの人もMac版でOKです。 機種による操作の細かい差異は適当に頭の中で変換修正してしまい ましょう。
なお、実践編の説明は、Windowsの「PictuerPublisher」で実行した経過を レポートしたものです。

「フォトショップ  ワウ!ブック」  発売元・BNN

この本は私が読んだ中でベストに入る本です。
応用変換の難易度は高めですが、華麗なテクニックを駆使しているのでこのとおりにやるとなかなかスゴ イ事になります。パソコンの画像処理にとりつかれている人はぜひチャレンジしてみてください。

この中にのっているテクニックで、ごくカンタンに出来て素晴らしい効果が得られるのが「ソフトフォー カス」です。ちょっと書いてみますので、あなたのソフトでマネしてみてください。
基本操作は「画像をクリップボードに飛ばす」「残っている画像にぼかしをかける」「ぼかした絵の上に クリップボードの絵を戻して重ねる」「透明度を操作して重なった2枚の絵を合成する」 だけです。

まず画像を用意して、タスクバーのメニューから「コピー」を選び、その絵のコピーをクリップボードに 飛ばしておきます。
手元に残っている画像に「フィルタ」や「効果」の中から「ぼかし(できれば、ガウスぼかし)」を選ん で、絵の輪郭がボケボケになる程度に効果をかけます。(わずかにかけるとこれはこれで平坦な絵に深み が出てまたいいのですが、最初は効果を確認するために盛大めにやった方がわかりやすいです)
次にまたタスクバーから、今度は「貼りつけ」を選んで、ボケた絵の上に重ねます。
戻ってきた絵をいじって、真上に重なった位置をずらさないようにご注意ください。
この状態で、ボケた元の絵の上に、アニメのセルのようにボケてない絵がぴたりと重なっているはずです。
上に乗っているセル上の絵を「フローティングオブジェクト」などと言い、拡大縮小や位置をズラすなど いろいろな操作が出来ますが、今回はピタリと重ねたままこのセルの「透明度」を変更してみます。
透明度0%では、まったくボケていない「上に乗ったセルの絵」だけが見えています。
透明度を100パーセントに近づけて行くにつけ、上のセルの絵がどんどん透明化して下のボケた絵が透 けて見えてきます。
透明度100%になると、下のうんとボケた絵だけが見えて上のセルはまったく透明になってしまいます。
さて、ゆっくり透明度の数字を変えてみてください。どのくらいボケている感じが好きでしょうか?
最適の透明度は、その絵によって、その人の好みによって違います。好きな透明度になったら「オブジェ クトの結合(合体)」コマンドなどをクリックして、絵を完成させましょう。
かなりいい感じになっていると思います。





 もっと凝る方法・その1
透明度をいじるのと同時に「混合モード(合成モード)」をいろいろ切り替えてみます。
「暗色混合」「明色混合」「スクリーン」「ルミナス」「差異」など、2枚の絵の色をどういう方法で 組み合わせて合体させるか、コンピューターが計算して非常に多彩な調子を加えてくれます。
Kai’sPowerToolsのVer3とVer5に入っているガウスf/xはこれをフィルタ化 したもので、多少暗い目に上がるので、うんと明るい調子が欲しい人は、上に書いた方法で自分で透明度 と合成モードを変化させて好みの画像を作り出してください。
 もっと凝る方法・その2
「この感じもいいけど、こっちも捨てがたい、でもまた最初からもう1回分やり直すのもメンドウ」とい う人は、好きな調子のところで「別名で保存」を選んでセーブし、また透明度や合成モードを変更して「 別名で保存」し・・・ と、好きなだけいろんな種類のものを保存して、後で保存した絵を全部並べて見 比べて、その中から好きなモノを選んで残しましょう。
なお「保存」を選ぶとセルが下に合体しちゃってそれ以上いじれなくなる形式のソフトもありますので、 保存した後でも作業が続行できるかどうか、自分のソフトで確認してみてください。
 ご注意
クリップボードから「貼りつけ」をした時に、フローティング化(アニメのセル化)せずに下の絵にぺた りとくっついてしまうソフトがあります。「貼りつけ」をする前にボケた絵の上に1枚セル画面を作れる なら、そのセルの上に「貼りつけ」をしてください。
また、セルの透明度を変更できないソフトの場合は「コピー」をする前にマスクでぼかしをかけて薄くし ておいてからクリップボードに飛ばし、それを「貼りつけ」て重ねる事ができますが、全体にちょっと操 作が煩雑になるかもしれませんね。



「びっくり ロゴデザイン2」  発売元・MdN

この「びっくり」シリーズはたくさん出ていますが、なかなか楽しい本です。
さて、「ロゴデザイン2」は、フォトレタッチソフトで作るロゴ文字デザインのアイデア集です。
光る文字、メタリックな文字、毛糸くずで描いた文字、アルミホイル風の文字など、変哲のない普通のフ ォントの文字をフィルタやアルファチャンネルのテクニックで様々に変化させて、多彩な調子を作ってい ます。
文字を様々に変化させるというのはちょっとした頭の体操というか、アイデア合戦かパズルのようなおも しろさがあって、ハマる人はけっこうハマってしまいます。私も一時期、字ばっかり作っていた事があり ました。
先に書いた「ワウ!ブック」にも壮絶に美しいロゴが出ていて、メタリックの調子をつけるのにグレース ケールの写真の一部をぼかして使うなど、強烈に凝っていますけれども、「びっくり」の本はもっとカン タンに楽しくできるロゴがほとんどです。
文字をマスク選択して、その中にノイズフィルタをかけ、そのノイズに「浮き彫り」で影をつけたりいろ いろな色をつけたりぼかしたり強調したり、いろんな事をしていると、それだけで実に様々なきれいな字 ができますが、最後に文字の背景にシャドー(ドロップシャドーと呼びます)を置くと、いきなりカッコ よくなります。

ドロップシャドーの視覚効果については、あなどれないほど効果的ですので、本やマニュアルを見てシャ ドーの付け方をマスターしておくと、画面の仕上がりに雲泥の差が出ます。
ドロップシャドーは「マスク(選択範囲とアルファチャンネル)」と「浮き彫り」や「ぼかし」などのフ ィルターを使って作りますので、使い方をマスターしてがんばってください。

なお、ロゴは小さい画面(dpi)で作ると作りにくいものです。縁をクリアーに仕上げたい場合は大きく 作って下さい。もちろん256色やハイカラーではなくフルカラーモードできめ細かく作成します。




「PhotoShopフィルタ事典」  発売元・BNN

これはPhotoShop用のフィルタ事典です。ですが、基本フィルタというのはだいたい同じような ものなので、手持ちのフィルタがどのような働きをするものなのか、これを見ると理解できます。
私は「カスタム」が何なのか、これを見てやっと理解できました。(デイジーアートなどについている 四角い箱に数字を入れるあれです)
「置き換え」や「ラップ」などの個性の強いフィルターは、他のソフトにはあまり入っていないよう です。
この本に載っているフィルタ効果の見本画像はとんでもなく美麗です。
処理のきめ細かさはソフトの価格に比例しますので、同じ名前のフィルタがあっても、すべてのソフ トでこの本と同じ結果が出るわけではありません。
また使う側にテクニックがないと、PhotoShopを使ってもこれと同じ結果が出ません。要するに 「こういう画像を扱える人が使うとPhotoShopではこのような効果を得られますよ」という感じ なのであります。「腕のいい人が使った成功例」が載っているわけですね。
(実際のフィルタ効果の結果はむしろ「フィルタバイブル」(発行・SPIKE)の方がリアルです。 「フィルタバイブル」には各種プラグインが一緒に紹介されていて、ふだん見た事もないプラグインソフト がたくさん見られます。 またいくつかは「コレルPhotoPaint」のおまけについています。)

この豪華なフィルタ事典はなかなかキレイですから、ちょっとした目の保養になります。
姉妹編として「Kai’sPowerToolsフィルタブック」もあります。





「MdN特別号 PhotoShopの達人5」  発売元・MdN

自分で言うのもナンですが、このへんからけっこーカルトになってきます。
ちなみにこの本は雑誌型でMOOKです。(多分・・・)

日本のCGデザイナーでかなり見慣れた人たちが、変わったテクニックを教えてくれます。
いきなり色数を16色に落としてパレットを操作する、なんていう凝ったのもあって、マネしてみま したがなかなかデザイン的な画面になって、ウラ技風で楽しかったです。
で、それも面白いのですが、特筆すべきは編集部が作成しためちゃくちゃな合成写真のテクニック特集 !
UFOはウシをさらってくし、ネッシーは出るし、少ない人から群衆を作ってみたり(コピーの組み合わ せですね)おねーちゃんの顔をいきなりバービー人形の体につけたかと思うと、自分の写真を昔のザラザ ラ画像のテレビに映し出したり、模型の自動車を実際の風景の中に置いたり、たいやきは化石にするわ、 スイカでマスカットは作るわ、公園の写真でエッシャーするわの大騒ぎ!
やっぱり写真を合成するならここまでやってもらわないとな・・・ という、テクニックと言うよりは アイデア合戦の様相を呈している本。
しかしながら、作品のデキは技術じゃないな、発想とアイデアだな−−−と、密かにうなずく私でした。
どれだけ技術力があっても、発想や感性が貧困だと見ても何も感じないで退屈なだけ・・・というCG作品 は、パソコン作品でよく見かけるコワイ落とし穴の一つです。





「PhotoShopデザイナーズテクニック」  発売元・秀和システム

上のMOOKより前に買った、同じような内容をサポートした本ですが、いろんなデザイナーさんが自分 の手法を見せてくれるという内容なんですけど、「ほんとにデザイナーさんてこんなメンドクサイ事して 画像作ってるんですかぁぁぁー?!」と驚ける本
これを見た時、気の短い私は「デザイナーにならなくてよかった」と思いました。
で、テクニックを学べるというよりは「これだけの画像を作ろうと思ったら、これだけの作業をしなきゃ いけないんだな・・・」と、しんしんとナットクできる本です。
たとえコンピューターがここまで発達したとしても、やはり、凝った画像はワンタッチでポンとはできあ がってこないのであります。当たり前なんだけれども、今更ながら「かけた情熱に見合った成果しか手に 入らないものなんだなぁ」と感心します。
私はこれを「エネルギー不変の法則」と呼んでいます。

この本には「聖母子と二人の天使」を3Dモデリングソフトで立体化する・・・なんていうスゴイ手法も 載っています。 作例はフィリッポ・リッピの聖母子ですが、エリザベス一世なんかものすごくカンペキ にできそうで面白そうです。




「PhotoShopレタッチマスター」  発売元・BNN

写真をフォトレタッチソフトで修正しようと思ったんだが、どうしていいのか見当もつかない! という人 もいると思います。(私もその1人です)
青カブリをどうするか、ねぼけた写真をどうするか・・・トーンカーブだのレベル補正だのいったいなんな んだ! という場合に、とりあえず参考になるのがこの本。
これはもう本当に「写真」だけの本です。でもって「印刷現場」の人が使う本のようです。
デジカメやフィルムスキャナを持っていて、この写真を自力で何とかしたい・・・という人は、この本が役 に立つと思います。
ただし本格的な写真補正の本ですので、レベル補正の操作画面を見るだけで読む前に拒否反応が・・・とい う気の弱い人には向きません。
本気でやる気の人には、どちらかというと一般のPhotoShopのマニュアル本よりも具体的で、 作業の手抜きの方法も載っていて、むしろわかりやすい本です。




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