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<<*<*・ ぱそこんで絵を描こう 2. ・*>*>> <<*<*・ マスクとアルファチャンネル ・*>*>> |
パソコンは、どちらかというと 「絵の描きにくい」 機械なんです。 マウスやペン・タブレット(ペンの形になってて、 線が引きやすい形になった一種のマウス。 パソコン屋さんでよく売っています) を使っても、なんだかいつもみたいにうまくいかないし、 「パソコンで描くより、紙と筆と絵の具使うほうが、 ずっとカンタンでキレイじゃないかぁー!」 という意見もごもっともです。 ただし、ぬりつぶし(流し込み)や、グラデーションや、 各種フィルターなどなど、パソコンならではのやり方もあります。 ぱそこんでないと描けない絵を描かなきゃ、パソコン使う甲斐がない! −−−というわけで、 ふつうの絵と同じ色の塗り方のテクニックは(ほとんど慣れの問題ですから) 自分で慣れていただくとして、 今回は、ぱそこんでないと描けない絵を作るときの必需品! マスクと選択範囲のお話です。 マスクはめっちゃくちゃ便利なシロモノなので、ぜひ使ってみてね! ところで前回説明の 「パソコンの絵は点々でできてて、色は番号制です」 という意味はわかりましたか? 読んでない人は <<ぱそこんで絵を描こう 1.>> を先に読んできてください。 てんてんと色の番号制が わかっていると、マスクはもぉバッチリです。 ではいってみよー!! |
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ペンキ塗るときや、スプレー吹き付けるときに、
ついちゃいけないところに紙テープ貼って、
あとからはがしますよね? あのテープがマスクです。
説明終わり!(おいおい) いやホントにそれだけなんですよ。 −−−というのもナンですので、ぱそこんのマスクについて、 もうちょっとくわしく説明してみます。 マンガを描いてるか、デザインをやってる人は、 「マスキング」という作業をした事あると思います。 マスキングシートという、うらにのりのついたちょっとすけた感じの紙を原稿の上に貼り付けて、 処理をしたいところだけカッターやトーンナイフで切り抜いて、 その切り抜き穴を中心に、スプレーかけたりスパッタリングしたりして、 あとでマスキングシートを剥がすと、切り抜き穴の所だけ、 キレイにスプレーされて、他の所はスプレーがついていません。 それが 「マスキング」 つまり 「マスクする(覆う)こと」 です。 パソコンで絵を描く時の「マスク」も基本的にはこれと同じで、 カッターナイフで切り抜かなくても、 マウスでクリック一発、ワンタッチでマスクがかけられる方法もあるし、 他にもパソコン特有の、えらく便利な点があります。 そして、ことマスクに関しては、 パソコンでやる方が、断然早くてカンタンなのであります! そして、パソコンのマスクにはちょっと特殊な使い方があって、 これをうまく使うと 「わー! 人間じゃないみたーい! (いや、パソコンなんですけどね)」 みたいな事もできるので、 ちょっとやってみてください。 とりあえず、マスクと アルファチャンネルと 選択範囲のおはなしです。 |
使っている画像ソフトによって、 同じモノでも呼び名が違うのでちょっとメンドーなのですが、 ここでは私の使っているピクチャーパブリッシャーと PhotoShop という、よくにた2つのソフトを中心にお話しします。 この2つは 「フォトレタッチソフト」 という系列ですが、 いろいろな 「ペイントソフト(お絵かきソフト)」 でも、 マスクの意味はだいたい同じです。 別の画像ソフトを使っている人も、説明を読めば 「あ、ウチのあれの事だな!」 とわかると思いますので、 自分の使っているソフトの呼び名に置き換えて読んでください。 |
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マスクを かけてみよう! |
さて、とりあえず何かの絵にマスクをかけてみましょう。 人物(または適当なキャラクター)がいて、うしろに背景や色がある、 適当なカラーの絵を1枚用意してください。 人物の輪郭がくっきりはっきりして、 背景がうんと単純な方が、練習にはいいと思います。 主人公が立っていて、背景が青空・・・とかいうのがあるといいかな? まず背景を別の色で塗りつぶすために、人物をマスキングしてみましょう。 人物にマスクをするのは超カンタン。 マスクのアイコンの中で「マジックワンド」 と呼ばれる「魔法の杖のマーク」のやつがあるとサイコーです。 それを選んでから、切り抜きたい背景(空とか)の所にカーソルを合わせて、 クリックするだけです。 ポチッとクリックすると、背景によってはかなりきれいに切り抜けます。 同じ色でぺたーっと塗りつぶしてあるような単純な背景なら、 クリック一発で、ほとんど全部、背景が切り抜けたはずです。 確認してみましょう。 かけたマスクをルビーモードで見られるアイコンがあるかもしれませんね。 ちょっとマニュアルで探してみてください。 ルビーアイコンをクリックすると、絵の中で、 マスクがかかっているところだけが、絵に重なって赤い色で表示されます。 赤いのが 「ここにマスキングテープ貼ってあります」 というシルシです。 もう一度ルビーアイコンをクリックすると、 赤い色は表示されなくなります。 ルビーアイコンは、 目に見えない無色透明のマスクシートを、 赤い色をつけて目に見えるようにしてくれるアイコンです。 うまくマスクができているか、確認用に使います。 それから、アルファチャンネル(マスク画面)が 表示できるかもしれませんね。 ギリシャ語の アルファ と書いたマークのアイコンが、 マスク関係の所にありませんか? それをクリックすると、白黒の マスク画面 に移動します。 これはマスキングシートそのものです。 黒いところがマスキングシートで、白いところが「くりぬいた穴」です。 ここに直接、白のペンで字を書いたりすることも出来ます。 白い字を書くと、そこが白く切り抜かれて、 マスキングシートに字の形に穴が開きます アルファチャンネル(マスキングシート画面)には、直接絵も描けますし、 白黒の別の絵を読み込んで、クリップボードから貼りつけたりして、 それをマスクとして使うことも出来ます。 もっとすごい事には ぼかし も使えます。 白黒のグラデーションが使えるのです。 なんと、マスキングシートの穴の縁がふわっとボケたりとかするのです。 スゴイですね! (このあたりは中級テクニックなので、後で説明します。) |
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マスクがうまくかからない時 |
ふつう、背景が1色でない限り、
マジックワンド1回でうまくマスクがかかるということはありません。 マジックワンド というのは 「スマートマスク」「投げ縄」 など、 ソフトによっていろんな名前がついていますが、 どれも機能は同じで、「同じ色番号のピクセルが連続しているところを切り抜く」 という、単純な方法です。(色番号ってナニ? ピクセルってナニ? と思った人は、 <<ぱそこんで絵を描こう 1.>> の説明を先に読んできてください。) ソフトによっては「選択の幅」を選べる機能が付いていて、 10%とか20%とか指定のパーセンテージを上げていくと、 マジックワンドが選択する色の幅を増やせます。 たとえば、背景が青い色なんだけど、紫がかった青から黄色っぽい青までモヤモヤボケていて、 背景の色番号が何種類もありそうなとき、 パーセンテージを増やすと 「クリックしたところにあるピクセルの青い色の番号を中心に、 それににた青っぽい色の番号もいっしょに選択する」 という事になります。 選ぶ青色に、色としての幅が出てくるわけです。 マスクを切り抜きたいところがずーっと青っぽい色で塗られていたら、 色の幅のパーセンテージを増やしていくと、だんだん「わりと違うめの青色」 の番号までいっしょに選択する事ができます。 (かといって、むやみにパーセンテージを増やすと、 青い色の隣にきたムラサキとか緑とか灰色まで選択しちゃうので、 やりすぎには気をつけてくださいね) それから、青い色が連続してなくて、 背景にぽちぽちと点在していることもあります。(木の枝の後ろに、 青空がぼちぼち見えるというような場合など) 青いところを1コ1コクリックしてもいいのですが、 それがメンドーだという人は、 「相似」というアイコンがついたソフトだと重宝します。 これは「画面に、にたような青い色があったら、そこも全部選択する」 というアイコンです。 画面にとびとびに青い点が1万個あったとしても、 色番号さえいっしょなら、 「相似」のアイコンが、全部一度に穴を開けてくれます。 なかなか便利です。
まずはマジックワンドで、違う色の所もクリックしてみます。 (PhotoShopの人は追加モードですよ) 雲みたいな白いモヤモヤなら、これもわりと一発選択できそうです。 機体に柄の描いてある飛行機なんかは、 色がいろいろでマジックワンドではムリですね。 空に飛行機だけがぽっかり浮かんでいる、まわりに邪魔物のない状態なら、 「四角や丸に切り抜けるマスク」を使います。 他に、「ペンのように線がかけるマスク」を選んで、飛行機の形に線を引いて、 線の引き始めと最後を重ねてクリックすると、線が閉じてとの形に穴が開きます。 複雑な形に切り抜きたいときはこれがいいですね。 もう少し緻密な作業をしたいときは、マスクの「筆書き」モードを使います。 これは筆で色を塗るようにして、マスクを切り抜きたいところに ペタペタと塗ります。 さっきアルファチャンネル(マスク画面)で、 筆で字を書いたのと同じ作業です。 ルビーモードをONにしておくと、 塗ったところが白くなるので切り抜きやすいです。 かなり細かいところや、微妙な線も切り抜けるし、 色の区切りがないところでも、 自分の手作業で好きな形にマスクできるので便利です。 最後に一発逆転の必勝法。 背景がゴチャゴチャしてて、選択しにくいんだけど、 逆に手前の人物やキャラクターはスッキリしていて、 逆側なら1発でマスク切り抜き指定ができそうなときがあります。 そういう時は、人物のほうをクリックして穴開け指定してから、 「マスクの反転」 というコマンドを選びます。 (ソフトによっては、このコマンドがない場合もあります) アルファチャンネル(マスク画面)を見てみてください。 白黒が逆転して背景の方が白くなって切り抜けているはずです。 これはなかなか便利な方法ですので、自分の使っているソフトに このコマンドがあったら、どんどん使ってみてください。 それから、ある程度高機能のソフトなら、 マスク指定の時 +と−の 切り替えができます。 これはクリックしたときに 「穴を開ける部分を指定する(デフォルト=基本側)」 か 「穴を開けない部分を指定する(機能を反転する)」 かの切り替えです。 この機能がついてるソフトは、わざわざマスクしてから反転しなくても、 「穴を開けない指定」のほうにしておいて人物を一発クリックすると、 残りの背景は全部「穴あき」になります。 これもとても便利ですよ。 なお、マスクがうまく指定出来たら、「マスクをぼかす」 で、 ちょっとマスクの縁をぼかしておきましょう。 普通は1か2ピクセルの指定で、 背景との境目が、とても自然な感じにふわっとなります。 大幅にぼかしをかける事で、 ちょっと変わった効果を出すテクニックもあります。 そのへんは、慣れてきたらいろいろためしてください。 |
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マスクがかかればこっちのものだ! |
さて、マスクはうまくかかりましたか? マスクを切り抜いた部分のことを「選択範囲」と呼びます。 いろいろ作業をする部分を選択しました・・・ という意味です。 パソコンの絵の描き方の本によく出てくる言葉なので、 覚えておくといいですよ。 さて、パソコンで ぬりつぶし を選ぶと、 たいていの場合、絵の具カンで絵の具をぶちまけたみたいに、 1枚の絵全体を、どわーっと一色で塗りつぶします。 そういう場合にこのマスクが役に立つわけです。 青空を背景にした人物画の青空にマスクの穴を開けて、 空の部分だけ処理が出来るようにします。 まず赤い色で流し込み(ぬりつぶし)してみましょう。 空の部分が真っ赤になります。まあ夕焼けっぽいかな? しかしこれではあまり芸がないので、 赤からオレンジへのグラデーションを選んで、 空にグラデーションの塗りつぶしをしてみましょう。 空の色が、もう少し夕焼けらしくなりましたか? つぎに、太い筆か太いスプレーを選んで、 白い色で雲のようなものを描いてみましょう。 夕焼け空の中だけに白い雲が描かれて、 手前の人物は白くも赤くもなりませんね? これがマスクの使い方です。 で、「ちょっと色が明るすぎるなぁ・・・ 夕方だからもう少し暗い空の色にしよう」 という人は、「明るさ/暗さ(明度)」の補正というのをクリックして、 暗くする方を選んでみましょう。背景の空だけが暗くなります。 フィルターという機能のついたソフトを持っている人は、 そこをクリックして、「ぼかし」とか「ねじれ」とか「ライト」とか、 いろいろかけてみましょう。 背景にだけフィルター効果がかかります。 (途中で、手前の人物にだけ効果をかけたくなったときは、 「マスクの反転」 をしてから効果をかけると、 人物側のほうにフィルター効果がかかりますよ。 そのあとまた背景に効果をかけたくなったら、再度「マスクの反転」をします。 何度反転させてもOKです!) もしかして、ペンやスプレーの機能の中に、 いろんな模様(星とか花とか)の柄の入ったものがありませんか? あるならそういう模様ペンを選んで、ぐるぐるっと星でも飛ばしてみましょう。 背景の空だけに星がきらめきましたね? そういうペン機能やフィルターなんかをかけるときに、 もしかして「透明度」 という設定ができるようになっていませんか? もし「透明度」があるなら、いま星をふきつけた空の上から、 今度は花柄を「透明度=50%」で吹き付けてみましょう。 空だけに花が飛んだはずですが、その花が少し透明がかって、 下の星や空が下から透けてみえます。 次は、その上から透明度を20%とか75%とかにしてためしてみましょう。 うんと透けたのや、わりとくっきりしたのがいろいろ重なって、 なかなかキレイです。 透明度の他に「合成モード」 というのも選べるソフトがあります。 絵の上からなにか重ね描きする時、 下になったピクセルと上になったピクセルの重ね方を選べます。 「暗色混合」は「上に重なるピクセルの色と下に敷かれるピクセルの色を較べて、 どちらか暗い方を使う」「明色混合」はその逆で、ピクセル同士を較べて、 より明るい方を使います。「色の差異」は、前の項で書きましたが、 重なる2つのピクセルの色番号を引き算して、その数字の色を使います (たいてい、とてもキレイでフシギな色です!) 合成モードをどれか選んで、さっきの花の上にまた花を散らしてみましょう。 柄の重なる部分によって、ものすごくいろいろな色変化が出ます。 これはパソコンでなくては出来ない色のつけかたなので、 いろいろやってみてください。 私が非常によく使っている KPT(Kai’sPowerTools) というフィルター専用ソフト( 「PhotoShopプラグインが使えます」 と書いてある画像ソフトなら、すべてKPTが使えます)があって、 これの複雑なフィルターを、マスキングした背景の中に使うと、 ほとんどワンタッチで非常に複雑できれいな背景ができあがります。 空の風景までも出来たりするのでスゴイです。 そういうのもいろいろためしてみてください。 それから、べつのきれいな模様や背景の絵を1枚用意しておいて、 「コピーペンモード」で、マスキングした空の上に塗りつけると、 切り抜いた空の中にだけ、そのきれいな柄がコピーできます。 このやり方は、背景に使うのもいいのですが、 たとえば人物のセーターの部分だけマスキングで切り抜き選択をしておいて、 セーターの柄らしいモノをコピーしてつけたりできます。 (セーターの中だけ切り抜いてあれば、手とか顔とか背景に柄がはみ出しません) ぺったり柄がつくのがイヤなら、セーターのマスク切り抜き範囲を、 内側に向けてかなり大幅にぼかしておきます。 コピーした柄が、セーターの縁に近い部分ほどぼかしがかかって、 ちょっと柄がセーターになじむような、わりといい感じになります。 |
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色も違うし、前景と背景も入り組んでるし、
何をどうしてもマスク選択がしにくいヤツがたまにあります。 そういう時は、フィルターの中に 「輪郭抽出(エッジの抽出)」 というのがないか探してみてください。 これは、色の違う部分を見つけて、それを輪郭線として残し、 あとの部分は消してくれるという、主にマスキング用のフィルターです。 (ただし輪郭線の色が美麗に出ることがあるので、画像にそのまま採用したり、 別の所に効果として再利用してもなかなかきれいです。あなたのアイデアしだいですね) このフィルターをかけると、ものすごく複雑で込み入った図柄 などの 輪郭線 だけを、ほぼ抽出することが可能になります。 これをマスク抽出用に使うときはちょっとしたコツがあって、 まず、最初に元の画像をレベル補正や何かで補正して、 かなりメリハリを強くするか、明るさの中間を飛ばして、 暗いところと明るいところをなるべく明確に分けておきます。 次に、輪郭線抽出フィルターをかけてから、 またレベル補正で明るさに強弱をつけます。(中間部分をなるべく飛ばします) そのあとか先かに、グレースケールかモノクロ二階調(ラインアート)に変換して、 それから黒をマジックワンドで選択し、「相似」で黒い部分を全部選択してから、 マスクを逆転させて白で塗りつぶしてしまいます。 (これで白い部分のゴミがかなり消えます) 目立つところのゴミを筆やペンで消してできあがりです。 これをマスク保存するか、 コピーしてマスク画面(アルファチャンネル)に貼りつけるかして、 マスクに使います。 言い忘れましたけど、このマスク制作の前に、 元画像はちゃんと保存しておいてくださいね。 |
私がパソコンで絵を描くときは、
モノクロ原画をグレースケールの600dpiでスキャンして、
それをピクチャーパブリッシャー(PP)でフルカラーに変換して、
色をつけたい部分を1つずつマスク選択して
(顔とか手とか服とか靴とか目とか・・・)別々に色をつけていきます。 ペンや筆などのモードはほとんど使わず、マウスを使って、 おもにグラデーションぬりつぶしの、「楕円形」の「増加」モードで、 好きなだけ色を重ね、その上に、PPのフィルターや、KPTや、 PhotoShopのフィルターで効果をつけていきます。 (フィルターを使うためだけにPhotoShopを買った人って、 私くらいかもしれない・・・ でも、とても重宝しています。 PPの中からプラグインとして使えるようにしたのでラクです。 ・・・って、これじゃつなぎ方が逆か???) グラデーションの楕円塗りつぶしの利点は、 服のツヤが非常にきれいに自然に出ることです。 手作業でスプレーや筆を使うとどうしてもムラになる(ワタシが下手なだけ?!) ので、パソコンさん頼みの「グラデーション塗りつぶし」は、 使っていて非常に嬉しいです。 いつか、アングルとかエルグレコのような絵が描けるかもしれないぞ (おいおいっ) (もちろんダリでも可!) |
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