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スズメバチによる集団刺傷被害

|種による攻撃性の違い巣を刺激した場合の反応刺傷被害の発生時期とその原因スズメバチによる集団刺傷被害ハチ刺されと死亡事故

スズメバチによる集団刺傷被害例一覧キイロスズメバチによる集団刺傷被害国の刺傷被害発生情報|

毎年秋口を中心に,スズメバチによる集団刺傷被害が発生しています.被害の原因となったスズメバチの種類は,単にスズメバチと報道されることが多いのですが,営巣場所や被害の状況などから判断すると,そのほとんどがキイロスズメバチかオオスズメバチのいずれかによるものと考えられます.この2種は攻撃性が強く,しばしば刺傷被害が発生しています.

2006〜から2022年までの17年間について,5人以上の刺傷被害が発生した事例を新聞記事などから拾うと126件見つかりました.

最も多いのはキイロスズメバチで,61件,48.4%を占めています.キイロスズメバチは営巣規模も大きく攻撃性も強いため,野外活動の際には細心の注意が必要です.8月以降は営巣活動が最盛期を迎えて巣の規模も大きくなり,被害が多発しています.また,オオスズメバチの襲撃に対して警戒態勢に入っており,付近を大勢で通行するだけで突然攻撃してくることがあります.

次いで多いのはオオスズメバチで,24件,19.0%を占めています.オオスズメバチは土中や樹洞などの低い場所に営巣するため,多人数で通行した際の振動が巣に伝わり,攻撃してくることが多いためと考えられます.

また,比較的攻撃性が弱いとされるクロスズメバチによる被害が11件発生していることは,大変興味深いものがあります.これは営巣場所が土中であり,成虫も小型で目立ちにくいため,知らずに巣の上を通過するなど,直接刺激与えたため被害が発生したものと考えられます.

被害の規模はキイロスズメバチが最も被害人数が多く,10人以上が被害に遭うケースも少なくありません.50人以上,時には100人を越える被害が発生することもあります.同じく被害の発生が多いオオスズメバチの場合は,キイロスズメバチと異なり,ほとんどが20人以下となっています.

被害は6月〜11月までの6ヶ月間に発生していますが,特に多いのは8〜10月の3ヶ月間で,115件,91.3%がこの時期に発生しています.9月が52件,41.3%を占め,次いで10月が36件,28.6%,8月が27件,21.4%の順となっています.秋になり野外活動の機会が増加するとともに,刺傷被害も多発するようになります.