|
毎年秋口を中心に,全国各地でスズメバチによる集団刺傷被害が発生しています.被害の原因となったスズメバチの種類は,単にスズメバチと報道されることが多いのですが,営巣場所や被害の状況などから判断すると,そのほとんどがキイロスズメバチかオオスズメバチのいずれかによるものと考えられます.この2種は攻撃性が強く,しばしば刺傷被害が発生しています.
2007年から2011年までの5年間について,5人以上の刺傷被害が発生した事例を新聞記事から拾うと40件見つかりました. 最も多いのはキイロスズメバチで,17件,42.5%と約半数を占めます.キイロスズメバチは営巣規模も大きく攻撃性も強いため,野外活動の際には細心の注意が必要です.9月以降は営巣活動が最盛期を迎えて巣の規模も大きくなり,防衛本能が高まります.また,オオスズメバチの襲撃に対して警戒態勢に入っており,付近を大勢で通行するだけで突然攻撃してくることがあります.
次いで多いのはオオスズメバチで,7件,17.5%を占めます.オオスズメバチ土中や樹洞などの低い場所に営巣するため,多人数で通行した際の振動が巣に伝わり,攻撃してくることが多いためと考えられます. また,比較的攻撃性が弱いとされるクロスズメバチによる被害が4件発生していことは,大変興味深いものがあります.これは営巣場所が土中であり,成虫も小型で目立ちにくいため,知らずに巣の上を通過するなど,直接刺激与えたため被害が発生したものと考えられます.
被害は7月〜11月までの5ヶ月間に発生していますが,特に多いのは8月〜10月の3ヶ月間で,全体の90%が発生しています.
最も多い9月が15件,37.5%を占め,次いで10月が13件,32.5%を占めており,秋になり野外活動の機会が増加するとともに,被害が多発するようになります.
|