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スズメバチはなぜ刺すか


巣を刺激した場合の反応ハチ毒の成分とその作用ハチ刺されと症状アナフィラキシーショックハチ刺されと抗体価の変動

ハチの仲間(ハチ目に属する昆虫)は,日本で約4,200種が記録されていますが,大部分を他の昆虫などに寄生する寄生バチが占めています.

人を攻撃したり刺したりして問題となるのは,人家やその周辺に巣を作り,集団生活をするスズメバチやアシナガバチ,ミツバチの仲間で,ハチ全体から見ると極一部に過ぎません.これらのハチは,巣を単位とした集団生活をしており,(1) メスに繁殖をする個体(女王バチ)と繁殖をしない個体(働きバチ)の区分が存在する,(2) 世代の重なりがある,(3) 協同で子育てをするという共通性がみられます.アリも含めて膜翅目の中では最も進化したグループだと考えられており,社会性のハチ類(social wasps)と呼ばれています.

スズメバチ上科のスズメバチ科スズメバチ亜科(3属17種)およびアシナガバチ亜科(3属12種)と,ハナバチ上科のミツバチ科ミツバチ亜科(1属2種)およびマルハナバチ亜科(1属14種)に属するハチの一部がこれに該当します.

なかでもスズメバチ亜科に属するハチは,外敵から巣を防衛する手段として攻撃性が発達しており,そのため,直接,間接を問わず巣に刺激を加えると毒針を武器にして攻撃してきます.

毒針は産卵管が変化したものなので,刺すのはメスだけです.巣を守るという役割は働きバチと呼ばれるメスが受けもっています.女王バチも毒針を持っていますが,働きバチほど攻撃的ではなく,女王バチによる単独営巣期には,巣をつついても女王バチはそのまま逃げ去ることがほとんどです.


オオスズメバチの毒針と毒嚢・毒腺 オオスズメバチの毒針
(右は先端部の拡大像)


スズメバチとミツバチの毒針の違い
(松浦原図)

スズメバチの毒針が刺さっていくようす
(松浦原図)


毒針は1対の尖針:a が背中合わせになってさやのようになっており,中に毒液を注入するための刺針:b がおさまっている.スズメバチの毒針は尖針に逆とげが無いので,刺した後で抜けてしまうことはない.


毒針の尖針の部分が交互にスライドし皮膚を切り裂きながら刺さっていく

* 細腰亜目:さいようあもく,有剣類:ゆうけんるい,尖針:せんしん,刺針:ししん