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115人が刺されたキイロススメバチによる集団刺傷被害の実例


2016年9月11日(日)午前10時20分頃,岐阜県飛騨市神岡町内で開催されたマラソン大会の参加者697人の内115人が,コース途中でキイロスズメバチに刺されという事例がありました.被害者はいずれも軽症で,そのままレースを続行した人も少なくなかったようです.刺傷被害者が115人というのは,私が知る限りでは過去最多の数です.

【スズメバチに101人が刺される 滋賀県】  1998年10月25日午前11時10分頃,野洲郡野洲町(現在:野洲市)にある滋賀県立希望ヶ丘文化公園内で,クロスカントリー競技に参加していた大学生101人がスズメバチに刺され,25人が病院に搬送されたがいずれも軽症.コース途中の高い木の上にキイロスズメバチの巣があった.


現地は富山県境に近い標高947mの地点で,巣はコース途中にある打保橋の下側に作られていました.集団で巣の上を走ったため,振動が巣に伝わってハチを刺激する結果となり,集団刺傷被害につながったと考えらます.被害防止には事前の調査が大切ですが,今回のように橋の下側にある巣は発見が難しいので,くれぐれも慎重に行う必要があります.

 

ハーフマラソンのコースは,この橋を渡った先に折り返し地点があり,同じ場所を2度通過する必要があります.折り返しコースの場合,往路にハチに刺される,ハチがまとわりつくなど少しでも変わった兆候がみられた場合,速やかに何らかの対策をとらないと,復路で大きな被害が発生することがあります.また.救護に向かった人が二次被害に遭うケースもあるので注意が必要です.

 

【スズメバチに約50人が刺される 群馬県】  2013年8月25日午前10時頃,利根郡みなかみ町で,マラソン大会に参加した男女約50人がスズメバチに刺され,3人が病院に搬送された.橋の下側にキイロスズメバチの巣が2個あった


【スズメバチに59人が刺される 福岡県】  2011年10月18日午後2時15分頃,遠賀郡岡垣町の山林で,ボランティアで掃除を終えて学校に戻る途中の中学生55人と,現場に駆けつけた警察官ら2人の合計57人がキイロスズメバチに刺され,病院で治療を受けたがいずれも軽傷。この30分前に林道を通った小学生2人も被害に遭っていた。巣は道路脇のマツの樹洞にあった.


12日にテレビ局の取材に同行し現地調査をする機会がありました.地元の方の話では,今年はスズメバチが多いとのことで,この場所から100m程手前の道路沿いにある2軒の民家(道路の北側と南側)の軒下にキイロスズメバチの巣がありました.南側の民家の巣は道路からの距離が近く,こちらの巣でも被害が発生する可能性が十分にあったと思われます.


南側の民家とその巣 

【キイロスズメバチに36人が刺される 長野県】  2010年10月3日午前10時20分頃,長野市の飯綱高原で,マラソン大会に参加していた小・中学生21人,大人15人の計36人がキイロスズメバチに刺され,内33人が病院搬送されたがいずれも軽傷.巣は道路脇の廃屋にあった


 
北側の民家(廃屋)とその巣

地元の人たちは普段からハチと上手に共存しながら生活されており,スズメバチ=危険なハチという認識は少ないと思われます.しかしながら,今回のように大人数が参加する行事では,普段とは全く事情が違うという認識を持つ必要があります.被害防止にはくれぐれも慎重な事前調査が望まれますが,そのためには,スズメバチの習性をよく知っておくことも大切です.

コース上に巣があった場合,時には 巣の駆除も必要でしょうが,可能であればコースの変更,通過時に巣と離れた側を静かに通行させるなど配慮することによって,被害を防ぐことも可能だと考えています.また,いつでも被害が発生する可能性があることを前提に,被害発生時の対策や対処法についても事前に良く理解しておき,参加者に周知しておくことも必要です.