>いくら様 はじめまして。旧債権償却特別勘定時代も含めて、 貸倒引当金・貸倒損失の計上はいわゆる企業会計基 準と税法基準との隔たりがあることは否めません。 興銀事件については昨年末に最高裁の判決で、貸 倒損失計上を認めたことが、大きな影響を与えてま すね。私も大渕教授や武田昌輔教授の論文、そして ついこの間の品川芳宣教授の論文を読みましたが、 「社会通念性」「確定(確実性)」がキ−ワ−ドである ように、正直言うとグレ−ゾ−ンの領域だと私も 考えます。法法22条はとても幅広い条文で、益金 ・損金の基本計上概念が書かれていて、下記に記 した税務調査でもたまたまですが、ここの概念と 通達レベルまでプ−ルダウンしての税務当局との 争いとなりました。 損失は収益費用対応や確定性を求められていな いため、今回のように判決が二転三転してしまう といえます。つまり、どこで線引きするのか難し いのです。住専処理法が発令される直前のJHL 社にはまだ返済資金が残っていたとする判断にし ても、既に閣議決定まで進んでいた訳で、一般的 に考えれば回収不能と考えるべきかと思われます。 個別引当金制度については、ひとまず平成10年 税制改正の背景について研究された後、制度の内 容を具体的に検討してみてはいかがでしょうか。 学会でも懇意にしていただいてる大江晋也教授 は、貸倒損失については貸倒引当金よりも論じる 部分がたくさんある、と話していたように、この 興銀事件を多角的に研究することは意義のあるこ とだと思います。ぜひ頑張って下さい! 何かありましたらまた書き込みして下さい。
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