墨絵の谷へ(4)
【4/23-4/27/2003】 Swiftcurrent Pass Trail
【4/23-4/27/2003】 Swiftcurrent Pass Trail
4/27: Swiftcurrent Pass Trail、雪のち曇時々晴
〜雪やこんこん〜
最終日。
が、 雪。
しんしんと降る雪。
しかしどちらにせよ今晩から明日の早朝にかけて
Seattle まで700マイル走らねばならないので、
Cardston で悶々としていても仕方ない。
US側もカナダ側も、 すっかり入国審査官と顔馴染みである。
今日も天気悪そうだね、 などと世間話など交わしつつ、
もう疑われることもなくUS再入国。
フフフ、 これがボクの周到な作戦とも知らずにオロカモノメが。...嘘。
てなわけで早速諜報活動を開始。...嘘。
Many Glacier にて。 雪が音もなくしんしんと降る。 あぁ、 車から出たくない。
テンション低低。 Swiftcurrent Pass Trail は Grinnell Point と
Mt. Wilbur に挟まれたU字谷のほぼ中央を、
鎖状に繋がった小さな湖と流れにほぼ沿って進むトレイルで、
谷の奥の方まで登りらしい登りもなく、 また昔あった山火事により森が薄く、
適度に拓けたお薦めトレイルなのである。
広いU字谷の真ん中なので、 雪崩の心配もないので、
今回クロスカントリースキーコースとして一番狙っていたコースである。
しかしこう雪が降っていては景色も何もない。 参った。
1時間ほど車の中でうたた寝。 起きた。 雪は変わらず降っている。
もうこのまま日程を終え Seattle に帰っても良いのだが、
あきらめ切れずに重い腰を上げ、 ストームクルーザーを着込み、
雪の中、 森へ繰り出す。 すると、 これがナカナカ気持ちいい。
そう、 降ったばかりの新雪の中をクロカン板が滑っていくワケで、
その滑り心地といい、 真っ白な森の中の景色といい、
ここ数日の汚れて固くなった雪とは明らかに感蝕が違う。
墨絵の中へ。 それも、 今描き終えたばかりのキャンバスへ。
ラッキーなことに、 アスペンの森を抜けたあたりから天候が回復し始めた。
白と黒の濃淡のみで描かれていた墨絵の谷が、 天然色を取り戻してゆく。
雲と雪の白と、 空の碧の見事なコントラスト。
針葉樹の葉はまばゆく緑色に光り、 岩の赤が彩を添える。 コレですよコレ。
が、 お陰で顔が焼けた。
しかし、 谷奥の、 まだ白一色のBullhead Lake に着いて間もなく、
一時(いっとき)の彩りを惜しむことなく、
また谷は音もなくゆっくりと墨絵の世界にフェードアウトしていったのであった。
今日目撃した動物:
追伸:
この日、 疑われることなくまんまとUS再入国した諜報員はこのあと、
Many Glacier から一気に Seattle へ 700マイル(1120km)の逃亡に成功。
さて、 US駐在から日本に帰国後、 これまで2回ほどこの地に訪れているが、
2000年は機体トラブルでKalispell早朝便が飛ばず、
飛行機振り替えのネゴを一日中するハメになったし、
2001年は例のテロの影響で空港が閉鎖し、帰れなくなったりと、
実は帰りに必ずトラブルに逢ってきている。
今回も、 SEA-SAN(Seattle-San Fransisco)便が(SFOの)霧で出発1時間10分遅れ、
あわやSFO-Kansai便への影響は? という懸念が出るも、 トラブルなく無事接続。
とすると、 相性が悪いのはKalispell空港と?
それはそうと、 SEA-SFO便機上より諜報活動を開始。
一枚の軍事機密写真(?)の空撮に成功。(^^;
→ こちら。
〜墨絵の谷へ〜
...のみ。