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Glacier National Park
パーク紹介
パーク紹介
Glacierってドコにあるの?
アメリカ合衆国、モンタナ州北西部のロッキー山脈一帯が "Glacier National Park"に、 アメリカ-カナダ国境(北緯49度線)を挟んだ北側、 カナダのアルバータ州に続くロッキーの一部が "Waterton Lakes National Park" に指定されています。
USA/Canada Map
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Map around the Inland North West
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Map around Western Montana
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大体の位置は掴めたかな? 詳しいアクセス情報・ゲートシティ一覧は、 "Tour de Glacier"のコーナーへ。
公園の歴史
氷河の遺した山と谷、そして西部開拓史時代
氷河期は今から約100万年前に始まり、 約1万年ほど前に終結したと云われるが、 その間、 大地を覆う氷河はアメリカ大陸に様々な足跡を残した。
元々のこの周辺一帯には、 Blackfeet(東側)、Kootenai、Salish(西側)といった Native Americanの部族が狩猟生活を営んでいた。 よくある話だが、 現在国立公園として指定されているロッキーの山々は、 彼らにとってスピリチュアルな象徴、 つまり神の宿る聖域であったらしい。
1800年初頭、 ビーバーの毛皮を目的にヨーロッパからの移民(要するに白人)が続々この地に侵入してきており、 そのお陰でビーバーの数は激減(現在、その数は回復中)。
1806年には Lewis and Clark探検隊の一行がこの地をかすめている。 彼らは、 当時(白人にとって)知られざる地であったアメリカ北西部を世に知らしめるという、 多大な功績を残した (でもネイティヴアメリカンにとってみればいい迷惑だっただろうな。 因みに彼らは「対ネイティヴアメリカンのエキスパート」とのこと)。 その後の西部開拓時代に伴い、 多くのヨーロッパ系移民が西側に住みつくようになり、 結局元々の住人であった筈の Native American 達は、 彼らのための自治区である "Indian Reservation" に追いやられて生活するはめになり、今に至る。
19世紀終わり頃、 時はゴールドラッシュに湧き上がるアメリカ大陸で、 この地域もやはり例外なく金銀銅鉱探しの標的にされるも、 どうも今一つ成果が上がらなかったらしい。 園内にはその当時の名残りの廃鉱が、 今もいくつかひっそりと残っている。
観光開発時代〜国立公園制定へ
しかしその頃、 1890年代から 20世紀初頭にかけて、 この地の美しさに魅了される人々が出始めた。 この頃の訪問客は鉄道(現在 Amtrakが運行している)を使ってこの地を訪れている。 もちろんこの頃はまだ GTTS もないが、 既に Lake McDonald のボートクルーズ(?)は始まっていたし、 山歩きや馬を使った園内探策旅行をする者もいた。
そして 1910年、 アメリカ国内 10番目の国立公園として、 Glacier National Park が誕生。 ただその景観が雄大で美しいだけでなく、 冬が厳しく人が住むのに適さない、 また鉱山としての利用価値もない、 険し過ぎて農耕のための開拓にも都合が悪いなど、 結局観光用途以外の商用価値をこの地に見出せなかったのも幸いしたらしい。
さて、 この地の調査・設立に大きく貢献したのが、 今もなお Grinnell Glacier にその名を残す、 探検家の George Bird Grinnell であった (あのへん、Grinnell だらけだもんなぁ... Grinnell Glacier, Grinnell Mtn., Grinnell Point, Grinnell Lakes, Grinnell Falls, Grinnell Valley, Grinnell Formation...)。
国立公園に制定されるとレンジャーが配置され、 また自然環境調査や保全のため、 そして観光客を受け入れるため様々な施設が作られた。
そして 1932年、 11年の年月を費し、 ついに GTTSこと Going-To-The-Sun Road が開通。
時同じくして(1932年)、 国境を隔てたお向いさん、 カナダの Waterton Lakes National Park と国際平和記念公園提携に調印。 世界初の International Peace Park の誕生と相成った。
そして現在、 年間延べ入場者数165〜190万人にものぼるこの国立公園(Waterton-Glacier)は、 1995年、 ついに世界遺産に登録される。
年々増え続ける来園者数に、 Going-To-The-Sun Road の老朽化や、 道路沿いの自然環境に対する悪影響も懸念されており、 園内における自家用車規制等の対策が検討されているという話もある。 近い将来、Going-To-The-Sun Road 数年にわたり閉鎖、 という採決がなされる日が来る可能性もないとは言い切れない。 (→ 5/2004現在、 GTTS改築計画は提案・議論はされているものの、 今後どのように進めていくべきか、 どれくらい旅行者にインパクトがありそうか、 等々まだ結論は出ていないようです。 部分的な補修工事は随時行われています。)
公園概観
"Glaciated" National Park?
"Glacier" というからには、 この公園に来れば glacier つまり氷河を見ることができるのか? 公園内には現在大小合わせて 37の氷河(1999年夏現在)が存在しているが、 各氷河の大きさ、 そしてその数は年々減少傾向にあり、 近い将来消失するだろうと云われている。 幾つかの氷河はドライヴ中やハイキング中に見物することはできるが、 残念ながらカナディアンロッキーの Asabaska Glacier などのように道路沿いから比較的簡単にアクセスできる氷河はない。 Glacier National Park はむしろ、 現存する氷河ではなく、 過去の氷河期によって形成された独特の景観に抱かれた大自然を楽しむべき公園であると言えよう。
急峻な Continental Divide(大陸大分水嶺)が南北に貫くこの公園は、 その西側で雲が雨を落とすため、 東側は西側に較べ乾いた気候になっている。 西側一帯や園内のU字谷の谷間に広がる深い森林地帯、 分水嶺付近を中心とする森林限界を超えた急峻な高山地帯、 山々に抱かれ真っ青な水を湛えた大小様々な氷河湖の数々、 そして午後の風が静かになびく低潅木〜草原地帯。 今から百万年ほど前に始まり、 約一万年前に終結したと云われる大小氷河期の氷河達は、 こんな変化に富んだ素晴しい大自然を我々に残してくれた。
その園内には、 60種を超える哺乳動物、 260種を超える野鳥類をはじめとする様々な生物、 そして 1000種以上もの植物が息づいている。
Visitor Centerは Glacier内に3つ(Apgar, Logan Pass, St.Mary... 全てGTTS沿い)、 Waterton Lakes内に1つ(Waterton Townsite そば)。
公園中央を横切るようにトラヴァースする GTTSこと Going-To-The-Sun Road、 Apgar から森林・草原地帯を抜けて北にのびる Camas Creek Road、 公園北東部から Watertonに抜ける快適な Chief Mountain Hwy.、 そして Two Medicine や Many Glacier にアクセスする道が Glacier 園内の主な舗装路。 他、Apgar, Camas Creek Road より北にのびる Inside North Fork Road は敢えてワイルドなままの狭い未舗装路。 Waterton Lakes には、 Red Rock Canyon Hwy、 Akamina Parkway の2本の舗装路が Waterton Townsite 周辺から奥地にのびており、 幾種類もの花がこれらの道路脇を彩る。 熊など野生動物との遭遇確率も高い。 が、 残る広大な土地は歩いてアクセスするしかない。 園内のハイキングトレイル総延長は実に700マイル(1100km)を超えるそうだ。
夏の間、Lake McDonald、Swiftcurrent Lake(& Lake Josephine)、 St.Mary Lake、Two Medicine Lake、Upper Waterton Lake では遊覧船の上から柔らかなそよ風の感蝕を楽しみつつ風景を眺めることができる。
観光プランニングのヒント
さて、 日本人観光客がまず Waterton-Glacier だけを目的に来米してくるパターンは、 実はあまり多くはないのではないかと思われる。 おそらくここまで来たら Banff や Yellowstone にも行きたい、 というのが人情というもの。 いや、多くの場合逆かな。 Banff や Yellowstone を訪問するつもりで計画を立てたら、 地図上に何やらヘンな国立公園を発見してしまった、 というパターンが多いかも。 とすると、 おそらく Glacierで過ごす時間は1日、 多くて3〜4日くらいが多くの旅行者(日本から)の取る日程なのかも知れない。
その限られた時間でこの広大な公園のどこを回るか? 以下、 これがあなたにとって初めての公園来訪で、 またレンタカーを利用するものとして、プランニングのヒントを主観で少々。
- いつ旅行するか? お薦めの季節はやはり
GTTSが開通していて園内のほとんどの施設が営業している7月下旬〜9月上旬。
実に一年の3分の2が雪に覆われているので注意。
- まずは最寄りの Visitor Center で、園内の最新情報をチェック。
- GTTS は外せない。
天気が良ければ Logan Pass に車を止め、
Hidden Lake Overlook までのトレイルをぜひ歩いてみよう。
Glacierでは、
訪園中にぜひどこか一つは(サブ)アルパイントレイルを歩きたい。
→お薦めトレイルガイド参照(準備中)。
- もう少し時間のある場合、 Many Glacier にも寄ってみる。
できれば Many Glacier 内に宿泊したい。
- そこでまる一日or二日取れるなら、
Ranger引率ハイキングツアーに参加して、
Grinnel Glacier の上を歩いてみよう。
Iceberg Lake のツアーに参加するのも良い。
集合時間は朝8:30(故に Many Glacier 内に宿泊することが望まれる)、
無料(船代のみ)、
予約の必要もなし(注:近年、 人気が高く、
船の予約が前日までに必要になったという話も聞きます。
現地で要チェック(updated:9/2005))
Grinnell Glacier Hike なら Many Glacier Hotel 裏のボートドックへ、
Iceberg Lake Hike なら Swiftcurrent Motor Inn の General Store 前へ。
Many Glacier の代わりに Two Medicine Lakes 周辺を攻めると いう手もある(こちらでもレンジャー引率ツアーに参加できる)。 けど初めてならまずは Many Glacier かな。 - まだ少し時間があるなら、Waterton Lakes にも寄ってみよう。
高いが P.O.W.
に宿泊するも良し、レストランだけでも使える。
Goat Haunt までの遊覧船ツアー、
もしくは野生動物との遭遇を求めて Red Rock Canyon
Hwy.
や Akamina Parkway を走ってみる。熊を目撃できたらめっけもん。
- ちなみに North Fork はアクセスもしにくく、マニアック過ぎ。
他を行き尽してから考えれば良いだろう。
- これで大体無理して 3日。 余裕を持って 4〜5日消費。
私は週末を利用した短期の訪問ばかりやっているので、
「訪園の記録(Visit Records)」
のコーナーが、
もしかしたらあなたのプランニングの参考になるかも知れません。
- 今回は2回目だし、 もうちょっとアドヴァンスドな訪園をしたいなーというのなら、 例えば GTTS周辺から Many Glacier にかけて、 Continental Divide を跨ぐハイキングなんかはどうか? 日帰りで行けるルートもあるし、 オーヴァーナイトハイキング にも丁度良いルートが園内には沢山あるし、 ぜひハイキングをメインに考えてみよう。 West Glacier からスタートする Flathead River のラフティングなんかも家族持ちには楽しいかも。
その他、私宛にメールを下されば、
(相談に乗れる範囲で)プランニングの相談に乗りますのでお気軽にどうぞ。
宛先は
moto_i@mue.biglobe.ne.jp
です。